ブログトップ | ログイン

日本の歯科界を診る

医療・介護、負担増が焦点 全世代型会議が初会合

政府は20日、全世代型社会保障検討会議の初会合を開いた。少子高齢化に対応するため70歳まで働けるよう雇用改革を進めるなど、支え手の拡大に軸足を置く。議長を務める安倍晋三首相は「年齢にかかわらず働ける環境を整えることが必要だ」と述べた。2022年度以降、75歳以上の高齢者が急増する。医療や介護で給付と負担の見直しにどこまで踏み込めるかが焦点になる。

社会保障は利害関係者が多いため、与党で検討する場も設ける。自民党は24日、岸田文雄政調会長が本部長を務める「人生100年時代戦略本部」を開いて議論を開始する。政府と与党で調整を進めながら方向性を決める。
年内の中間報告に向けて年金や介護、高齢者の就労拡大といったテーマの検討を進める。制度改正を控える年金と介護は、来年の通常国会での法案提出をめざす。

年明け以降は医療が大きなテーマになる。
来年6月に閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で、医療制度改革の内容を固める。
22年度以降、人口の多い団塊世代が75歳になり始め、現役世代の負担は重くなる。大企業の会社員などが入る健康保険組合では、22年度にも医療・介護・年金を合わせた保険料率が30%(労使合計)を超える見通しだ。
初会合を終えた西村康稔経済財政・再生相は「次世代に引き継ぐという視点で、給付と負担の見直しについても検討していきたい」と述べた。
年金と異なり保険料率が固定されていない医療と介護が改革の本丸になる。外来で医療機関を受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする「受診時定額負担」の導入や、現在、自己負担が無料となっている介護計画の作成支援の有料化などが焦点となる。
健康寿命を延ばして元気なうちは働いてもらい、社会保障の支え手を増やす政策も重要だ。
12年から19年にかけて生産年齢人口は540万人減った。一方、女性や高齢者で働く人が増え、就業者数は全体で450万人増えた。就業率を高めれば少子高齢化の影響を和らげる効果がある。
政府は70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする法改正をめざす。中途採用や副業を後押しし働きやすい環境を整備したり、出生率を高めたりする政策も課題になる。65歳という年齢のみで規定される「高齢者」の定義が妥当かを考え直すなど、従来の常識にとらわれない議論が欠かせない。

(日経新聞)
by kura0412 | 2019-09-23 12:40 | 医療政策全般 | Comments(0)

日医からパンチの応酬

会社員の負担増を提案 医療制度改革で日本医師会

日本医師会は健保組合の保険料率を2019年度の平均9.22%から10%に引き上げれば、保険料収入は約1兆円増えると試算した

日本医師会(日医)は18日、政府が社会保障改革の議論に入るのを前に、医療制度改革に向けた提言を発表した。大企業の会社員が入る健康保険組合の保険料率引き上げや、消費税以外に新たな税財源を活用することなどを盛り込む一方、患者の負担は増やさないように求めた。
横倉義武会長が同日の定例会見で発表した。日医は政府が近く初会合を開く「全世代型社会保障検討会議」のメンバーに入っていないが、患者負担を増やす議論をけん制した形だ。

日医は健保組合の保険料率を2019年度の平均9.22%から10%に引き上げれば、保険料収入は約1兆円増えると試算した。また病気やケガで働けないときに健康保険から支給される「傷病手当金」を雇用保険で賄うことも提案した。
新たな税財源について横倉会長は「賃上げや設備投資がない企業の内部留保への課税」を挙げ、政府の検討会でも議論するよう求めた。
保険料の増収と新たな税財源の投入で患者の自己負担の引き上げは避けられるとの考え方だ。政府の検討会に日医が入っていないことについて横倉会長は「外で議論できる場をつくっていく」として日医の主張を発信していく考えを示した。

(日経新聞)



健保連からいろいろな意見が出始めている中で、日医がパンチを放ちました。記事ある疾病手当金を医療保険で対応することに疑問をもっていただけに今後議論が進むかもしれません。
by kura0412 | 2019-09-20 16:49 | 医療政策全般 | Comments(0)

先週の金土と日本摂食嚥下リハビリテーション学会に出席してきました。この学会はメンバーが多職種であるのが特徴的で、歯科医師は会員数18000人の約二割で言語聴覚士に次いで2番目、学会当日席者は6000人と聞きました。とにかくどの会場も超満員の芋洗い状態の大盛況でした。
したがって、13に分かれた会場を頻繁に移動することが出来ずに、限られたセッションでの講演ではありましたが、全体的なイメージとして「歯科の重要性」「咀嚼」について、他業種の演者から指摘されていたのが印象に残りました。
もう一つ驚くのが企業展示です。年々その数も増えると共に、参加企業も大手メイカー目白押しでした。その中でも面白かったのは「吉野家」の調整食で。のその発想の原点が社員が自分の母に最期に食べさせてやりたかったことで、会社内のプロジェクトが立ち上がり、損得抜きでの実現となった話を聞きました。
「摂食嚥下」そして「食べる」ということが、これからの大きな日本の社会のテーマであることを確認できた学会でした。歯科が先頭に立たないと。
by kura0412 | 2019-09-09 17:34 | コラム | Comments(0)

「健康寿命延伸」に歯科界も加勢、その裏事情
政府が寄せる期待に歯科医師会は応えられるか

歯科医は儲かる──。かつてそんなふうに言われていたことがあった。子供の虫歯が蔓延して「虫歯の洪水状態」と呼ばれた1960~70年代の頃だ。だが、それも遠い昔の話。歯科界の虫歯予防に向けた取り組みや歯磨き習慣の定着などで、子供の虫歯は激減。平成の時代だけ見ても、12歳児の虫歯の数は、1989年の平均4.3本から2018年は同0.74本となった。
さらに、年を取っても自分の歯が多く残る人が増えている。厚生省(当時)と日本歯科医師会(日歯)が提唱した、80歳で自分の歯が20本以上ある状態を目指す「8020(はちまるにいまる)運動」が始まったのは1989年。それから30年が経過し、当初7%程度だった達成者率は、2016年調査では51.2%と半数を超えた。
片や、歯科医の数は増え続け、2012年には10万人の大台を突破。今も毎年約2000人の歯科医が誕生している。歯科医院の施設数も増えており、厚生労働省の調べでは2018年1月末で全国に約6万9000カ所と、コンビニの数(約5万6000軒)よりも多い。
患者は減っても医院が増えるので、生き残りをかけた競争は激しさを増すばかり。さらにここへ来て、人手不足に伴う歯科衛生士や事務スタッフなどの人件費の上昇、歯材コストの値上がり、機器類の高額化の波が押し寄せ、大半の歯科医院の経営は苦境に追い込まれている。
歯科医療経営にとって頼みの綱の保険診療点数もなかなか上がらず、低迷したまま。実際、全体の国民医療費の総額がこの10年で約34兆円から42兆円に増大しながらも、そのうち歯科医療費は2兆円台半ば~後半で伸び悩みが続いている。

そんな事態を何とか打開しようと歯科界は新たなビジョンの策定に乗り出した。
日歯は6月19日、「令和における歯科医療の姿~2040年を見据えた歯科ビジョン」の策定に向けた検討会を設置し、初会合を開いた。堀憲郎会長は冒頭、「年号も変わった本年は歯科界にとっても極めて重要かつ歴史的な局面になる年」とした上で、「少子高齢化がピークを迎える2040年に向けて、歯科医療の新しい役割と責任を明らかにしていきたい」と抱負を述べた。ビジョンには、2040年に向けた歯科保健医療のあるべき姿とその実現に向けたアクションプランを盛り込む予定。10月をめどに取りまとめる。

口腔ケアが全身の健康につながる
では日歯はどこに活路を見いだしているのか。結論から言えば、口腔健康管理だ。今や元気に長生きするには、口の健康維持が欠かせないことはよく知られる。虫歯や歯周病などで歯を失い、よく噛めないままでは十分に栄養を摂取できず、体力が衰えてしまうからだ。噛むことは脳を活性化する効果もある。
さらに最近の研究では、口の中のケアを怠ると、動脈硬化や糖尿病、アルツハイマー型認知症、さらには膵がんの発症リスクまでも上がりかねないことが明らかになっている。歯周病が様々な臓器に影響を与えることは、疫学的には随分前から知られていた。だが、新たな動きとして、歯周病菌があらゆる臓器に影響を与えることを示すしっかりしたエビデンスが出てきたのだ。
口の健康が全身の健康に密接に関わる以上、当然ながら医療の財政側面に与える影響も大きい。日歯ではここ数年来、多くの調査結果などのデータを収集・分析することで、口腔機能管理の徹底によって、病気をしないで長生きできる期間が長くなるほか、誤嚥性肺炎の抑制や入院日数の短縮、抗菌薬の投与期間の減少などがもたらされる旨を実証してきた。いずれも医療費の抑制につながる。
これらを踏まえ今の日歯のアピールポイントは、口内の衛生管理は、全身の健康や寿命をも左右し、医療の財政側面に大きく貢献する点。実はその主張には追い風も吹いている。

安倍晋三首相の肝いりの政策である「健康寿命の延伸」。その旗印のもと、2017年6月に政府がまとめた「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太の方針)」では、「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」と、口の中の健康について初めて明記された。翌年の骨太の方針2018は、さらにその記述が拡充され、今年度の骨太方針2019に至っては、原案ベースだが、エビデンスを蓄積しつつ、国民への適切な情報提供も進めるといった一層踏み込んだ記述が見られる。
つまり、口腔内の健康を保つことで全身の健康の保持・増進に努めようという考え方は既に国の方針として盛り込まれている。

「喪が明けた」歯科医師会
果たして政府による歯科医療への追い風を生かせるかが今、日歯には問われている。口腔健康管理の重要性への国民的理解は深まりつつあり、歯科界の目指す新しい歯科医療の姿は国の方針として共有されつつある。そんな中で策定する2040年を見据えた新たな歯科ビジョン。そこで示す歯科医療のあるべき姿によって今後の日歯の行方もおのずと占えるだろう。
日歯を巡っては、これまで「政治とカネ」にまつわる事件を繰り返してきた歴史がある。日歯の政治団体である日本歯科医師連盟は2015年に迂回政治献金問題で当時の会長らが逮捕・起訴され世間を騒がせた。2004年にも自民党旧橋本派に対する1億円のヤミ献金事件が摘発され、やはり当時の会長らが有罪となった。同じく2004年には診療報酬改定を議論する中央社会保険医療協議会の委員を相手に贈収賄事件を起こすという前代未聞の不祥事も発覚した。
背景には政治にすがらざるをえない、歯科を取り巻く苦しい業界事情があったとはいえ、度重なる事件に世間は日歯に対し冷たい目を浴びせた。結果、世間へのアピールも限られてきた現実がある。だが、そろそろ「喪が明けたのだろう」と話すのはさる厚労省高官の弁。政府が歯科界に寄せる期待は大きいだけに、今後の日歯の行方を興味深くウオッチしたい。

(Beyond Health:庄子 育子)
by kura0412 | 2019-09-04 10:53 | 歯科医療政策 | Comments(0)

予防医療、企業に補助金 社会保障改革7年ぶり始動

政府は今秋、医療や年金など社会保障制度の全体像を見渡した改革を再始動する。
糖尿病などの生活習慣病の早期治療などに力を入れる。予防医療に積極的に取り組む企業を補助金などで支援し、社員の負担を軽減する案などを検討する。年金改革は公的年金の受給開始年齢の上限を75歳に上げ、パートにも適用を拡大する方向だ。7年ぶりの改革で膨張する社会保障費をいかに抑制できるか成果が問われる。
政府が本格的な社会保障改革に乗り出すのは、2012年に当時の民主党政権が自民、公明両党と消費税率を5%から2段階で10%に引き上げるのを決めた社会保障と税の一体改革以来だ。
政府は並行して財政改革にも取り組んできたが、高齢化に伴う医療費などの急増に対応しきれていない。

22年度から団塊の世代が後期高齢者の75歳以上になり始め、40兆円を上回る医療費を中心に社会保障費の急増が見込まれる。負担増など痛みを伴う改革への切り込みが課題だ。
今回の改革は安倍晋三首相や菅義偉官房長官が取り組んできた「全世代型社会保障」の総仕上げの位置づけだ。首相はさらなる消費税増税を否定しており、予防医療や年金の担い手拡大などを改革の柱にする。月内に有識者会議を立ち上げる。
生活習慣病の患者数は全国で約1800万人いる。予防医療に積極的な広島県呉市はレセプトデータを基に糖尿病患者に保健指導したところ、新たに人工透析した患者数が6割減った。内閣府の試算では喫煙や血糖値などリスク項目が多く当てはまる社員の1割がリスク要因を改善すると年3200億円削減できる。

予防医療に取り組む企業への支援は、例えば少量の血液でがんを見つける高度な検査で、健康保険組合などが費用を補助しやすくする。人間ドックの個人負担の軽減も探る。体重や1日の歩数などをスマートフォンで管理し、糖尿病の兆候がある人に医師が改善を促す仕組みをつくる。フィットネスジムの利用負担の軽減も検討する。
給付と負担の是正も進める。年齢にかかわらず外来で受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする「受診時定額負担」の導入を検討する。花粉症薬や湿布などを保険対象から外すことも進める。

年金制度は受給者の増加を見据えた改革に着手する。公的年金をもらい始める年齢は現在60~70歳の間で選択できるが、上限を75歳に引き上げる方向だ。元気な高齢者は働けばより多くの年金を受給できるようにする。働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度も縮小し就労意欲を高める。
政府は将来的にすべての労働者が年金に加入する「勤労者皆年金」をめざす。雇用者数は約6000万人と5年前に比べ約400万人増えた。増加分の多くが約1500万人いるパート・アルバイトが占める。
現在、厚生年金は(1)従業員501人以上の企業に勤める(2)労働時間が週20時間以上(3)月額賃金が8.8万円以上――などの要件を満たす労働者を対象にする。まず従業員の規模要件を500人以下の企業に段階的に引き下げる方向だ。
介護保険を利用する際の自己負担の引き上げも検討の対象とする。現在の負担は原則1割で、一部の高所得者が2割だ。これを原則2割に引き上げるか判断する。
改革の全体像は政府が20年6月ごろに閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む。

(日経新聞)



社会保障全体の枠組みの中で歯科の位置づけをどう考えるのか。先ずはその議論の輪の中に入ることを肝要です。
by kura0412 | 2019-09-03 09:03 | 医療政策全般 | Comments(0)