無給医 アルバイトで生計、労働契約結ばれず
文科省が調査 大学病院に2000人超

全国の大学病院にいる2千人を超える医師・歯科医師が、診療をしているのに給与が支払われない「無給医」だったことが文部科学省の調査で分かった。「別の病院でアルバイトをして生計を立てている」。支援組織には無給で働く大学院生らから窮状の訴えが届く。各病院が状況を精査中の医師はまだ1304人おり、無給医は今後さらに増える可能性がある。

同省が28日に公表した調査結果では、99大学の108大学病院に勤務する医師・歯科医師3万1801人のうち2191人が無給医だった。身分が大学院生などで、表向き自己研さんや研究が目的でも、実質的に労働していたり診療のローテーションに組み込まれたりしていた。
「別の病院で当直勤務をして生計を立てている」「教授の授業や研究を手伝って、数万円のアルバイト代を得て生活している」。勤務医らでつくる労働組合「全国医師ユニオン」(東京・千代田)には院生や研修医らから悲痛な相談が寄せられている。相談事例では多くが月収20万円程度で、時給が最低賃金を割り込んでいる。植山直人代表は「過労死ライン(月80時間)の2倍の残業をこなしながら、労働契約を結んでもらえない医師が大学病院に数千人はいる」と推測する。
労働契約がなければ労災保険が使えず、院内での感染や事故に対応できない。「労働基準監督署に訴えても『労使関係がはっきりしないと対応できない』と断られることがある」(植山代表)という。
ただ、窮状にあっても声を上げるのはごく一部。医局に反旗を翻せば、博士号や専門医の認定をとるのに不利になることを恐れていることが一因という。

各病院は調査を受けて対応を迫られている。123人の無給医がいた岩手医科大付属病院は既に全員と雇用契約を結び、給与を払い始めた。無給医だったのは院生らだが、同病院は「自己研さんや研究が目的で(無給であることを)これまでは問題にしてこなかった」という。
しかし、院生らは外来患者の診療や手当の出る宿直もしていた。弁護士と相談し、4月からは患者と関われば労働とみなすことを基本にしている。
一方、無給の医師が1304人いる7病院は現在も状況を精査中で、対応が決まっていない。日本大では日大医学部付属板橋病院など3付属病院の計683人への対応が未定で、取材に「現在調査中でコメントは差し控える」とした。
今回の調査では、各病院が医師に直接ヒアリングしたのは45病院(42%)にとどまり、ほかは病院長が診療科長に確認するなどしていた。医師からは「国が本人に直接聞かないと本当のことが分からない」との声も上がる。

(日経新聞)



これは医科と歯科が区別されていない発表です。そのそれぞれの統計、いわゆるアルバイトの実態がまでると歯科界の大きな問題となるかもしれません。
by kura0412 | 2019-06-29 08:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

政府の来年度の骨太方針に歯科の項目が載りました。これで3年連続、記載された文字数も年々多くなっています。特に今回は具体的な施策に通じる語句となっています。凄いことです。
ただ、その中で気になるのが国民への情報提供、歯科健診、歯科口腔保健の充実、医科歯科連携、歯科保健医療提供体制の構築のなど前に「エビデンスの信頼性を向上させつつ」との一言があります。
実は以前から歯科にはエビデンスが足りないということが、厚労省、医科関係者から言われていました。先日も私の友人が国会議員に陳情に行った時に、ある野党の議員からこのことを指摘されたという話も聞きました。
このエビデンスを得ることは歯科界自ら行わなければなりません。果たして迅速にどこまで得られるのか。改定作業の日程が迫る中で、憂かった見方をすればこれは絵に描いた餅にもなりかねません。そしてこの内容だと、医療・介護保険、基金事業、健診等の保健事業と予算の出所が異なり複雑で総合的な取り組みとして施策を進めなければなりません。
歯科界内部からの期待感が大きいだけに、どう具現化されるか注目です。
by kura0412 | 2019-06-24 16:39 | コラム | Comments(0)

18年の出生数91.8万人、最低を更新 出生率は1.42

厚生労働省が7日に発表した人口動態統計によると、2018年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8397人で過去最低を更新した。3年連続で100万人を割った。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.42と、17年から0.01ポイント下がった。低下は3年連続だ。晩産化や結婚をしない人が増えている影響が大きい。
出生数は17年から2万7668人減少した。最も出生数が多かったのは1949年の269万人で、18年は3割強にとどまった。比較可能な1947年以降で過去最低だった。
出生率は05年に最低の1.26を記録してから緩やかに回復し、ここ3年は1.4近辺で推移する。

出生率がほぼ横ばい圏だったのに出生数が大きく減ったのは、出産適齢期とされる女性の人口が減ったためだ。15~49歳の女性は前年に比べ1.4%減の2463万人だった。
子どもを産んだ女性を年齢別にみると、44歳以下の全ての年齢層で出産が減った。30~34歳は1万人以上減り33万4906人となったほか、25~29歳でも約7000人減の23万3754人となった。
第2次ベビーブームの1971~74年に生まれた「団塊ジュニア」世代が40歳代半ばになり、出産が減っている。第1子の出産年齢が上がっていることも影響している。
第1子を産んだ時の母親の平均年齢は30.7歳と、4年連続で過去最高水準を記録した。平均初婚年齢も夫が31.1歳、妻が29.4歳と高くなっている。結婚する年齢が上がったことで晩産化が進み、第2子、第3子を産む人も少なくなっているもようだ。
都道府県別の出生率では最も低い東京都が0.01ポイント低下し、1.20となった。神奈川県や大阪府などの大都市圏は全国平均を下回る1.3台で推移した。最も高いのは沖縄県の1.89だった。

政府は25年度までに子どもを欲しいと考える夫婦らの希望がすべてかなった場合の出生率「希望出生率」を1.8にする目標を掲げる。共働き世帯が増えるなか、出産・育児と仕事が両立しやすい環境を整えないと、出生率は上昇しない。
出生数から死亡数を引いた人口の自然増減は44万4085人減で、過去最大の減少幅だった。人口減は当面続くため、社会保障やインフラを人口減を前提にして作り直す必要が出ている。

(日経新聞)



ベストセラー・未来の年表から借りれば、まさに「静からなる有事」進行中です。
by kura0412 | 2019-06-07 16:24 | 社会 | Comments(0)

介護施設 高齢者が「助手」 掃除や配膳、職員に余力

人手不足が深刻な介護業界で、高齢者を活用する動きが全国で広がってきた。25を超える都道府県でベッドメークなど補助業務に特化した仕事を担当する「助手」として採用されている。介護福祉士など資格を持つ職員には本来の業務に集中してもらう狙いだ。介護は2025年度まで55万人の人手確保が必要とされており、元気な高齢者の活躍が欠かせなくなった。
「介護士などの専門職が、より利用者と接する時間を増やせるようになった」。介護大手、ツクイで東京都西部の多摩北エリアを管轄する細野雪枝エリア長はこう利点を話す。同社は17年から介護助手の受け入れを始め、3月末時点で263人が働いている。このうち65歳以上が25%の67人、60歳以上だと35%の91人がいる。

介護助手に明確な定義はないが通常、掃除やベッドメーク、食事の配膳など介護の周辺業務を手掛ける職員を指す。1日3時間、週3日程度で余裕を持って勤務するケースが多く、施設から給与が出るのが一般的だ。
老人保健施設協会が主導して始まった三重県では県の基金を活用し、介護助手の採用にかかる費用を補助している。18年10月時点で約120人が介護老人保健施設で働いており「ほぼ全てが60歳以上」(三重県老人保健施設協会)という。全国では高齢者の活用は東京都や神奈川県、福岡県など25を超える都道府県に広がった。

介護助手が脚光を浴びている背景には、慢性的な人手不足の問題がある。介護業界で働く人は16年度末時点で190万人。厚生労働省の試算では25年度末に245万人が必要になる見通しで、55万人の人手が不足する。
足元でも採用に苦労しており、18年度の介護関係者の有効求人倍率は3.95倍で全職種の2.7倍に達している。
介護を受けたり寝たきりになったりせず、日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は16年までの12年間で男女ともに2歳以上延びている。定年退職後、社会とのつながりを求めるシニア世代の活躍の場として生かせれば、人手不足対策の一助となる。
介護助手を導入することで「介護福祉士」など専門的な職員の負担が軽減され、高齢者への直接的な介助や高齢者の家族との相談など、より高度なサービスに集中できる利点もある。全国に先駆けて制度を始めた三重県では、導入施設で介護職員の離職率が半分以下に低下しており、介護人材の需給ギャップの縮小につながっている。
厚労省は高齢者の参加を促すため、18年から介護の基礎知識を学ぶ入門者向けの研修制度を整えた。19年度も都道府県と合わせて124億円の予算を計上し、受け入れ体制の整備を進める。
大和総研の石橋未来研究員によると「海外では欧州を中心に、介護サービスの専門性に応じた業務分担が行われる傾向がある」という。労働集約的な介護業界に闇雲に人材を集めても、生産性向上は見込めない。専門職が高度なサービスを提供し、産業の付加価値を高めていくためにも業務の分業化が欠かせなくなっている。

(日経新聞)



記事では触れていないが、助手となる前期高齢者の健康寿命が延びることも非常に重要な要素です。
by kura0412 | 2019-06-07 12:07 | 介護 | Comments(0)