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病院ベッド回復期不足

病院ベッド、需要とズレ
回復期が不足、重症向け過剰 転換遅れ、財政に悪影響

病院ベッド(病床)と医療ニーズにズレが生じている。厚生労働省がまとめた2025年の病床数の見通しによると、重症者向けの「急性期病床」は必要量に対して18万床の過剰となった。リハビリ用の「回復期」は18万床不足する。高齢患者のリハビリニーズが高まるのに病床の転換が進まない。高額な急性期が余ったままだと、医療費が膨らむ恐れがある。

主に重症患者を治療する高度急性期や急性期のベッドは、手厚い医療を求められるため医師や看護師を多く配置する。回復期よりもコストがかかる分、病院が受け取る診療報酬が手厚い。
厚労省は団塊の世代が75歳以上を迎える25年ごろから回復期のニーズが高まるとみて、急性期のベッドを回復期に転換する政策を進めている。軽症患者が急性期を使うといった非効率な医療を変える狙いもある。都道府県は「地域医療構想」を作り、病院ごとの病床の削減策や転換策について各地域で調整を進めている。
ところが厚労省が25年の病床数の見込みについて病院に報告を求めてとりまとめたところ、目標とのズレが大きいことがわかった。
高度急性期と急性期の病床数は25年時点で53.2万床まで減らす必要があるが、72万床になる見通しとなった。回復期は37.5万床まで増やす目標だが、19.2万床までしか増えない。
転換や削減が進まないのは、自治体が運営する公立病院や日本赤十字社などの公的病院が改革を避けているためだ。公立・公的病院で急性期のベッドの過半を占める。

「急性期は高度な医療」とのイメージが強く、病院側が名乗りたがることが背景にある。公立病院は同一市町村内の移転でさえも住民の反発を招くことがあり、改革に後ろ向きな首長が多い。報酬の手厚い急性期を減らすと減収につながるとの懸念もある。
日本医師会総合政策研究機構によると、公立病院への公費の投入は年間5000億円を超える。厚労省は赤字を垂れ流す現状を問題視している。だが公立病院の所管は総務省で、交付金や補助金の見直しに直接関与できない。
厚労省は公立・公的病院を対象に、地域に欠かせないがん診療や救急などの実績を個別に検証する作業に着手した。民間病院では担えない役割を果たしているか調べるためだ。分析の結果、他の病院と代替可能と判断すれば再編を迫る考えだ。
公費の投入額や活用状況を明らかにし、問題のある公立病院の実態を浮き彫りにする案も浮上している。
国民医療費42兆円のうち入院医療費は約4割を占め、医療保険財政への影響は大きい。病院はベッドが余ると患者を入院させる動機が働きやすく、医療費の増加を助長しかねない。

(日経新聞)



医科歯科連携を唱えていますが、このベットの機能区分をを考慮する視点が欠けているように感じています。
by kura0412 | 2019-05-31 14:23 | 医療政策全般 | Comments(0)

上手く行きそうには感じません

診療所の都市偏在を是正、在宅医療の拠点化も 厚労省

厚生労働省は診療所の新設が都市部に集中する状況を是正する。
過去5年間で増えた診療所のうち6割強は東京などの5大都市部に集中し、医療を受けられる機会に偏りがある。厚労省は医師が多い地域での開業には在宅医療や休日・夜間の診療などを担うことを求める。条件を厳しくして地方での開業を促すとともに、都市部では高齢化に対応できる医療の拡充をめざす。

厚労省によると全国の診療所は2017年時点で10万1471カ所ある。過去5年間の増加数は1319カ所で、その前の5年間の約2倍に増えた。増加が目立つのは人口が多く、多くの患者が見込める都市部だ。
東京23区と大阪市、名古屋市の5年間の増加数は計683カ所だった。札幌市と福岡市も合わせると計850カ所で、増加分の6割強を占めた。
厚労省は全国を335の医療圏に分け、人口構成や患者の移動などを考慮した人口10万人あたりの外来医師の数を集計した。その結果、全国平均の105人に対し、東京の都心部は192人、大阪市は129人、福岡市とその周辺は144人にのぼった。一方、福島県や香川県などでは50人を切る地域もある。
診療所や医師が偏ると、過疎地などで患者が必要なとき必要な医療を受けられなくなる恐れがある。都市部も集中して過剰になると、患者の奪い合いで経営が非効率になる。入院用のベッドがある病院の場合は過剰な地域では増床できない。一方、ベッドがない診療所はこうした規制がない。

厚労省は偏在の是正に乗り出す。
まず全国の335の医療圏について、医師が多い上位3分の1の医療圏を「多数区域」とする。この地域で診療所を新設する医師には、(1)在宅医療(2)休日・夜間診療といった初期救急(3)学校医など公衆衛生――のうち、都道府県が必要とする機能を担うよう求める。20年度から実施する。
厚労省はこうした機能を担えない診療所が郊外や地方などで開業を選べば、医師の偏在の是正につながるとみる。
診療所の機能を高めて医療費を抑える効果も見込む。
入院を減らして医師が患者を訪問する在宅医療が広がれば、全体で医療費の伸びを抑えられる。病院への救急搬送では比較的、対応が容易な軽症の場合も多い。診療所で対応することで大病院の負担を軽減できる。
日本の医療費は増加が続いており、17年度の概算で42.2兆円と過去最高を更新した。今後も増え続け国の財政を圧迫する見通しだ。厚労省は医療費抑制策の一環として診療所の配置の適正化に取り組む。

(日経新聞)



これからの医療はやはり医療圏が大きな基準です。
但し、方向性としては理解できても、なんとなく上手く行きそうな感じはしません。そして歯科は野放しですか?
by kura0412 | 2019-05-24 09:41 | 医療政策全般 | Comments(0)

元厚労省官僚が、生活習慣病対策で「総医療費が減る」は嘘

生活習慣病対策で「総医療費が減る」は嘘

健康寿命が伸びれば、平均寿命も伸びる
「予防をすれば国は医療費を抑制でき、民間には新しいビジネスチャンスが生まれ、個人は健康でいられる」――最近こんな言説が出回っています。
本当ならこんないい話はありません。予防で医療費は減らせるのか? データと医療政策の歴史に基づいて検証してみましょう。

「高齢化(高齢者の増加)」とは一人一人の「寿命の伸長」の結果です。高齢社会で医療介護費が増大するのは、寿命が伸びれば生涯医療介護費(正確には医療介護ニーズ)は増大するからです。要医療(入院)・要介護者の割合は加齢とともに加速度的に上昇し、85歳を過ぎれば半数の人が要医療・要介護になります。「高齢者の高齢化」が進めば高齢者の数以上に費用も増大していきます。平均寿命が男女共80歳を超える日本では、男性の25%、女性の50%が90歳を超えて生きます。寿命が伸びればこの比率はさらに高くなりますから、医療介護費は増大していくことになるのです。
日本人の平均寿命がこれほど伸長した要因は、経済成長による生活水準・衛生水準の向上、そして医療サービスの普及とイノベーションです。皆保険ですべての国民が医療を受けられるようになった。治せなかった病気が治せるようになった。諦めていた患者の命が長らえるようになった。医療にくわえて公衆衛生・栄養水準を充実させ、国民に適切なサービスを提供してきたからこそ、寿命が伸びて高齢社会が実現できた、という歴史の事実を忘れてはいけません。
先進国にふさわしい医療・介護サービスを行う限り、長寿化=医療介護ニーズの増大に応じて医療介護費は増大していきます。これはいい悪いの問題ではなく、事実として議論の前提におくべき話です。
「予防で医療費・介護費を減らそう」「健康寿命を伸ばして医療費を減らそう」という議論はこれまでも何度もありました。要するに「ニーズを減らして医療費を減らそう」という発想です。

しかし残念ながら、医療経済学の世界では「予防で医療費が減らせることはない」というのが共通の知見であり、常識です。「健康寿命が伸びれば医療にかかる人が減って医療費が減るはず」と思うかもしれませんが、健康寿命と平均寿命はパラレルに伸長しています。「健康寿命を伸ばす」とは「老化のスピードを遅らせる(今の80歳は昔の65歳)」ということなので、長期で見れば「健康寿命の伸長→生涯医療費の削減」というわけにはいきません。
たとえば禁煙対策。多くの医療経済・公衆衛生研究では、禁煙は短期的には医療費を下げますが、長期的には余命延長により生涯医療費を増加させることが確認されています。

生活習慣病対策も同じです。
「健康は個人の責任であり、個人の努力で医療費を減らすべき」という主張がありますが、これは、多くの生活習慣病には社会環境など多くの外的要因が複雑に関係している、という医学的知見を無視ないし軽視した暴論です。
実際、短期的には成功しても、長期的に医療費を減らすことに成功した予防医療の例は世界を見渡しても見当たりません。大半の予防医療は長期的にはむしろ医療費や介護費を増大させる可能性のほうが高く、予防医療に投入されるコストを考えればトータルの社会的費用は確実に増大します。

終末期医療をコストで語るな
特に看過できないのは、最近の終末期医療の議論です。「余命いくばくもない患者に無駄に医療が提供されている」「死ぬ前の数日で膨大な医療費を使った」などと個別事例を引き合いに出した議論があります。しかし、終末期の定義や、そこで提供されている緩和医療・ホスピスのような医療の意味を理解して議論しているのかかなり怪しいですし、そもそも「すべての死亡前1カ月」の医療費を総計しても医療費全体の3%にしかすぎません。
終末期医療の問題は生命観・倫理観に関わる難問です。医療費抑制というコストのために人の命を秤にかけるような議論をするのは危険です。この議論の行き着く先に何があるか、80年前のドイツで現実に起こった凄惨な歴史を想起してほしいと思います。
当たり前の話ですが、人間、最後は死にます。これだけ医療の進歩したこの国では、事故で即死でもしない限り死ぬ前には必ず一定の、それも決して短くない「要医療・要介護期間」があります。21世紀を前に私たちが介護保険を作った理由は、高齢社会の介護が「看取りの介護」から「生活を支える介護」「誰もが直面する介護」になったからです。ピンピンコロリは個人にとっては理想でしょうが、個別のエピソードと政策立案の基礎となるマクロの社会的事実は大いに異なるのです。

そもそも予防や健康寿命の伸長とは、一人一人のQOL向上のための施策です。文字通りプライスレスな価値を創造する取り組み、コストをかけてでも推進すべき施策なのであって、目先の医療費削減や健康サービスの産業化で議論するのは大きな心得違いです。
長寿社会の医療介護費対策には、発想の転換が必要です。
「抑制」「削減」は無理でも「最適化」することはできます。ニーズを抑えるのではなく供給サイドの改革をする、限られた人的・物的資源で医療介護ニーズの変化に対応していく「提供体制改革」です。

医療・介護提供体制の「選択と集中」を
働き方改革論議で、医師や看護師の過重労働が問題になっています。誤解を恐れずに言えば、今の日本の医療介護提供体制は「戦力の逐次投入」と「有限資源の薄まき」、そして「ミスマッチ」状態です。現場の医療・介護従事者があれだけ働いているのに、全体としては効率的なサービス提供が実現できていない。このままでは増大する医療介護ニーズを支えることは難しい。限りある人的・物的資源の効率的利用という観点から思い切った「選択と集中」が必要です。
具体的には、疾病構造・患者像の変化に合わせた病院機能分化の徹底。
急性期病院では資源の集中投入で早期治療・入院期間短縮を目指し、退院後は地域医療・在宅介護で支える。治療から生活支援へ、施設から在宅へ、医療から介護へ、病院・施設から地域・在宅へと医療介護全体の人的・物的資源を大きくシフトし、「地域完結-ネットワーク型」の提供体制を構築する。

人的資源の効率活用も欠かせません。専門職の機能分担を見直して、専門職は専門職にしかできないことに集中してもらう。というのも、労働人口が減る中で、患者の増加に比例して医師や看護師などの専門職の数を増やすことは不可能なのですから。
医療・介護提供体制改革に取り組むのはとても地味でしんどい作業です。政治家にとっても「不人気で有権者にウケない、地味すぎる政策」に違いありません。そんな中で、自称「改革者」たちが唱える「予防で医療費は減らせる」「取り組みが進まないのは既得権益やしがらみを持つ者が抵抗するから」という主張は、心地よく響くことでしょう。
しかし実際には予防で医療費抑制などはできず、真の改革の機会は失われ、総医療費はかえって増大します。十分な給付ができなくなり、「医療格差」が生まれ、制度への信頼・社会の統合が失われる……。過去の経験はその可能性を示唆しています。

政策とは客観的事実と大局を見て組み立てるものであり、制度を担う者が負っているのは「しがらみ」ではなく「責任」、それも「結果責任」です。その重みを理解しないものが無責任な言説を展開して、物事がうまくいったためしはないのです。
霞が関の政策担当者は結果に責任を負っています。ぜひ、専門集団としての矜持と自覚、そして使命感をもって事に当たってほしいと思います。

※本稿は個人的見解を示したものであり、外務省ともアゼルバイジャン大使館とも一切関係ありません。
香取照幸(かとり・てるゆき)
元・内閣官房内閣審議官・駐アゼルバイジャン共和国大使
1956年、東京都生まれ。東京大学卒。厚生労働省で政策統括官、年金局長、雇用均等・児童家庭局長を歴任。内閣官房内閣審議官として「社会保障・税一体改革」を取りまとめた

(香取照幸:PRESIDENT Online)



突っ込めるところが満載の内容ですが、これが局長級トップクラスの元厚労官僚の考え方です。
by kura0412 | 2019-05-21 17:14 | 医療政策全般 | Comments(0)

GDPがプラスでも、、、

野党、不信任案の時期探る 「同日選」警戒、狭まる選択肢

菅義偉官房長官は20日の記者会見で内閣不信任案が解散の大義になるかと問われ「当然のことではないか」と述べた。17日の記者会見でも質問され「当然なるのではないか」と答えていた。立民の福山哲郎幹事長は「野党第1党の党首があたかも解散権を握るような事態は非常に不可思議だ」と警戒を強める。

野党の内閣不信任案提出を受け、採決せずに衆院を解散したのは現憲法下で5回ある。
たとえば1958年は衆院本会議で与野党による賛成、反対の討論後に当時の岸信介首相が解散に踏み切った。79年には大平正芳首相が不信任案の採決前に解散している。83年は実刑判決を受けた田中角栄氏の辞職問題で国会が空転し、中曽根康弘首相が不信任案を受けて解散した。
野党内では一時、1~3月期の国内総生産(GDP)速報値がマイナスになれば経済政策の失敗を理由にした内閣不信任案を20日にも出す案が浮かんでいた。
内閣不信任案の提出は会期末ごろが多く、6月26日が会期末の今国会でみれば1カ月以上早いタイミングだ。通常国会で会期末より1カ月以上前に出した例は自民党が結党した55年以降、5回しかない。
このうち2001年の森喜朗内閣に対する不信任案は「加藤の乱」の翌年だった。通常国会で首相退陣論が高まると、野党は不信任案の早期提出に動く。加藤紘一氏ら7人が採決を欠席した。
1~3月期のGDP速報値は2四半期連続のプラス成長となり、経済失政を理由とした内閣不信任案はわかりにくい。複数の野党幹部が「すぐに出すのは難しい」と見送る考えを示した。

衆院選準備が遅れる野党にとって内閣不信任案の早期提出は、衆参同日選の可能性をつぶす戦術の一つだった。
衆院選の投開票日は憲法で解散から40日以内と定められている。参院選は改選議員が任期満了を迎える1カ月前の6月28日より前倒しできない。
5月20日の解散なら、日曜日が投開票日となる衆参同日選は不可能だった。21~27日の解散でも同日選の投開票日は6月30日に限られる。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議は6月28~29日を予定し、外交日程と重なる可能性がある。

野党の選択肢は狭まる。
児童虐待防止法と児童福祉法の改正案は野党5党派が共同提出した対案を同時に審議しており、与党は修正協議に応じる構えだ。その成立前に野党から内閣不信任案は出しにくい。
国民民主党の玉木雄一郎代表は20日の講演で「国会が終わるころにはいつも出している」と話した。6月21~26日に内閣不信任案を出して首相が解散した場合、参院選の投開票日と目される7月21日の同日選が可能になる。野党側には解散を誘発する懸念もある。

(日経新聞)



予想外の成長も内需陰り GDP1~3月実質2.1%増 4~6月ゼロ成長予想

内閣府が20日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0.5%増となった。年率では2.1%増。一部で景気後退懸念も出始めるなか、予想外の高成長となった。実際は輸入の大幅な落ち込みが成長率を押し上げた形で、内需にも陰りが出つつある。民間エコノミストは4~6月期を平均でゼロ成長と予測しており、なお先行き不透明感が強い。

市場では今回のGDPについて、マイナス成長もあり得るとの見方が広がっていた。結果はQUICKが集計した民間23社エコノミストの予測平均(前期比年率0.2%減)を超え、予測の最高値だった1.4%増も上回った。
内閣府は今月13日、景気動向指数に基づいて景気の基調判断を機械的に「悪化」に引き下げた。今回GDPが2四半期連続のプラス成長を確保したことで、景気悪化に対する過度な懸念はひとまず和らいだ。
1~3月期のGDPは、主に外需が押し上げた。前期比0.5%増の内訳を見ると内需が貢献したのは0.1%分だけで残る0.4%分は外需が押し上げた。

外需は輸出から輸入を差し引いた「純輸出」ではかる。今回、外需が増えたのは輸入の下げ幅が輸出の下げ幅より大きかったためだ。1~3月期は中国経済の減速で輸出が2.4%減ったが、輸入は4.6%減とリーマン・ショック直後の2009年1~3月以来の大きな落ち込み幅となった。企業の生産活動に必要な原油や天然ガスなどの輸入が減った影響が大きい。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長になったが「実際の景気は見かけよりもかなり悪い」(木内氏)。実際、内需の二本柱である個人消費と設備投資はどちらも2四半期ぶりにマイナスに転じた。

成長率が6月10日公表予定のGDP改定値で下方修正される可能性もある。
改定値では6月1日発表の財務省の法人企業統計を利用して、設備投資などを推計し直すためだ。過去には18年7~9月期の実質GDPが改定値段階で前期比年率1.2%減から2.5%減に下方修正された時も、法人企業統計を受けて設備投資が大幅修正されたことが響いた。
日本経済新聞が20日に集計した民間13社のエコノミスト予測によると、4~6月期の実質GDPは年率換算の平均値で前期比0.004%減と、ゼロ成長にとどまる。大型連休に伴う支出増や消費増税前の駆け込み需要が始まることで、個人消費は持ち直しそうだ。
半面、中国経済の不透明感や米中貿易摩擦の激化がリスクとして残る。第一生命経済研究所の新家義貴氏は「輸出は当面伸びにくい状況が続く。設備投資にも波及する可能性がある」とみている。

(日経新聞)




GDPがプラスとなったから衆議院解散が遠のいたのではなく、いろいろな要因で逆に近づいたとも考えられるようです。そして今週トランプ大統領が来日します。その反響によっては安倍政権のプラス材料となり一気にW選挙に動き始めることも考えられます。
by kura0412 | 2019-05-21 17:00 | 政治 | Comments(0)

リーマンショック級ではないようですが

喜べないGDP2.1%増 「輸入減で高成長」の不安

景気悪化への懸念が強まる中で20日に発表された2019年1~3月期の国内総生産(GDP)は、実質ベースの年率で2.1%増と高めの成長率だった。民間エコノミストの多くが事前にマイナス成長を予測していただけに予想外の数値だ。ただ内容を見ると「輸入の急減が成長率を押し上げた」という統計上のカラクリがあり、手放しでは喜べない。

GDPは各種の経済統計をもとに、一定期間内に国内で生み出された付加価値を推計する経済指標だ。このうち輸入は海外で生み出された付加価値と捉え、その分をGDPの総額から差し引くことになっている。このため輸入が減れば、GDPから差し引く分が減り、前期比の成長率で計算すると伸び率は上振れることになる。
19年1~3月期の輸入は前期比で実質4.6%減った。年率換算では17.2%減と09年1~3月期以来となる10年ぶりの減少幅となった。この結果、19年1~3月期のGDP総額は予想より大きくなり、18年10~12月期と比べた成長率を押し上げることになった。

問題は輸入の急減が日本経済の停滞を映している可能性が高いことだ。
内閣府は輸入減の理由を「原油や天然ガスの輸入が減ったため」と説明する。一般に企業活動が鈍ればエネルギー関連の需要は鈍る。財務省の貿易統計によると、1~3月期は原油など燃料のほかにも化学製品や機械、半導体など電子部品の輸入も減っている。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長となったとはいえ、「実際(の景気)は見かけよりもかなり悪い」。
第一生命経済研究所の新家義貴氏も国内の需要動向を映す輸入が減っていることを重く見て、「1~3月期が想定を超える成長率になったからといって、景気鈍化の不安が払拭されたとは言い切れない」と指摘する。
企業が日本経済の先行きに慎重になり、身をかがめた結果の輸入減だとすれば、この先は設備投資の鈍化に波及する懸念が強まる。
貿易戦争などで外需が揺れる中で日本経済を下支えしてきた内需は変調の兆しが出始めた。1~3月期は設備投資が前期比0.3%減、GDP総額の5割以上を占める個人消費も0.1%減った。内需の柱が細れば、米中の貿易摩擦で外需が一段と冷え込む事態への耐久力が弱まる。
市場の事前予測と大きく食い違う結果になった1~3月期GDPの高成長は、この先の日本経済に訪れる変調をより深刻に映している可能性もありそうだ。(中村結)

(日経新聞)



この度発表に対する分析に関しては関係者の間でも意見が分かれるようです。然しながら、「リーマンショック級の経済状況」となるとどうなのでしょうか。これでW選挙は遠のいた感じがしますが。
by kura0412 | 2019-05-20 16:01 | 経済 | Comments(0)

マイナンバーカードが保険証代わりになって

改正健保法が成立 マイナンバーカードを保険証代わりに

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする改正健康保険法などが15日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。2021年3月までの利用開始を目指す。公的手続きなどをネット上で済ませられるデジタル社会づくりを後押しする。

健保法を含む8つの法律を一括で改正する。マイナンバーカードの普及率は現在1割強にとどまる。健康保険証代わりに使えるようにして利用者を増やす。健康保険組合も保険証を発行するコストを減らせる。
今回の法改正では外国人労働者の受け入れ拡大に対応し、健康保険の適用対象を厳しくした。給付を受けることができる扶養家族を原則、国内居住者に限る規定を盛り込んだ。医療費の抑制や不正利用の防止が狙い。同規定は20年4月に施行する。
4月に始まった新たな在留資格「特定技能」で日本で働く外国人労働者が増えるとみられる。母国に残した家族の医療費も日本の健康保険で賄えば、医療費の膨張につながるとの指摘があった。

(日経新聞)



今後普及して税と医療を統合的に管理することになるのでしょうか。
by kura0412 | 2019-05-16 09:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

「1回3300万円の白血病治療薬、保険適用へ」

1回3300万円の白血病治療薬、保険適用へ

1回の投薬で、約3300万円もするがん治療薬が公的な医療保険でカバーされるようになる。厚生労働省は15日、白血病などで高い治療効果が見込まれる「キムリア」の保険適用を決める見通しだ。
厚労省は同日開く中央社会保険医療協議会(中医協)で、キムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示す。承認されれば、キムリアの保険適用が決まる。

キムリアはスイス製薬大手ノバルティスが開発した。CAR-T(カーティー)と呼ばれる新たながん治療法の薬だ。患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えて、がん細胞への攻撃力を高めてから体内に戻す。国内では初の保険適用になる。海外では米国や欧州、カナダ、スイスなどで製造・販売の承認を得ている。
投与は1回のみだ。ノバルティスの試験では、若年の白血病患者で8割に治療効果が見られた。対象になる患者は216人と見込まれている。市場規模は72億円だ。
超高額薬でも患者の負担は少なくて済みそうだ。公的医療保険は患者の窓口負担が現役世代で3割だ。これに加え医療費の負担が重くなりすぎないよう1カ月あたりの自己負担の上限を定めた高額療養費制度がある。例えば、年収が約500万円の人がキムリアを使った場合、40万円程度の負担で済む。
問題は3300万円の大部分を税金と社会保険料で支払っていることだ。患者が加入する健康保険組合の負担は大きい。高額療養費の支給金額は2016年度で2兆5579億円となっている。

(日経新聞)


規模は72億円と推測され、オブシーボとは異なり一回投与ということですが即保険適応です。
by kura0412 | 2019-05-15 08:47 | 医療全般 | Comments(0)

歯髄幹細胞の行方

歯神経の再生医療に参入 エア・ウォーター

産業ガス大手のエア・ウォーターは9日、2021年に歯の神経の再生医療事業に参入すると発表した。歯科医院から歯の神経の幹細胞の培養・加工を受託する。歯がないことによる病気を防ぐため、歯の再生を望む高齢者が増えると見込む。21年度に3億円の売り上げを目指す。

神戸市の開発拠点に細胞の培養設備と再生医療の臨床研究を担う歯科医院を置く。同医院の院長には国立長寿医療研究センター研究所で幹細胞再生医療研究部長を務めた中島美砂子氏を招く。培養した幹細胞を使って臨床試験し、有効性を確かめて事業化する。
一般の歯科医院から患者の親知らずなど不要な歯を受け取り、神経幹細胞を取って培養。増やした幹細胞を歯科医院に届ける。患者の歯に幹細胞を移植すると1カ月後に歯の神経が再生するという。
神経は歯の中心部にあり、重度な虫歯などの治療で取りのぞく。歯茎の炎症に気づきにくくなるため症状の悪化が進み、歯を抜くことになる場合が多い。

(日経新聞)




この記事にもあるように歯髄幹細胞は再生医療の世界では非常に有力らしく、既にある歯科大(日歯大)では積極的にこの分野を展開しています。ただ、歯科界のビジネスとして流れがはっきりと描かれていません。歯科というものが社会に大きく視線がそそがれそうなテーマだけに、注目しています。
by kura0412 | 2019-05-13 09:26 | 歯科 | Comments(0)

「日本の歯科医療は信頼度が増している」と言い切れるか

「医療を守るには、そんなにお金のかかることではない」財源確保で議論

第30回日本医学会総会で4月27日、学術プログラム「超少子高齢社会を乗り切る医療制度改革と財源選択」が企画され、医療費の財源確保について議論した。座長の二木立氏(日本福祉大学名誉教授)は「医療費は対GDP比で見るのが適切であり、今後漸増するが、急騰はしない」と強調した。

二木氏は冒頭に「医療費・社会保障給付費の規模は対GDP比で見るのが適切であり、政府の公式推計では、この比率は今後漸増するが、急騰はしない。そのため、医療費の抑制ありきの行き過ぎた改革は避け、国民皆保険制度を堅持しつつ、良質で公平な医療を効率的に提供するための改革を着実に進める必要がある」と強調した。

慶応義塾大学商学部教授の権丈善一氏は「今後の日本を乗り切る医療制度改革と財源選択」として、自身が担当した2013年の社会保障制度改革国民会議の報告書や日本医師会・医療政策会議平成28・29年報告書『社会保障と国民経済』について解説した。「先入観を変えてもらわないといけない」と強調し、日本の生産年齢人口一人当たり実質GDPは世界的に見ても健闘していると説明。「デフレ下でも日本の経済はしっかり成長しており、日本はそんなに大きな病ではない」と述べた。
2018年に公表された「2040年の社会保障給付は現状の1.6倍の190兆円」という内閣府の推計についても、「名目値で見ると1.6倍だが、GDP比で見ると1.1倍ぐらいにしかならない」と説明。医療に関しては1.2倍になる見込みとして、「なんとか財源確保していかなくてはいけない」とし、消費増税の必要性などを指摘した。国の債務が増加の一途にあることについては「孫、ひ孫にどのように素晴らしい社会保障を残していくか。もう守れなくなっている」とした上で、「医療を守っていくのはそんなにお金のかかることではない」として財源調達の議論の重要性を指摘した。

厚生労働省大臣官房審議官の迫井正深氏は「医療制度改革がめざすもの -2025年以降を見据えて」として、厚労省が進める地域包括ケアシステムや働き方改革について説明した。入院医療については、「フェアで適切なデータによる分析を踏まえて、地域医療構想を着実に進めていくことに尽きる」と説明。外来については「『面倒見の良い外来』が重要で、地域にコミットするかかりつけ医の存在が重要になる」と述べた。また、医療と社会は互恵関係として、働き方改革の議論からも患者の意識を変えていくことも必要と指摘した。

産業医科大学医学部公衆衛生学教授の松田晋哉氏は「医療の『見える化』と地域医療構想」として、名古屋医療圏を例に取り、今後の変化について議論した。名古屋圏では大病院の機能分化が進んでおらず、療養病床が少ないとし「本当にこのまま進んでいくのか」。高齢者の慢性期患者をどこで診るかを考える必要があると指摘した。
各地域で進む地域医療構想に関する議論については、高度急性期、急性期は「診療報酬改定と働き方改革で自然に落ち着く」との見解を示した。一方で、今後、急増する慢性期は慎重に検討する必要があるとし、「ドクターは慢性期を甘く見ている。在宅医療が進んでいるが、さらに増やせるのかは各地域でデータに基づいて考えていく必要がある」と述べた。

「日本の医療への信頼度増している」
会場からは患者の受療行動をどのように変えていくべきかという質問が出た。迫井氏は「それぞれが粘り強くやるしかない。働き方改革をやるには地域、患者さんの協力が不可欠。予算をいただければ定期的にキャンペーンをやっていきたいと考えている」と説明。二木氏は「過去30年の範囲では、日本医師会、日本の医療に対する信頼感は強くなっている。マスコミの理解も進んでいる」と指摘した。
医師養成に関する質問では、権丈氏は「18歳人口の100人に1人が医学部進学という状況が続くといずれ供給過剰になる。しかし、現在は足りておらず、育てるのに10年かかる。今の段階で入学者を増やすわけにはいかず、今は無理をしながら調整していくしかない」と説明。二木氏は「医師数の増加が医療費増加につながるというのは学術的には完全な誤り。医師数と医療費は切り離さなければならないというのが共通理解」とコメントした。
高額薬剤の問題については、二木氏は「公的医療が多い国では、医療費は低い。(オプジーボ登場時のように)大騒ぎすることも医療のシステムであり、高額薬剤が個別に出てくることがあるが、いつの間にか公的医療保険が価格を調整する」と説明。迫井氏も「経験則だが、法外な値段をつけると売れない。インターフェロンや透析が出てきたときにも破綻すると言われたが、破綻していない」と述べた。

(m3.com)



この記事を見ての素朴な疑問。「日本の歯科医療への信頼度は増している。」と言い切ってくれる経済学者がいるか否か。またそれを軸に政策展開が可能かどうか。そして財源論を繰り口に議論も必要です。
by kura0412 | 2019-05-08 17:25 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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