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疼痛薬市場は成長率鈍化の見通し

2026年予測 慢性疼痛薬市場 19年に1500億円超え、成長率は鈍化の見通し

富士経済はこのほど、慢性疼痛治療薬の市場規模が2019年に1500億円を超えるものの、26年に向けて成長率は鈍化するとの市場予測をまとめた。高齢化の進展に伴い患者数の増加は見込まれるが、慢性疼痛薬トラムセット(一般名:トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン)に18年12月に後発品が参入し、26年までにリリカ(同プレガバリン)やサインバルタ(同デュロキセチン)といった慢性疼痛の主要製品にも後発品が登場することで、市場の伸びは抑えられるとしている。
調査方法は同社専門調査員による参入企業や関連企業などへのヒアリングや文献調査などをもとにまとめたもの。調査期間は18年7月~10月。

慢性疼痛薬の17年の市場規模は1412億円、前年比13%増、18年見込は同1498億円、6%増と成長していた。しかし、19年~23年は毎年0~1%台の成長率にとどまると予測。24年と25年は2~3%程度で伸び、25年には1650億円近くに達するが、26年は一転、マイナス2%弱の成長率になるとしている。26年の市場規模は1613億円と予測した。
なお、市場予測に19年1月に承認された慢性疼痛の新薬タリージェ(同ミロガバリンベシル酸塩)も含まれる。タリージェはリリカと同じ作用機序の医薬品。ただ、年間売上が薬価ベースで900億円程度あるリリカなどの特許切れ時期は明かしていない。

■疼痛薬市場は縮小続く
慢性疼痛薬だけでなく、▽NSAIDs・解熱鎮痛薬▽ステロイド系消炎鎮痛薬▽外用消炎鎮痛薬▽麻酔用剤・筋弛緩剤・回復剤▽片頭痛治療薬――で構成する「疼痛薬」の市場は、市場縮小が続くと分析した。
疼痛薬の市場規模は17年の4779億円をピークに縮小し、26年には4286億円になると予測した。26年の市場規模は17年比で10%の縮小となる。同社は、「慢性疼痛治療薬では新薬の発売が予定されているが、そのほかの品目では後発品への切り替えが進むことから縮小する」としている。

(ミクスOnline)



薬剤の中で歯科でもっと関係深い鎮痛剤の話題です。
by kura0412 | 2019-02-05 16:59 | 医療全般 | Comments(0)

介護に現金給付という考え方

介護危機 乗り越えられるか 現金給付で従事者抑制を
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ポイント
○従事者確保で女性や高齢者活用には限界
○現金給付を現物より抑えれば財政上も益
○保険者の広範地域への再編や連携強化を

急速に高齢社会を迎えた日本では2000年に介護保険制度が導入された。ドイツの制度に倣いながらも、要介護対象者や提供される介護サービスを幅広く設定したことで多くのメリットがあるとされる。しかし財政的には多額の支出を余儀なくされた。
団塊世代が後期高齢者になる25年には介護保険の利用者は約900万人、財政規模は20兆円前後に達するといわれる。大きな課題は財政規模の抑制と介護従事者の確保だ。
介護は3K(きつい・汚い・危険)的な職場というだけでなく、現保険制度では事業所全体の収入が規定され、その範囲内で介護従事者の処遇条件を決定する必要がある。処遇改善のための加算制度はあるが介護事業者の裁量で賃金を設定することは難しい。一方で介護事業者に裁量を委ねても、事業所支出に占める人件費比率が特養で約6割、通所・訪問で7~9割と高いため、介護費用の増加を通じて介護財政をさらに逼迫させる恐れがある。介護財政の抑制と介護従事者の確保とは両立が極めて難しい課題だ。
本稿では、介護財政の抑制という課題を念頭に置きながら、今後の介護従事者不足に対する解決策を検討する。
◇   ◇
問題を考えるうえで主要な前提・課題を整理しておこう(表参照)。現状の課題は、未婚者や結婚しても子供のいない高齢者(チャイルドレス高齢者)の増加と、女性要介護者の比率が全体の約7割と高いことだ。高齢者の同居比率が低下しており、居宅介護のために同居率を高めようという議論がある。しかし子供のいる高齢者の同居率はそれほど低下していない。こうした状況で介護従事者の必要性を少なくするために家族介護の拡充による居宅介護を重視する政策には無理がある。
また福岡市の65歳以上の介護保険データを用いた多相生命表(健康、要介護度別平均余命)による分析では、女性の要介護者は人数が多いだけでなく、介護期間が長期にわたる傾向があり、費用も男性と比べ4割前後高くなる。
今後は要介護度の高い高齢者と、都市部での要介護者の増加が予想される。現状でも要介護者の多くは女性だが、その傾向は今後も続くだけでなく都市部でより顕著に表れることが予想される。女性要介護者は男性に比べ家族に大きな負担をもたらすことが確認されている。都市部では住宅事情などにより居宅介護は難しさを増す。財政支出と必要な介護従事者の増加をもたらすだけでなく、居宅介護と施設介護のあり方を大きく変化させる可能性がある。
◇   ◇
現状および今後の問題点を考慮したうえで、必要な介護従事者をどのように確保すればよいのだろうか。対応の方向性は2点だ。一つは必要な従事者数を確保するための環境を整備することであり、もう一つは必要な従事者数の抑制策を講じることだ。以下では、今後の対応策と実現可能性について検討したい。
従事者数の確保については2つの対応策に大別できる。一つは女性や高齢者のさらなる活用だ。
女性の活用では介護従事者の資格要件の緩和措置などがとられているが、労働条件が悪いままでは安定的に一定量を確保するのは難しい。高齢者はボランティア的な仕事としては受け入れられる可能性は高いが、安定的に活用できる人材ではない。
もう一つは外国人労働者の導入だ。
日本が魅力的な国である限りは、外国人労働者は安定的に活用できる人材としてみることもできる。しかし日本人と同等の処遇ならば、介護従事者の賃金が低い現状のままでは必要な人員を確保できるかわからない。既に外国人介護福祉士としては経済連携協定(EPA)により受け入れられており、17年度までに約3500人が来日し、700人以上が介護福祉士の国家試験に合格している。
こうした外国人は送り出し国で看護学校などを卒業し「N3」以上の日本語資格を持っている。また日本で介護福祉士の国家試験を受けるために受け入れ事業所などで様々な教育を受けている。事業所は1人あたり200万~300万円程度の費用を負担しているが、合格率は5割程度だ。合格後は在留資格が得られるが、他の事業所への転職も可能で、受け入れ事業所は多くのリスクを抱えている。
現状のEPA介護従事者に対しては、事業者や利用者も高く評価しているケースが多い。しかし現在想定される新たな外国人労働者に対して、EPAでの受け入れと同様の手厚い対応ができるのだろうか。受け入れ人数が桁違いに増えるだけでなく、受け入れ要件もEPAに比べ緩和される可能性が高い。受け入れ態勢や教育環境の整備、それらの費用を誰が負担するのかなど慎重な議論が必要だろう。
さらに今後も、日本が外国人労働者に魅力的な国であり続ける保証はない。むしろ5~10年先の本当に必要な時期に外国人労働力を確保できなくなるリスクはかなり高い。
仮に介護従事者を増やすことに成功しても、財政上の問題は解決されない。両者をともに解決するには、単に必要人員の確保だけでなく必要な従事者数を抑える視点が大切だ。しかし介護現場では新技術の導入などである程度の労働生産性の向上は望めるが、大きな効果は期待できない。
◇   ◇
では、どうすればよいのか。介護サービスの提供は例外を除いて、保険制度で指定された事業所でしかできない。介護サービスが現物給付で実施されているためだ。この枠組みを外せば、介護事業所以外でも介護サービスを提供することが可能となり、必要な介護従事者数を抑制できる。
そのための方策の一つは、ドイツや韓国などで採用されている現金給付もしくはバウチャー(利用券)制度の導入だ。
ドイツのように介護をする家族にも保険から手当などを支払えれば、居宅介護が増えて必要な介護従事者数を抑制する効果も期待できる。保険導入時に現金給付との併用案が検討されたが、事業者の反対や不正利用の懸念などを理由に採用されなかった。
確かに保険導入前の状況を考えると当時の反対理由もうなずける。しかし介護サービス需要の増加や介護関連事業所の増加により、介護市場が成長し競争メカニズムが働く余地が大きい。さらにこれまでの保険事業で蓄積されたデータを活用・分析することにより、不正利用を見つけやすくなっている。また日本独自のシステムとしてケアマネジャー制が導入されており、利用者や事業所を監視する役割を拡充することにより不正利用や不効率な利用を防止できるだろう。現金給付を選んだ場合には現物給付の4~6割程度の支給にできるならば、財政上のメリットも生じる。
今後生じる様々な課題に対応するには、介護保険を運営する保険者に求められる役割はより高度なものとなる。基礎自治体をベースとした一部の保険者は難しい問題を抱えることになる。保険者については、より広範な地域への再編・連携強化や都市部と非都市部との連携などを検討すべきだ。介護施設や人材などの効率的な運用ができるだけでなく、要介護者の地域的偏在や地域間の保険料格差などを改善することができよう。
従来の制度を土台としながら、現金給付の導入や保険者の枠組みなどを今後の状況に即した制度に見直すことなどを含め、人材不足の解消と財政の健全化を目指す整合的な方策を考えることが急務だ。

(中村二朗・日経新聞)



介護者不足はこれからの介護医療の大きなテーマです。果たして日本で現金給付という考え方が浸透されるのでしょうか。
by kura0412 | 2019-02-04 16:19 | 介護 | Comments(0)

予防投与もいいけれどー高齢者施設のインフル対応

集団感染「予防投与」に遅れ 高齢者施設、インフル猛威

インフルエンザが猛威をふるう中、集団感染対策として有効とされる「予防投与」の遅れが高齢者施設などで目立っている。未発症の人に治療薬を使うことで感染リスクを抑える手法だが、職員の経験不足や病院との連携が不十分といった課題があるという。専門家は「集団感染の恐れがある施設は予防投与の備えを進めるべきだ」と指摘する。

「予防投与を実施した方がいいのではないか」。1月11日、兵庫県淡路市の養護老人ホーム「北淡荘」に立ち入り調査に入った県洲本健康福祉事務所の職員は、施設側に助言した。この時点で施設内で複数の人がインフルエンザを発症し、うち1人が死亡していた。
しかし職員らは入所者へ予防投与した経験がなく、「職員に投与するという指導」と受け止めたという。職員は抗インフルエンザ薬を使う一方、1週間後に再指導されるまで入所者へは投与しなかった。最終的に感染は74人に広がり、肺炎などで計7人が死亡した。県担当者は「速やかに予防投与していれば感染拡大を抑えられた可能性もある」とみる。
障害者支援施設「京都太陽の園」(京都府南丹市)でも1月、入所者が次々とインフルエンザを発症。施設には提携する医療機関がなく、嘱託の医師の診断を基に周辺の薬局を回ったが、連休と重なったこともあって治療薬は発症者分しか確保できなかった。感染は23人に拡大し、うち男性(66)が肺炎にかかり死亡した。
施設長の高屋光晴さん(46)は、予防投与できなかったことについて「これほど感染が広がるとは想定外だった。迅速に対応できるよう地域の病院と連携を強化したい」と悔やむ。
両施設ではいずれも職員と入所者全員が2018年中にインフルエンザのワクチン接種を受けていた。それでも多くの人が暮らす施設では食堂やリビングといった共同利用場所での接触が多く、感染が広がりやすい。特に高齢者が感染すると呼吸器や心臓の持病が悪化し、重症化するリスクがある。

日本感染症学会は12年の提言で、高齢者施設内で発症者が出た場合、12~24時間以内に他の入所者らへの予防投与を始めることを推奨。厚生労働省は高齢者施設向けの感染防止マニュアルで「適切なリスク評価のもと、早期の抗ウイルス薬予防投薬なども考慮されうる」と示している。
近畿大医学部付属病院(大阪府大阪狭山市)は複数の患者がいる病室で発症者が出た場合、遅くとも12年ごろから、同意を得たうえで同部屋の他の患者へ予防投与を行っている。感染対策室の吉田耕一郎教授は「集団感染を防ぐために必要な措置」と強調。費用は病院が負担するという。
国立がん研究センターの岩田敏・感染症部長は「高齢者らへの予防投与は効果的だが、実施するかどうかを迅速に判断するには相応の知見や体制が必要。職員間で感染症の知識を深め、いざという時に地域の医療機関と協力できる仕組みを整えることが重要だ」と指摘している。

▼予防投与 インフルエンザの集団感染などを防ぐため、発症していない人に抗インフルエンザ薬を投与する措置。原則として感染者と共同生活している高齢者や家族を対象に、治療に使う半分の量を倍の期間投与する。公的医療保険は適用されず費用は自己負担。国内でインフルエンザの予防投与が承認されている薬はタミフル、リレンザ、イナビル、タミフル後発薬の4種で、2018年発売のゾフルーザも予防投与の効果を確かめる臨床試験が進んでいる。

(日経新聞)



今、高齢者施設ではインフルエンザに対して敏感になっています。施設内に連鎖する心配は当然ながら、発生によって施設の評価が広がることへの心配もあります。
ゾフルーザの登場、タミフルのジェネリック発売などいろいろと話題満載の今シーズンのインフルエンザ流行ですが、もう少し現場での実情を加味した論議が必要のような気がします。
by kura0412 | 2019-02-02 10:38 | 医療全般 | Comments(0)

統計問題で厚労省再編論再然も

統計不適切調査、自民に危機感 批判矛先は厚労省 組織再編論再燃も

安倍晋三首相は31日の衆院本会議で、政府の各統計の対象や調査手法について「再発防止や統計の品質向上の観点から徹底した検証」をしたうえで「その結果を踏まえ、総合的な対策を講じていく」と強調した。
今後、総務省の統計委員会(西村清彦委員長)に設けた「点検検証部会」で政府統計の調査対象や方法が妥当かどうかを検証するとした。党内で広がる懸念の沈静化を狙った対応とみられる。

自民党各派が同日開いた総会では厚労省への批判が相次いだ。石破茂元幹事長は「国家の基盤たる統計が大丈夫なのか、国会議員の責任としてきちんと検証し、重要性を再認識しないといけない」と苦言を呈した。
二階派最高顧問の伊吹文明氏は「自民党が野党に下った引き金が年金管理の問題だった。閣僚がどう対応するかが一番大切だ」と指摘した。加藤勝信総務会長は竹下派の会合で「自分も1年以上にわたり厚労相の職にあった。非常に申し訳ない。政府がしっかりした説明をしてくれることを期待したい」と述べた。
自民党は統計の不適切調査が表面化した年明け以降、早期の実態解明を厚労省に求めてきた。しかし外部の弁護士らで構成する特別監察委が公表した報告書は作成に厚労省幹部が関わるなど客観性に欠くとの指摘を受け、追加調査に追い込まれた。事態収拾のメドを付けられないまま28日に通常国会が開会した。

自民党が敏感に反応するのは過去にも厚労省に足を引っ張られた記憶があるからだ。第1次安倍政権は当時の社会保険庁によるずさんな年金記録問題「消えた年金問題」で失速。2007年の参院選で惨敗し、政権を失うきっかけになった。
18年の通常国会では働き方改革関連法に盛り込む予定だった裁量労働制を巡り、対象拡大の根拠となるデータの不備で法案の一部を撤回した。
19年は消えた年金問題が起きた07年と同様、統一地方選と参院選が重なる「亥(い)年」だ。野党は2月4日から始まる予算委員会の審議で統計問題への追及を強める構えで、厚労省などの国会対応次第では一連の選挙で痛手となる。
二階俊博幹事長は歴代厚労相の報酬の一部返納などを念頭に「ペナルティーをかける必要はある」と指摘しており、吉田博美参院幹事長も同様の認識を示す。どこまで遡って罰則を設けるのかなど課題は多く、実現は難しいとの声はある。

厚労省の組織再編論も再燃している。
萩生田光一幹事長代行は31日のインターネット番組で「厚労省はでか過ぎて1人の大臣では目配りができないのではないか。少し分けないといけない」と述べた。同日の党厚労部会後には小泉進次郎部会長も「厚労省は回っていない。全体のガバナンス(統治)が効いていない。大変不安だ」と語った。
厚労省は01年の中央省庁再編で厚生省と労働省が統合して発足した。社会保障や労働問題など担当業務が多岐にわたることが、厚労省の不祥事を引き起こす一因との指摘は多い。
自民党は塩崎恭久元厚労相が本部長の行政改革推進本部で厚労省の再編について議論する方針だ。もっとも、これまで幾度も浮上した厚労省再編論を進めることは簡単ではない。行革本部は18年にも厚労省分割を含む省庁再々編を政府に提言したが、他省庁の再編にも波及しかねないなどの理由で本格的な議論を見送った経緯がある。
拙速な議論を進めると問題がかえって複雑になるとの懸念は出ている。専門性が高い統計部局ならではの特殊性の問題もある。首相周辺は「今はあまり厚労省の現場を追い込まない方がよい。そのほうが結果的に問題の円滑な解決につながる」と語る。

(日経新聞)



この問題が表面化後の推移を見て、厚労省再編問題の議論が加速するような気がしていました。当然そうなれば歯科界にも影響を及ぼします。それがプラスと働くか、あるいはマイナスを生むことになるのかは分かりません。但し、常にこの動きを留意しながら行政、政治と向き合うことは必要です。
by kura0412 | 2019-02-01 10:18 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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