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「重症対応病院」実績で選別
厚労省、手術・救急医療の新基準 地域の病床再編を後押し

厚生労働省は高度な手術実績などがないにもかかわらず「重症患者への対応」を標榜する病院の解消に動き出す。2018年度中に手術や救急医療の実績など定量的な新基準を都道府県単位で導入する。基準に該当しない病院には高度医療を担う届け出をできないようにする。各地域で実態に合った病床への再編を後押しし、効率的な医療体制の構築につなげる。

病院の機能には、重症患者向けの「高度急性期」と「急性期」、リハビリなどを通じて在宅復帰を目指す「回復期」、長期の療養を目的とした「慢性期」がある。
国は団塊の世代が75歳以上になる2025年を目標に、急性期の病院ベッド(病床)を減らし、高齢化で需要が増す回復期病床を手厚くする「地域医療構想」を進めている。構想の必要病床数をみると、急性期・高度急性期は15年度に比べ約30%減らす必要がある。
ただ、病院側にとっては、手厚い医療の体制を敷く急性期病床は支払われる診療報酬が高い。「高度な医療を担っている」とのイメージも強く、名乗りたがる傾向がある。厚労省の調査によると、実態がないことが疑われる急性期病棟は全国に約3千棟、全体の14%に達するとされる。新基準で急性期病棟を絞り込む効果を見込んでいる。
厚労省が実態把握で活用するのが、地域ごとの病床の分布を把握する「病床機能報告」と呼ばれる制度だ。実際の病棟には様々な患者が入院していることを踏まえ、最も多く手掛けている医療機能を報告する。
いまは機能ごとの基準が厳密に定義づけられておらず、各病院の判断に委ねられている。同じような機能を担っていても病院によって「急性期」と報告したり「回復期」と称したりと異なるケースがある。

そこで厚労省は、病床数あたりの手術の実施数など、定量的な基準を導入して病床の機能を正確に把握することを都道府県に求める。基準を満たしていない病院は急性期などと報告できないようになり、正確な現状把握につながるとみている。
病床機能報告の内容は個別の病院ごとに自治体が公表している。定量的な基準の導入は患者側に正確な病院の役割を伝える効果もある。
具体的な基準は全国一律ではなく、各都道府県で決めるようにする。地域ごとの実情に合わせたものにするほか、先行して基準を定めている自治体の取り組みを後押しする狙いもある。例えば、奈良県では、急性期と報告する病棟について「50床あたりの手術と救急入院件数が計1日2件」などの独自基準を設けている。
新基準で病床数の実態が把握できれば、地域医療構想で定めている機能別の病床数計画が実際の需要に合っているかの点検にも役立つ。実態と異なる病床数を前提に計画が作られていれば、25年の時点で、必要以上に急性期病床が削減されていたり、回復期病床が逆に足りなくなったりする事態が生じかねない。厚労省は新基準をテコに地域実態に合わせた病床再編を促進したい考えだ。

(日経新聞)




この病院区分における病床数の変化を周術期等口腔機能管理などの歯科の施策を押し進める時考慮する必要があります。
by kura0412 | 2018-10-29 15:34 | 医療政策全般 | Comments(0)
シニア転職、環境整備 未来投資会議
首相、「70歳就業」へ具体化指示

政府は22日、未来投資会議(議長、安倍晋三首相)を開き、「人生100年時代」を踏まえた雇用制度の改革案を議論した。大企業の中途採用比率を開示するなどで中途市場の拡大を後押しし、1つの会社で勤め上げる日本の雇用慣行の見直しにつなげる。高齢になっても能力に応じた就業機会を得られるよう、仕事の内容で評価される賃金制度の浸透を目指す。

安倍首相は「70歳までの就業機会を確保する」と表明した。2019年夏までに改革の具体策を固め、厚生労働省の審議会で細部を詰めた上で「早急に法律案を提出する方向で検討する」と述べた。首相が掲げる全世代型社会保障への改革第1弾との位置づけになる。
日本は大企業で働く人を中心に、新卒で就職した企業で定年まで勤め上げることが多い。こうした慣行は中途採用市場を狭め、成長企業への人材移動が進まない要因にもなっている。
人生100年時代には産業の盛衰などに対応し、複数の企業を渡り歩く働き方を選択しやすくする必要があると政府はみている。
このため中途採用に取り組む企業を増やす。大企業に中途採用比率の情報公開を求める対応を検討するほか、中途採用に積極的な上場企業を集めた協議会を今年11月に設置。先進事例を全国に発信して終身雇用を変える機運を高める。
総務省の労働力調査によると、17年の転職者数は311万人と5年前に比べて約1割増えた。ただ年齢別にみると、40歳代半ばまでに比べ、高年齢層の転職が少ない。首相が打ち出した「70歳就業」を実現するにはシニア層を含めた中途市場の拡大が必要だ。
転職を拡大させるには「入社してから何年」という年功要素によらない、実力主義の評価・賃金制度を持つ企業を増やす必要がある。このため仕事の内容に応じて報酬を支払う制度の導入を企業に促す。
こうした評価制度は高齢者の働く意欲を高める効果も期待できる。今の65歳までの継続雇用制度では、60歳定年後の再雇用で給与が減額になる企業が多い。同じ仕事を続けているのに給与水準が下がると、働き続けるよりも引退を選ぶ人も少なくないとみられる。

一方、企業に一律で70歳までの雇用確保を義務付けることは、コスト負担の増加を嫌う経済界からの反発が強い。高齢になるほど健康状態の個人差も広がり、仕事の能力差も大きくなるためだ。
65歳までの継続雇用を企業に義務付ける今の高年齢者雇用安定法は、(1)定年の延長(2)定年制の廃止(3)嘱託などの再雇用――のいずれかの措置を企業に求めている。政府は65~70歳の就業確保について3つの措置に限定せず、企業側にもっと自由度がある選択肢を検討していく方針を示した。
内閣府の調査によると65~69歳の高齢者の約65%は「仕事をしたい」と感じているが、労働力調査によると、実際にこの年齢層で就業している人の割合は約44%にとどまる。改革によって希望する高齢者が意欲的に働くことができる環境づくりを目指す。
会議では「70歳就業」に伴う年金制度の対応策も議論した。政府は65歳となっている支給開始年齢は引き上げず、年金をもらい始める年齢を高齢者が自分で選択できる範囲を広げることを検討する方針を示した。

(日経新聞)



厚労省提出の会議資料の中に「歯科健診や保健指導の充実を図り、歯科医療機関への受診を促すなど、全身の健康にもつながる歯周病等の歯科疾患対策強化」の一文が記載されるなど、健康寿命の延伸が目標の一つとなっています。
さて、これをどうゆう政策をもって流れを導くか。
by kura0412 | 2018-10-23 09:33 | 歯科医療政策 | Comments(0)
根本厚労相「高齢者活躍、年齢より意欲」 継続雇用年齢上げ 一律義務は慎重

根本匠厚生労働相は15日、日本経済新聞などのインタビューに応じ、政府が検討している65歳以上の継続雇用年齢の引き上げについて、「働く意欲と能力のある高齢者が年齢に関わりなく活躍できる社会を実現する」と述べた。企業に一律の雇用義務を課すことには慎重な考えを示した。

政府は5日に安倍晋三首相を議長とする未来投資会議を開き、継続雇用年齢を65歳以上に引き上げる法改正の検討に着手した。現在は希望者全員に対し65歳までの雇用確保を義務付けている。
根本厚労相は「今後の話はまだ決めていない」としたが、「柔軟な対応が必要だ」とも述べた。
自民党の厚生労働部会長に小泉進次郎氏の就任が決まったことについては、「若い力に期待したい。ぜひ頑張ってほしい」と話した。

(日経新聞)



小泉議員自らこの職を希望したとの報道もありました。党内で働き改革、社会保障改革の提言を取りまとめた一人です。さて、どんな手腕を発揮できるのか。
by kura0412 | 2018-10-16 08:48 | 政治 | Comments(0)
住友生命、介護関連事業に参入 アクサと 施設紹介会社に出資

住友生命保険とアクサ生命保険は共同で、介護施設の紹介などを手掛ける事業を始める。10月中にも専用の事務所を設けて介護関連サービスの提携先の選定に乗り出すほか、介護施設を紹介する事業者などへの共同出資も検討する。高齢の契約者の増加を想定し、付帯サービスを強化する。
2日に両社が業務提携した。月内にも数人ずつ社員を派遣し、共同事務所を開く。まず主要都市で介護施設を紹介する業者などへの共同出資を検討する。
今後は既存の介護事業者に加え、介護関連のスタートアップ企業への出資や提携も視野に入れる。
こうした提携先との協業を通じ、サービスを両社の保険契約者やその家族に提供する。要介護状態になる前の予防段階から要介護状態になってからの施設紹介まで一括して手掛ける仕組みを共同で設けたい考えだ。
住友生命は約3万人の営業職員チャネルをもつ大手生保の一角で、個人向けの保険に強みを持つ。
一方、アクサは1994年に仏アクサグループの日本法人として設立された。2000年に日本団体生命と統合しており国内では中小企業向けの保険に強みを持つ。共同出資でコスト負担を減らしつつ、介護など新規分野での提携で相乗効果を生み出せると判断した。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-10-09 10:13 | 介護 | Comments(0)
安倍首相が力込める「生涯現役社会」の現実味
課題は高齢者雇用と健康寿命延伸の2つ

安倍晋三首相は9月20日に自民党総裁に3選された。自民党総裁選中から、安倍首相は次なる社会保障改革の焦点として、「生涯現役社会」の実現を挙げていた。生涯現役社会の実現とは、いくつになっても意欲さえあれば働ける環境を整えることを意図している。

2015年9月の総裁再選時に安倍首相は「アベノミクス第2ステージ」と題して、「希望を生み出す強い経済」、「夢を紡ぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」という、「新たな3本の矢」の政策を示し、その実行によって「1億総活躍社会」を目指すことを掲げた。その背景は本連載の拙稿「『アベノミクス第2ステージ』成功の条件とは」で記したところである。
それを踏まえ、2015年10月に一億総活躍国民会議を立ち上げて、2016年6月に「ニッポン一億総活躍プラン」を取りまとめた。これを受けて、働き方改革は一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジと位置づけ、同年9月に働き方改革実現会議を立ち上げ、2017年3月に「働き方改革実行計画」を取りまとめた。それを踏まえて、働き方改革関連法案が国会で審議され、一部修正のうえ成立した。

働き方改革第2弾は「生涯現役社会」
さらに一億総活躍社会実現のために、人生100年時代を見据えた経済社会のあり方を構想すべく、2017年9月に人生100年時代構想会議を立ち上げ、2018年6月に「人づくり革命 基本構想」を取りまとめた。こうして安倍首相は2期目の自民党総裁任期を終えた。
安倍首相の自民党総裁の新任期では、いわば働き方改革の第2弾として、「生涯現役社会」の実現を掲げた。「アベノミクス第3ステージ」とは称していないが、その意味では改革論議の継続性を持たせている。人生100年時代の到来に備えて、長生きしても充実した生活が送れる社会にする取組みが求められている。
生涯現役という言葉は、巷間でもよく使われている。が、多くの人が生涯現役でいられるわけではないのが、現状だ。ましてや、生涯現役でいたいとは思わず、静かに余生を楽しみたいと思う人もいるだろう。
ただ、これから政府が議論の俎上に乗せたいことは、働きたくない高齢者に無理やり働かせるわけではないし、高齢者になっても働かなければ老後の生活が維持できないような改革を進めるわけでもない。
目下、わが国で支障をきたしているところとして、働きたい高齢者が働く機会に恵まれないことや、健康な状態を長く維持できないことで高齢でも活躍できる期間が限られていることがあり、それをどう打開するかが焦点となっている。

高齢者の8割が70歳以降も働くことを希望
現に高齢者の8割が70歳以降も働くことを希望している。他方、働く高齢者ほど健康な状態である人が多く、医療・介護費が低い。こうした現状を踏まえて、高齢者雇用のさらなる促進や健康寿命の延伸などに向けた、具体策が検討されることになる。
今のところ、この検討は「未来投資会議」が中心的な役割を果たすことになるが、その知恵出しは、経済産業大臣の諮問機関である産業構造審議会に設けられた「2050経済社会構造部会」が担うことになる。
高齢者雇用のさらなる促進による恩恵は、1つに、働く高齢者ほど医療・介護費が低いことが挙げられる。医療・介護費が低いことは、財政面の恩恵にとどまらない。医療・介護費が多いと、比例的に医療や介護の自己負担も多く必要となるから、高齢者の家計を圧迫する。
長寿化する中で、医療や介護の自己負担が多くかさむとなると、若い現役時代から多めに貯蓄をしておかなければならなくなる。健康であることで、医療・介護費が低くなることは、まずは本人のためだ。
働く高齢者が増えれば、社会保障の支え手側に回る高齢者も増える。少子高齢化が進み、支え手となる就業者が減ることで、わが国の社会保障が維持できなくなると懸念されている。
支えられる高齢者を65歳以上と定義すると、2012年には1人の高齢者を3人弱で支える”騎馬戦”型の社会だったのが、支え手の減少によって、2017年には1人の高齢者を2.1人で支える状態になり、2050年には1人がほぼ1人を支える”肩車”型の社会になるといわれている。
しかし、支えられる高齢者を75歳以上とし、支え手を74歳以下と定義すると、2017年には1人の高齢者を5.1人で支える状態で、支え手の減少でその比率は低下するものの、2050年には1人を2.7人が支える程度にとどまる。
この比率は、65歳以上を高齢者と定義した場合の今の状況より、支え手が多い人口構成であるといえる。これが産業構造審議会の2050経済社会構造部会の第1回会合資料で示された。74歳以下を支え手とできれば、1人当たりの社会保障負担も軽くできる。その意味でも高齢者雇用の促進は重要といえる。
高齢者雇用をさらに促進するには、高齢者継続雇用制度の見直しや中途採用の拡大が必要となる。だが、言うは易く行うは難しで、克服すべき課題も多い。65歳以上へ継続雇用年齢を引き上げるには、人事評価や報酬体系の整備を進める必要がある。
適材適所でない形で高齢者を雇用することを企業に無理強いするわけにはいかない。政府主導の政策誘導だけでなく、民間主導のコンセンサス形成も求められる。

インセンティブ措置を強化する必要がある
もう1つ、健康年齢を延ばせるようにするには、現役世代も含め、予防・健康へのインセンティブ措置を強化する必要があろう。そこで、2050経済社会構造部会の第1回会合で出たアイデアに、「ナッジ」がある。
ナッジとは行動経済学で使われる用語で、ちょっとした工夫で個人に気づきを与え、よりよい選択ができるように支援する手法を指す。第1回会合で紹介された事例では、食塩中の塩分を徐々に減らしても、人は味の変化に気づかないことを利用し、イギリスで食品メーカーの協力の下、5年間で加工食品中の塩分を40%低減させ、塩分摂取量が15%減少した結果、生活習慣病(虚血性心疾患・脳卒中)の患者数が約4割減ったという。
今後、日本で予防・健康への動機づけのために、ナッジが使える可能性が大いにあろう。検診案内を自分の健康に関心を持ってもらうようなデザインにして受診を促すことや、拙稿「『健康スコアリング』が問う、社員の心と身体」で紹介した「健康スコアリングレポート」で経営者に従業員の健康について気づきを与えたりすることが考えられる。
こうした検討を深め、2019年夏までに成果を反映させる方針だ。負担増の議論は来年の参議院選挙後になりそうなだけに、選挙前は「生涯現役社会」の実現に向けた活発な議論に期待したい。

(東洋経済ONLINE 土居丈朗)



この論文の中には、これからの日本の社会に歯科が大きく関与する、しなければならないヒントがあるようです。
by kura0412 | 2018-10-01 11:14 | 歯科医療政策 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412