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「入院・差額ベッド代・必要?」

入院「差額ベッド代」必要? 患者同意が前提、返還例も

個室などに入院した場合にかかる「差額ベッド代」。1日数万円になることもあるが、全額自己負担だ。実は、患者の同意がないと病院は差額ベッド代を請求できない。厚生労働省が病院に対し、「患者に請求してはならない」と通知しているケースを確認していこう。

■「同意が大前提」
差額ベッド代は4床以下の部屋で、一定条件を満たせば対象になる。全病床数に占める比率は2006年には17%だったが増加基調で、16年には約21%に達した。個室だと2割近くが「1日1万800円」を超える。特に都市部では高額な病床が目立つ。

健康保険が適用される医療費には、患者の自己負担上限額を定める高額療養費という仕組みがある。一般的な所得なら1カ月の医療費が100万円かかっても、自己負担は9万円弱だ。一方、差額ベッド代は全額自己負担。高額療養費を知っていても、差額ベッド代への不安から民間の医療保険に入る人も多い。
差額ベッド代は本来「患者の自由な選択と同意が大前提」(厚労省)。病院が患者に病室の構造や料金を説明した上で、患者が納得し同意書に署名をする必要がある。
しかし現実にはそうではない請求も多く、トラブルになってきた。長く医療問題に取り組む認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」の山口育子理事長は「今も年間100件前後の問い合わせがある」と話す。

厚労省も1974年から何度も病院側に通知を出してきた。最新の通知は今年3月。
(1)同意書による確認がない
(2)治療上の必要がある
(3)患者の選択でなく病棟管理の都合
――の3つの場合は差額ベッド代を請求できないと明記し、それぞれの例を挙げている。

(2)の「治療上の必要がある」例としては、手術後などで病状が重篤なため安静が必要な場合、がんの終末期で医師から個室を指示された場合など。こうした場合は「同意書を求めること自体が不適切」というのが厚労省の見解だ。ただし、手術後などでも「大部屋で大丈夫」と言われたのに、自ら個室を希望したのなら差額ベッド代が必要だ。
今回の通知では(3)の「病棟管理の都合」の例として初めて「他が満床なので差額ベッドの部屋に入院させた場合」という例を入れた。ただ、快適な療養環境を望む患者が同意書に署名すれば請求は可能で、「絶対に差額ベッド代を請求できないという趣旨ではない」(厚労省)。
一方、入院の必要があるのに「差額ベッド代が嫌なら他の病院に行ってください」というケースなどは、「個々の事情に即して判断する必要があるが、差額ベッド代の徴収は不適切」(厚労省)だ。

■返還ケース数多く
山口氏によると、「過去、不当な請求を受けた患者が厚労省の通知を病院側に見せ、差額ベッド代が返還されたケースは全国に数多くある」。厚労省の今年3月の通知はインターネットで「厚労省 保医発0305第6号」と検索すれば出る。このうち「12 特別の療養環境の提供」が差額ベッドの関連事項だ。
本来は病院が差額ベッド代を請求すべきでないケースでも、よくわからないまま同意書に署名したことにより、差額ベッド代を負担せざるを得なくなることもある。山口氏は「いったん同意書を書くことを留保して周囲に相談することも必要」と話す。困った場合は各地方厚生局やCOMLなどに相談する選択肢もある。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-06-30 15:20 | 医療政策全般 | Comments(0)

「日歯連前会長らに有罪」

日歯連前会長らに有罪=迂回献金、規正法違反―東京地裁

政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の迂回(うかい)献金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載、量的制限)罪に問われた前会長高木幹正被告(73)ら元幹部2人と、法人としての日歯連の判決が27日、東京地裁であった。
前田巌裁判長は、高木被告を禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑禁錮2年)とするなど、全被告に有罪を言い渡した。
判決は、元会長堤直文被告(76)が禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑禁錮1年6月)、日歯連は求刑通り罰金50万円。被告側はいずれも無罪を主張していた。
起訴状によると、高木被告らは元副理事長村田憙信被告(73)=一審有罪、控訴=と共謀し、2013年の参院選前に民主党(当時)元議員の政治団体を経由させるなどして、自民党議員の後援会に法定上限を超える9500万円を寄付するなどしたとされる。 

(時事通信)
by kura0412 | 2018-06-27 11:44 | 政治 | Comments(0)

「東京五輪と歯科医師を目指す異色のハードラー 」

金井大旺 110M障害、日本新でV!東京五輪と歯科医師を目指す異色のハードラー

東京五輪と歯科医師を目指す異色のハードラー金井大旺(たいおう、22=福井県スポーツ協会)が日本新記録の13秒36をマークした。前の脚がピンと伸びた美しいフォームが乱れることなく、ゴールを駆け抜けた。
04年に谷川聡が出した13秒39を0秒03更新し、13秒53の自己記録を0秒17も塗り替えた。今季は13秒4台に何度も挑戦しながら、達成できずにここまで来た。それが4台をすっ飛ばして3台を出し「まさかこの記録は出るとは想定してなかった。ビックリしています」と目を丸くした。アジア大会の代表切符も手にした。
今オフに初めて筋トレに着手。臀部(でんぶ)を中心とした体幹を特に鍛えた。「使いたい筋肉を使えるようになった」という効果もあって、100メートルは「手動計測ですけど、10秒3〜4が10秒1〜2になった」と走力が上がった。これが日本新の土台になった。
今も指導をする母校、法大の苅部俊二監督は「入ってきた時はここまで行くとは思わなかった」と、函館ラ・サール高時代からやってきた当初の教え子を懐かしんだ。「研究熱心。ハードルは全てビデオに収めている。(100メートルの)山県君と似たタイプ。自分の感覚と、映像からの客観的な視点をすり合わせている。言ったらすぐ直せる」。じっくり、大きく成長した新星の長所を口にした。

父・敏行さんが北海道函館市で歯科医院を開く。その跡を継ぐために、2020年が終われば、歯科大へ進む人生設計を描いている。競技人生のゴールを決めていることが、「ダラダラできない。悔いがないようにやらないといけないので、集中できています」とプラスに働いているようだ。オリンピアンの歯医者さんの誕生が、楽しみでならない。

(Sponichi Annex)
by kura0412 | 2018-06-25 08:37 | 歯科 | Comments(0)

歯科技工士だけでなく歯科界全体の問題です

歯科技工士、なり手不足
養成機関の入学者減、労働環境厳しく 厚労省は確保策議論

入れ歯や差し歯などを作る歯科技工士を育成する養成機関への入学者数が減っている。2017年度の入学者数はピーク時の約20年前から7割減った。背景には認知度の低さに加え、長時間労働など労働環境の問題を指摘する声もある。人材が不足すれば治療にも影響が出かねず、厚生労働省は業界団体を交えた検討会を立ち上げ、人材確保策を議論している。

歯科技工士は歯科医師の指示に基づいて、入れ歯や差し歯、かぶせ物などを作る国家資格。2~4年制の専門学校や大学など養成機関を卒業後に試験に合格する必要がある。就業者数は3万5千人前後で近年は推移しているが、高齢化が進んでいる。50歳以上の割合は04年は27%だったが、16年は48%まで拡大した。
一方で養成機関への入学者は減り続けている。全国歯科技工士教育協議会の調査では、1995年度に養成機関の入学者数は3199人だったが、2017年度は927人と3分の1以下に減った。養成機関の多くを占める専門学校も生徒減少などを理由に閉校が相次ぎ、00年度の72校から17年度は52校まで減った。
16年で3万4640人だった就業者数は10年後には6千人減少するとの試算もある。

厚労省は5月に有識者検討会を立ち上げ、人材確保策を議論し始めた。同省歯科保健課は「日本社会の高齢化で歯のかぶせ物や詰め物などの需要増加が見込まれる。人材が入らなければ、治療に影響が出かねない」と懸念する。
歯科技工士志望者の減少について、日本歯科技工士会(東京・新宿)の杉岡範明会長は「治療現場では歯科医や歯科衛生士は患者と直接接するが、技工士は接する機会がまずない。存在が知られていない」と認知度の低さを訴える。認知度向上に向け、同会は17年度から、製作に携わる技工士の名前を書き込んだポスターを診療所に貼る取り組みを始めた。
労働環境の厳しさを指摘する声もある。歯科技工士の7割以上が「技工所」と呼ぶ作業所で働くが、大半は1人の個人経営で、複数の診療所などから依頼を受けてかぶせ物などを製作するケースが多い。検討会では委員から「個人経営が中心のため長時間労働になり、診療所からの製作費用も抑えられがち」として待遇の改善を求める声が上がった。
有識者検討会は技工士に製作費用が適切に行き渡る仕組み作りや高校生などへのPRなど、人材確保策をとりまとめた報告書を年度内にもとりまとめる方針だ。

(日経新聞)



社会面に大きく掲載されていました。
この問題は歯科技工士の問題ではなく、歯科界全体が抱える大きな課題であることの認識がまず必要えす。
by kura0412 | 2018-06-21 09:01 | 歯科 | Comments(0)

「ALSOK、訪問医療マッサージ会社買収」

ALSOK、訪問医療マッサージ会社買収

綜合警備保障(ALSOK)は訪問医療マッサージのケアプラス(東京・港)を29日に買収すると発表した。投資ファンドなどから、全株式を取得する。買収額は約20億円。傘下に収めることで、ALSOKは高齢者向けサービスを強化する。
ALSOKはグループで展開する訪問介護の利用者向けに医療マッサージサービスを導入。運営する介護施設の入居者にも提供する。顧客を相互融通することで、収益拡大を目指す。
ケアプラスは北海道から福岡まで全国15都道府県に展開する。国家資格を持つマッサージ師を500人程度抱える。2018年3月期の単独売上高は、前の期比17%増の13億9400万円だった。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-06-19 09:41 | 介護 | Comments(0)

QDT(クインテッセンス出版)6月号

QDT(クインテッセンス出版)6月号・Guest Editorailに「社会保障制度改革の中でのダブル改定」と題して投稿いたしました。
http://www.quint-j.co.jp/shigakusyocom/html/products/detail.php?product_id=3611
by kura0412 | 2018-06-14 16:39 | トピックス | Comments(0)

「朝鮮半島の激変に備えを」

朝鮮半島の激変に備えを

朝鮮戦争の休戦から65年。戦火を交えた米朝のトップが12日、シンガポールで握手した。つい半年前まで、核実験や弾道ミサイルの発射で双方は緊張状態にあった。これほどの米朝接近を、誰が予想しただろうか。

トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長による首脳会談の焦点は、金委員長が体制のよりどころである核を本気で放棄する意志があるかどうか確認することだった。残念ながら、結果は安堵ではなく懸念が先に立つ内容だったと言わざるを得ない。
「朝鮮半島の完全な非核化」こそ共同声明に盛ったが、いつまでに、どうやって放棄するかなど細部は今後開く米朝高官級協議に委ねるという。対話が続く間は、金委員長は一息つける。時間稼ぎを図り、日米韓の言動に難癖をつけ、見返りを求めてくるだろう。
完全かつ検証可能で不可逆的な核放棄どころか、時間切れでトランプ氏が大統領を退くかもしれない。「それが金委員長の狙いだ」とみる専門家は少なくない。
一方で、絶対権力を持つ独裁者が、世界一の軍事力を擁する国の指導者に直接、非核化を約束した事実をあまり過小評価するのも適切とはいえない。ウソをつくなら再び軍事オプションも選択肢に入れた「最大限の圧力」が待っている。トップダウンで進める非核化プロセスは、これまでと違い進展をみせるかもしれない。少なくとも、それを全否定する材料も、今はない。
おそらく間違いないのは、好ましい方向と悪い方向のどちらにも、朝鮮半島情勢が大きく動く可能性がでてきたということだ。
仮に北朝鮮が核武装すれば、日米が防衛力を強化するのは間違いない。中国がそれを座視するとは思えない。軍拡の動きが懸念される半面、韓国の革新政権は北朝鮮にすり寄る形での緊張緩和に動きかねない。日米韓の分裂である。

反対に、核問題が解決に向かうなら、米朝関係は国交正常化が視野に入る。
拉致問題の解決にむけた日朝交渉も始まるだろう。国際社会の北朝鮮支援や開発投資も本格化する。同時に在韓米軍の縮小など、安保環境が激変する望ましくない動きも現実味を増すかもしれない。
北朝鮮をめぐる核問題は今後、日韓両国に加え、米国を中心にした世界秩序に挑む中国、ロシアも絡むパワーゲームの様相を呈するはずだ。世界の成長センターである東アジアの平和は日本にとって死活問題。日本は局面の変化に敏感であるべきだ。
米朝首脳会談が実現するまでの間、日本は不安な視線で成り行きを見つめざるを得なかった。当事者なのに主役になれないのは、安全保障を米国に頼る宿命である。
しかし、トランプ氏が期待する北朝鮮への経済支援で日本は、脇役以上の存在だ。
日朝交渉では主役そのものである。情勢を分析し、国内世論をまとめ、外交力を発揮して国益を守らなければならない。安倍晋三首相に備えはあるだろうか。

(日経新聞)



朝鮮半島が比較になり平和が訪れる、そんな単純な流れだけではない会談結果になったようです。日本も防衛だけでなく、外交、経済の大きな変換を求められました。韓国はどうするのでしょうか。現時点でも相当経済が悪くなっていると聞くのですが。
by kura0412 | 2018-06-13 10:46 | 外交 | Comments(0)

何故任期途中での辞職となったのか

首相の総裁3選に追い風、新潟知事選 自公系が勝利

10日投開票の新潟県知事選は自民、公明両党が支持した花角英世氏が激戦を制し、初当選した。両党はこれまで新潟の国政選などで苦戦してきたが、野党統一候補を破ったことで来年の参院選への弾みとなりそうだ。森友・加計問題といった影響は限定的とみて、9月の自民党総裁選での安倍晋三首相の総裁3選にも追い風になるとみられる。

花角氏勝利の報を受け、自民党の二階俊博幹事長は10日、党本部で記者団に「際どい差だったが勝利を収めることができた。慢心することなく今後の政権運営に全力を尽くしたい」と述べた。公明党の斉藤鉄夫幹事長代行はコメントで「公明党支持層も全力で動いた」と強調。ただ、国政での不祥事などを念頭に「現実には非常に厳しい風を感じた」と振り返った。
花角氏は「県民党」をかかげ、政党色を抑えた選挙戦を展開した。自民党や国政で連立を組む公明党もこれに配慮し、幹部は現地入りしても街頭に立たず、地元企業や支援団体への訪問などに徹した。東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働をめぐっては、自民党のエネルギー戦略と一線を画し、再稼働に慎重な姿勢を示してきた。
それでも自民、公明両党が花角氏へのテコ入れに躍起だったのは、今回の選挙結果が単なる地方選の枠を超え、来年の統一地方選や参院選の試金石になると見る向きが多かったためだ。花角氏が今回、負けていれば、来年の大型選挙を「安倍首相のままで戦えるのか」といった疑念が各地にわき上がり、政局に発展する可能性もあった。

森友・加計問題は国会で尾を引いており、政局の先行きは予断を許さない。ただ、総裁選前に実施する与野党一騎打ちの数少ない激戦を制したことで、首相や首相を支持する陣営にとっては総裁3選への不安材料をひとつ取り除けたといえる。終盤戦に入った国会も働き方改革関連法案など重要法案の審議が加速する見通しだ。
新潟は2016年の参院選、同年の知事選、17年の衆院選と、野党が連携して与党を上回る実力を発揮してきた地域だ。今回、野党統一候補が敗れたことで、立憲民主党や国民民主党など野党は来年の参院選に向け、共闘態勢の練り直しを迫られそうだ。

(日経新聞)



そもそも任期途中でありながら前職が辞職した理由を考えてください。本人も認めた確信犯です。マスコミはこの点を全く触れていません。この選挙のやり直しで10億円かかるそうです。そして落選した候補を推していたのは前回と同じ顔ぶれです。
もし結果が違ったら、新潟県民はそれを不問にすることを認めることになります。政策論争以前の問題でした。
by kura0412 | 2018-06-11 10:59 | 政治 | Comments(0)

「延命治療中止 医師葛藤 過酷な判断」

クローズアップ2018:延命治療中止 医師葛藤 過酷な判断

意識不明や認知症で、意思疎通ができない患者を受け入れる救命救急の現場。患者の意思確認を短時間で行うことは困難を極め、救急医は日々、過酷な判断を迫られている。国は今年3月に終末期医療の指針を初改定した。救命以外の現場でも延命治療取りやめの動きが広がるが、尊厳ある最期の迎え方を模索する医師らの葛藤は続いている。

◇患者家族の心も救う
全国最多の年間1万3000人超の救急搬送者を受け入れる湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)の救命救急センター。1日40台近い救急車が滑り込み、待ち受ける医師は死と隣り合わせの患者の治療に追われる。6割以上が高齢者だ。
「すごいスピードで高齢化の波が押し寄せている」。センター長で医師の大淵尚さん(54)の表情は険しい。回復が見込めない終末期患者の搬送も多く、延命治療を取りやめる機会が増えた。昨年中に取りやめた患者は約150人に上り、全員が高齢者だった。
「じいちゃんは『延命を望まない』と言っていた。治療はやめてください」。近年は患者の回復が見込める場合でも、こんな申し出をする家族も少なくないという。大淵さんは「全てが医者に任されていた時代と違う。今はどんな治療でも家族の同意が必要になるが、わずかな時間で動転する家族と信頼関係を築くのは難しい」と漏らす。
関東地方の別の救急医は数年前、耳を疑う相談を持ちかけられた。自殺を図り、心肺停止の状態で運ばれてきた男性の家族が、「死因は肺炎などの合併症ということにして、もう殺してくれ」と言うのだ。家族は家を新築したばかりで、多額のローンを抱えていた。自殺になれば、男性に掛けられた保険金が支払われないと懇願されたが、断った。

家族が経済的な思惑を優先しすぎていないかも見極める必要がある。
この救急医は「終末期の意思確認に関する教育なんて受けていないのに、『現場で判断しろ』と言われる。葛藤の連続だ」と悩む。
国や各医学会が公表する指針には、延命治療の中止が認められる基準が詳細に示されているわけではない。「指針に頼らず、医師が患者や家族と向き合って判断していくしかない」。大淵さんはそう考える。

大淵さんは4年前、重症肺炎で意識不明に陥った高齢女性の人工呼吸器を、家族と話し合って取り外した経験がある。女性はこのセンターに何度も搬送されていた。
呼吸器の取り外し行為は、過去に北海道や富山の病院で医師が刑事責任を問われかけ、その懸念から今でも慎重な医療機関が多い。呼吸器を外せば患者は短時間で亡くなるため、医師の精神的な負担が大きいとされる。それでも、大淵さんは呼吸器を外すことも選択肢から外さない。毎日新聞のアンケートに対しても、「みとりを積極的に行うべきだ」「法的に責任を問われる可能性がある」など、各病院の意見は割れた。
高齢化が進む中、無理に機械で延命される患者は苦しみ、介護を迫られる家族も経済的な重荷を背負わないか。「患者家族の心を救うのも医療のはずだ」。大淵さんは自らの信念や倫理観を信じるが、正解はどこにもない。
治療の取りやめも決断し、「みとり」も担うようになった救急医。誰にも最期が訪れるからこそ訴える。「自分は、家族は、どう生きたいのか。全ての人に考えてほしい」

◇改定指針、現場任せ
厚生労働省が2007年に策定した終末期医療の指針は、医療側を「規制」する意味合いが強かった。延命治療の取りやめは患者本人の決定が基本だとし、医師や看護師など多職種によるチームで判断することを柱としていた。
その後の10年あまりで社会状況は変化し、患者にとって「尊厳ある最期」をいかに迎えるかという観点で終末期医療のあり方が議論されるようになった。厚労省の17年度の調査では、心臓や呼吸が止まった場合に、心臓マッサージや人工呼吸器などを望まない国民は7割に上っており、各医学会は既に独自の指針を策定している。終末期には延命治療が必ずしも患者のためにならないとの考え方があるからだ。年間の死者数は40年には168万人にまで増える見通しで、医療機関が延命治療に関する判断を迫られるケースは今後も増えると予想される。

厚労省は終末期医療の実態は把握していないが、17年6月に日本透析医学会で発表された調査結果では、回答した人工透析施設の47%が終末期患者らへの透析をしなかった経験がある。毎日新聞が政令市などの全国74消防機関から回答を得た調査では、うち16機関で心肺蘇生を中止した実例があった。延命治療取りやめは、救命救急センター以外の医療現場でも広がっているとみられる。
厚労省が3月末に指針を改定し、患者と家族、医師らに繰り返し話し合うよう求めたのは、延命治療の取りやめの判断はそれぞれにとって重いためだ。新指針では、話し合いの結果を文書に残す必要性も強調した。4月に改定された診療報酬は、みとりなどの報酬算定要件に「指針を踏まえた対応」を追加し、医療機関に取り組みを促してもいる。
ただ、延命を取りやめて患者が死亡した場合、刑事責任を問われる可能性については、指針の「解説編」で「法的側面は引き続き検討する必要がある」としているのみ。尊厳死を認める議員立法の動きも中断しており、医療側が懸念をぬぐえない要因になっている。

◇延命治療
重い疾患で死が差し迫り、回復の見込みがない患者に対する延命を目的とした治療。気管に入れたチューブで酸素を送り込み、心肺機能の維持を図る人工呼吸器の取り付けがよく知られている。腎機能の低下で血液中にたまった老廃物などを取り除く人工透析や昇圧剤の投与も含まれるとされるが、明確な定義はない。

(毎日新聞)



このような瞬時の判断を迫られることは少ないですが、摂食嚥下の分野でも終末期での治療の選択に苦慮するケースは増えてきています。
by kura0412 | 2018-06-01 09:31 | 医療全般 | Comments(0)

対GDP比で見ると「今年度の1.11倍」が正しい

「社会保障費が2040年に1.6倍」は本当なのか?
日本の医療・介護費はそんなに怖くならない

「2040年度の社会保障費190兆円、今年度の1.6倍に」――。新聞各紙に大きな見出しが躍った。5月21日に政府が発表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」。社会保障費の長期試算としては2012年に発表して以来のものだ。前回試算では、2025年度までを見通したが、今回は2040年までが対象だ。
2040年というと、団塊ジュニア世代がすべて65歳以上に到達し、高齢化率(65歳以上人口比率)が2015年の26.6%から35.3%に急上昇、同年齢以上の人口は3900万人超とピークを迎える。具体的には、65歳以上人口は2015年の3386万人から2040年に3920万人と1.16倍に。さらに、医療・介護支出が急増する75歳以上人口は2015年の1632万人から2040年に2239万人と1.37倍の大幅増加となる。
医療費が増える要因としては、技術革新による医療の高度化もある。2040年の社会保障費が1.6倍になると報道されれば、「無理もなかろう」と多くの人は思うだろう。だが、今回の試算を見て、社会保障費が1.6倍に増えると考えるのは、実は「誤読」だ。落とし穴は、社会保障費の金額だけで考えてしまうところにある。どういうことか、見ていこう。

個々の費用はGDPと比較して見る必要がある
2040年度に社会保障費が190兆円で、2018年度の1.6倍になるという今回の試算はどんな経済状況が前提となっているのだろうか。それは、名目GDP(国内総生産)成長率が2018~2027年度までは年率1%台後半~2%台半ば、2028年度以降は年率1.3%というものだ(今回試算のベースラインケース)。その結果、わが国の名目GDPは2018年度見込みの564.3兆円から2040年度には790.6兆円と1.4倍になる前提となっている。
つまり、私たちの所得が今の水準のまま社会保障費負担が1.6倍になるのではない。私たちの所得が1.4倍になった将来の世界で、社会保障費負担が1.6倍になっているわけだ。これはどう考えたらよいだろうか。

試算では、GDP成長率や、それと比例的に動く賃金上昇率、物価上昇率に応じて、医療費や介護費の単価の伸び率が設定されている。つまり、「1.6倍」の金額の中にはこうした価格上昇分が入っているわけであり、社会保障費の実質的な支出が1.6倍になっているわけではない。
極端な例として、私たちの経済活動はまったく同じだが、翌年にすべての価格だけが2倍になった世界を考えてみよう。そのとき、社会保障費は当初100兆円だったが、価格が2倍になったため、翌年は200兆円になる。これで社会保障費が2倍になったと私たちは叫ぶだろうか。私たちの所得も2倍になっているため、社会保障費の負担感はまったく変わらない。
経済統計の世界では、特に5~50年など長期の試算を行う際は、金額ベースで物を考えてはいけないという暗黙のおきてがある。それは先述のように物価が変わってしまうため、実質的な大きさがわからなくなってしまうからだ。だがなぜか、日本のマスコミは、社会保障費の見通しについてこのルールを逸脱する癖があるようだ。
では、こうした長期の試算について、金額ではなく、どんな数値を基に考えればよいだろうか。それが対GDP比という指標だ。GDPというのは一国の経済規模(=所得)のことであり、個々の費用を経済規模に占める割合で見るわけだ。たとえば、先の価格だけが2倍になった世界でいうと、分母のGDPも2倍になるため、対GDP比は変わらない。

対GDP比で見ると「今年度の1.11倍」が正しい
今回の試算では、社会保障費の対GDP比はどうなっているだろうか。2018年度は21.5%で、これはわが国の経済活動の21.5%が医療・介護や年金、子育てなどの社会保障に使われていることを意味する。これが2040年度には23.8~24%になる見通しだ。2018年度との比較では、2.3~2.5%ポイントの違いであり、倍率にして1.11倍程度の増加にすぎない。つまり、今回の報道では、「2040年の社会保障費は今年度の1.11倍に」が正しい見出しといえるだろう。
この1.11倍という数字は、医療・介護の将来像を映し出している。社会保障費の中には、年金や子育て費用も含まれるが、これらの対GDP比の増加は小さいため、ここでは社会保障費の増加は医療・介護によるものとして考えてみよう。先述のように、2015年から2040年にかけてわが国は、最も医療・介護費を使う75歳以上人口が1.37倍に増える。だが、実際の医療・介護費は、75歳未満人口の減少や、現在進められている医療提供体制改革(急性期医療の効率化など)の効果などから、1.11倍に抑えられるということだ。
これは次のように言い換えることもできる。単価の伸びの影響は、対GDP比では無視してよい。そのため、対GDP比の意味するところは、数量的な経済活動の規模でもある。つまり、わが国経済の数量的規模の中で社会保障の占める割合は2018年度に21.5%だったが、それが2040年度には24%程度になるということだ。
こうした対GDP比での社会保障費の推移を見ると、2000~2015年度では、14.8%から21.6%と6.8%ポイントの上昇を示していた。これは倍率にして1.46倍だ。2018~2040年度の社会保障費の増加は、実は2000~2015年度よりもマイルドな見通しだということがわかる。

欧州主要国より実質の社会保障費は小さい
為替の違いなどを排除できるため、対GDP比で考えると、国際比較も楽になる。欧州主要国の社会保障費の対GDP比は、日本より高い。
高齢化率は日本が断トツで高いにもかかわらずだ。つまり、なるほど日本は世界が経験したことのない超高齢社会に世界に先駆けて突入しているが、高齢化に伴う社会保障費の負担増という意味では、すでに欧州が先を行っているということだ。日本は社会保障費の膨張で未踏の領域に達しているわけではない。
もちろん、日本は税や社会保険料の対GDP比が欧州より低く、そのため、財政赤字が山積している。社会保障の効率化だけでなく、税や社会保険料の負担増も検討していく必要がある。社会保障費の増加に対し、むやみに恐怖感を持てば、正しい判断ができなくなる。

(東洋経済ONLINE)
by kura0412 | 2018-06-01 09:26 | 経済 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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