先生方の診療所はいかがでしょうか。

私の診療所は現在大掃除の最中で、間もなく本年の診療を終えます。

今年も多くの先生方から本ブログを覗いていただきありがとうございます。

来年も歯科界内外の動きをご紹介したいと考えております。

良いお年をお迎えください。
by kura0412 | 2017-12-30 10:25 | 思うこと | Comments(0)

ライオン、4年連続の営業最高益に 17年12月期

ライオンの2017年12月期の連結営業利益は前期比12%増の275億円程度になりそうだ。従来予想(270億円)を上回り、4年連続で最高益を更新する。8月に発売した口臭予防効果のある歯磨きや洗口液が若年層に人気で、2月に刷新した子供向けの歯ブラシなども想定以上に好調だ。機能をアピールした単価の高い製品が売り上げを伸ばし、利益率が改善し続けている。

売上高は4%増の4100億円程度になりそうだ。従来予想の4050億円をわずかに上回る。
主力の国内消費財事業が利益をけん引している。特に8月に発売した口腔(こうくう)ケアの新ブランド「NONIO(ノニオ)」は口臭予防効果をアピールし、20代から30代前半の顧客層を掘り起こしている。11月までの売り上げは同社計画の1.5倍に達したようだ。歯磨きと併用する洗口液も伸びている。
既存ブランドの販売も好調だ。16年9月に発売し、保湿成分が肌に残るボディーソープ「ハダカラ」は新しい香りの商品を投入するなどテコ入れを続けている。その効果で発売から1年が過ぎても売上高は前年を上回っている。機能を訴求できる高単価品の販売増により、原材料価格の上昇や販促費の増加を吸収している。国内日用品事業の売上高営業利益率は16年12月期実績の5.5%を上回ったもようだ。
売上高の3割を占める海外では中国やタイ、韓国などで販売が好調だった。中国では電子商取引(EC)で「クリニカ」の販売が伸びている。韓国では体脂肪の削減効果を見込める健康食品「ラクトフェリン」を販売し始め、新規の顧客を開拓した。
18年12月期も機能をアピールした高単価品の販売に力を入れ、増収増益となりそうだ。口腔ケア製品の生産拠点、明石工場(兵庫県明石市)では洗口液などの生産能力を増強し、国内外の需要増に対応し始めている。

(日経新聞)



この流れに乗ってメーカーとコラボするのは結構なことですが、動きが悪いと一方的に進めらることもありそうです。まぁ、それで歯科界が活性化するならば「良し」ですが。
by kura0412 | 2017-12-30 09:11 | 経済 | Comments(0)

自宅での歯みがき、歯科衛生士に“丸見え”に
サンスターと富士通が仕掛ける新サービス

「1日に何回、どのように歯を磨いているか。患者の自宅での歯みがき状況を歯科衛生士が把握できれば、患者に適切な指導をすることができる」(日吉歯科診療所に勤める歯科衛生士)。そんなニーズに対応するサービスを、サンスターと富士通がタッグを組んで開始する。2017年12月25日に開催した記者会見で発表した。

サンスターグループ オーラルケアカンパニーが手掛けるIoTスマートハブラシ「G・U・M PLAY」と、富士通が開発した歯科医院向けクラウドサービスを連携させたサービスである。具体的には、G・U・M PLAYに蓄積された毎日の歯みがき情報と、歯科医院向けクラウドサービスに集約された患者の口腔情報を連動することができる。これによって、歯科医師や歯科衛生士は患者の自宅での歯みがき状況を確認することができ、より適切な歯科指導が可能になる。
2017年12月25日から予約を受け付け、2018年1月31日に製品の提供を開始するという。2020年までに500の歯科医院へ導入することを目指す。

磨き残しが多い部分をアプリに表示
サンスターグループが手掛けるG・U・M PLAYは、患者が正しい歯みがきを行えるようにするための製品である。2016年4月に発売した。歯ブラシに3軸加速度センサーとBluetooth通信モジュールを搭載したアタッチメントを装着することで、スマートフォンアプリで歯みがきを可視化できる(関連記事)。
どの歯を何秒磨いたか、磨き残しがないかなどをアプリで確認することが可能である。アタッチメントには、歯科衛生士が患者の口腔状況に合わせた磨き方を登録でき、正しい磨き方と自分の磨き方がどれだけ違うのか確認できる。
今回のサービス提供に合わせて、「MOUTH STATUS」という新しい機能も搭載した。歯科医院での検診結果を基に、歯1本ごとのプラーク(歯垢)残存レベルを設定する機能で、磨き残しが多い部分をアプリに表示できるようにした。
一方、富士通が手掛ける歯科医院向けクラウドサービスでは、レントゲン写真や検査結果などの医療情報を“歯の健康ファイル”として患者のスマートフォンやパソコンに共有し、家で治療の経過が確認できる。現在、50の診療所に導入されているという。

サービスを導入する現場の期待は…
記者会見には、今回のサービスを導入する日吉歯科診療所 理事長の熊谷崇氏が登壇した。同氏は、医療情報を見ればきちんと治療が行われたか確認できることから「医師の治療が患者に評価されることで歯科医療の質を高められれば」と期待を述べた。
口腔の健康は全身の健康に大きな影響を与えることが分かっている。例えば、成人の約8割の人が患っているとされる歯周病は、「骨粗鬆症や動脈硬化、糖尿病と関連がある」(サンスターグループ オーラルケアカンパニー マーケティング部 統括部長の淡島史浩氏)。今回のサービスは、「口腔と全身の健康状態の関係についてエビデンスを構築することにも活用できるのではないか」と熊谷氏は見る。
記者会見で熊谷氏は、今の日本の歯科医療についても言及した。日本人の口腔状態の特徴としては、「若い時に治療した歯は何度も治療する傾向にある。虫歯や歯周病になると、“削って詰めて”を繰り返す」と同氏は説明する。状態が悪くなってから歯科医院に行くことも特徴的で、定期的なメンテナンスに通う人は少ないため、「日本では後期高齢者の9割が入れ歯を利用する状況」と同氏は話す。
これからは、「歯科衛生士による定期的な口腔ケアやメンテナンスを行い、必要があれば医師が治療を行う歯科医療を目指したい」と熊谷氏は話す。定期的にメンテナンスを行うことで歯を失いにくいことが分かっており、海外の研究では初診時の年齢が若いほど30年後の失歯数が少ないと示されているという。つまり、「継続的なメンテナンスなしでは口腔の健康を保つことが難しい」(同氏)というわけだ。

(日経デジタルヘルス)



いよいよ歯科にもこの種の話題が、具体的な事例として出てきました。
15年前にあるメーカーの関係者に、「もう歯ブラシや歯磨剤を売るだけの時代は終わったよ」と話したことを思い出します。
by kura0412 | 2017-12-27 14:12 | 歯科医療政策 | Comments(0)

人口減に健全な危機感をもっと(社説)

アベノミクスの5年はいくつかの点で日本経済を大きく好転させた。日経平均株価は2万2千円台に上がり、労働市場は完全雇用を達成してあまりある。来日客数は3千万人乗せが時間の問題だ。
米国、中国などが先導する世界経済の拡大に助けられた面はあるが、企業経営者はおしなべて自信を取り戻したと言ってよかろう。
だがその陰で日本の経済社会をむしばむ構造問題には、ほとんど手がついていない。人口減少である。人口減への健全な危機感を個人、企業、政府・地方自治体が三位一体になって強めるべきだ。

和歌山県が毎年消滅
歴史人口学をひもとくと、20世紀初めに4400万人弱だった日本の総人口は1967年に節目の1億人を突破し、今世紀初めに1億2800万人の頂点に達した。
仮に、男女の年齢別生存率と合計特殊出生率が2004年の水準のまま推移し、かつ移民を受け入れないとすれば、22世紀初めの総人口は4100万人台に減る。過去1世紀の増加分が帳消しだ。
出生数が死亡数を下回る自然減はすでに定着している。戦後ベビーブーム期に生を受けた団塊の世代のすべてが後期高齢者になる25年を、安倍政権は財政と社会保障の難所と位置づける。しかし本当に苦しくなるのは、それ以降だ。
国立社会保障・人口問題研究所は40年からの20年間に総人口が1808万人減ると推計する(17年推計)。単純平均すると年間の減少数は90万人強だ。たとえれば和歌山県ほどの自治体が毎年一つずつ消滅するほどの衝撃である。
少子高齢化を伴いながら人口減少が加速することは、今世紀に入る前からわかっていた。その間、日本の人口政策はぶれ続けた。
昭和初期にかけては産児制限運動が盛んになった。政府は移民送り出しを奨励し、毎年2万人ほどが南米などへ渡った。日米開戦を前にした1941年には逆に「産めよ殖やせよ」の号令の下、60年までに総人口1億を達成させる人口政策確立要綱を閣議決定した。
過剰論が再び台頭したのは敗戦後だ。48年の優生保護法成立を経て、経済的理由による人工妊娠中絶の合法化が出生率低下のきっかけの一つになった。74年の日本人口会議は「子供は2人まで」と、大会宣言にうたった。
70年代前半の第2次ベビーブーム期を過ぎ、出生率は行きつ戻りつしながらも緩やかに降下した。89年にはついに1.57に下がり、66年丙午(ひのえうま)の1.58を下回った。バブル景気のまっただ中、経済への負の影響を心配する声はかき消されがちだった。
今や年間出生数は百万人の大台を下回っている。かたや子供を2人以上もちたいと考える夫婦は少なくない。厚生労働省の成年者縦断調査(16年)の結果によると、この4年間に第1子をもった夫婦は夫の79%、妻の72%が第2子、第3子をもちたいと考えている。
産むか否かは各人の選択だ。政府が督励するのは論外である。望んでも授からない人もいる。一方で、調査が浮き彫りにした潜在的な希望をかなえる策は不可欠だ。
着目すべきは医療・介護や年金制度が内包する世代間格差だ。学習院大の鈴木亘教授が一定の前提をおいて試算したところ、1945年生まれは3制度合計の生涯収支が3370万円の黒字に対し、2010年生まれは3650万円の赤字になる結果が導かれた。

若い男女の後押しを
負担・受益の両面で高齢層が有利な状況はある程度は致し方ないが、これだけの格差の放置は将来世代への責任放棄ではないか。
3点、提案したい。
まず社会保障改革の断行だ。
たとえば医療の窓口負担は、年齢で差をつけるやり方から収入・資産をもとに決める方式に変えるべきだ。巨費をかけてマイナンバーを導入したのは、そうした用途に使うためではなかったか。
次に子育て支援の強化だ。
政府・自治体や経済界を挙げて待機児童を減らすのは当然として、とくに企業経営者は従業員が暮らしと仕事を無理なく両立させられる環境づくりに意を用いてほしい。
最後にこれから生まれてくる世代への支援だ。
夫婦が出産を諦める理由のひとつに晩婚化がある。結婚を望む若い男女を後押しするには、就労支援などを通じて出産の機会費用を下げるのが有効だ。
振り返れば、私たちの暮らしを豊かにし、社会を安定させる原動力として人口政策をとらえる発想は乏しかった。人は言うまでもなく国力の源泉である。望む親が2人、3人――と、無理なく子供を増やせる環境を整えてゆきたい。

(日経新聞)


関係ないとはいいませんが、人口減と社会保障改革、特に窓口負担は?
by kura0412 | 2017-12-27 11:26 | 社会 | Comments(0)

■平成29年度日本歯周病学会60周年記念京都大会が盛大に開催
「伝統と革新 歯周病撲滅に向けて!」をテーマに約4,000名が参集

さる12月16日(土)、17日(日)の両日、国立京都国際会館(京都府)において、平成29年度日本歯周病学会60周年記念京都大会(栗原英見大会長、理事長)が「伝統と革新 歯周病撲滅に向けて!」を大会テーマに、約4,000名の参加者を得て盛大に開催された。
60周年記念大会ということもあってか、一般演題はポスターのみで、話題の腸内細菌に焦点をあてた小川 順氏(京大教授)の講演と、大会長(理事長)の栗原氏ら同学会の新旧の重鎮と造詣の深いDr. Thomas E Van Dyke(米・Forsyth Institute)とDr. Gregory J Seymour(オーストラリア・Queensland大)を招聘した特別講演2題、Periodontal Medicine系のタイトルがめだった医科歯科連携シンポジウム4題、歯周病専門医の育成から超高齢社会における歯周病予防・治療、歯周病患者に対するインプラント治療、歯周組織再生療法までが語られたシンポジウム6題、アジア、韓国、中国、米国、ユーロと日本歯周病学会との密な関係が披露された国際シンポジウム、Sunstar Young Investigator Award口演、ランチョンセミナー12題、歯科衛生士セミナー、歯科衛生士プログラム、歯科衛生士スイーツセミナーなどが盛大に開催された。

最終日の午後には、本大会のメインともいえる「60周年記念講演」、「京都宣言」が行われた。
厚生労働省、日本医師会、日本歯科医師会、日本歯科医学会の要職4名が登壇した60周年記念講演では、「歯科医療を取り巻く環境の変化―医療・医学の視点から―」と題して超高齢社会となった今後の各方面の取り組みと考え方が披露された。その後、「京都宣言」に向けて本学会の要職3名、日本臨床歯周病学会理事長、日本口腔衛生学会理事長、日本歯科衛生士会会長、日本歯科商工協会会長が登壇発言を行い、分子疫学的手法によるPeriodontal Medicineのよりいっそうのエビデンスの構築をはじめとして、歯周病撲滅に向けた伝統と革新の「京都宣言」の運びとなり、サテライトの部屋が設けられるなど、賑わいを見せた。

(メールマガジンクインント)
by kura0412 | 2017-12-22 17:43 | 歯科医療政策 | Comments(0)

業界に配慮、選挙の恩

診療・介護 報酬改定 官邸・自民、業界に配慮

加藤勝信厚生労働相と麻生太郎財務相は18日、2018年度の診療、介護、障害福祉サービスの3報酬改定率について最終合意した。診療報酬のうち医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」はプラス0・55%、薬価はマイナス1・74%で、全体はマイナス1・19%。介護報酬は0・54%、障害福祉サービスは0・47%引き上げることが決まった。団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」に対応する重要な改定を振り返った。
 
◇「抑制」財務省を押し切る
医療や介護サービスの値段である診療・介護報酬を引き上げれば税や保険料負担が増える。加藤氏は、麻生氏との会談後の記者会見でこの点を問われ、「少子高齢化が進む中での(医療や介護サービスなどの)ニーズに対応する一方、個人の負担がどうなるか。多面的にみながら議論しなければならない」と述べ、負担増とサービスとのバランスに配慮したことを強調した。だが、実情は「業界への配慮」が強く浮かぶ。
12日深夜、麻生氏が電話をかけていた。相手は日本医師会の横倉義武会長。「これ以上、時間をかけても一緒だ」。「本体0・55%上げ」をのむよう迫った。麻生氏が昼過ぎから安倍晋三首相らも巻き込んで調整した最終結果を、横倉氏も受け入れた。財務、厚労両省の事務レベルでは詰めの調整が残る中、麻生氏自ら動いて政治決着を図った。
0・55%引き上げるには国の税金約600億円を投じる必要がある。政府は高齢化などによる社会保障費の自然増圧縮に取り組み、来年度予算でも1300億円削ることを決めている。その中での600億円は小さい数字ではなく、「医療界優遇」の色は濃い。
背景には旧知の仲である首相と横倉氏の関係がある。世界医師会長にまで上り詰め、来年の会長選で4期目を目指す横倉氏の顔に泥を塗るわけにはいかなかった。10月の衆院選では20万票とされる組織票で自民党を全面支援したことには首相だけでなく自民党幹部も恩義を感じていたという。

財務省は当初、「本体マイナス」を主張し、厚労省も前回のプラス0・49%程度を想定していた。ところが、決着の数日前、自民党幹部は「もっと上げられる」と周辺に語っていた。医療や介護の自己負担増といった制度改正で浮く財源が使える。これが日医に伝わると、「相場」はつり上がっていった。
ある厚労省幹部は、麻生氏の動きについて「財務省には、交渉が長引けば引き上げ幅がさらに大きくなるとの危機感があった」と解説する。医療関係者は「麻生氏の申し入れを受けなければ、もっと上がったはずだ」と口をそろえる。
診療報酬本体の引き上げが想定より大きくなったことにつられて介護報酬も上がった。前回(15年度)のマイナス2・27%から一転、本体に準じた0・54%で国費約140億円を確保。「診療報酬(本体)と遜色のない引き上げ」を求めていた介護業界の意向通りとなった。
「診療報酬は、横倉会長が『うん』と言えば決まる」。自民厚労族の言葉通り、最後は業界に配慮した官邸・自民党が財務省を押し切った。

◇「在宅」充実は不十分
改定率を踏まえ、厚労省は年明けに医療機関や介護事業者に支払うサービスごとの報酬(値段)を決める。2年に1度の診療報酬改定と3年に1度の介護報酬改定が重なるのは6年に1度で、2025年に向けて今回は実質的に最後の同時改定となる。医療と介護の切れ目のない連携のほか、重度化防止のため、自立支援の強化を目指す。
医療と介護の連携で特に課題となるのは入・退院時と終末期だ。ケアマネジャーが退院時にケアプランを作成したり、医療機関で多職種による会議に参加したりした場合、手厚く評価する。また特別養護老人ホームが、非常勤の配置医や協力病院と連携し24時間対応を行う場合の加算も設け、施設でのみとりを進める。
国が在宅化を推し進める背景には、病床機能の再編がある。重症入院患者向けの急性期病床を減らし、リハビリ向けの回復期病床などを増やす方針だが病床数全体は抑える。そのため、自宅や介護施設で医療や介護を受ける高齢者は25年には現在より30万人増と見込まれる。改定では急性期病床に軽症患者が多く入院している場合、診療報酬を下げる。これにより軽症者をリハビリ病床に誘導し在宅療養につなげたい考えだ。
医療・介護ニーズが増える一方、支え手は減少が見込まれており効率化が求められている。大病院と診療所の役割分担をさらに進めるほか、情報通信機器を使った遠隔診療を促進するため報酬を上げる。
介護では、要介護度が重いほど報酬が多いという現状を見直し、自立支援に成果を上げた事業者の報酬を加算。一方、ヘルパーが主に調理などを行う「生活援助」は短期間の研修制度を新設し、担い手を拡大。その分報酬を下げる。
結城康博・淑徳大教授(社会保障論)は「病院の役割分担を進め、在宅医療に重きを置いている点は評価できる」としながらも、介護については「在宅介護への対応を手厚くする必要があったが、生活援助の報酬を下げるなど厳しい内容だ。微増の改定率では介護の人材不足解消はほど遠い」と話した。

(毎日新聞)




日医に配慮「選挙の恩」 厚労省は蚊帳の外 診療報酬本体プラス

来年度予算編成で最大の焦点だった診療報酬改定は、医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」を0・55%引き上げることで事実上決着した。前回の0・49%増を上回るプラス改定となった背景には、先の衆院選で支援を受けた日本医師会(日医)の恩に報いたいという安倍晋三首相の配慮がのぞく。所管する厚生労働省は最後に蚊帳の外となり、マイナスを主張していた財務省も白旗を揚げる結果となった。

▽深夜の電話
「診療報酬の本体は0・55%プラスで決まった」。12日深夜、永田町と霞が関に情報が駆け巡った。その直前、ホテルの一室にこもった麻生太郎財務相が電話で話し込んでいた。相手は加藤勝信厚労相だった。午後11時すぎ、通話は終了。決着の瞬間だった。
この時まで厚労、財務の両省は改定率の折り合いを付けられないでいた。この日午前に財務省が厚労省に提示したのは、前回2016年度改定並みの「0・5%増」。0・01%のプラスには国費で約11億円かかる。双方とも詰めの協議は数日続くとみていただけに、深夜の政治決着は寝耳に水だった。
流れをたぐり寄せたのは日医の横倉義武(よこくら・よしたけ)会長だ。今年10月に世界医師会長に就任し、来年の日医会長選で4選を狙う横倉氏にとって、今回の報酬改定が本体プラスとなれば会員への格好のアピールになる。周囲にも「最低限、前回の0・49%は超えなければならない」と意欲を見せていた。世界医師会の仕事でタイに向かう14日を前に結論が出る形となった。

▽財務省「完敗」
日医は20万票とも言われる医師の組織票を持ち、10月の衆院選で自民党を全面支援した。選挙後に官邸を訪れ、病院の経営悪化などを理由にプラス改定を求めた横倉氏に首相は「恩に報いる」と約束したという。
診療報酬改定では本来、薬の公定価格である「薬価」の引き下げなどを通じて財源を積み上げ、本体の改定率を決めていく。ところが今回、厚労省は上層部も加藤氏から12日深夜に連絡を受けて初めて0・55%という数字を知ったほど。ある幹部は「数日後に決まると思っていた。完全に蚊帳の外だ」と嘆く。
診療報酬の引き上げは、医療費の膨張と税や保険料の国民負担増につながることから、財務省は秋ごろから本体のマイナス改定を強く主張。麻生氏も「本体に厳しく対応する」と強調してきた。
だが12日午前、麻生氏は官邸で首相と会談。横倉氏の顔を立てたい首相の意向に、最終局面で折れたとの見方が強い。財務省幹部は「完敗だ」と漏らした。

(共同通信)



この論法で考えると、賃金ベースアップの官邸から経済界への要望はどう理解すれば良いのでしょうか。
by kura0412 | 2017-12-20 16:01 | 医療政策全般 | Comments(0)

医師の報酬上げ「総理の恩返し」 議論なき決着

2018年度予算編成の大きな焦点だった診療報酬の改定率が18日の閣僚折衝で正式に決まった。医師らの技術料などは予想以上に伸ばす一方、薬剤費抑制で予算削減目標を達成するいびつさが浮き立つ。自民党の支援団体である日本医師会と政権の蜜月。負担のしわ寄せがくる企業や個人の視点は無視され、医療の効率化論議も押し流された。

「麻生大臣のもとで(改定が)できて幸せです。ありがとうございました」。18日の閣僚折衝。財務省大臣室で厚生労働相の加藤勝信(62)はていねいに頭を下げた。
「四捨五入すれば0.6%だ」。6日前の12日午後11時ごろ。財務相の麻生太郎(77)は日本医師会長の横倉義武(73)と加藤にプラス0.55%の数字を提示。2人がその場で受け入れ、決着したが、もともとこんな高水準で決まるはずではなかった。
その日の午前、麻生が向き合っていたのは首相の安倍晋三(63)だ。横倉とは安倍が若手で自民党の社会部会長(現在の厚生労働部会長)をしていた頃からの付き合いで密接な間柄。横倉は第1次安倍政権が倒れた後も安倍と会い、関係を維持していた。

横倉の顔を立てたい安倍に対し、麻生は前日固めていた「0.50%」からさらに10億円程度上積みし、0.51%で妥協点を探った。「横倉さんがいいというなら」と話す安倍。この瞬間、0.51%で決着かに見えた。
安倍・麻生会談が終わった日の午後、当の横倉は自民党本部で自民党幹事長の二階俊博(78)と会談した。二階は横倉の目の前でおもむろに財務省主計局長の岡本薫明(56)に電話をかけた。「自民党は大変選挙でお世話になった。よろしく頼むぞ」。決まりかけた0.51%は数時間後、「発射台」に変わっていた。
ここ数年、自民党で厚労行政の議論を取り仕切る政調会長代理の田村憲久(53)は0.51%以上のプラス改定ができる余力があることを知っていた。医療・介護の分野で過去に決めた歳出改革の効果が18年度に本格的に効き始めるからだ。田村からの連絡に意を強めた横倉は財務省に「0.7%が筋。最低0.6%」とハードルを上げ始めたのだ。
横倉にも事情がある。今年10月に世界医師会長に就任。来年の日医会長選で4選を狙う微妙なタイミングで改定率は高いほど助かる。地方の医師会では「納得いかない数字なら会長は退陣すべきだ」と圧力をかける幹部もいた。
最終的に麻生は「四捨五入で0.6」という形で折れた。「上積みは横倉さんが自民党が下野したときも裏切らなかったことへの総理の恩返し」。こう語る厚労省幹部もいる。安倍・麻生が完全に主導権を握り、決着当日、知らせがなかった自民党厚労族幹部もいた。
プラス改定自体は8月末からの既定路線だ。「麻生さんと横倉さんの関係を考えたらマイナス改定なんてできるわけがない」。早々と白旗を揚げていたのは財務省幹部。
安倍・横倉が緊密なら、同じ福岡県出身の麻生と横倉も親しい仲だ。横倉は麻生と関係が微妙な福岡地盤の古賀誠(77)ともともと距離が近かったが、麻生に接近。第2次安倍政権下での14年度と16年度の過去2回の診療報酬改定でも麻生と横倉は直接やりとりし改定率を決めてきた。
診療報酬改定で主要プレーヤーのはずの中央社会保険医療協議会は13日、報道で決着の事実を知り仰天した。45兆円の診療報酬の配分を決めるこの協議体は、日医など「診療側」と健康保険組合など保険料の「支払い側」が互いに意見表明し、段取りを踏みながら改定率を決めるならわしだ。
「我々が意見陳述する前に改定率が決まるなど前代未聞だ」。13日にマイナス改定の意見表明をするはずだった委員の一人、健康保険組合連合会(健保連)の幸野庄司(58)は憤慨した。

今回のプラス改定で国費600億円だけでなく、企業や個人が支払う保険料と病院窓口で払う患者の自己負担は計1600億円程度増える。
診療所の院長ら開業医の報酬は十分に高額で、それをさらに引き上げるべきなのか。経済力のある高齢者らの医療費負担を適正水準に上げてはどうか。こうした議論は影をひそめた。財政悪化で国民みんなが我慢すべき時代に、開業医らに配慮した改定がほんとうに必要だったのだろうか。
日本医師会は20万票ともいわれる医師の組織票に加え、多額の政治献金で自民党の政治家を支援している。「『横倉さん、こっちを向いて』という政治家たちの思惑の積み重ねが0.55%という数字をつくった。まっとうな政策の筋論などない」。財務省若手官僚はこう嘆くが、一体で動く政権と日医の前では戦うことすら許されなかった。(敬称略)

(日経新聞)



一元的に上辺の数字だけを語る日経らしい記事ですが、非常に面白い内容です。
ちなみに改定率は、医科+0.63、歯科+0.69、調剤+0.19%。従来の技術料の比率は堅持されました。
by kura0412 | 2017-12-19 09:34 | 医療政策全般 | Comments(0)

(デンタルタイムズ21での連載が終了したに伴い、不定期でこのブログでオリジナルコラムを掲載します。)

診療報酬+0.55、介護報酬+0.54%

政府の来年度予算案が大詰めとなり社会保障予算の大枠がほぼ固まってきました。
今回の社会保障費における予算を定める中で、最初に大きな変更が成されました。その一つが2020年を目標としたプライマリーバランス0の目標を繰り延べたこと。もう一つが従来高齢者主体となっていな社会保障を全世代型に移行することでした。そしてその変更の伴い、消費税増税分用途の変更となりました。これをベースにして、従来あった社会保障全体にか掛けられえていた1300億円削減が課せられ、消費税増税先送りとなった社会保障改革プログラムの中で大きなイベントとなるW改定が始まりました。
今回の改定で的となったのは「薬」であり、その財源となったのは薬価差額であることはご承知の通りです。
まずオブシーボなどの高額薬の減額の深堀がされ、また、薬価改定も部分的ながらも毎年行えることとなりました。それに加え、門前薬局などの調剤に大きなメスが入り、その財源をもって、1300億円削減分+本体アップそして介護保険アップに割り当てた結果が、診療報酬+0.55、介護報酬+0.54%という結果となりました。社会保障費5000億、国費ベースで750億円増となる試算です。
果たして0.55でどれだけ改善されるかは分かりませんが、とにかくプラス改定に持ちこたえたことは評価すべきですし、政府としてもW改定を両保険共にプラスに持ち込めたのは安堵していると思います。但しこの改定で、薬価差額分を全て診療報酬へ振り分けることは完全になくなり他の政策の財源となる前例が出来てしまいました。
次なる注目は、従来の医科・歯科の技術料比率が保たれるのか、また、歯科が介護も含めて新たな方向性へ迎えられる前向きな貼り付けになるか移り、知恵の勝負となりました。
by kura0412 | 2017-12-17 12:52 | コラム(連載) | Comments(0)

診療報酬改定率、数字にずれ 厚労省「▲1.19」財務省「▲0.9」

2018年度予算編成の焦点の一つだった診療報酬・介護報酬の改定率が15日、決着した。医師の技術料にあたる診療報酬本体部分は0.55%増、介護報酬は0.54%増となった。ただ薬価の引き下げ分を含めた診療報酬全体の改定率については、財務省と厚生労働省の間で数字にズレが生じている。

診療報酬は医療サービスの公定価格で、2年に1度見直される。介護報酬は介護サービスの公定価格で、3年に1度見直しており、来年度は6年に1度の同時改定にあたる。診療報酬本体のプラス改定は6回連続。介護報酬は12年度の前々回改定以来、6年ぶりの増額となった。国費ベースでそれぞれ600億円弱、150億円必要になる。
問題となっているのは診療報酬全体の改定率だ。
診療報酬は本体部分と薬や医療機器の公定価格である薬価部分からなる。薬の値段は販売競争によって公定価格より下がることが多く、2年に1度、市場での流通価格に沿って薬価を引き下げることで価格差を解消している。
現在、財務省と厚労省とで薬価引き下げの割合が異なり、全体の改定率も違ってきている。財務省は薬価の引き下げ幅をマイナス1.45%とし、厚労省はマイナス1.74%とする。診療報酬の本体部分はプラス0.55%とすることで一致しているため、差し引きした診療報酬全体の改定率は財務省がマイナス0.9%、厚労省がマイナス1.19%となる。
厚労省は来年度から始まる薬価制度改革によって捻出できた財源を含めた計算としており、財務省よりもマイナス幅が大きくなっている。厚労省には医療費抑制の効果を大きくみせたい思惑があるとみられる。ただ2つの役所の数字が異なれば、医療現場での混乱を招きかねない。両省の見解を擦り合わせる必要がある。

(日経新聞)



何故薬価引き下げの割合が異なるのか?よく分かりませんが、厚労省と財務省との考えが違うようです。
by kura0412 | 2017-12-16 09:54 | 医療政策全般 | Comments(0)

弁護士と歯科医師

弁護士が「真面目に働く人ほど食えない」仕事になった理由

収入が激減し、資金繰りに困るがあまりに顧客のカネに手を付ける――最近、年配の弁護士を中心に、カネがらみの悪事で懲戒処分を受ける例が目立っている。

食えない弁護士たちがお客のカネに手をつける
「昔なら、預かり金に手をつけたところで、仕事はバンバン入って来た。だから短い時間であれば、何とか埋め合わせもできた。それに銀行に行けばカネも簡単に借りられた。でも、今は違う。仕事はないし、カネを貸してくれるところもない」
弁護士を廃業、引退した70代男性は、こう語る。仕事がなく、食えない――。最難関資格試験を突破したエリート集団であるはずの弁護士たちに、かつてならあり得なかったような苦境が訪れているのだ。
そのせいか、カネがらみの悪事に手を染めて懲戒処分になる弁護士が目立つようになった。2017年3月に発表された日本弁護士連合会(日弁連)の「弁護士懲戒処理数集計」によると、16年の弁護士懲戒件数は集計を取り始めた1950年以来、最多の114件を数えた。
この懲戒処分のうち、もっとも重い「除名処分」を受けた2人の処分理由は「依頼者からの預かり金を返さない」というものである。次に重い「退会命令」を受けた1人は「弁護士会費の滞納」というものだった。いずれもカネにまつわる非行だ。
前出の70代元弁護士の廃業理由も、ひとえに「収入がままならなかった」ことに尽きる。現在は、親が遺してくれた貸しアパートの賃料収入と年金で暮らしているという。
彼によると、少なくとも1990年代半ばくらいまでの時期であれば、「よほどうるさい依頼者」がいない限り、預かり金を流用しても、それが発覚することはなかったという。
当時は今と違い、弁護士報酬の支払いは現金一括払いが当たり前だった。依頼者から預かり金の返金を求められても、「いついつまでに振り込んでおきます」と言っておけば、1ヵ月程度なら約束の期限を過ぎても文句を言われることもなかったという。弁護士という職業への信頼からである。
「もし、今の時代なら、間違いなく懲戒処分モノ、除名だったでしょうね。それが避けられただけでも幸せかもしれません」(70代の元弁護士)
また当時は独立後も、かつてのボス弁に「なんかお手伝いできることありますか?」と聞けば業務を分けてもらえた。預かり金を一時流用しても、返せなくなるような事態に陥ることがなかったのだ。
しかし、今では仕事が不足していることに加えて、社会から弁護士に寄せられていた信頼も下降気味となり、こうしたドンブリ勘定は“アウト”となった。

弁護士は「清貧」であるべきなのか?
若い弁護士の苦境ばかりがクローズアップされるが、懲戒に関していえば、実は年配弁護士が多い。懲戒処分時の年齢を見ると、70歳以上がもっとも多く、以下、60歳~69歳、50歳~59歳、40歳~49歳と続いている。
業界環境が激変し、収入が大きく減少しても、生活水準はそうそう下げられるものではない。そうして資金繰りに困って廃業を選んだり、投資に手を出して失敗し、余計に資金繰りを悪化させてお客のカネに手をつけた、というようなケースも弁護士業界では、ちょくちょく耳にする話だという。
「法律家としての最後の矜持から、廃業を選びました。もし、そのまま弁護士を続けていたら、預かり金の横領発覚で、私も処分を受けていたでしょう。やはり、バッジには傷をつけたくなかった」(同前)

こうしたオールドスタイルの年長弁護士たちと対照的なのが、アディーレやMIRAIOのような、過払いバブルで大儲けをした新興弁護士事務所だ。
14年、兵庫県弁護士会所属の30代元弁護士が、顧客からの預かり金4000万円を着服したことが発覚し、懲戒処分を受けた。着服した元弁護士と法科大学院で同窓だったという若手弁護士は言う。
「カネもないのにイソ弁と美人のパラリーガルを何人も雇い、広告も派手に打っていた。しかし弁護士経験のない新人イソ弁では仕事は廻らない。ただ人件費と広告費だけが嵩む。結局、収入が支出を上回ることはなかったと聞いています」
もしかすると、先進的なイメージをアピールし、広告をバンバン打って多重債務者を集めたアディーレやMIRAIOのような“成功モデル”を真似しようとしたのかもしれない。
「弁護士は儲けていい仕事ではない!」。そう断言する弁護士もいるほど、オールドスタイルの弁護士たちは、金儲けよりも「正義」を強調する。一方、新興弁護士事務所の多くは、債務者の相談に時間をかけて乗るようなことをせず、ただ機械的に過払い業務をこなして儲けた。善悪を別にすれば、極めて効率の良い仕事ぶりである。
前出の、元弁護士の70代男性も、オールドスタイルの典型例だ。彼はこう話す。
「弁護士の仕事は機械的にできるものではありません。離婚調停ひとつとっても、そこには依頼者の思いがあり、また相手方の思いもある。それを最大限汲み取るとなると、時間が掛かる。しかし、2回、3回程度の調停で終わっても、10回調停をしても、報酬は同じですから」
また弁護士としてやりたいこともある。冤罪事件や医療過誤訴訟といった、個人ではとても弁護士費用が賄えない事件があれば、法律家の矜持にかけて、手弁当ででも駆けつけたい。ただ、こうした仕事をやればやるほど、収入からは遠のいていく。

食えない弁護士増加で弁護士自治に綻び
「書面の書き方とか法廷戦術とか、弁護士業務に関することはイソ弁時代に教えてもらえます。でも、個人事業主としての経営手腕とか資金繰りとか、そういうことは誰も教えてくれません」(同前)
法律家として腕を磨くことが最優先、金儲けは二の次――。一見、美しい矜持ではあるが、弁護士の数が少なく、それなりに食えていた時代だからこそ通用した話である。下の図を見ていただきたい。10年前と比べて弁護士数は約1.6倍。一方、弁護士の主な「食い扶持」である民事事件件数を見てみると、過払い返還バブル中の07~11年あたりは大きく増えたものの、現在はすでにバブルが弾けており、10年前と同水準にまで減少している。

いよいよ食えない弁護士が増えたからか、弁護士自治にも綻びの兆しが見えている。関西の「単位会」と呼ばれる都道府県弁護士会で副会長経験のある弁護士は、「懲戒処分を軽く見る弁護士が増えてきた印象がある」と指摘する。
懲戒処分には、実質的に弁護士の身分を失う「除名」や「退会命令」といった重いものから、「業務停止」や「戒告」といった、軽めのものまである。そして、弁護士の身分を失わない業務停止、戒告といった処分は、「ペナルティとして機能していない」(懲戒処分を受けた経験のある50代弁護士)ところがあるのだという。
たとえば、先のアディーレ事件で下された業務停止処分は、その期間中には弁護士業務が行えず、処分が明けてからも、弁護士会や地方自治体主催の相談会に3年間は呼んでもらえない。さらに、所属弁護士会のある裁判所、検察庁にも知らされる。戒告も同様で、弁護士会主催の相談会に3年間は呼んでもらえない。また、弁護士会の役員選挙への出馬も「遠慮しなければならない」(前出の弁護士)。
しかし、「弁護士会で行っている委員会活動とか、役員選挙とか、そういうのに興味なければ別に困ることはありません。無料相談会に呼ばれなくても、自分で仕事を取ってくる弁護士なら、これによる不都合はない。収入のある弁護士なら痛くもかゆくもありませんよ」(同)

弁護士会も不要!?不満をためる弁護士たち
さらにラディカルな弁護士になると、「性犯罪や横領はもちろんNGですが、顧客のために敢えてルールを冒した、というような懲戒なら、むしろ“勲章”ですよ」と話す。この弁護士は懲戒処分歴が2回あるが、処分理由をきちんと顧客に伝えたことで、逆に顧客が増えたのだという。
過去の事例を見てみれば、たとえば、訴訟時に相手方に暴言を吐いたなど、「依頼人のために無理をした」がための懲戒処分例も、確かに見受けられる。
今後も、自力で顧客を開拓できる、言わば「経営センス」のある弁護士を中心に、既存のルールにとらわれない動きがますます増えていくだろう。そして、前出の50代弁護士は、「もはや、弁護士会など意味をなさない」とし、次のように語った。
「もう弁護士会などなくして、弁護士は国に直接登録制にしてしまえばいい。弁護士会は強制加入ではなく任意団体とすれば、処分などはなくなります。確かに横領はよくないですよ。でも、その横領をした弁護士も含めて年配の弁護士ほど、実は、依頼者と向き合ってきたのが事実です。重すぎる弁護士の権威を崩したほうが、実は、市民に寄り添った司法が実現できるのではないでしょうか」
金儲けを軽視し、ひたすら依頼人のためを貫くという「弁護士ムラの掟」に従えば、確実に食えなくなる――そんな不満の矛先が、弁護士会や弁護士自治に向いているのだ。
そもそも弁護士自治とは、戦前の暗い時代、国にとって都合の悪いことを言う弁護士に対して、国が監督権を振りかざして縛ったという、苦い経験の反省から生まれたものだ。それを否定する弁護士が多数登場すれば、現行の司法のあり方は崩壊してしまうだろう。
そしてもし、司法が悪しき方向に変わっていけば、戦前のように、私たち市民の権利が時として守られないという恐ろしい事態にもなりかねない。
食えない弁護士の急増は、日本の司法を揺るがすほどの大問題に発展する可能性を秘めているのだ。

(DAIAMOND ONLINE)



需要と供給のバランスが極端に崩れるとこうなるのですね。どこかの世界も同じです。
by kura0412 | 2017-12-14 12:22 | 社会 | Comments(0)