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改定もいよいよ大詰めです

新規国債、今年度以下に 診療報酬は抑制 (14年度予算方針原案)  

政府がまとめる2014年度予算編成の基本方針の原案が29日、分かった。財源を穴埋めする新規国債発行額は「13年度(42.8兆円)を下回るよう最大限努力する」とし、財政健全化に取り組む姿勢を示した。
歳出では診療報酬の改定は「新たな国民負担は厳に抑制する」と安易な増額をけん制。このうち薬価は引き下げると明記した。
同方針は12月5日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で原案を議論する。12日に閣議決定し、年末に向けた予算編成作業を本格化する。

原案は15年度の国と地方の政策経費を税収などで賄いきれない部分(基礎的財政収支の赤字)を国内総生産(GDP)比で10年度から半減させる目標を堅持。目標達成のため、国の一般会計ベースで基礎的財政収支の赤字を14年度に13年度から4兆円超縮めるとした。
歳出は「社会保障などを含め、聖域なく予算を抜本的に見直す」と強調。「経済成長につながる政策に重点化する」方針を打ち出した。社会保障は「(所得など)能力に応じた負担に切り替える観点で、重点化・効率化する」と指摘した。

診療報酬は2年に1度改定され、医師の技術料である本体部分と治療に使う薬などの値段である薬価に分かれる。本体部分は、消費増税に伴う病院の仕入れ価格上昇への対応が引き上げ要因になるが「これまでの相対的な高い伸びを踏まえ、抑制する」と強調した。薬価は「マイナス改定を行う」と明記した。

地方行財政は、地方法人税の一部を国税にして国が地方に再配分することで、地域間の税源の偏りを是正する。自治体が老朽化した公共施設を解体撤去する際に、国が財政支援を検討する。公共事業も「例外とせず抑制する」とした。
歳入面では新規国債の発行を抑えるほか、人口減少や産業構造の変化を踏まえ「あるべき税制のあり方を検討する」と指摘した。

【日経新聞】



抑制がどこまで踏み込まれるか。そして医科歯科技術料の差が今回はどうなるのか。
改定率決定もいよいよ大詰めです。
by kura0412 | 2013-11-30 11:10 | 政治 | Comments(0)

政府が決断すれば医学部新設も

東北地方に医学部新設へ 15年にも、復興支援で特例

下村博文文部科学相は29日の記者会見で、東北地方の大学1校に医学部新設を認めると明らかにした。早ければ2015年春に開設させる。

医学部が新設されれば1979年の琉球大以来、36年ぶり。今回は復興支援として特例的に認可し、東北以外での新設は認めない。大学は今後選定する。
文科省はこれまで、医師数が過剰に増えることを防ぐため、大学などの設置認可基準で、医学部の新設を認めないと明示していた。
来年5月まで新設構想を受け付け、有識者の意見を踏まえ同6月に1校の構想を採択する。

【共同通信】



復興支援の為の特例とはいいながら日医の反対を押し切っての新設です。政府が決断すれば医学部新設も可能となります。
by kura0412 | 2013-11-29 16:37 | 医療政策全般 | Comments(0)

保険外併用療養制度の議論が内閣府で進められています

保険外併用療養、対象拡大の可能性も- 規制改革会議で厚労省審議官

厚生労働省の神田裕二審議官は28日、規制改革会議の公開ディスカッションで、新しい治療法の費用対効果が既存のものより低い場合でも、安全性が確保されていれば、保険外併用療養費制度の対象として認めることが「選択肢としてあり得る」と述べた。
現在、新たな治療法には、保険収載を目指す場合にのみ、先進医療として保険診療との併用を認めており、実際に患者に行って有用性が示せなかった場合は対象から外している。費用対効果の低い新たな治療法にも保険診療との併用が認められれば、事実上、同制度の対象拡大と言えそうだ。

この日は金沢大大学院の土屋弘行教授が出席し、悪性骨軟部腫瘍患者へのカフェインと抗がん剤の併用療法について説明。
この治療法は現在、先進医療として認められているが、厚労省からは、安全性と有用性を確かめる期間は終わったとして、今後は先進医療から外れて医薬品の治験などを始めるよう、通達を受けたという。しかし、同腫瘍の患者数が少なく、医薬品としての市場規模が小さいことなどから、製薬メーカーから治験の協力が得られないなどと報告。このまま先進医療から外されれば、治療費が全額自己負担となり、患者に多大な負担を強いることになるとの懸念を示した。
規制改革会議の委員からは、安全性が確認された保険外診療は、保険診療になることを前提としなくても、同制度の対象にし続けるべきではないかとの意見が続出。神田審議官は、「保険収載しないものを、どう評価するかという根本論は、議論していく必要がある。費用対効果が低いものについては、患者に選択させるが、(保険外診療の費用は)保険から出さないという範囲をつくるのは、選択肢としてはあり得る」と述べた。

規制改革会議の会合は原則として非公開だが、この日は傍聴者を募集したほか、インターネットでも中継した。テーマは「保険診療と保険外診療の併用療養制度」。
同制度の対象でない保険外診療と保険診療とを併用した場合には、保険診療部分の治療費も全額自己負担となることを、規制改革会議の委員は問題視している。

【キャリアブレイン】



答弁をしたのは厚労省の審議官でも、医療制度に係わる保険外併用療養制度の議論が内閣府(規制改革会議)で進められています。
by kura0412 | 2013-11-29 15:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

OECD並みはクリアか

OECD加盟国中,日本とイスラエルのみで直近の医療費支出が急増
「図表で見る医療2013年版」

経済協力開発機構(OECD)は11月21日,「図表で見る医療2013年版(Health at a Glance 2013)」を発表。2009年以前に比べ,加盟32カ国中30カ国で国民1人当たりの医療費支出の伸び率が大幅に抑制されていることなどが明らかになった。
一方,こうした動きとは逆に日本とイスラエルでは医療費支出の伸び率が急速に増加しているとの結果も示されている。OECDは日本向けのプレスリリースで「医療制度の効率性を高める必要がある」とまとめている。

平均寿命はスイスに次いで第2位
OECDのリリースによると,直近の調査対象年(2011年)において加盟34カ国の平均寿命が初めて80歳を突破(80.1歳)。1970年当時の70歳から10歳上回る結果が示されている。
日本の平均寿命は82.7歳で,スイスの82.8歳に次いで加盟国中第2位であった。また世界的には糖尿病と認知症の増加が目立っていたとも指摘。今後も途上国での肥満者の増加に伴い,糖尿病患者は増えるだろうとの見解が示されている。

経済危機以降,多くの加盟国で医療費支出の抑制進む
また,加盟32カ国における2009~11年の国民1人当たりの医療費支出の伸び率は平均0.2%と2000~09年の平均4.1%から大幅に抑制。ギリシャ(各期間の伸び率:5.3%,-11.1%),アイルランド(同7.0%,-6.6%)で最も大きな下げ幅を記録した他,カナダ(同3.5%,0.8%),米国(同3.4%,1.3%)など多くの国で伸び率が抑制されていた。これについて,OECDは経済危機以前の医療費支出の大幅な伸びに対する方向転換が行われたと分析。各国にとって医療制度の生産性や効率性の見直しが重要となっているとの見方を示している。報告書ではまた,各国で疾病予防プログラムに関する支出が削減されていることも指摘。肥満やアルコール,喫煙の害を減少させるといった費用効果の高いプログラムへの影響も懸念されている。
こうした動きとは逆に,医療費支出の伸び率が急速に増加していたのは日本(同2.8%,4.9%)とイスラエル(同1.3%,3.4%)の2カ国のみ(図)。その他,日本では総保健医療支出の対国内総生産(GDP)比が9.6%とOECD平均(9.3%)を初めて上回ったことも示されている。

日本は「平均在院日数の長さトップ」「1人当たりの医薬品支出の高さは第4位」
OECDは日本向けのプレスリリースで,日本では質の高い医療へのアクセスが可能と評価。
一方「今回の報告書は,日本の医療支出に対する費用効果を上げることのできる分野が幾つかあることを示唆している」とも指摘。
平均在院日数が2000年以降大幅に減少しているが,OECD平均の8日を大きく上回る18日と最長であり「計画的な病床数の減少と病院外の地域での医療・介護サービスの拡充で平均在院日数がさらに減少するだろう」としている。
また,今回の報告書で示されている日本の1人当たりの医薬品支出が米国,カナダ,ギリシャに次いで4番目に高いとの結果を紹介。
1つの要因としてジェネリック医薬品の市場シェアの少なさを挙げた。OECDは「ドイツや英国ではジェネリック医薬品のシェアは医薬品の総消費量の75%を占めるのに対し,日本では2011年の段階でいまだ25%未満」と指摘。その上で「ジェネリック医薬品の処方と消費を促進するいっそうの取り組みは,医療の成果に影響を与えずに支出を削減するだろう」との見解を示している。

【MT Pro】



これが本当ならばOECD並みの医療費要求は既にクリアしたことになります。逆に他国よりも医療費支出の伸び率の高さが抑制への動きに利用される恐れがあります。
果たして歯科医療に絞るとどうなっているのでしょうか。
by kura0412 | 2013-11-27 18:09 | 医療政策全般 | Comments(0)

『規制改革、レセプトの直接審査推進を提案- 厚労省は「議論が必要」 』

規制改革、レセプトの直接審査推進を提案- 厚労省は「議論が必要」

規制改革会議の健康・医療ワーキング・グループ(WG)は26日、医療機関からの診療報酬明細書(レセプト)について、健保組合などの保険者が希望すれば直接審査を原則とする仕組みに切り替えることを提案した。
年800億円規模に上る審査費用の削減につなげるのが狙いだが、こうした仕組みに切り替えるには医療機関や保険者が使用するシステムの改修を伴う。厚生労働省ではまだ議論が必要としている。

現在の仕組みでは、診療報酬の審査・支払い業務は、診療報酬審査支払基金か国民健康保険団体連合会(審査支払機関)が行っており、保険者はレセプト1件当たり約97円の審査手数料を支払っている。保険者がレセプトの内容を直接審査するには、医療機関側の同意を得る必要があるが、実際にはほとんどの保険者が審査済みのレセプトを独自に点検しており、請求内容の確認業務が審査支払機関と重複しているという。
これに対してWGの提案は、これまで通り審査支払機関がレセプトをまず受け取るが、保険者側が希望すれば内容を先に審査できるようにする。審査支払機関が審査するのは医療機関から問い合わせがあったレセプトのみにし、支払い業務は審査支払機関が引き続き担当する。
WGはこれまでに、医療機関の合意がなくても事前に通知すれば、保険者がレセプトを直接審査できるようにする仕組みを提案しており、今回はここからさらに踏み込んだ。WGのこの日の会合に参加した厚労省は医療現場などのシステム改修に費用が掛かるほか、関係者の理解を得る必要があると指摘した。
WGの事務局を務める内閣府規制改革推進室では、今回の提案に対して「厚労省内で何らかの形で検討が行われるものと考えている」と話している。

【キャリアブレイン】



既に審査手数料は下げてもこの動きです。
もし直接請求が実現となればいろいろな問題が浮き上がってきます。今後どんな展開となるのかは注視が必要です。
by kura0412 | 2013-11-27 15:28 | 医療政策全般 | Comments(0)

政策の検証は必要です

経産省の嘘

福島第一原発の事故を受けた原発停止の影響で、火力発電の焚き増しにより、2012年度に燃料費が3.1兆円増えたと経産省は主張している。
経産省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第2回資料によると、2012年度実績という欄に、原発停止による燃料費の増加が3.1兆円と明記されている。

しかし、これは嘘だった。
経産省は、2008年度から2010年度の原子力発電電力量の平均2748億kWhから、泊3号機と大飯3、4号機の2012年度の発電電力量156億kWhを除いた電力量、2592億kWhを火力発電で代替したと仮定した。
その火力発電の内訳を石炭153億kWh、石油1206億kWh、LNG1234億kWhとして経産省が計算したのが3.1兆円という数字だ。
しかし、実際には、節電や省エネルギーへの取り組みが進んだこともあり、火力発電の焚き増しは1827億kWhに過ぎず、経産省の計算の前提よりも現実は766億kWhも焚き増しは少なくて済んでいる。
現実の焚き増しによる燃料費の増加は2.1兆円にとどまる。しかも、この中には原油価格の上昇に連動したLNGの価格上昇分も含まれているため、自然エネルギー財団の試算によれば、原発停止の影響による焚き増しのための燃料費の増加は1.4兆円から1.6兆円と、経産省が「実績」と称している額のおよそ半分に過ぎない。
経産省は、2013年度の原発停止による燃料費の焚き増しは3.8兆円にも上るとしているが、その数字も信憑性が低いと言わざるを得ない。

【河野太郎衆議院議員ブログ】



こここの議員が指摘すするように、官僚が示すデータ―、また政策が全て正しいとはいえません。
歯科界でも政策の検証をきちっとすることは非常に重要です。
by kura0412 | 2013-11-22 15:17 | 政治 | Comments(0)

「歯科診療所は横ばいであるが安定して黒字を確保している」

昨日の中医協総会で医療経済実態調査に対しての支払側委員からのコメントです。
「歯科診療所および調剤薬局は、横ばいであるが安定して黒字を確保している。」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000029928.pdf

個人診療所が殆どの歯科では、損益差額が経費計上できないもろもろを含めての開設者の収入です。
それも分からずに中医協委員を務めているのでしょうか。
by kura0412 | 2013-11-21 13:09 | 歯科医療政策 | Comments(0)

とうとう7%も切りました

23年度国民医療費 歯科の構成割合7%切る

厚労省は11月14日、平成23年度国民医療費を発表した。歯科は過去最高の2兆6,757億円で、前年度と比較して737億円、2.8%増えたが、医療費全体に占める割合は0.1ポイント低下し、6.9%と過去最低を記録した。歯科医療費の伸び以上に医科、調剤の伸びが大きかったのが影響した。医療費全体は3.1%増の38兆5,850億円で過去最高を更新した。

【日本歯科新聞】



時間の問題とは予想していましたが、とうとう7%も切ってしまいました。
by kura0412 | 2013-11-21 09:53 | 歯科医療政策 | Comments(0)

安倍首相の足かせになるか、あるいは・・・

昨年の衆院選は「違憲状態」 最高裁大法廷

「一票の格差」が最大2・43倍だった昨年の衆院選は違憲だとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は20日、区割りを「違憲状態」と判断した。選挙無効の請求は退けた。

選挙は、最高裁が平成23年に「違憲状態」と指摘した区割りのまま実施されており、判決から選挙までの約1年9カ月間の国会の取り組みをどう評価するかが最大の焦点だった。
昨年の衆院選をめぐっては、2つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に計16件の訴訟を提起。高裁段階では、同種訴訟で戦後初の「違憲・無効」判決が2件出されたほか、「違憲・有効」判決が12件、「違憲状態」判決が2件だった。
最高裁は23年、最大格差2・30倍だった21年選挙を「違憲状態」と判断し、都道府県に1議席を割り当て、残りを人口に応じて配分する「1人別枠方式」が格差の主因と指摘した。
1人別枠方式は条文から削除され、小選挙区定数を「0増5減」する緊急是正法が成立したが、昨年の選挙には区割りが間に合わず、当日有権者数に基づく最大格差は2・43倍まで拡大した。
一方、全ての高裁判決が言い渡された後の今年3月には、区画審が区割り改定案を勧告。6月には区割り改定法が成立し、最大格差が2倍未満まで縮小した。
山本庸幸裁判官は、「0増5減」法案の審議当時、内閣法制局長官だったことを理由に審理から外れた。

【産経新聞】




この判決が安倍首相が描く政治日程にどう影響するか。逆に、党内基盤を固めるために支持率が高い時での解散という選択肢をちらつかせる可能性もあります。
by kura0412 | 2013-11-20 17:19 | 政治 | Comments(0)

ポピュリズムと考えているのでしょうか

医療議連、300人超え 診療報酬改定にらむ

医療予算獲得を目指す自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」(会長・高村正彦副総裁)は19日、都内ホテルで開いた総会で、加盟議員が307人に達したと明らかにした。党所属議員の4分の3にあたり、大型議連の代表格として知られる自動車議連(約280人)も上回った。

医療議連は8日に設立されたばかり。当面の目的は、国が医療行為ごとに決める医療費の単価「診療報酬」の来年度改定での引き上げだ。診療報酬が変わらないと、来年4月からの消費増税で医療機関側が物品購入時などに負担増になると懸念する。高村氏は総会で「医療関係者が働く環境を整える必要がある」と増額に意欲を示した。
会場には100人以上の議員がかけつけ、代理出席や医療団体側を含めると約400人が参加。役員名簿は特別顧問に伊吹文明衆院議長、顧問に石破茂幹事長や野田毅税制調査会長が名を連ねている。出席者には豪華な箱弁当が配られ、参加者からは「数の力と資金力を見せつけられた」との声があがった。
消費増税分の税収は社会保障の充実にあてる方針だ。ただ党内には「カネに色はない」と公共工事の拡大を求める声もある。議連としては予算の争奪戦が本格化するタイミングで大規模集会を開き、社会保障予算の重要性を訴えていく。
立ち上げ人である鴨下一郎前国会対策委員長は石破氏の最側近。石破氏を顧問に迎えたため、党内では「議連で石破氏を側面支援する狙いがあるのではないか」との見方も出ている。

【日経新聞】



この議連の数をマスコミはポピュリズムと考えているのでしょうか。
by kura0412 | 2013-11-20 10:59 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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