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「世界の口腔健康関連地図 」

オーラルヘルスアトラス・世界の口腔健康関連地図

Roby Beaglehole・Habib Benzian・Jon Crail・Judith Mackay
神原正樹・井上孝 監訳日本歯科医師会国際学術交流委員会 訳

第1章 イントロダクション
1 口腔の健康 2 生きるための歯 3 口腔の健康と全身の健康

第2章 疾患と不平等
4 う蝕 5 世界う蝕地図 6 歯周疾患 7 口腔癌 8 水ガン 9 HIV/AIDS 10 先天異常 11 外傷
12 経済 13 口腔疾患の影響

第3章 リスクファクター
14 リスクファクター 15 砂糖 16 タバコ 17 社会経済状況

第4章 解決策-行動を起こす
18 行動と選択 19 フッ化物 20 フッ化物配合歯磨剤 21 治療 
22 口腔保健とプライマリ・ヘルスケア 23 宣言と目標

第5章 口腔の健康に従事する人々
24 歯科医療チーム 25 歯科医師 26 ワークフォースチャレンジ 27 歯科医学教育 
28 歯科医学研究 29 FDI国際歯科連盟 30 WHO世界保健機関

第7章 過去、現在、未来
31 歴史:歯科学7000BCE-AD1699 32 歴史:歯科学1700-1899 33 歴史:歯科学1900-2009
34 現在:スコアカード 35 未来

第8章 添付-世界の一覧表
(口腔保健協会)



興味の対象が違う先生もおわれるかもしれませんが、かなり面白い内容です。それぞれのデーターで議論が出来そうです。
しかし、日本にはう蝕はあっても歯周疾患の統計すらないのにはガッカリでした。歯科界の再生はここからでしょうか。
by kura0412 | 2011-03-09 17:21 | 歯科 | Comments(0)

「歯科研修における医科麻酔」

歯科研修における医科麻酔
平岡敦・弁護士

1.千葉県がんセンターに対する捜査
本年(平成23年)2月18日,千葉県警が,医師法違反容疑で,千葉県がんセンターに対する捜索差押えを行った。報道によると,センターの歯科医師が,医師にしか認められていない部位への麻酔(医科麻酔)を行ったとのことである。歯科医師による医科麻酔は,研修目的でのみ行うことが認められているが,この歯科医師は研修の指針で定められている手続きを取っていなかった,ということである。これに対して,センターは,研修の指針に従って研修を行っており,問題はない,としている。
報道されている範囲では,曖昧な部分がかなりあるが,果たしてこの歯科医師による医科麻酔は,法に触れる行為なのであろうか。

2.歯科医師の麻酔科研修
歯科医師も日常,麻酔を使うが,その多くは局所麻酔である。しかし,局所麻酔ではあっても,歯科治療中の麻酔事故は数多く起きている。そこで,歯科医師も麻酔管理の技能を身につける必要があることから,医科麻酔を学ぶ麻酔科研修が行われているのである。
しかし,医師法17条は,「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と定めている。医科麻酔も「医業」に含まれるので,「医師」ではない歯科医師には,医科麻酔は行えないのが原則である。医師法17条には罰則規定(31条)もあり,違反すると最高で懲役3年,罰金100万円に処せられる。したがって、歯科医師の麻酔科研修が「違法」でないとされるのは,例外的なことであり,何らかの違法性が阻却される事由がなければならない。
どのような場合に歯科医師の麻酔科研修が違法でないとされるのかについては,厚労省が平成14年に定めた「歯科医師の医科麻酔科研修のガイドライン」が参考となる。このガイドラインは,平成19年に三井記念病院で起きた事件をきっかけに,平成21年に改訂された。三井記念病院事件の際に設置された特別調査委員会の外部委員であった鈴木利廣弁護士・明治大学法科大学院教授は,「ガイドラインの法的位置づけについて」という報告書を出している。その中で鈴木教授は,ガイドラインを「医師法17条違反の違法性を阻却するための厳格な要件」であるとしつつ,同時に,三つの要件を挙げている(ガイドラインと三つの要件の関係は,明らかにされていない)。三つの要件とは,①目的の正当性(研修目的),②安全確保のための方法の正当性,③患者の同意である。

3.犯罪への該当性を判断する基準
考えるに,医師法17条が医業を行える者を医師に限定したのは,医業が侵襲を伴うものであることから,それを例外的に行える者を,高度の医学教育を受けて,技能を有する者に限定する趣旨であると思われる。したがって、医師法17条の例外に該当するか否かの判断は,厳格に行われるべきものであろう。
そう考えると,前述の鈴木教授が挙げている①目的の正当性,②安全確保のための方法の正当性,③患者の同意という要件は,違法性阻却のための要件としては,妥当なものであると思われる。ガイドラインの位置づけは,①や②が確保されていることを裏付ける間接的な事実又は証拠とすべきではなかろうか。

4.千葉県がんセンターのケース
千葉県がんセンターのケースは,報道では,前述の①から③の要件を満たしていたのか否かが,はっきりとしない。ただ,ガイドラインで規定されている登録や報告がなされていなかったのではないか,という疑いがあることだけが分かっている。おそらく,単にガイドラインに準拠していなかったというだけでは,犯罪成立とすることはできないように思う。研修の実態を見て,歯科医師によりなされていた医科麻酔が,①研修目的の範囲にとどまるものなのか,②ガイドラインに規定されている安全確保のための基準に合致していたのか,③患者の同意を得ていたのか,を慎重に見極めるべきであろう。
報道によると,センターには,麻酔科専門医1名,麻酔科医員2名,十数人のパート医がいたということである。これに対し,センターで麻酔科研修を行っていた歯科医師は4名とのことである。ガイドラインによると,麻酔科研修の研修指導医は,麻酔科指導医,専門医又は認定医でなければならないとされている。そして,たとえば,麻酔導入・覚醒,気管挿管・抜管,麻酔中の薬物投与,術後疼痛管理などは,研修指導医の指導・監督及び介助のもとに行わなければならないとされている。「介助」とは,「歯科医師の行為が実質的に機械的な作業とみなし得る程度まで研修指導者が管理・支配することをいう」とされている。したがって、センターの人的体制で,現実に,このような基準に合致した指導が行えたのか否かが問題となるのではないだろうか。
日本の医療現場は麻酔医が恒常的に不足しているという。想像に過ぎないが,研修に来た歯科医師が麻酔医の代替として活用されているような実態があったとしたら,それは憂慮すべきことであろう。しかし,もし仮にそのような事態があったとしても,それは麻酔医不足という政策的なミスが背景にあり,必ずしも歯科医師自身の自発的意思により医師法17条違反行為がなされていたとは限らない,という疑いを持つべきであろう。したがって、今回の事件で短絡的に当該の歯科医師を起訴することには反対である。

【先見創意の会】
http://senkensoi.net/column/2011/03/08232-



以前あったようなこの種の事件とは異なっているかもしれません。
by kura0412 | 2011-03-09 14:28 | 歯科 | Comments(1)

どちらとも読み取れますが

「病院における医科・歯科連携は、歯科を標榜していない病院が多いことから、地域歯科医師会等との病診連携を含めた医科・歯科連携のチーム医療を推進していく必要がある。しかし、現行の法体系下において、歯科衛生士の業務は診療の補助ではなく歯科診療の補助に限定されているため、歯科医療関係職種が配置されていない病院に歯科医師を、あるいは、歯科医師及び歯科衛生士の両者をともに配置することが必要となっているが、更なる医科・歯科連携を推進していくためには、現場のニーズで対応できるための総合的な施策の整備が望まれる。」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013tx1-att/2r98520000013tz6.pdf

これは先日開催された厚労省・チーム医療推進方策検討WGでの「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集(案)」にある、医科・歯科連携の一項目の抜粋です。

会議も傍聴していませんし、ここまでの経緯も分かりませんが、歯科医師を排除することも、また歯科領域拡大共、プラスにもマイナスにもどちらとも読む取れる文面です。
by kura0412 | 2011-03-08 14:59 | 歯科医療政策 | Comments(0)

「経産省で社会保障改革の議論スタート 」

経済産業相の諮問機関である産業構造審議会の基本政策部会(部会長=伊藤元重・東大大学院経済学研究科教授)は3月7日、初会合を開き、社会保障改革に向けた議論をスタートさせた。4月下旬までに5回の会合を開いて提言を取りまとめ、政府・与党の社会保障改革検討本部や新成長戦略実現会議に報告することを想定している。

同部会は、「国民が安心できる持続可能な社会保障は、活力ある安定した経済を基礎とするもの」との現状認識に立っている。このため、少子・高齢化が進む中で、経済成長と両立させた持続可能な社会保障の在り方などを検討する。
初会合では事務局が今後の検討項目として、▽医療や介護・健康に関連した分野を、新たな成長の源泉にする取り組み▽国民全員が生きがいをもって働ける社会を実現するための取り組み▽経済成長と整合的な社会保障の給付と負担の在り方―を示した。次回会合は3月23日に開かれる予定。

【キャリアブレイン】



もともと経産省は動きが早いのに加えて、厚労省がゴタゴタしているので、一気に攻め立ててくるかもしれません。歯科界と経産省のパイプは?
by kura0412 | 2011-03-08 08:59 | 政治 | Comments(0)

想定外だけに

前原外相が辞任、外国人献金で引責

前原誠司外相(48)は6日夜、首相公邸で菅首相と会い、在日韓国人から政治献金を受け取っていた問題の責任を取って辞任する意向を伝えた。
首相は慰留したが最終的に了承した。「ポスト菅」の有力候補と目された重要閣僚が「政治とカネ」の問題で辞任に追い込まれたことで、菅再改造内閣は発足から2か月足らずで閣僚が辞任する事態となり、菅政権は大きな危機を迎えた。

会談はニュージーランドの地震への対応を含めて約1時間45分間行われ、途中から枝野官房長官と福山哲郎官房副長官も加わった。前原氏は6日夜、外務省で記者会見し、首相に「私の政治資金問題で、国民、(2011年度予算案などの)国会審議にご迷惑をかけては申し訳ない。外国人からの献金で国民、海外から疑念を持たれたら国益を損なう。外交の空白を作ってはならない」と伝えたことを明らかにした。前原氏は会見で改めて陳謝し、「自らの政治資金把握に不十分な点が相次いだことに責任を感じている」とも述べ、「職を辞することで政治家としてけじめをつけるべきだと考えた。政治家としての足元を見つめ直し再構築に力を注いでいきたい」と語った。
献金を受けた在日韓国人から05~08年と10年の5年間で計25万円受け取ったことも明らかにした。

【YOMIURI ONLINE】



想定外のこの辞任は菅政権の致命傷になるかもしれません。支持率の更なる低下のニュースと合わせると正直、末期的な状況でしょうか。
by kura0412 | 2011-03-07 09:07 | 政治 | Comments(0)

通知、通達

課長通知「知らなかった」 主婦年金救済問題

細川律夫厚生労働相は四日の参院予算委員会で、専業主婦らの国民年金の切り替え忘れ問題をめぐり、厚労省が課長通知で救済措置を日本年金機構に指示した昨年十二月十五日の段階で、問題の存在を「当時は知らなかった。不明を恥じる」と述べた。不公平との批判がある救済措置の停止は一部で間に合わず、三月中に年金が支給される人がいることも判明した。

自民党の世耕弘成氏への答弁。野党側は通知の存在を知らなかったことなどを問題視。「自ら辞任すべきだ」(小坂憲次自民党参院幹事長)と責任追及の姿勢を強めている。
細川氏は問題となった救済措置が昨年三月にまとまったことについて「当時の(長妻昭)厚労相が決めた。私は労働担当の副大臣で、この問題にはタッチしていなかった」と述べた。また、細川氏が二月二十四日、救済措置の手続き停止を表明したことに対し、世耕氏は一月末までに手続きを終えた二千三百三十一人のうち「三月十五日付の支払い作業に入っている人が四百九十三人いるはずだ」と追及。細川氏も「すでに(措置が)適用され、もう止められない」と認めた。世耕氏は長妻氏の参考人招致も要求した。

【東京新聞】



この件に限らずこの通知、また通達というのが曲者なんです。
しかし、膨大な官庁の報告書の中で大臣が管理することも不可能なことです。そこが時として官僚のねらい目となることもあります。
by kura0412 | 2011-03-05 10:14 | 政治 | Comments(0)

歯科でこそこうゆう制度を

高額な医療機器の購入で融資制度を新設- 福祉医療機構

厚生労働省の独立行政法人評価委員会医療・福祉部会は3月4日、福祉医療機構の業務方法書の変更を了承した。厚労相の認可を受け、4月1日に施行される見通しで、高額な医療機器の購入資金を融資する制度を新設する。
この制度では、民間の金融機関では融資が難しい高額な医療機器の購入資金の80%を、7億2000万円を上限額として融資する。対象は病院のみ。融資期間は原則5年以内で、先進医療に使用する機器の場合には10年以内に延長する。

【キャリアブレイン】




この制度を歯科でも利用できるような規定緩和は出来ないものでしょうか。
by kura0412 | 2011-03-05 08:44 | 歯科医療政策 | Comments(0)

中期戦略計画

エーザイ、新中期戦略計画を発表

エーザイの内藤晴夫社長兼CEOは3月3日、同社で記者会見を開き、2011-15年度の中期戦略計画「はやぶさ」を発表した。同計画では、▽アルツハイマー型認知症治療薬アリセプト、消化性潰瘍治療薬パリエットから「がん」「てんかん」「肝臓領域疾患」への「フランチャイズポートフォリオ」の転換▽米国からイーストアジア(日本、中国など)、新興国市場への「リージョンバランス」の転換―などを掲げている。

15年度の数値目標は、売上高8000億円超(10年度予想は7700億円)、営業利益2000億円超(1160億円)。内藤社長は「ウーマンオンコロジー」に集中的に取り組み、がん領域の売上高を1800億円超とし、世界のトップ10入りを果たすとした。
特に乳がん治療薬ハラヴェンについて、「米国で予想を上回る市場導入が進んでいるのではないか」と述べた上で、全世界で15年度までに10億ドルレベル、15年度以降は20億ドルレベルを目標に掲げるとした。
 また、もう一つの大型品候補として、てんかん治療薬ペランパネルを挙げ、15年度までに5億ドルレベル、15年度以降は10億ドルレベルを目指すと強調した。

■メマリー、レミニール参入もアリセプトに自信
このほか、第一三共のメマリーや、ヤンセンファーマのレミニール(武田薬品工業と共同販売)が11日付で薬価収載されるなど、近くアルツハイマー型認知症治療薬市場の競合が激化することについて、「アルツハイマー型認知症患者さんの治療の選択肢が広がるということで、わたしとしては前向きに受け止めている」と述べる一方、「いずれの治療薬も海外で市場に出ているが、薬物治療の中核はアリセプトが果たしていることは、海外の経験からも揺るぎのないものを持っている」と強調。
また、同社の本多英司専務執行役はメマリーについて、「9割以上は世界的に見てもアリセプトと併用」とした上で、アリセプトの売り上げにはあまり影響しないとの見方を示した。一方のレミニールについては、「武田薬品工業も販売に加わるので、ある程度の売り上げは出てくると思う。ただし、全世界的に見てアリセプトが基本の薬剤になっているのは間違いない事実で、日本も同様にしていきたい」と述べた。

【キャリアブレイン】



薬品会社も戦略的中期計画を考えています。
by kura0412 | 2011-03-04 16:13 | 歯科 | Comments(0)

公明党が修正応ぜずで

公明、子ども手当修正協議に応ぜず

公明党は2日、子ども手当法案について民主党が呼びかける修正協議に応じない方針を固めた。民主党が法案を大幅修正したり、公明党が導入を主導した児童手当法の復活・拡充に応じたりすれば協議に乗る余地はあるものの、その方向で民主党内がまとまることはないと判断した。

公明党幹部の一人は同日、「うかつに協議に応じて民主党内の造反で否決されれば、党は壊滅的打撃を受ける」と指摘した。また目前に控えた統一地方選では民主党政権との対決姿勢を鮮明にしており、「地方では子ども手当なんかやめろという声が多い」(別の幹部)と強調した。
子ども手当法案は1年限りの時限立法で、年度内に成立しない場合、4月分から自公政権で成立した児童手当に戻る。その場合、15歳までの年少扶養控除の廃止で「実質増税」になる家庭も出るため、公明党など野党内にも、児童手当制度に戻る前に何らかの激変緩和措置を検討すべきとの声も残っている。

【産経ニュース】



公明党のこの判断で、子ども手当、赤字国債発行の法案成立はかなり厳しい状況になってきました。こうなると菅政権の求心力は更に低下してきます。
by kura0412 | 2011-03-03 16:55 | 政治 | Comments(0)

ライフイノベーションの中に入っていれば

規制・制度改革の提言対象、59項目を決定- 民主PT

民主党の「成長戦略・経済対策プロジェクトチーム」(PT、座長=直嶋正行参院議員)は3月3日の総会で、規制・制度改革への党の提言を3月下旬までに取りまとめるに当たって、政府・行政刷新会議の「規制・制度改革に関する分科会」が示した検討事項のうち「地域主権の医療への転換」など計59項目を対象にすることを決めた。
PTで取り上げる59項目の内訳は、「グリーンイノベーション」8項目、「ライフイノベーション」18項目、「農林・地域活性化」10項目、「その他」23項目。

ライフイノベーションの18項目は、
「地域主権の医療への転換」のほか、
▽病床規制の見直し
▽医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し
▽介護総量規制の緩和
▽一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和―など。
今後、PTの下に設置されたライフイノベーションなどの各小委員会から、それぞれの関連分野について意見を吸い上げ、3月下旬までにPTとしての提言をまとめる。政府が3月末に閣議決定する規制・制度改革案に反映させる考えだ。
この日の総会ではまた、6、7日に行われる「規制仕分け」の対象となる12項目について、4日まで議員から意見募集することも決めた。PT事務局長で、「規制仕分け」で評価者を務める近藤洋介衆院議員は記者団に対し、「参考として、党の国会議員の考えを聞く必要がある」と述べた。

【キャリアブレイン】



このライフイノベーションの中に「歯科診療のあり方」が入り込むことは出来なかったのでしょうか。
by kura0412 | 2011-03-03 15:39 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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