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首相の総裁3選に追い風、新潟知事選 自公系が勝利

10日投開票の新潟県知事選は自民、公明両党が支持した花角英世氏が激戦を制し、初当選した。両党はこれまで新潟の国政選などで苦戦してきたが、野党統一候補を破ったことで来年の参院選への弾みとなりそうだ。森友・加計問題といった影響は限定的とみて、9月の自民党総裁選での安倍晋三首相の総裁3選にも追い風になるとみられる。

花角氏勝利の報を受け、自民党の二階俊博幹事長は10日、党本部で記者団に「際どい差だったが勝利を収めることができた。慢心することなく今後の政権運営に全力を尽くしたい」と述べた。公明党の斉藤鉄夫幹事長代行はコメントで「公明党支持層も全力で動いた」と強調。ただ、国政での不祥事などを念頭に「現実には非常に厳しい風を感じた」と振り返った。
花角氏は「県民党」をかかげ、政党色を抑えた選挙戦を展開した。自民党や国政で連立を組む公明党もこれに配慮し、幹部は現地入りしても街頭に立たず、地元企業や支援団体への訪問などに徹した。東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働をめぐっては、自民党のエネルギー戦略と一線を画し、再稼働に慎重な姿勢を示してきた。
それでも自民、公明両党が花角氏へのテコ入れに躍起だったのは、今回の選挙結果が単なる地方選の枠を超え、来年の統一地方選や参院選の試金石になると見る向きが多かったためだ。花角氏が今回、負けていれば、来年の大型選挙を「安倍首相のままで戦えるのか」といった疑念が各地にわき上がり、政局に発展する可能性もあった。

森友・加計問題は国会で尾を引いており、政局の先行きは予断を許さない。ただ、総裁選前に実施する与野党一騎打ちの数少ない激戦を制したことで、首相や首相を支持する陣営にとっては総裁3選への不安材料をひとつ取り除けたといえる。終盤戦に入った国会も働き方改革関連法案など重要法案の審議が加速する見通しだ。
新潟は2016年の参院選、同年の知事選、17年の衆院選と、野党が連携して与党を上回る実力を発揮してきた地域だ。今回、野党統一候補が敗れたことで、立憲民主党や国民民主党など野党は来年の参院選に向け、共闘態勢の練り直しを迫られそうだ。

(日経新聞)



そもそも任期途中でありながら前職が辞職した理由を考えてください。本人も認めた確信犯です。マスコミはこの点を全く触れていません。この選挙のやり直しで10億円かかるそうです。そして落選した候補を推していたのは前回と同じ顔ぶれです。
もし結果が違ったら、新潟県民はそれを不問にすることを認めることになります。政策論争以前の問題でした。
by kura0412 | 2018-06-11 10:59 | 政治 | Comments(0)

社会保障、政策論争の芽 安倍1強に変化も

安倍晋三首相は12日の経済財政諮問会議で財政健全化計画の柱となる社会保障改革の議論に着手した。首相は高齢者や患者の負担増に慎重な姿勢を示すが、自民党内には医療、年金などで抜本改革を求める声があがる。学校法人「森友学園」などの問題を受け、自民党内で首相と違う意見が言いやすくなり、政策論争の芽が出てきた。「安倍1強」を誇った政策決定プロセスには変化の兆しが見えつつある。

首相は12日の諮問会議で「団塊世代が75歳に入り始める2022年度以降の構造変化を踏まえる必要がある」と述べ、関係閣僚に具体策の検討を指示した。
政府は6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で、膨張する社会保障費の抑制を柱とする財政健全化計画を決める。諮問会議の民間議員は12日、19~21年度の3年間で取り組むべき対策を示しており、これを土台に政府・与党案をとりまとめる。
民間議員が示した案は、既に16~18年度の改革工程表に掲げていた44項目を再掲する内容。糖尿病などの生活習慣病を予防して医療費の軽減を目指すとした半面、患者や高齢者の負担増は「重点項目」に位置付けなかった。19年10月に消費増税が予定されるなか、「経済への負荷をかけたくない」(民間議員)との配慮がある。政府関係者は「19年の参院選前には抜本改革には踏み込まないというのが官邸の意向だ」と解説する。

抜本改革に前向きなのが、小渕優子元経済産業相が委員長を務める自民党の「財政構造のあり方検討小委員会」だ。小委は年齢も30~50代を軸に若手議員が多い。小渕氏は中間報告した3月29日、「これから先、多くの負担や責任を担う世代だからこそ、いま自分たちが決める政策が大事だ」と強調。急激な膨張が見込まれる医療などで抜本改革を求めた。
具体策として、保険料を支払う現役世代の人口減少に応じて定期的に医療保険の給付率を下げ、患者負担の割合を高める新制度を提案した。年金に導入済みの「マクロ経済スライド」の医療版といえる仕組みで、高齢者や患者に大幅な負担増となる可能性がある。
小泉進次郎筆頭副幹事長も、年金の受給開始年齢をより柔軟に選べるようにする制度の導入を求めている。
当選回数を重ねたベテラン議員と比べ選挙基盤が脆弱な中堅・若手議員からこうした「痛み」を伴う施策を求める声があがるのは珍しい。安倍政権は12年の発足以来、税制、財政をはじめ官邸が政策の決定権を握っており、官邸にたてつくような発言は少なかった。
だが「ポスト安倍」を目指す議員は、足元の経済状況を優先する首相よりも、将来的な社会保障や財政問題を懸念する。政府の相次ぐ不祥事が官邸の求心力に影を落とすなか「以前よりも自由に意見が言いやすくなっている」(自民党中堅議員)との声が出ている。
「いかにして日本経済をサステナブル(持続可能)にするか。宴のあとになってはどうしようもない」。「ポスト安倍」候補の一人で、首相と距離を置く石破茂元幹事長は今月6日、都内の講演で強調した。社会保障改革は秋の総裁選の争点にもなりうる。

(日経新聞)



やはり国会での論争が盛り上がらなければいけないテーマはこちらの方です。
by kura0412 | 2018-04-13 10:02 | 政治 | Comments(0)

診療報酬、地域別に設定 財務省提案 年金開始は引き上げ

財務省は11日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、社会保障改革を議論した。全国一律となっている医療の公定価格の「診療報酬」で、都道府県別の設定を推進するよう提案。介護分野では事業者の再編を促すべきだとし、年金分野では支給開始年齢のさらなる引き上げを求めた。社会保障支出の効率化が狙いで、6月に策定する新たな財政健全化目標に反映させたい考えだ。

診療報酬は手術や検査など項目ごとに全国一律の単価が決まっている。財務省は、特例で厚生労働相や知事が地域別に単価を定められる「地域別診療報酬」の全国的な導入を提案した。
医療費が膨らむ地域で、自治体が全国より低い診療報酬を設定するといった事例を想定しており、医療費の適正化につなげたい考えだ。これまで制度はあっても活用例はなかったが、奈良県が実現を目指しているのを機に国として後押しすべきだとの認識を示した。ただ医療費に差がつくことに日本医師会などが反発する可能性があり、実現するかどうかは見通せない。
医療分野ではこのほか、患者が受診ごとに窓口で一定額を追加負担する制度も導入すべきだと主張した。
一方、介護分野ではサービスを提供する事業者の再編を促す施策を講じるべきだと提言した。財務省によると、介護サービスの経営主体は小規模な法人が多いといい、再編で経営の効率化・安定化を進めるとともに、サービスの質の向上を図る必要があるとした。
また、年金分野では、厚生年金の支給開始年齢をさらに引き上げることを要求。現在は65歳への引き上げが段階的に行われているところだが、財務省は17年後には団塊ジュニア世代が65歳になるなどとして「それまでにさらに引き上げていくべきだ」と強調した。

(産経新聞)



6月の財政健全化目標に注目です。国会はこちらの議論で盛り上がって欲しいのですが。
by kura0412 | 2018-04-12 10:37 | 政治 | Comments(0)

森友問題「理財局の単独犯行」では説明がつかない3つの疑問

野党やメディアが連日大々的に森友問題を追及し続けていますが、野党の政治家や識者の発言、さらには報道ぶりを見ていると、霞が関で20年働いた経験からはちょっとズレているというか、大事な論点を見逃してしまっているのではないかと感じます。そこで今回は、元官僚の経験から感じている本質的な疑問を通じて、森友問題の真相を考えてみたいと思います。

野党やメディアの追求は表層的すぎないか
野党やメディアは、朝日新聞が決裁文書の改ざん疑惑を報じて以降、特に財務省が改ざんを認めた後は、“誰が、なぜ、公文書の改ざんを行ったのか”という点を追及し続けています。
もちろん、この点について追及することは大事です。“誰が”については、財務省の公式見解では佐川氏を筆頭に理財局の官僚がやったとなっていますが、もし大臣官房(=財務省の中枢)も関与していたら財務省という組織全体の責任になりますし、また万が一にも麻生大臣か官邸が了解していたとしたら、政治の責任に直結します。
また、“なぜ”については、財務省の公式見解では“佐川氏の国会答弁に平仄を合わせるために改ざんが行われた”となっていますが、もし政治への忖度などそれ以外の要素が大きかったら、責任の所在も当然変わってきます。
ちなみに、“誰が”という点に関して、“官僚は真面目だし自分の判断で公文書を改ざんできるような度胸はない、従って政治家が関与したはずだ”という趣旨の発言をしている政治家や元官僚がいますが、これは間違っていると思います。むしろ逆で、自己保身と組織防衛が行動原理の官僚は、バレないと思えば何でもやります。かつ、一定期間いるだけの大臣(=政治家)に、組織にとって致命傷となりかねないヤバいことを話すはずがありません。そうした官僚の行動は、小泉政権で大臣秘書官を務めていた頃に何度も見てきました。
それはともかく、“誰が”“なぜ”を追及することはもちろん大事ですが、それだけで疑惑の真相を本当に解明できるでしょうか。私は、自分自身が20年官僚として霞が関で働き、特に金融担当大臣秘書官として財務官僚の凄さを目の当たりにしてきた経験から、以下の3つの本質的な疑問を解明することが不可欠であり、それなしには疑惑の全貌は明らかにならないのではないかと考えています。

森友問題を巡る3つの本質的な疑問
一つ目の疑問は、私自身が改ざん前の決裁文書に目を通した際に感じたことですが、なぜ決裁文書を改ざんせずにそのまま公開しなかったのか、なぜあれほどまでに大規模な改ざんをしたのか、ということです。
改ざん前のオリジナルの決裁文書のままでも、疑惑を裏付けるような決定的な内容があったとはとても思えませんので、改ざんせずに公表したとしても、財務官僚の優秀な頭脳(=理屈や言い逃れを考える能力)をもってすれば、十分に国会審議やメディアの追及を切り抜けられたはずです。
麻生大臣は、佐川氏の国会答弁に平仄を合わせるためと説明していますが、仮にそうだとしても、文書を見る限り300ヵ所近くという異常な分量を削除しなくても十分に対応できたはずであることを考えると、なぜそのような過剰反応をする必要があったのか、まったく理解できません。

次に、この一つ目の疑問の延長として湧き上がってくる二つ目の疑問は、そもそもなぜ佐川氏は事実と違う国会答弁をしたのかということです。仮に事実に基づく答弁をすることとした場合でも、やましいことは何もなかったと答弁することは十分にできたはずだからです。

そして、三つ目の疑問は、これもそもそも論になりますが、財務省は日本で最高の頭脳が集まった場所であり、かつ他の省庁とまったく異なり、一糸乱れぬ統制が取れた軍隊のような組織であるにもかかわらず、なぜ“完全犯罪”(=完璧な答弁を用意する、改ざんするなら元の文書を物理的にもデータ的にも完全に消去するなど)ができなかったのか、ということです。その延長としては、なぜ組織防衛と自己保身に長けた軍隊組織なのに、情報が外部(朝日新聞)に流出したのかという点も気になります。

「理財局がやった」では3つの疑問は解消されない
この3つの疑問に答える一つの仮説は、財務省の公式見解である“理財局単独犯”説です。
確かに、大臣官房も含め財務省の組織全体で対応していたら、もっと賢い対応をしたのではないかと推測できます。一部の識者が主張しているように、国会対応のドタバタの中で、佐川氏が決裁文書の内容や詳しい経緯などを十分に把握せずに答弁してしまい、後になってそれに平仄を合わせるために決裁文書を改ざんした、という可能性は十分にあり得ます。
ただ、この仮説が本当に真実かと考えてみると、個人的には疑わしいと感じざるを得ません。
そもそも佐川氏の国会答弁は、基本的には理財局で作成されているとはいえ、その内容が持つ政治的な意味の大きさを考えると、少なくとも部分的には大臣官房もチェックしているはずです。それだけ考えても、本当に理財局の暴走と言えるのかは疑問なのです。

次に、佐川氏が勉強不足で事実と違う答弁をしたという主張も、一見もっともらしいですが、やはり疑問です。というのは、官僚ならば国会答弁の重みは分かっているので、スタッフ総出で連日徹夜してでも穴のない答弁を用意するのが普通だからです。
さらに言えば、もし理財局だけですべて行われていたとして、佐川氏の答弁と平仄を合わせるだけのために過剰すぎる改ざんをする必要があったのかと考えると、まったく納得が行きません。
このように考えると、理財局の暴走という公式見解は、部分的には正しいとしても、それが全面的な真実ではない可能性もあるのではないでしょうか。私は独自に情報を収集した上で、3つの疑問について自分なりの別の仮説を立てており、それが真実ではないかと思っています。まだ物証がないのでそれを披露することは差し控えますが…。

“森友祭り”ではなく真摯な“真相の解明”が必要
いずれにしても、読者の方にぜひご理解いただきたいのは、森友問題の真相を本当に明らかにしようと思ったら、“誰が、なぜ改ざんしたのか”という表面的な事象の解明にとどまらず、上記の3つの本質的な疑問点も解明することが不可欠だということです。
そう考えると、野党やメディアの追及のやり方はちょっとズレているのではないかと思います。例えば、野党は昭恵氏の証人喚問を求めていますが、これは真相の解明にはまったく意味がありません。それならば、佐川氏のみならず、事実と違う答弁の作成や決裁文書の改ざんに関与した理財局や近畿財務局の職員を証人喚問した方がよっぽど有益です。
本件を政局につなげたい野党の気持ちも分からないではないですが、今回の問題が本当に深刻であるからこそ、野党もメディアも、“森友祭り”ではなく“森友問題の真相の解明”に真摯に取り組むべきだと思います。

ちなみに、麻生大臣の対応もズレていると思います。
会見中の態度の大きさはまあしょうがないとして、理財局の官僚がやったからトップの大臣の責任は免れるというのは、永田町と霞が関では通用しても世間一般では通用しません。
最近で言えば、神戸製鋼の不祥事はトップの預かり知らぬところで行われていましたが、トップは引責辞任しています。それを政治責任と言うかどうかはともかく、トップが責任を取らない組織は世間から信頼されません。民間では当たり前のことが通用しないようでは、行政や政治が国民から信頼されるはずないのではないでしょうか。

(岸 博幸・DAIAMOND ONLINE)




財務省書き換えは、森友への忖度どうこうの問題ではなく、官庁の雄である財務省解体へと進展する可能性が出てきました。
by kura0412 | 2018-03-16 14:13 | 政治 | Comments(0)

森友問題・佐川氏辞任で財務省は官邸と経産省に「反撃」を始める

3月9日、森友問題発覚時に財務省理財局長を務めていた佐川宣寿国税庁長官が辞任した。これで「財務省は森友問題で窮地に立たされた」といった見方があるようだ。しかし、本当にそうなのであろうか。元官僚であった筆者からすれば、財務省はむしろ身軽になったように見える。

佐川国税庁長官の辞任は“詰め腹”を切らされたというわけではない
3月9日、森友問題発覚時に財務省理財局長を務め、その後国税庁長官に昇任した佐川宣寿氏が長官の職を辞任した。
その理由として(1)理財局長時代の国会対応において丁寧さを欠いていおり混乱をもたらしたこと、(2)行政文書の管理について多くの指摘を受けたこと、(3)いわゆる「決裁文書」についての担当局長であったところ管理不行届きがあったこと、の3点が挙げられている。
あくまでも佐川氏本人からの申し出を受けての辞職であり、懲戒免職処分ではない。なお、国家公務員の辞職は任命権者である大臣の承認が必要であり、外局の長たる国税庁長官の任免については閣議を経る必要がある(筆者も総務省退職時には「辞職を承認する」との大臣名の辞令をもらって辞職している。ちなみにその時の総務大臣は麻生太郎氏であった)。
また、佐川氏は単に辞職だけではなく、3ヵ月の減給という懲戒処分も受けている。しかし、これは在職者を前提とした処分であり、辞職とは別のもの。したがって佐川氏には退職金はしっかり支給される。
要するに今回の辞職はあくまでも“本人の意思”によるものであって、減給処分についても「辞職したい」とする理由が理由だから、それを聞いてしまっては何かせざるをえないので減給といったところであり、引責のような彩りを添えてはいるが、実際には引責辞任ではない。
つまり森友問題やいわゆる「決裁文書」を巡って“詰め腹”を切らされたというわけではない、ということである。

財務省は佐川長官辞任で身軽になり官邸や経産省に反転攻勢!?
さて、今回の佐川氏の辞任によって「財務省は森友問題で窮地に立たされた」といった見方があるようだ。
しかし、筆者からすれば、何度も国会への招致を求められるもこれを拒否していた佐川国税庁長官を、“自らの辞任”という形で財務省から切り離し、ある意味で逃がして、財務省は身軽になったように見える。
では、その身軽になった財務省、これから何をすることが想定されるかといえば、一言でいえば反転攻勢であり、その矛先は野党ではなく、官邸であろう。
森友問題、安倍総理や昭恵夫人と、森友学園理事長の籠池氏との関係や、「総理の御意向」を忖度した国有財産の大幅値引きといったことが当初問題の核心とされてきた。しかし国会質疑での答弁者が国有財産管理を所管する財務省理財局長になると、野党からの追及の集中砲火は必然的に理財局長に集まるようになり、いつの間にか森友問題は“財務省の虚偽答弁疑惑問題”にすり替えられてしまった。
その答弁を中心的に担当したのが佐川氏であり、定期的かつ通常の人事異動であるにもかかわらず、理財局長から国税庁長官への昇任は安倍官邸を守った“ご褒美人事”とされてしまった(佐川氏を含め、直近の国税庁長官は4代続けて理財局長からの昇任であり、過去にも理財局長からという例は見られ、そうしたことからすれば特例的な人事でもなんでもないと言える)。
かくして財務省は野党のみならず“世論の批判”の標的にまでなってしまったわけであるが、この状態が続けば、森友問題は財務省の現場、つまり近畿財務局の担当職員による不正であると結論付けることができ、そうした担当職員や関係幹部職員に責任を取らせれば問題を収束させることが可能となる。
しかし、そうなれば財務省にとっては組織を揺るがす一大事であり、地位の低下、影響力の低下は避けられない。
しかも、それを望むのは他でもない官邸であり、その背後にいる経済産業省であろう。これまでも財務省と経済産業省は消費税増税をはじめとするさまざまな政策で対立してきた。
無駄な歳出の削減や税制の適正化を志向する財務省に対し、経済産業省はあの手この手で対抗、政務秘書官をはじめとする官邸の主要ポストや、安倍政権の重要政策を担当する内閣官房や内閣府のポストに経済産業省からの出向者等を次々と送り込んできた。重要ポストを奪われたのは財務省に限られない。また、安倍昭恵夫人付という不思議なポストにも経産省は出向者を送り込み、森友学園等との中継ぎ役を担っていた疑惑が持たれたことは記憶に新しい。

安倍政権の重要政策の中身を書いているのも経済産業省出身者である。
要するに経済産業省は官邸を使って自分たちの政策を実現、というより各府省に押し付けてきたわけであるが、それは経済産業省と官邸、安倍政権が一蓮托生であることを意味する。
従って、現官邸に矛先が向かうように仕向けられれば、経済産業省をその地位から引きずり降ろすことができる。
森友問題をめぐる反転攻勢はその絶好の機会というわけである。

財務省に理解のある麻生大臣は是が非でも守らなければならない
財務省はこれまで、国有財産の売却価格を大幅値引きした証拠となる文書、改ざんの疑いが持たれている国有財産の売却を決定した決裁文書の原本の公開を、存否不明として事実上拒んできた。
ところが、佐川氏辞任の翌日、3月10日になって、文書の書き換えを認める方針を固めたとの報道や、決裁文書の原本の写しを提供することが可能との報道が出るに至った。そして、3月12日には文書の書き換えを認めた。
これは、さんざんこの問題で野党や世論の関心を引っ張るとともに安倍政権のイメージを低下させた上で、適切なタイミングで全ての真実を公表することで一気に安倍政権に“これまでにないダメージ”を与えようという意図があってのことのように思われる。
つまり、ずっと“秘密兵器”を抱え、隠しておいて、今まさに発射ボタンを押そうということである。
しかしそうなれば、麻生大臣の進退にも直結してくるのではないかとの懸念は、当然財務省に生まれてくる。
なんといっても大臣、特に財務省に理解のある麻生大臣は、こちらも財務省と一蓮托生であり、麻生大臣の引責辞任ということにでもなれば、かえって自分たちの首を締めることにつながりかねない。
従って、財務省としては是が非でも麻生大臣を守らなければならない。そのためには、調べてみたら官邸の強い意向があり、現場の担当職員は半ば強制的にそれを汲んだ対応をせざるをえなかった、麻生大臣もあずかり知らぬことであった、といったように結論づける必要がある。
そこに至らせるための全省を挙げての調査であり、ノラリクラリの対応での時間稼ぎであったのではないかと考えられる。
もちろん、そうはいっても、財務省は「無傷でまったくお咎めなし」ということでは、国民が納得感を得られないばかりか要らぬ反感を買うことになりかねない。強い意向や強制があったとはいえ、「不適切な行為であった」として、一定の幹部職員等に対して戒告、厳重注意といった処分は行われることが予想されるが、財務省の屋台骨を揺るがすほどのものにはならないだろう。

一方、野党のみならず与党内からも財務省の対応を非難する声は上がっている。
そしてそれは、その段階では財務省の対応を巡って野党側が国会審議に応じることを拒否し、国会が空転したことによるものであるが、第2次安倍政権になって以降、官邸で決められたことを有無を言わさず押し付けられてきた自民党側としては、与党である以上直接的な批判はしにくいものの、絶好の反論の機会と捉えたとしてもおかしくはない。

「モリ・カケ疑惑」への対応を受けて昨年の自民党内は「ぐちゃぐちゃ」
そもそも、昨年のいわゆる「モリ・カケ疑惑」への対応を受けて安倍政権の支持率が急落して以降、自民党内は「ぐちゃぐちゃ」と言われるような状況になり、昨年の衆院選を経てもまだその状況は程度の差こそあれ続いてきたようであり、まさに「昨年の状況の再来」といったところにまで行く可能性はある。
加えて、ポスト安倍を見据えた派閥間の撃ち合いも断続的に続いており、不規則に出てくる閣僚や与党議員のスキャンダルはまさにその象徴である。そうなると、財務省批判に形を借りた官邸批判のみならず、伸張する麻生派への絶好の対抗策としての財務省批判といったものも出てくる。
この段階での佐川氏の国税庁長官辞任は、こうした動きをもすり抜ける、絶妙なタイミングを狙った、まさに「時宜」にかなったものであったように思われる。

以上、筆者の得ている情報等に基づく推論であるが、森友問題を巡る状況は霞が関内の対立と与党内の小競り合いが絡み合ったものであり、野党はそこに乗っかっているか振り回されているといったところである。政権に対する大きな打撃になり、今後の重要政策の在り方も変わってくるものと予想され、今後の進捗はいろいろな意味で要注意である。

(室伏謙一・DAIMOND ONLINE)



この問題は官僚制度の縄張り争いも複雑に絡み合っているように感じます。野党はそれに乗じて攻勢をかけていますが、官僚対政治との対立ならば何か落とし穴があるかもしれません。
by kura0412 | 2018-03-13 10:17 | 政治 | Comments(0)

財務省「政と官」の進退 予算と税が絡む既視感

学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書の書き換え問題は、副総理・財務相の麻生太郎や財務省幹部の進退・処分に波及してきた。どこか既視感が漂う。1990年代、前身の大蔵省で蔵相と事務次官がほぼ同時に引責辞任した事例が2つある。1つは首相退陣までセットだった。どちらも引き金は官僚の不祥事。予算や税法の国会審議と密接に絡んで、政と官は一蓮托生(いちれんたくしょう)で進退の決断を迫られた。

■佐川氏の後任、決めぬ理由
2018年度予算案が衆院を通過したのは2月28日だった。憲法の定めで、参院が議決しなくても30日後には自然成立するので、17年度内成立が確定した。朝日新聞が文書書き換え問題を初報したのは3月2日付朝刊。これが衆院通過の前なら、野党の攻勢で予算審議が停滞して衆院採決のメドも立たなくなり、首相の安倍晋三自身が一気に進退窮まっていた可能性すらあった。
予算成立への道筋は際どくついた。だが、所得税増税などを盛り込んだ18年度税制改正法案も参院で審議中。法案に自然成立はないので野党の協力が必須だ。麻生は9日、辞任させた国税庁長官の佐川宣寿の後任を発令せず、国税庁次長の藤井健志を「長官心得」とした。問題の全容解明に加え、予算と税法の成立までは財務省幹部人事を動かさず、現体制で乗り切りたい思惑が透けて見えた。
文書書き換えに財務本省の関与が判明し、麻生や事務次官の福田淳一ら幹部の責任論にも火がつく。ただ、仮に予算や税法を担当する幹部まで処分や異動を強いられれば、両者の参院審議が続行不能になりかねない。逆に今国会で財務省提出の案件はこの2つが最後。両者さえ成立すれば、初夏が通例の幹部人事の前倒しも物理的には可能だが、野党は徹底抗戦の構えだ。政権基盤も懸けた判断が迫る。

(日経新聞)



この問題の発端は地検か財務省のいずれかのリークだろうと思います。h果たして政局にどのような影響があるのか。間違いないのは、財務省全体へ影響が及ぼことは間違いありません。そして官僚の雄である財務省の結果は官僚制度全体へにも波及します。政局よりも官僚制度への影響を注視したいと思います。
by kura0412 | 2018-03-13 08:52 | 政治 | Comments(0)

日歯連盟から都道府県歯科医師連盟に対して
「現在、政治資金規正法違反事件が起訴係属中であることを鑑み、これまで行ってきた参議院比例代表選挙候補者選考委員会を立ち上げて職域代表候補者を擁立し、本連盟が主体となって行う従来型の選挙を断念せざる得ないという結論に至りました。」
との連絡がなされました。

今後は、前回のような都道府県連盟単位での選挙を実施するか否か。そしてその候補者を一本化が図れるかどうか。いずれにせよ、難しい対応が待ち受けています。
by kura0412 | 2018-02-27 15:00 | 政治 | Comments(0)

事務方の責任なのに

働き方法案提出 ずれ込む可能性 裁量労働調査で厚労相謝罪

問題となっている厚労省の「2013年度労働時間等総合実態調査」は、裁量労働制で働く人の労働時間は1日平均9時間16分、一般労働者は9時間37分と報告していた。安倍晋三首相も1月の衆院予算委で調査結果を挙げて、裁量労働制拡大による効果を強調した。
ところが厚労省が調査結果を精査すると、一般労働者と裁量労働制で働く人の労働時間を異なる前提で集計していたことが判明。一般労働者には「1カ月で最も長く働いた日の残業時間」を尋ねていた一方、裁量労働制で働く人には単に1日の労働時間を聞いていたと19日に国会に報告した。
加藤氏は19日の衆院予算委で「一般労働者と裁量労働制で異なる方法で選んだ数値を比較したことは不適切だった」と陳謝した。菅義偉官房長官は記者会見で「(同調査は)労働政策審議会の審議には影響していない」と釈明した。野党は「厚労省の労働政策審議会で同調査を一つの材料としていた」と批判を強めた。

立憲民主、希望、民進など野党6党は国会内で国会対策委員長会談を開き、働き方改革関連法案への対応を協議し、今国会での法案提出は認められないとの考えで一致した。立憲民主党の辻元清美国対委員長は記者団に「自分たちの通したい法案に都合のいいようにデータをひっつけて答弁する。国民を欺く行為だ」と指摘した。

政府が法案を提出するうえで必要な自民党内の了承もまだ得ていない。自民党は19日に予定していた厚生労働部会などの合同会議の開催を取りやめた。同法案には、これまでも出席者から中小企業への対応を求める声が相次いでいる。19日の会議での了承を視野に入れていたが、次の会議を開くメドは立っていない。
ただ、政府側は「働く方々にとっても極めて重要な改革だ。本国会での法案の提出、成立の方針には全く変わりはない」(菅氏)との姿勢を維持している。

(日経新聞)



厚労省の仕事が膨大な量になっていることもありますが、これは完全に事務方の行政側の責任です。それを既に陳謝している首相や厚労大臣に責任追及するのはどうなのでしょうか。
安倍一次政権の時、年金問題で事務方を信頼してその後裏切られた結果となり、厚労省に疑念をもつ安倍首相の気持ちがどうなるのか。そのあたりが気がかりです。
by kura0412 | 2018-02-20 09:37 | 政治 | Comments(0)

年金開始、70歳超も選択肢 政府が高齢社会大綱

政府は16日の閣議で、公的年金の受給開始年齢を70歳超も選べるようにする制度の検討を盛り込んだ高齢社会対策大綱を決定した。厚生労働省で具体的な設計を詰め、2020年中の関連法改正案の国会提出をめざす。閣議前に開いた高齢社会対策会議で安倍晋三首相は「全ての世代が充実した人生を送れるよう取り組んでほしい」と関係閣僚に指示した。

公的年金制度の見直しで、意欲や能力のある人が希望すれば長く働けるよう後押しする。新たな大綱は「65歳以上を一律に高齢者と見る傾向は現実的でなくなりつつある」と明記。少子高齢化が進み平均寿命も伸びるなか、高齢者の定義を見直す必要性を指摘した。大綱の改定は12年9月以来。
現在は65歳を原則として、年金の受給開始年齢を60歳から70歳の間で選べる。受け取り開始を65歳より後にする場合、1カ月遅らせるごとに0.7%ずつ毎月の受給額が増える。前倒しする場合は0.5%ずつ減額される。今後は新たに70歳超も選択できるようにし、上乗せ率は現在より上積みする方針だ。
厚労省は19年の年金の財政検証を踏まえ、年金部会で具体的な制度設計を進める。
70歳を超えた部分のみ0.7%より高く設定する案と、上乗せ率全体を引き上げる案が浮上している。年齢の上限設定は平均寿命の伸びや想定する利用者の規模、財政負担などを踏まえて検討する。
現行制度では上限の70歳まで受給開始を遅らせれば月額で42%増える。現在の0.7%の上乗せ率で試算した場合、75歳まで遅らせれば84%と大幅な増額になる。長生きすることを前提にすれば受給開始繰り下げによるメリットは大きくなる。個人の生き方や働き方に合わせた選択の余地を増やす狙いだ。
生涯現役で働ける仕組みを後押しするため、定年延長や継続雇用に取り組む企業への支援拡充も盛り込んだ。60~64歳の就業率を16年の63.6%から20年に67%まで引き上げる目標を掲げた。就職や起業支援、職場以外で働くテレワークの拡大も目指す。高齢者の移動手段として無人自動運転サービスの実現や、介護ロボットの開発も盛った。

(日経新聞)



医療もこの考えをベースに改正作業に入るのかもしれません。
by kura0412 | 2018-02-16 10:03 | 政治 | Comments(0)

社会保障改革が急務 医療費見直し、今夏までに計画

今夏までにまとめる財政健全化計画は歳出抑制がカギだ。
内閣府が23日発表した中長期試算には、2019年度以降の歳出抑制の効果は反映されていない。高齢化で増大する医療や年金などの社会保障改革を着実に実行できるかが焦点だ。

政府は16~18年度の3年間の予算編成で、社会保障費の伸びを年5000億円に、その他はほぼ横ばいとする「目安」を掲げ、辻つまをあわせてきた。事実上、この目安が毎年の国の一般会計予算の急膨張を抑えてきた形だが、19年度以降はこうした目標がなくなる。
試算では歳出抑制に手を着けなければ、社保費の膨張や物価上昇で国の歳出は18年度の97.7兆円から、25年度に120.5兆円まで膨らむ。夏にまとめる計画では、医療費の制度見直しなど、自然体のままでは膨張する歳出をどう抑えるか具体的に示す必要がある。
国の基礎的財政収支(PB)の対象経費のうち社保費は44%超を占める。22年から団塊の世代が75歳以上になり始め、医療や介護にかかる費用はさらに膨らむ見通しだ。所得の高い高齢者の病院の窓口負担の引き上げなどが今後の課題だ。
麻生太郎財務相は23日の会議で「毎年度、(歳出抑制に)取り組む方針を作るべきだ」と述べた。一方、予算を要求する立場の世耕弘成経済産業相は「(予算編成は)硬直化してはいけない」と話し、計画的な歳出抑制には慎重な姿勢を見せた。政府内でも意見の食い違いは鮮明だ。

(日経新聞)



ひょっとすると、今回プラス改定にして、これから削り取るということも考えるかもしれません。
by kura0412 | 2018-01-24 09:32 | 政治 | Comments(0)