カテゴリ:歯科医療政策( 422 )

リビングウィル」、ACP

終末期医療あり方提言 厚労省会議、情報サイト開設など

厚生労働省の有識者会議は23日、終末期の医療のあり方について、延命治療を受けるかどうかなどを患者や家族、医師らが繰り返し話し合うことが重要とした報告書を大筋で了承した。国に対して情報サイトの開設を提言。企業には社員の退職時などに啓発を行うよう求めた。
厚労省の2017年度の調査では、終末期に望む医療をまとめる「事前指示書」の作成率は8.1%にとどまった。報告書では家族らが話し合うことが「生活に浸透することが必要」と強調した。
報告書は国に対して情報サイトの開設のほか、患者が家族や医師らと事前に繰り返し話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の国民になじみやすい名称の検討を提言した。
民間企業・団体に対しては、社員が介護休業を取得したり退職したりする際に、親と終末期の過ごし方を話し合うことの重要性を説明するセミナーの開催などを求めた。

(日経新聞)



終末期については、リビングウィル、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)など聞きなれない言葉が出始めてきていますが、終末期の方針決定の中に歯科医師が入らないで良いのでしょうか?
by kura0412 | 2018-03-26 15:39 | 歯科医療政策 | Comments(0)

医学生の臨床実習を明示 大学ごとのばらつき解消
厚労省、研修医の質高める狙い

厚生労働省は医学部の学生が臨床実習の際にできる「医行為」の内容を見直す。
学部段階で経験することが望ましい診察、治療などの内容を明示し、実習への導入を促して質の高い医師の養成につなげる。現状では実習メニューなどが大学によって異なり、研修医が独り立ちするまでに時間がかかる一因になっていると指摘されていた。

医行為は、医師の医学的判断や技術なしに行うと人体に危害を及ぼす恐れのある行為。厚労省は3月末までに各大学の臨床実習の内容などを調査して課題を洗い出し、具体的にどんな医行為を実習中に経験させるのが適当か検討する。
医学生は6年間の学部教育で講義や臨床実習などを受け、国家試験で医師免許の取得をめざす。取得後は大学病院などで研修医として臨床研修などを受ける仕組みで、医学部にいる間に基本的な医療技術や経験を身に付けることが求められる。
とくに医師不足が深刻な地方の医療機関は、地域間の医師の偏在が大きくなる中、研修医を即戦力として活用している。
ただ、学部での臨床実習の内容は明確に定められていないため大学によって期間などにばらつきがある。医学生が実習中に患者を傷つけた場合には賠償責任などが発生する。このため臨床実習で医行為をほとんどさせず、見学にとどめる医学部もあるという。
十分な臨床経験を積んでいないと、卒業後の臨床研修で指導医が改めて一から教育する必要があり、ただちに医療現場の戦力となることが難しい。こうした課題を踏まえ、同省は医学部で経験すべき医行為を明確に定めることにした。

具体的には、臨床実習で許される医行為を例示した旧厚生省の検討委員会の最終報告書を改訂する。1991年にまとめられた「前川リポート」と呼ばれる報告書で、医学生が行う医行為を「実施が許容されるもの」「状況によって許容されるもの」「介助または見学にとどめるもの」の3つに分類。見直しでは、こうした表現を再検討する。
「許容される」を「実施すべき」「実施が望ましい」などと改め、臨床実習への導入を促すと同時に、実習内容の共通化をめざす。厚労省の担当者は「医学生の医行為を明確化して臨床実習の充実につなげ、医師の質向上などにつなげたい」と話している。

(日経新聞)




国試の合格発表があり64.5%とおこと。新たに2039名の歯科医師が誕生しました。聞くところ最近は実習を減らして予備校化している大学もあるとのこと。当然歯学部においてもこの記事のように病院実習の新たな規定が定まれるかはずです。研修制度と相まって、どんな動きになるのでしょうか。
by kura0412 | 2018-03-20 11:20 | 歯科医療政策 | Comments(0)

日歯、臨時記者会見を開催
平成30年度診療報酬・介護報酬改定について見解を示す

さる2月7日(水)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による臨時記者会見が開催された。本会見は、同日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会において、平成30年度診療報酬改定の点数案が中医協より答申され、また、さる1月26日(金)に開催された第158回社会保障審議会介護給付費分科会において、平成30年度介護報酬改定について答申されたことによるもの。

会見の中で堀会長は、今回の改定において(1)口腔機能の維持・向上を図る歯科医療(在宅歯科医療の推進、医科歯科連携の推進、多職種連携の推進を含む)(2)歯科医療技術の評価への問題提起(初・再診料の医科歯科格差の解消)――の2点を重点項目に掲げて対応してきたことに触れながら日歯の見解を述べた。
具体的には「口腔機能の維持・向上」に資する歯科医療の充実に関して、「周術期」「高齢期」の口腔管理はもとより、日歯としては乳幼児期から生涯にわたる口腔健康管理の重要性について認識してきたとし、今改定では「周術期の口腔機能管理」の拡大に加え、小児期の口腔機能発達不全への対応が導入されたことについて評価した。「かかりつけ歯科医機能」については、前改定からの継続的な管理に加え、地域連携の役割を担う視点で議論され、「かかりつけ歯科医」と「在宅療養支援歯科診療所」の棲み分けについても明確化されたと言及。「医科歯科連携の推進」に関しては、診療情報の共有に対して評価されたことや、在宅歯科医療についてより専門性の高い議論がなされたことを挙げた。「技術料評価」については60項目を超える既存技術の評価・見直しがなされたことで、国民により安心安全な歯科医療が提供されることへ期待を寄せるとともに、初・再診料の引き上げについても一定の評価を示した。最後に、今回の改定は日本歯科医学会ならびに歯科産業界の積極的な取り組みによって「歯科界の活性化を実感できる内容となっている」と総括した。

介護報酬改定については、今改定の議論を通じて保健・医療・福祉の関係者の間で口腔衛生管理の理解が進んだことを評価する一方で、デイサービスにおける歯科医療の実施や、介護保険部会への歯科医師の参加など、さらなる課題についても対応していきたいとした。
その後、中医協委員である遠藤秀樹常務理事より診療報酬改定の個別改定項目について補足説明がなされ、社会保障審議会介護給付費分科会委員である佐藤 保副会長より介護報酬改定の概要について解説がなされた。

(メールマガジンクイント)



これらの項目が改定率+0.69%の中でどう配分されているか。算定要件なども大きく影響を及ぼしそうです。
by kura0412 | 2018-02-15 11:40 | 歯科医療政策 | Comments(0)

オーラルヘルスケアセミナー2018を開催します~初めてとなる官民の取組をタイ・マレーシアで実施~

本件の概要
経済産業省は、タイ及びマレーシアにおいて、オーラルヘルスケアセミナーを開催します。本イベントでは、日本の歯科専門家から、QOL(生活の質)向上のためのオーラルヘルスケアの重要性を伝えるとともに、日本製オーラルケア製品の紹介を行います。あわせて、歯科関係者や学生を対象としたセミナーも行い、日本と両国のオーラルヘルスケア分野における協力を深めてまいります。

1.背景
人口の高齢化・長寿化にあたっては、QOL(Quality of Life 生活の質)向上のためのオーラルヘルスケアの重要性が高まっています。日本においては、1989年に開始した8020運動によって、80歳で20本以上の歯を保つ人は2016年に50%を超えました。日本のオーラルケア製品は、消費者の高い関心と品質要求に鍛えられ、歯周病やむし歯の予防などの機能も優れています。こうした日本のオーラルヘルスケアの取組をアジア各国に共有することは、アジア各国のQOLを高めるとともに、日本の優れたオーラルケア技術の国際展開にも非常に有効であると考えます。

2.取組
現地保健省、歯科医療関係者、流通関係者、メディアなどを招待し、日本からは、歯科医・歯科衛生士、オーラルヘルスケア製品メーカー、厚生労働省、経済産業省が参加し、日本におけるオーラルヘルスケア意識の高さとそれを支える製品の紹介を行うセミナー・交流会を実施します。
また、現地の歯科衛生士など歯科関係者に対して、日本のオーラルヘルスケアの活動を紹介します。こうした取組を通じ、オーラルケアの必要性・日本製品の優位性について、消費者への浸透を図ります。

参考:各セミナーの概要
オーラルヘルスケアセミナー2018(タイ)
2018年 1月16日(火曜日)14時30分~17時30分 (場所:在タイ大使公邸)
開会挨拶 在タイ大使館
来賓挨拶 タイ保健省 Deputy Permanent Secretary Dr. Opart Karnkawinpong
講演 深井保健科学研究所所長・公財8020推進財団理事 深井穫博先生
「日本における8020運動と健康長寿 -エビデンスと健康政策-」 
参加企業によるプレゼンテーション・交流会

オーラルヘルスケアセミナー2018(タイ デンタルナースカレッジ)
(1)2018年1月15日(月曜日)13時30分~15時00分 (Sirindhorn College of Public Health Suphanburi)
(2)2018年1月17日(水曜日)10時30分~12時00分 (Sirindhorn College of Public Health Chombri)
開会挨拶 Sirindhorn College of Public Health ・経済産業省
講演 厚生労働省歯科保健課 岩田真紀代歯科医療専門官 「日本の歯科政策」
講演 日本歯科衛生士会会長 武井典子先生 「ヘルシーエージングのためのオーラルヘルスケア」
参加企業によるプレゼンテーション

オーラルヘルスケアセミナー2018(マレーシア)
2018年 1月18日(木曜日)14時30分~17時30分 (場所:在マレーシア大使公邸)
開会挨拶 在マレーシア大使館
共催者挨拶 Datin. Dr. Rashidah Esa, President, Malaysian Association of Dental Public Health Specialists
講演 Dr. Siti Zaleha Bt Hamzah,Specialists in Special Needs Dentistry, Unit of Special Needs Dentistry, Hospital Kajang. ‘Oral Healthcare for Malaysians towards Healthy Aging’
講演 厚生労働省歯科保健課岩田真紀代歯科医療専門官 「日本の歯科政策」
講演 深井保健科学研究所所長・公財8020推進財団理事 深井穫博先生「日本における8020運動と健康長寿 -エビデンスと健康政策-」
交流会

ヘルシーエージングのためのオーラルヘルスケア日本セミナー2018(マレーシア)
2018年 1月19日(金曜日)10時00分~12時30分 (場所: Berjaya Times Square Hotel)
主催者挨拶 Ms Fatimah Rahman, President of Malaysian Dental Therapists’ Association・経済産業省
来賓挨拶 YBhg Datuk Dr Noor Aliyah Ismail, Principal Director, Ministry of Health Malaysia
講演 厚生労働省歯科保健課岩田真紀代歯科医療専門官 「日本の歯科政策」
講演 日本歯科衛生士会会長 武井典子先生 「日本の歯科衛生士の役割・ヘルシーエージングのためのオーラルヘルスケア」

参考:本事業の体制
主催:経済産業省(技術協力活用型・新興国市場開拓事業(制度・事業環境整備))
共催:日本歯磨工業会
実施機関:一般財団法人 海外産業人材育成協会(AOTS)
参加企業(五十音順):花王㈱、㈱サンギ(タイのみ)、サンスター㈱、日本ゼトック㈱、ライオン㈱
担当
商務情報政策局商務・サービスグループ 
生物多様性・生物兵器対策室長 小出
担当者:生物化学産業課 関
電話:03-3501-1511(内線 3741~4)
03-3501-8625(直通)
03-3501-0197(FAX)
公表日
平成30年1月15日(月)

(経済産業省HP)



既に東南アジアへの取り組みが進められようとしています。この事業は8020財団が関与しているのでしょうか。
by kura0412 | 2018-01-15 17:08 | 歯科医療政策 | Comments(0)

自宅での歯みがき、歯科衛生士に“丸見え”に
サンスターと富士通が仕掛ける新サービス

「1日に何回、どのように歯を磨いているか。患者の自宅での歯みがき状況を歯科衛生士が把握できれば、患者に適切な指導をすることができる」(日吉歯科診療所に勤める歯科衛生士)。そんなニーズに対応するサービスを、サンスターと富士通がタッグを組んで開始する。2017年12月25日に開催した記者会見で発表した。

サンスターグループ オーラルケアカンパニーが手掛けるIoTスマートハブラシ「G・U・M PLAY」と、富士通が開発した歯科医院向けクラウドサービスを連携させたサービスである。具体的には、G・U・M PLAYに蓄積された毎日の歯みがき情報と、歯科医院向けクラウドサービスに集約された患者の口腔情報を連動することができる。これによって、歯科医師や歯科衛生士は患者の自宅での歯みがき状況を確認することができ、より適切な歯科指導が可能になる。
2017年12月25日から予約を受け付け、2018年1月31日に製品の提供を開始するという。2020年までに500の歯科医院へ導入することを目指す。

磨き残しが多い部分をアプリに表示
サンスターグループが手掛けるG・U・M PLAYは、患者が正しい歯みがきを行えるようにするための製品である。2016年4月に発売した。歯ブラシに3軸加速度センサーとBluetooth通信モジュールを搭載したアタッチメントを装着することで、スマートフォンアプリで歯みがきを可視化できる(関連記事)。
どの歯を何秒磨いたか、磨き残しがないかなどをアプリで確認することが可能である。アタッチメントには、歯科衛生士が患者の口腔状況に合わせた磨き方を登録でき、正しい磨き方と自分の磨き方がどれだけ違うのか確認できる。
今回のサービス提供に合わせて、「MOUTH STATUS」という新しい機能も搭載した。歯科医院での検診結果を基に、歯1本ごとのプラーク(歯垢)残存レベルを設定する機能で、磨き残しが多い部分をアプリに表示できるようにした。
一方、富士通が手掛ける歯科医院向けクラウドサービスでは、レントゲン写真や検査結果などの医療情報を“歯の健康ファイル”として患者のスマートフォンやパソコンに共有し、家で治療の経過が確認できる。現在、50の診療所に導入されているという。

サービスを導入する現場の期待は…
記者会見には、今回のサービスを導入する日吉歯科診療所 理事長の熊谷崇氏が登壇した。同氏は、医療情報を見ればきちんと治療が行われたか確認できることから「医師の治療が患者に評価されることで歯科医療の質を高められれば」と期待を述べた。
口腔の健康は全身の健康に大きな影響を与えることが分かっている。例えば、成人の約8割の人が患っているとされる歯周病は、「骨粗鬆症や動脈硬化、糖尿病と関連がある」(サンスターグループ オーラルケアカンパニー マーケティング部 統括部長の淡島史浩氏)。今回のサービスは、「口腔と全身の健康状態の関係についてエビデンスを構築することにも活用できるのではないか」と熊谷氏は見る。
記者会見で熊谷氏は、今の日本の歯科医療についても言及した。日本人の口腔状態の特徴としては、「若い時に治療した歯は何度も治療する傾向にある。虫歯や歯周病になると、“削って詰めて”を繰り返す」と同氏は説明する。状態が悪くなってから歯科医院に行くことも特徴的で、定期的なメンテナンスに通う人は少ないため、「日本では後期高齢者の9割が入れ歯を利用する状況」と同氏は話す。
これからは、「歯科衛生士による定期的な口腔ケアやメンテナンスを行い、必要があれば医師が治療を行う歯科医療を目指したい」と熊谷氏は話す。定期的にメンテナンスを行うことで歯を失いにくいことが分かっており、海外の研究では初診時の年齢が若いほど30年後の失歯数が少ないと示されているという。つまり、「継続的なメンテナンスなしでは口腔の健康を保つことが難しい」(同氏)というわけだ。

(日経デジタルヘルス)



いよいよ歯科にもこの種の話題が、具体的な事例として出てきました。
15年前にあるメーカーの関係者に、「もう歯ブラシや歯磨剤を売るだけの時代は終わったよ」と話したことを思い出します。
by kura0412 | 2017-12-27 14:12 | 歯科医療政策 | Comments(0)

■平成29年度日本歯周病学会60周年記念京都大会が盛大に開催
「伝統と革新 歯周病撲滅に向けて!」をテーマに約4,000名が参集

さる12月16日(土)、17日(日)の両日、国立京都国際会館(京都府)において、平成29年度日本歯周病学会60周年記念京都大会(栗原英見大会長、理事長)が「伝統と革新 歯周病撲滅に向けて!」を大会テーマに、約4,000名の参加者を得て盛大に開催された。
60周年記念大会ということもあってか、一般演題はポスターのみで、話題の腸内細菌に焦点をあてた小川 順氏(京大教授)の講演と、大会長(理事長)の栗原氏ら同学会の新旧の重鎮と造詣の深いDr. Thomas E Van Dyke(米・Forsyth Institute)とDr. Gregory J Seymour(オーストラリア・Queensland大)を招聘した特別講演2題、Periodontal Medicine系のタイトルがめだった医科歯科連携シンポジウム4題、歯周病専門医の育成から超高齢社会における歯周病予防・治療、歯周病患者に対するインプラント治療、歯周組織再生療法までが語られたシンポジウム6題、アジア、韓国、中国、米国、ユーロと日本歯周病学会との密な関係が披露された国際シンポジウム、Sunstar Young Investigator Award口演、ランチョンセミナー12題、歯科衛生士セミナー、歯科衛生士プログラム、歯科衛生士スイーツセミナーなどが盛大に開催された。

最終日の午後には、本大会のメインともいえる「60周年記念講演」、「京都宣言」が行われた。
厚生労働省、日本医師会、日本歯科医師会、日本歯科医学会の要職4名が登壇した60周年記念講演では、「歯科医療を取り巻く環境の変化―医療・医学の視点から―」と題して超高齢社会となった今後の各方面の取り組みと考え方が披露された。その後、「京都宣言」に向けて本学会の要職3名、日本臨床歯周病学会理事長、日本口腔衛生学会理事長、日本歯科衛生士会会長、日本歯科商工協会会長が登壇発言を行い、分子疫学的手法によるPeriodontal Medicineのよりいっそうのエビデンスの構築をはじめとして、歯周病撲滅に向けた伝統と革新の「京都宣言」の運びとなり、サテライトの部屋が設けられるなど、賑わいを見せた。

(メールマガジンクインント)
by kura0412 | 2017-12-22 17:43 | 歯科医療政策 | Comments(0)

高齢になったら夫婦で海外旅行には行くな

「最期まで健康」を実現する術を満載
来るべき超高齢化社会には、多くの課題が待ち受けている。それらはどれも複雑な要素を含んでおり、ひとつの学問でそれらに対処し、解決するのは難しい。そこで求められるのが、医学、看護学、経済学、倫理学など、さまざまな分野を横断し、知を結集させた新しい学問体系だ。それを構築するべく、2009年、東京大学に設置されたのが、高齢社会総合研究機構である。
「東大中の学部から約40人の先生が集まって、研究を始めました。創設時から手がけているのが、東大のキャンパスがある千葉県柏市の住宅団地をモデルにした、高齢社会対応の街づくりです。さらに学生や市民の学習のため、高齢社会に関する基礎知識をまとめた『東大がつくった高齢社会の教科書』をつくりました」(機構長・大方潤一郎氏)

高齢化が進むにつれて、注目されるようになった概念に「健康寿命」がある。
ただ長生きするのではなく、最期まで健康で楽しく人生を生き抜こう、という発想である。これを定年後の世代に実現してもらうため、具体的な生活ノウハウを盛り込んだ指南書として『東大が考える100歳までの人生設計』も出版した。
「健康寿命を延ばすには、体幹の腸腰筋を鍛えることがポイントです。ここが衰えると歩く姿勢が悪くなって、腰痛や膝痛が生じたり、転倒骨折しやすくなり、運動障害から要介護・寝た切りとなるわけです。正しい『食う・寝る・遊ぶ』、つまり適切な食事と運動と休養によって、腸腰筋を維持し、血管の老化を防げば、運動障害・脳卒中・認知症の『要介護3大リスク』を避けることができます」(同)
筋肉を維持するには、「食う」ことでタンパク質を十分に摂ることが不可欠だ。しかし質の悪い肉は脂肪過多になりやすいため、大方氏は、牧草を食べて育った牛肉か羊肉、魚の摂取を勧める。
そして健康を維持するためには十分な休養が必要で、そのためには安眠すること。昼寝は避け、量を控えた夕食を早めに摂り、寝床で考えごとをしないように心がける。
運動も筋肉の維持に効果的だ。電車通勤をしている間は、自然と体を動かすので筋力はそれほど衰えない。注意すべきは、退職後だという。
「65歳ぐらいになると、毎年5~10%ずつ筋力が落ちていく。膝や腰が傷みやすくなっても、すぐ薬に頼ってはいけません。普段からの運動で、コンディションを整えておきましょう。といっても毎日1万歩歩くなど無理な目標を立てるのではなく、仲間と楽しみながら長く続けることが大切。頭と心の運動も重要で、それを私は『遊ぶ』と表現しています」(同)
健康寿命を延ばすための方法は、これだけに留まらない。研究機構が推奨する、10のトピックを紹介しよう。

最期まで健康に生きるための“東大流”メソッド
▼夫婦で海外旅行には行かない
高齢になってからは、夫婦での海外旅行は避けるべき。妻は旅先でも夫の身の回りの世話をし、食事も口に合わないうえ、ホテル代、飲食代が高くつきストレスになる。代わりに、造り酒屋探訪や蕎麦屋めぐりなど自分なりのテーマを持って全国を旅して回るのがよい。
▼マッサージに頼るな
四十肩、五十腰をはじめ加齢による肩、腰、膝の痛みは薬やマッサージでは治らない。肥満を改善し、筋肉を増やすための食事と、筋力のバランスを回復するための運動でケアする。疲労をためないよう休養もとる。運動は、ジムや施設で専門家の指導を受けて行う。
▼姿見で全身を眺めよう
下着姿になって鏡に全身を映し、姿勢と腹の出具合をチェック。姿勢が左右に傾いていたり、猫背になったりしていないか見る。美しく健康的な姿勢を保つには、腰から太もものあたりを支える大腰筋と腸骨筋を鍛えることが重要。腰痛や肩こり、肥満が改善される。
▼まめにはがきを送る
友人や知人とのコミュニケーションには、メールよりも人間味のある、手紙や絵はがきを送るべき。特に用事がなくても、ふとした想いを伝えること。美術展に行ったときなどに気に入った絵はがきを買い、自宅に常備する。1セットだけだと送るのが惜しくなるので、複数のセットを購入したい。
▼蕎麦を食べるゆでるときは大鍋で
アミノ酸バランスがよく、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富な蕎麦は完全食品。もりそばを1日に5枚食べれば、必要なタンパク質を摂ることができる。ゆでるときは、麺がこすれて痩せないようにゆるゆると沸騰させ、ゆであがりは氷水で10度程度に冷やす。大きい鍋でゆでるとおいしくなる。
▼夫婦の寝室は別々に
リビングなどの家族と一緒に過ごす場と個人の場を別に確保する。定年後は家にいる時間が長くなるため、四六時中夫婦で一緒にいるとストレスがたまる。また、連れ合いのいびきや夜中のトイレにより安眠が妨げられるのを防ぐため、夫婦の寝室は別室にする。
▼ペットを飼って癒やされる
ペットとの暮らしは、血圧やコレステロール値を下げる。さらに散歩をすることで足腰が鍛えられることも。だが、ペットの医療費は10万円単位の出費となる可能性もあるのでペット保険に加入する。自分が先に逝く場合に備え、「ペット信託(R)」を検討するのもよい。
▼乗るべきは小さな高級車
加齢とともに面倒になる車の運転。視野が狭まり、動体視力も衰え、動作に移すまでの時間がかかるようになる。お勧めは、質のいい、小さな高級車。小さくて軽い分だけ燃費もよく、税金も安い。遠出の際にはレンタカーやカーシェアリングなどを利用する手もある。
歯磨きは10分以上かける
歯と歯茎の不調は命に関わる。特に歯周病を予防するため、ブラッシングは歯周ポケットのゴミをかき出すことがコツ。歯ブラシは毛が細くて柔らかく、ブラシの部分が小さいものを選ぼう。歯間ブラシ、マウスウオッシュを併用し、朝と寝る前に10分以上かけて手入れをする。
▼モテるために、聞き役に回る
生きている喜びを感じるためにトキメクことも大切。妻と月1回はデートをして、独り身の場合は異性との出会いを探す。モテるためには、相手の話をよく聴く。話す時間は、相手が8割、こちらは2割が目安。髪や歯、爪の手入れをして清潔感を保つこともポイント。

(PRESIDENT ONLINE)



こんな観点から展望を考えて一大プロジェクトとして取り組めば、歯科にも流れが生まれるはずなのですが・・・
by kura0412 | 2017-12-11 09:12 | 歯科医療政策 | Comments(0)

口のケアできる人材増やす 厚労省が研修制度

お年寄りらの口腔(こうくう)ケアをするスタッフへの新たな研修制度を厚生労働省は創設する。
歯科医師や歯科衛生士がいない現場でも専門的なケアができるよう、病院や介護施設の看護師や介護スタッフに学んでもらう。最期まで口から食べることの支援や誤嚥(ごえん)性肺炎を減らすことにつなげる狙いがある。

「高齢者こそ肉食を」 貧血防ぐ食事の注意点は
研修は、歯科医師や歯科衛生士が講師を務める。患者らが自分でうまく出せないたんを専用のジェルを使って除去する、食事や会話が続けられるよう器具を使い口の周囲の筋肉を鍛える、といったケアの方法を教える。病気ごとにケアをする際の注意点を伝えることも想定する。
厚労省は来年度、この研修に約1億円を充て、実施する自治体に経費の半額を補助する方針。厚労省によると、2014年時点で歯科の診療科がある病院は全国で約2割。介護施設などを訪問する歯科医師や歯科衛生士のニーズは高まっているが、その数は追い付いていない。新たな研修制度によって適切なケアができる施設を増やしていく。
口の中には多数の常在菌がいて、唾液(だえき)にまじって気管内に入ると、誤嚥性肺炎の原因になる。要介護者への口腔ケアは、肺炎の発症を抑えることがわかっている。また、口腔ケアが入院期間を短縮させるという報告もある。歯科医師らによる専門的なケアを受けた患者と一般的なケアを受けた患者を比べると、専門的なケアを受けた患者は10~20%程度、入院日数が短かった。

(朝日新聞)



この制度が導入されること自体は非常に有用です。しかしながら、その次の展開に描く構想がどんなものかによっては、逆に歯科ははいよされる恐れがあります。その考えを知りたいです。
by kura0412 | 2017-12-09 09:02 | 歯科医療政策 | Comments(0)

歯科の技術料は90%

門前薬局の報酬下げ、かかりつけ機能を重視 調剤報酬を抜本改革へ 

厚生労働省と財務省は2018年度予算編成で、薬剤師の調剤行為に支払う調剤報酬を見直す。近接する特定の病院への依存度が高い「門前薬局」の報酬を下げ、地域のかかりつけの薬局への報酬を手厚くする。利益重視になりがちな門前薬局に薬の重複投与の防止などへの取り組みを促し、医療費の抑制につなげる狙いだ。

16年度末時点で全国5万8678の薬局のうち過半が、特定の病院からの処方箋に頼る門前薬局。病院内の薬局に比べ手厚い報酬を得られ、全国で急増している。ただ地域に根ざし、様々な病院に通院する患者の飲み合わせを管理する「かかりつけ」の機能を果たしていないとの批判がある。
両省は16年度、特定病院に処方箋が集まる大規模な門前薬局の報酬を下げたが、減額になった薬局は全体の10%。今回は小規模な門前薬局や、病院の敷地内の「門内薬局」の報酬も下げる。かかりつけ機能を果たす薬局の報酬は厚くし、メリハリをつける方針だ。
また後発薬の普及へ報酬上の加算も見直す。後発薬の調剤割合が「65~75%以上」の場合に報酬を上乗せするが、両省は対象を「75~85%以上」に引き上げる方向だ。
処方薬の金額が同じでも、門前薬局など病院外で処方される際の技術料は、病院内の処方に比べ3倍ほど高い。患者負担は大きくなる。
高齢者の薬の飲み残しは年間500億円分とされ、無駄は多い。薬剤費や薬剤師の技術料にあたる調剤医療費はこの10年で6割増えた。調剤報酬を見直せば、数百億円規模の医療費抑制につながる可能性がある。

(日経新聞)


http://www5.cao.go.jp/keizaishimon/kaigi/special/reform/wg1/291108/shiryou1-5.pdf#search=%27%E8%AA%BF%E5%89%A4%E5%A0%B1%E9%85%AC%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%94%B9%E5%AE%9A%E7%8E%87%E3%81%AE%E8%A8%AD%E5%AE%9A%27
(「調剤報酬に対する改定率の設定」で検索してください。)


今回の改定で調剤にはメスが入りそうですが、ネットでいろいろ検索していると上記の資料が面白いことが分かりました。
財務省からの提出資料の中に「調剤報酬に対する改定率の設定」という項目に、診療報酬の構造として、医科・歯科・調剤の技術料の割合が示されており、それが80、90、20%と示されていました。
歯科の技術料90%です。これでは歯科だけが一向に改善されないわけです。
by kura0412 | 2017-11-17 15:02 | 歯科医療政策 | Comments(0)

当事者の証言(3)病院なくすとは言えない

熊本県を最大震度7が襲った昨年4月。熊本市民病院は天井などが崩壊。約310人の入院患者が転院を余儀なくされた。
あれから1年強。地元では市民病院の移転・新築計画が進む。ただ熊本市は人口10万人当たりの病床数が全国平均の1.7倍に達する。復興は大事だが医療費膨張の点で見るとどうか。記者(31)は現地に向かった。
一部閉鎖中の市民病院。近隣の熊本赤十字病院を訪ねると混雑をわびる貼り紙があった。市民病院に通っていた男性(64)は「早く再開を」と待ち望む。
市民病院の再建が決まるのは2度目だ。5年前、建設費133億円で建て替えを決めたが、資材の高騰などで209億円に膨れ、計画は凍結。そこに地震が起きた。新計画では約160億円かかるが、復興の補助金約90億円で一部は賄われる。
入院・外来患者数は2015年まで6年連続で減少。病床利用率を上げるため、移転後の病床数は3割減の392床だ。だが熊本市全体の必要病床数が25年に14年比で約2300床減とされるなか、過剰感は否めない。

再建計画づくりでは、医師の代表として県と市の医師会長が、診療科の編成や計画の文言に注文を付けた。
不採算で常設をやめようとした歯科口腔(こうくう)外科も、医師会の要望で復活した。地域のクリニックからの紹介率を引き上げ、来院数を増やしたい市民病院。人口減を見据えた「最適解」を探る議論は不足していた。

とはいえ、病床過剰の結果、患者の奪い合いが起きるのではとの不安も地元ではよぎる。
民間病院の院長は「市民病院と別の赤字病院を統合する話もあった」と明かす。別の院長は「開業医が中心の医師会は医師の代表だが、病院の代弁者とは思っていない」と計画の一部に反対を唱える。
熊本県医師会の福田稠会長は「3~4年かければ、市民病院の機能を他病院に振り向けることはできた」と吐露した。ただ復興に向け再建ありきの議論の中、「医師会の立場で病院をなくそうとはとても言えない」。
目先の治療か、10年先の医療体制か。社会保障費の膨張を食い止めたいと考え、これまで取材してきたが、震災の爪痕が残る地元を見て「将来の医療費のことも考えて」と単純には言い切れない惑いが残った。
新病院の建設予定地を散歩していた男性(70)が記者につぶやいた。「病院できる分には誰も反対せん。市にいくらお金があるのか知らんけど」

(日経新聞)
by kura0412 | 2017-06-29 14:55 | 歯科医療政策 | Comments(0)