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歯科が終末医療、看取りにどう関わるか

終末期医療に歯科医師も参加 口腔ケアで尊厳を守る

病院や在宅で、終末期のチーム医療に歯科医師が積極的に関わり始めた。口の中の衛生を保ち、口臭や感染症にかかるのを防ぐ。こうしたケアは、最期までその人らしく生きることにもつながっており、本人や家族の大きな支えとなっている。 

「お父さんよかったね。口をきれいにしてもらって安心したよね」
東京都八王子市の陵北病院。歯科衛生士が専門の器具を使って口の中の汚れを落とすと、既に意識がない男性(89)に、妻が声を掛けて涙ぐんだ。男性は脳梗塞の後遺症で要介護になり、誤嚥(ごえん)性肺炎で入院。口からでなく点滴で栄養を摂取するようになってからも、口腔(こうくう)ケアを受け続けた。意識があるころは「口で食べさせたい」との妻の強い希望もあり、数日間、歯科医師らが立ち会い、一日一回、くだいたゼリーを食べることができた。
終末期の口腔ケアは、口の中の乾燥を防いで臭いが出るのを抑えたり、粘膜を保護して感染症にかかりにくくしたりする効果がある。「人生の最終段階に歯科が関わると、患者が安楽な状態を保てることが分かってきた」。同病院副院長で歯科医師の阪口英夫さん(56)は言う。
在宅診療でも、歯科医師がみとりまで関わるケースが広がってきた。東京都世田谷区で開業している粟屋剛さん(40)は、脳梗塞で寝たきりとなり、経管栄養の男性=当時(73)=の訪問診療をしたことがある。
男性は重い嚥下(えんげ)障害で口の中の乾燥がひどく、舌の上や上あごなどにあかのような汚れがこびりつき、呼吸困難の原因にもなっていた。粟屋さんは男性が亡くなる三日前まで二週間に一度、歯科衛生士とともに訪問し、汚れを除去する処置をした。すると、男性は穏やかな表情になり、介護していた兄も男性に「ゆっくり眠れるね」などと声を掛け、安堵(あんど)した様子だったという。
「最期にいつもの口腔ケアを」と、病院での臨終場面で、頼まれたこともある。粟屋さんは、みとりに歯科医師がかかわるのは「最期まで人間らしく生きたいという思いをかなえること」と話す。

◆介護保険や歯科教育も対応
高齢者が穏やかに暮らすための介護・医療の多職種による「地域包括ケアシステム」では、歯科医師の関与が重視されている。
寝たきりになっても、食べる能力がどれだけ残っているかを診断し、誤嚥予防や食事の指導をするのは歯科医師の仕事。体調が悪化し、食べ物などをのみ下せなくなった後も、誤嚥性肺炎の防止や、穏やかな呼吸のために乾燥を防ぐなどの口腔ケアは不可欠だ。
介護保険でも口腔ケアは重視されている。医師や歯科医師、介護職、嚥下に問題がある人を支援する言語聴覚士(ST)らのチームが、施設の入所者の食事の様子を観察する「ミールラウンド」は、二〇一五年度の報酬改定で加算の要件になった。
大学教育での対応も進み始めた。大阪歯科大の高橋一也教授によると、歯学部のある国公私立大全部で老年歯科の講義があり、90%で口腔ケアや摂食嚥下リハビリなどの実習を実施している。高橋教授は「歯科医師の意識を、虫歯治療から口腔という消化器を守る仕事へシフトさせたい」と話す。

(東京新聞)



歯科が終末医療、看取りにどう関わるか。歯科界での議論と内外でのコンセンサスが必要です。
by kura0412 | 2018-11-29 15:03 | 歯科 | Comments(0)

内科医が口腔ケアに意義について説明しています

日本人の口は「人糞より汚い」そして臭い

梅雨から夏、「におい」が気になる季節だ。ビジネスでも「悪臭」が相手に与える印象は非常にネガティブ。だが、人は自分の臭いには鈍感なもの。さらに、わかっていても対策が不完全な人も多い。『日本人はなぜ臭いと言われるのか』(光文社新書)を出した内科医の桐村里紗氏は、「日本人はとにかく口臭のケアが足りず、臭い。口腔ケア後進国です」と指摘する――。
※本稿は、桐村里紗『日本人はなぜ臭いと言われるのか』(光文社新書)を再編集したものです。

日本人は、なぜ口が臭いのか
多くの日本人は、「自分たちは外国人と比べたら臭くない」と、思っている。
たしかに、腋臭(わきが)の割合は少ないので、体臭は比較的弱いと言えるかもしれない。
しかし、外国人からすれば、日本人の「口臭」が残念らしい。
自分のにおいは、自覚しにくいものだから、他人からの指摘は、素直に受け止めたい。
実際に、パナソニック株式会社の調査(2017年)によると、日本人同士でも、72%のビジネスパーソンが、「他人の口臭が気になったことがある」と回答している。また、29%は「他人に自分の口臭を指摘されたことがある」との厳しい状況に直面していた。
口臭の一番の原因は、口腔(こうくう)内環境の悪化だが、口腔内環境に「自信がある」人は、たった27%。現在のケアでは「十分にケアできていると思わない」という人は、61%だったという。
日本人の成人の80%は、なんらかの程度の歯周病だと報告されている現状である。しっかりケアを行いたい。

日本人が口腔ケアに関心が低いワケ
先進国であるにもかかわらず、日本人の口腔ケアに対する意識はかなり遅れている。なぜなのだろうか。
この理由は、文化的に見ると、日本人は、欧米人のように、日常的にキスをしたり、ハグをしたり、他人と密に接近することがないからではないかと考えられている。
あいさつ代わりに、初対面の人とでも顔や体を寄せ合う文化であれば、第一印象のために口臭ケアは欠かせないだろう。一方、日本人は、よほど親しくならないと、他人のパーソナルスペースには侵入しないし、自分も侵入されたくないと思っている。
また、危機感の問題もあるだろう。アメリカでは、子どもの頃から、虫歯にならないよう口腔ケアをしっかり教育される。歯ブラシだけでなく、フロスなどを使ってしっかり歯間ケアもする。
「どうせ、意識高い系の高所得クラスだけだろう?」と思うことなかれ。アメリカは、日本のように国民皆保険ではないため、歯の治療のためには、自主的に医療保険以外のデンタル保険に加入しなければならない。なかなか全額カバーもされないので、虫歯や歯周病になってしまうと、思わぬ高額出費になりかねない。
経済的に保険に入る余裕もない場合は、ばか高い歯科治療費を全額負担するか、放置するかの二者択一しかない。だから、必死に予防に励まざるをえないのだ。

口臭はモテ度にもビジネスにも影響する!
これは、歯科だけでなく、医科でもそうだが、国民皆保険は良しあしだと思う。いつでも誰でも、病院に安心してかかれるという油断が、日本人から「予防」という観点を奪っているからだ。
「病気になれば、医者や歯医者に行けばいい」という他力本願な人が、日本にはどんなに多いことか。本来、成人の経験するほとんどの病気は、虫歯や歯周病も含めて生活習慣病だ。自分のライフスタイルが病気を招くのだから、自分にしか予防も改善もできない。
とはいえ、なかなか病気になった後の自分について、想像力を働かせることは難しいものだ。
将来の虫歯や歯抜けになるリスクについては、あまり実感が湧かないもしれない。でも、口臭は、リアルな問題だ。人間関係にも、モテ度にも、ビジネスにも、人生のごきげん度にも影響する。
だから、「におい」を改善することをモチベーションの源泉にしてみてはどうだろうか。健康は、結果として付いてくるものだ。

悪臭は、病気のサインと心得よ――口臭の原因
人間関係や人生に色気をもって、自分の体臭や口臭をよくすることは、結果として健康状態の改善につながる。
なぜかといえば、前にも述べたが、においは、心身のコンディションを反映するものだからだ。
「口臭や体臭が強い」、もしくは、「普段とは違ったおかしなにおいがする」と感じたら、心身のコンディションを見直してほしい。
口腔内や腸内、皮膚などの常在菌のバランスや、内臓の機能、代謝の状態、ストレスやメンタルの状態が、口臭や汗、尿、おならや便などのにおいを常に変化させている。
口臭については、8割が口腔内環境の問題だ。残りは、体内の問題で、呼気を通じて口臭として感じられる。ストレスも、口臭を強くする原因になる。
健康な人の口腔内には、約700種類、歯磨きなどで口腔ケアが十分できている人では約2000億の常在菌(細菌・真菌)が暮らしている。
つまり、口の中は、菌やカビだらけなのだが、健全な状態では、彼らは常在菌として共生しており、悪さはしない。互いにバランスをとりながら、口腔内のpHを保ち、病原微生物の侵入を防いだり、繁殖を防いだりしている。
また、唾液も重要だ。唾液は、口腔内に流れる川のようなものだ。唾液腺から泉のように湧き出て、食べかすや余分な菌を洗い流し、キレイに保っている。唾液に含まれるリゾチームという酵素も、細菌の細胞壁を破壊して、過剰に増えないようにコントロールしている。
ところが、口腔ケアが十分でない場合や、唾液分泌が減ってしまう場合には、常在菌は約4000億~6000億に増殖する。常在菌といえども、増えすぎはまずい。増えすぎた常在菌が、炎症の原因になるのだ。

プラーク内の細菌濃度は便内以上に
よく聞くプラーク(歯垢)は、常在菌の塊だ。最近では、何層にも重なり合う形状から、バイオフィルムと呼ばれている。
食べかすを栄養源に、常在菌は元気に繁殖する。放置すると、食後8時間程度でバイオフィルムの生成が始まり、ケアが不十分だと、どんどん層が厚くなり、こびりつくようになる。バイオフィルム内の細菌濃度は、なんと便内よりも高くなる。
最終的には歯周病の原因菌もこびりつき、強力な炎症物質を分泌するので、歯間や歯肉、歯周に炎症が起き、痛みや出血を起こすようになる。当然、口臭にも悩まされるようになる。腐った肉のようなにおいが特徴だ。
ちなみに、歯周病は、炎症が歯肉のみにある「歯肉炎」から始まり、初めは歯肉の腫れや出血、発赤だけだが、ついには歯槽骨(しそうこつ)にも炎症が波及して「歯周炎」になる。歯と歯肉の間に、歯周ポケットと呼ばれる深い溝ができ、ここで歯周病菌がどんどん繁殖する。ポケットからの出血、排膿(はいのう)により、口臭はさらにきつくなり、歯もぐらついて、いずれは抜けてしまう。

喫煙者の口臭は、ヤバい
ケア不足だけでなく、ストレスや口呼吸の癖、ドライマウスなどで唾液分泌が減ることでも、口腔内の細菌は繁殖しやすくなる。
朝起きぬけに口がにおうのは、夜間に唾液分泌が減るからであり、誰にでも起こりやすい。だから、寝る前と起き抜けには、しっかり口腔ケアをしておきたい。
さらに、喫煙は、ニコチンやタールのせいで口臭を悪化させるだけではない。ニコチンは唾液分泌を抑制して口腔内の常在菌のバランスを崩すし、こびりついたヤニには菌が付着して、虫歯や歯周炎を起こしやすくなる。喫煙によって血流も低下するので、歯茎(はぐき)は貧血状態。10年後に失っている歯の数は、非喫煙者の3倍と言われている。
そう聞いても、愛煙家には、禁煙の理由にならないかもしれない。ただ、これだけは言っておこう。自分自身では順応してしまっていて感じないかもしれないが、喫煙者の口臭や体臭は、確実に、ヤバい。
ついでに言うと、におうということは、におい分子が服や体に付着しているということだ。におい分子=有害成分を家にも持ち帰ることになる。
たとえ、家で吸わない場合でも、喫煙者の家を調査すると、ソファやベッドなど、行くところ行くところに、タバコの有害成分は付着している。非喫煙者である家族の尿からも、タバコの有害成分が検出される。赤ちゃんであってもだ。
タバコを消した後の残留物を吸引することを三次喫煙といい、やはり発がんのリスクがあることがわかっている。
誰にも迷惑かけてない、ことはないのだ。
口腔内の炎症が、全身病に深く関係していることが、最近の研究で明らかになっている。糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患、認知症、さらには、がんのリスクまで高めることが報告されているのだ。

口臭をケアする意義は、実に大きい!
最近、医学的には、「炎症」こそが万病の元で、体のどこかに炎症があることは、全身の不具合を引き起こす原因になると考えられている。
炎症とは、体の中の戦士である免疫細胞によって引き起こされる「体内戦争」である。世界のどこかで戦争が起きていると、たとえ遠方であっても、世界全体の秩序を乱してしまう。
たかが口腔内の戦争であっても、侮(あなど)ることなかれ。血流に乗って全身に火種がばら撒(ま)かれるのだ。
歯周ポケットに生息している歯周病菌は、炎症を起こすことで歯肉の細胞を破壊し、簡単に血液中に侵入する。実際に、歯周病患者の血液からは、口腔内にしかいないはずの歯周病菌が多く検出されている。

体内に菌がいることは「敵」の侵入を意味する
ここで注意したいのが、私たちの体に暮らす常在菌は、基本的に「体外」にいるのであって、「体内」にはいないということだ。
皮膚は、体外。これには異論はないだろう。だが口腔内や腸内は? やはり、体外なのだ。口から消化管の内腔(ないくう)、肛門にかけては、1本の管であり、人は、簡略化すると、「竹輪(ちくわ)」のような形状をしている。管は、外界と交通しているので、「体外」であって、物質は、腸管の粘膜を通って吸収されて初めて、「体内」に入ったとみなされる。
健康な状態では、体内は完全に無菌状態だ。本来、「私」の体内には、「私」以外の細胞は、存在してはならない。
それなのに、体内に菌がいるということは、「敵」の侵入を意味する。血管内に菌がいるということは、菌血症と呼ばれる異常な状態だ。全身をパトロールする戦士である免疫細胞は、戦闘モードになり、全身で炎症が引き起こされる。

動脈硬化にまつわる疾患のリスクを上げる
また、菌が侵入する手前の段階でも、歯周病菌が増えている局所に免疫細胞が動員されると、サイトカインという炎症性物質を破壊兵器として分泌する。大量のサイトカインが血流に乗ると、全身に戦火が飛び火することになる。
サイトカインは血管の壁を傷つけ、全身の動脈硬化の原因になる。高血圧、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化にまつわる疾患のリスクを上げるのだ。
大動脈瘤(りゅう)や末梢(まっしょう)血管疾患などの患者の血管壁からは、歯周病菌が高率で検出される。
また、歯周病と糖尿病は、双方向のリスクになることがわかっている。糖尿病があると、免疫力が低下して、歯周病になりやすい。歯周病があると、全身の炎症を引き起こし、それが血糖を下げるホルモンであるインスリンの働きを低下させ、血糖値を上がりやすくさせる。
糖尿病があるのであれば、口腔ケアは必須であり、それによって血糖コントロールの改善が期待できる。
歯周病による口臭は、体内の不健康の現れと考えて、今日からすぐに口腔ケアを始めよう。脱口臭は、脱不健康である。

桐村里紗(きりむら・りさ)
内科医・認定産業医。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。治療よりも予防を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、執筆、webメディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。著書に、『「美女のステージ」に経ち続けたければ、その思い込みを捨てなさい』(光文社)など。

(PRESIDENT ONLINE)



内科医が口腔ケアに意義について説明しています。
by kura0412 | 2018-07-03 12:07 | 歯科 | Comments(0)

「東京五輪と歯科医師を目指す異色のハードラー 」

金井大旺 110M障害、日本新でV!東京五輪と歯科医師を目指す異色のハードラー

東京五輪と歯科医師を目指す異色のハードラー金井大旺(たいおう、22=福井県スポーツ協会)が日本新記録の13秒36をマークした。前の脚がピンと伸びた美しいフォームが乱れることなく、ゴールを駆け抜けた。
04年に谷川聡が出した13秒39を0秒03更新し、13秒53の自己記録を0秒17も塗り替えた。今季は13秒4台に何度も挑戦しながら、達成できずにここまで来た。それが4台をすっ飛ばして3台を出し「まさかこの記録は出るとは想定してなかった。ビックリしています」と目を丸くした。アジア大会の代表切符も手にした。
今オフに初めて筋トレに着手。臀部(でんぶ)を中心とした体幹を特に鍛えた。「使いたい筋肉を使えるようになった」という効果もあって、100メートルは「手動計測ですけど、10秒3〜4が10秒1〜2になった」と走力が上がった。これが日本新の土台になった。
今も指導をする母校、法大の苅部俊二監督は「入ってきた時はここまで行くとは思わなかった」と、函館ラ・サール高時代からやってきた当初の教え子を懐かしんだ。「研究熱心。ハードルは全てビデオに収めている。(100メートルの)山県君と似たタイプ。自分の感覚と、映像からの客観的な視点をすり合わせている。言ったらすぐ直せる」。じっくり、大きく成長した新星の長所を口にした。

父・敏行さんが北海道函館市で歯科医院を開く。その跡を継ぐために、2020年が終われば、歯科大へ進む人生設計を描いている。競技人生のゴールを決めていることが、「ダラダラできない。悔いがないようにやらないといけないので、集中できています」とプラスに働いているようだ。オリンピアンの歯医者さんの誕生が、楽しみでならない。

(Sponichi Annex)
by kura0412 | 2018-06-25 08:37 | 歯科 | Comments(0)

歯科技工士だけでなく歯科界全体の問題です

歯科技工士、なり手不足
養成機関の入学者減、労働環境厳しく 厚労省は確保策議論

入れ歯や差し歯などを作る歯科技工士を育成する養成機関への入学者数が減っている。2017年度の入学者数はピーク時の約20年前から7割減った。背景には認知度の低さに加え、長時間労働など労働環境の問題を指摘する声もある。人材が不足すれば治療にも影響が出かねず、厚生労働省は業界団体を交えた検討会を立ち上げ、人材確保策を議論している。

歯科技工士は歯科医師の指示に基づいて、入れ歯や差し歯、かぶせ物などを作る国家資格。2~4年制の専門学校や大学など養成機関を卒業後に試験に合格する必要がある。就業者数は3万5千人前後で近年は推移しているが、高齢化が進んでいる。50歳以上の割合は04年は27%だったが、16年は48%まで拡大した。
一方で養成機関への入学者は減り続けている。全国歯科技工士教育協議会の調査では、1995年度に養成機関の入学者数は3199人だったが、2017年度は927人と3分の1以下に減った。養成機関の多くを占める専門学校も生徒減少などを理由に閉校が相次ぎ、00年度の72校から17年度は52校まで減った。
16年で3万4640人だった就業者数は10年後には6千人減少するとの試算もある。

厚労省は5月に有識者検討会を立ち上げ、人材確保策を議論し始めた。同省歯科保健課は「日本社会の高齢化で歯のかぶせ物や詰め物などの需要増加が見込まれる。人材が入らなければ、治療に影響が出かねない」と懸念する。
歯科技工士志望者の減少について、日本歯科技工士会(東京・新宿)の杉岡範明会長は「治療現場では歯科医や歯科衛生士は患者と直接接するが、技工士は接する機会がまずない。存在が知られていない」と認知度の低さを訴える。認知度向上に向け、同会は17年度から、製作に携わる技工士の名前を書き込んだポスターを診療所に貼る取り組みを始めた。
労働環境の厳しさを指摘する声もある。歯科技工士の7割以上が「技工所」と呼ぶ作業所で働くが、大半は1人の個人経営で、複数の診療所などから依頼を受けてかぶせ物などを製作するケースが多い。検討会では委員から「個人経営が中心のため長時間労働になり、診療所からの製作費用も抑えられがち」として待遇の改善を求める声が上がった。
有識者検討会は技工士に製作費用が適切に行き渡る仕組み作りや高校生などへのPRなど、人材確保策をとりまとめた報告書を年度内にもとりまとめる方針だ。

(日経新聞)



社会面に大きく掲載されていました。
この問題は歯科技工士の問題ではなく、歯科界全体が抱える大きな課題であることの認識がまず必要えす。
by kura0412 | 2018-06-21 09:01 | 歯科 | Comments(0)

Fラン歯学部

Fラン歯・薬学部バカ高学費でも食えない

卒業後に国家試験を取得すれば十分に安定した収入が見込まれる歯学部・薬学部の学生。ところが、昨今は“定員割れ校”や“Fラン校”の存在が指摘され、高い学費を投入したにもかかわらず国家試験に合格できない学生も多い。「歯科医師、薬剤師の数が過剰でいずれ食べていけなくなる者が出るリスクもある」と医師の筒井冨美氏は語る。獣医学部を含む医療系ライセンス学部の将来展望やいかに――。

30倍の人気 加計学園・獣医学部の学生の「暗雲」
3月に入り、2018年の医療系国家試験の合格発表があった。
●医師国家試験の合格率は90.1%、学校別合格率は77~99%
●歯科医師国家試験の合格率は64.5%、学校別合格率は24~95%
●獣医師国家試験の合格率は88.3%、学校別新卒者合格率は94~100%
(薬剤師国家試験の発表は3月27日)

2018年2月、大騒動の末に認可された、岡山理科大学獣医学部(愛媛県今治市)の初年度一般入試が行われた。いわゆるモリカケ騒動の加計学園のほうである。「利権まみれの田舎の私大」「どうせFランでしょ」といった下馬評をよそに、推薦入試が約30倍、一般入試が21.5倍という超人気ぶりだった。
マンガ『動物のお医者さん』の大ヒットや、近年の資格取得の実学志向を反映して、獣医学科の人気は高く、国公立大学だとセンター試験の得点率が80%以上でないと合格できない難関である(センター試験全体の平均は例年60%強、医学部は85%程度と言われる)。
私大でも6年間で1200万~1500万円という高額の学費にもかかわらず偏差値60以上のまま高止まりしており、岡山理科大獣医学部の入試偏差値も同レベルになると予想されている。
獣医学部は30年以上の間、政策的によって毎年の国内総定員を930名に固定されてきた。文部科学省も農林水産省も長らく「獣医の中でも家畜臨床や公衆衛生分野は人手不足が深刻だが、都市部の小動物臨床(いわゆるペット用動物病院)は余っている」として「総数は足りている」「偏在しているだけなので定員増は不必要」という判断で、学生数を抑制していた。獣医師界も定員抑制政策に協力しており、獣医学部の新設についても2010年に日本獣医師会として公式に反対声明を出している。

▼「偏差値60」でも高待遇の職はない可能性大
しかし、加計学園獣医学部の入試倍率を見る限り、少なくとも獣医師を目指す若者にとって930名は少なすぎであり、受験生にとっては朗報だったと言えよう。とはいえ、難関入試を突破したからと言って、卒業後も前途洋々かというとそうではない。
愛媛県に開設されたのは「獣医学部のない四国に新設すれば、四国の獣医が増えるから」と説明されているが、「地方に医大を作っても、医者の待遇が悪ければ卒業後に(都市部へ)去ってしまう」ことは、医学部(医師)ですでに証明されている。地方の獣医師不足も同様であり、偏差値60以上の難関大修士を卒業して国家資格を持った若者がわざわざ赴任したくなるような待遇の仕事が不足したままなのである。
せっかく獣医師免許を持っているのに、ITや商社など好待遇の他分野に就職するケースも目立つ(特に東京大学の学生)。また、犬猫の飼育頭数は日本の15歳未満の人口を優に超え、都市部のペットクリニックは大変盛業中である。動物眼科専門クリニックや、犬の心臓手術を行う病院からフリーランス獣医麻酔科医まで、近年めざましい発展を遂げており、若い獣医師を惹きつけることは想像に難くない。
四国の家畜臨床や公衆衛生の関係者は、獣医学部が新設されたことに安住せず、若手獣医師が長期的に就職したくなる「待遇」を、是非とも今後6年間のうちに整備していただきたいと思う。

総学費1億でも歯科医師国家試験に不合格のFラン【歯学部】
医学部の人気ぶりとそれに伴う受験の難化はすでに広く知られている(中流家庭でも余裕「医学部入学」の奥の手)。ここでは、主に歯学部、特に私大歯学部について述べる。
日本歯科医師会は2014年の時点で「歯科医師需給問題の経緯と今後への見解」を公表し、「新規歯科医師数は年1500人程度が上限」と主張している。だが2017年度の歯学部の定員総数は約2500人だ。すでに過剰感があり、「5人に1人は年収300万以下」といった報道も多い。
こうした歯科医師過剰問題を受けて、文部科学省は歯学部定員をピーク時の約3400人から現在の2500人に減らしたが、削減したのは主に国公立大であり、総学費2000万~4000万円の私立歯科大における定員削減は大学経営に直結するために進まなかった。
そこで厚生労働省は“出口調整”することにした。すなわち国家試験を難化させることで過剰問題に対応したのだ。歯科医師国家試験は2003年の合格率91.4%をピークに難化の一途をたどり、ここ数年間の合格率は63~65%で推移している。

▼Fラン歯大 1年次は「ノートのとり方」から学ぶ
国家試験合格率は公表され、大学の格付けや人気に直結するため、どの私立歯科大学も必死で合格率の数字を上げる対策をしている。例えば、明らかに合格しそうにない学生を留年・休学・卒業保留などの手段で母数から排除するのだ。その結果、「浪人、留年、卒業保留、国家試験浪人を繰り返して、計1億円近くの学費を使ったのに無職のまま三十路に突入」するような悲惨なケースが、下位私大では多数発生している。
しかも、歯科大の場合、卒業したものの国家試験に合格できない学生が選択できる別の進路が極めて少なく、社会の眼も厳しい。
現在も複数校存在する国家試験合格率4割未満と囁かれる「定員割れ校」「Fラン歯大」は、「初年度1000万円+毎年500万円」の学費を払えば(事実上)誰でも入学できるといわれる。1年次のカリキュラムは「一次方程式」「ノートの採り方」のような授業で始まり、ストレートで6年制になれる確率は半分、最終学年を1回で終了できる確率はさらに半分なのだそうだ。たとえば、国家試験合格率24%のある歯大は、「入学定員96名、新卒受験者25名、合格者9名」という結果だったが、受験者が一定数いるからか今のところ閉校の動きはない。

薬剤師過剰なのに粗製乱造で凋落する私大薬学部【薬学部】
薬学部は、同じくライセンス系の6年制学部なのに、なかなか新設されない獣医学部と異なり、あちこちに増え続けている。特に私立薬学部は、2003年からの6年間で29校から57校と、ほとんど倍増した。また、2006年から4年制から6年制になったこともあり、私立薬科大の総学費は900万~1400万円と高騰している。
その結果、薬学部の中には「定員割れ校」「Fラン薬科大」「薬剤師国家試験合格率4割未満」「6年間ストレート合格率2割未満」と囁かれる学校が出現している。
しかしながら文科省はさらに薬学部を増やすつもりらしく、2018年4月には山口東京理科大学薬学部が開設予定であり、2019年には岐阜医療科学大薬学部が、2021年には和歌山県立医大薬学部が開設準備中である。
医師不足や医師集団辞職のニュースは今なお見かけるが、薬剤師不足を訴えるニュースは少ない。しかし、「総数は足りている、偏在しているだけ」という医学部や獣医学部で繰り返された行政の言い訳は、なぜか薬学部に関してはなかった。
厚労省は「医者を増やし過ぎると医療費が増加する」と警告するが、「薬剤師を増やし過ぎるのも医療費を増やす」という主張はしない。調剤費の総額(医療費に占める割合)は、2000年の2.8兆円(9.5%)から2016年の7.5兆円(18%)と、急増しているのにもかかわらず……である。
現在も、薬剤師の求人そのものは非常に活況である。医療用医薬品(いわゆる処方箋薬)は、薬剤師による対面販売が法律で義務化されているからである。また、厚労省は医薬分業を推進しており、薬局の数は増加の一途で、今やコンビニの店舗数よりも多くなり、それらが全て薬剤師を必要としているからである。
対面販売は、「薬剤師が対面で薬の説明をしてくれる」「複数の病院からもらった薬を、かかりつけ薬局で過剰投薬にならないようチェックする」「薬害を予防する」といったメリットが公にはアピールされている。
しかし「説明がかえって鬱陶しい」「(体調が悪く、薬局までの)移動がしんどい、昔みたいに病院で薬をもらいたい」「調剤って単なる袋詰め」「そもそも薬害は院外薬局だから防止できるものではない」といった反論も少なくない。

▼やっと薬剤師免許を取得しても、職を得られない可能性
薬剤師求人の活況とは、本質的な不足というよりも、医薬分業や通信販売禁止などの規制によって人為的に需要過多になっている要因が大きい。2018年の診療報酬改定では、特に大規模薬局に厳しい調剤報酬の引き下げが行われ、現在のような大手薬局チェーンの盛業が長くないことが示唆された。今後、オンライン説明や薬品ネット通販が解禁されることになれば、その需給バランスが一気に崩れることが予想できる。
つまり、せっかく高額な学費を払い薬学部で学び、薬剤師免許を取得しても、職を得られなかったり追われたりして、食っていけない者が大量生産される可能性があるということだ。もっと言えば、粗製乱造の薬学部に合格したものの、卒業できず、親が捻出するお金はドブに捨てられたのも同然となることさえある。
獣医学部一校で、あんなにうるさい野党やマスコミも、今後の破綻が懸念されるFラン薬科大や歯科大についての責任を追及する動きはなさそうだ。

「次に大量閉校するのは薬科大ではないか」
獣医学部は入試段階では大人気だが、合格後の就職先は公務員獣医師など比較的安定はしているものの高収入とは言い難い。
私立歯科大は人気凋落を反映してか、全体的な学費値下げや奨学金制度を設けて挽回をはかる動きが目立つ。職人的な仕事が多いので、ITに置き換わるリスクは内科医師よりも少ないだろう。国家試験を突破できる基礎学力があり手先が器用な学生には、世間で思われているよりも将来は明るいかもしれない。
薬科大はすでに過剰の兆しがあるにもかかわらず、さらなる新設が控えている。合格後の待遇は今のところ安定しているが、医療のIT化や社会保障費の見直しが進めば、近い将来に調剤費も大ナタが振るわれるだろう。
医療系ではないが、2000年代のピーク時に74校あった法科大学院はその後、半数近くが閉校した。次に大量閉校するのは薬科大ではないかと、筆者は推測している。好きで選ぶならばよいが、単に「安定して給料もよさそう」という理由での薬科大進学は、今後はあまりお勧めできないのが筆者の見解である。

(PRESIDENT ONLINE)



他の学部は別として歯学部に関してはこのような話を聞くことがあります。数字だけの語呂合わせ?の感じもしています。
by kura0412 | 2018-03-27 08:45 | 歯科 | Comments(0)

一つの一審は有罪判決

日歯連の迂回献金事件 元副理事長に有罪判決

日本歯科医師連盟を巡る迂回(うかい)献金事件で、政治資金規正法違反の罪に問われていた会計責任者だった男に対し、東京地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
日歯連の元副理事長で会計責任者だった村田憙信被告(73)は、2010年と2013年の参議院選挙を巡り、支援する候補者の後援団体に別の団体を迂回させるなどの手口で法律の上限を超える献金をして、収支報告書に嘘の記載をした罪に問われていました。22日の判決で、東京地裁は「村田被告は違法性を認識していたことが認められる」と指摘し、執行猶予3年の付いた禁錮2年の判決を言い渡しました。この事件を巡っては前会長ら2人も起訴され、裁判が続いています。

(ANN NEWS)




この件についての裁判は、今回とは別にもう一つの裁判で争われています。
by kura0412 | 2018-01-22 18:14 | 歯科 | Comments(0)

歯科は再生医療のフロントランナーになり得る

再生医療、臨床現場で開業医はどう取り組む?
幹細胞研究の専門家らが方向性提示

開業医が日常の臨床の中で再生医療をどう取り扱っていけばいいのか―。日本再生医療学会(澤芳樹理事長)のシンポジウムが14日、東大伊藤国際学術研究センターであり、乳歯歯髄幹細胞研究の第一人者の上田実・名古屋大名誉教授らが骨再生などの医療技術の現状と方向性、医療者の教育・支援体制構築の重要性を訴えた。

ES細胞(胚性幹細胞)などを用いる再生医療をめぐっては、研究の進展に伴い、臨床現場への導入が進んでいる。特に歯科の領域では多血小板血漿(PRP)による再生医療が成果を上げており、再生医療を提供する医療機関が増えている。ただ、国に必要な届け出をしないまま再生医療を行うケースも出てきており、医療者への教育や補償制度の拡充が求められている。
こうした現状を踏まえ、今回のシンポジウムでは、最新の臨床研究・医療技術だけでなく、患者の安全・安心を確保するために必要な取り組みや開業医らの教育、自由診療に対応した保険などをテーマに取り上げた。

歯科領域における研究や療法に関しては、上田名誉教授が幹細胞の培養上清の研究・活用事例を紹介。培養上清による歯骨再生の症例が積み上がってきたことなどに触れ、「歯科は再生医療のフロントランナーになり得る」とした。
吉江弘正・新潟大大学院医歯学総合研究科教授は、歯周組織の再生療法について、先進医療として取り扱われたり、細胞シートが使われたりしている現状を説明した。
また、春日井昇平・東京医科歯科大教授は、医薬品や医療機器の承認が欧米より遅れるドラッグラグ・デバイスラグを取り上げ、日本国内では患者にとってベストな治療を行えないとし、承認の仕組みを改善することが急務とした。
病院やクリニックに再生医療を普及させる取り組みについては、井上肇・聖マリアンナ医科大特任教授が解説。同大で培ってきた再生医療技術を普及させるために「細胞応用技術研究所」を設立したことに触れ、申請の手続きなどが煩雑な再生医療の業務を外部にアウトソーシングすることを選択肢の一つとして挙げた。

再生医療に関わる医療者の教育に関しては、大阪大医学部附属病院未来医療センターの江副幸子・臨床開発部門・製剤・CPC部主任が、「一部で不法な行為をされている方がいるだけで、再生医療そのものが実際に止まってしまうことがある」と指摘。危険性のある治療が行われない環境を作るためには、しっかりと現場の情報を把握した上で、医療者への教育に当たる必要があるとした。
自由診療で行われる再生医療を支援する体制の拡充も急務だ。古川和親・日本再生医療学会幹事は、再生医療の臨床研究については賠償などに備えた保険がある一方、自由診療は保険の対象外となっていることを指摘。今年7月から始まる「再生医療サポート保険(自由診療)」が、従来の医師賠償保険と異なり、再生医療安全確保法で義務付けられていない患者への補償にも対応していることを取り上げ、患者の安心・安全を確保する観点からも、このような支援体制を整える必要性を訴えた。

(キャリアブレイン)
by kura0412 | 2017-05-16 10:21 | 歯科 | Comments(0)

摂食嚥下機能低下した人にも配食サービスを

厚生労働省は、配食事業に関するガイドラインを公表した。このガイドラインは、在宅の療養者や施設の高齢者らに配食サービスを提供する事業者を対象にしたもので、かかりつけ医との連携や摂食嚥下機能が低下した人への対応も検討するよう促している。

在宅の高齢者を対象にした配食事業をめぐっては、カロリーや塩分、栄養バランスを考慮した病院食を届ける医療機関がある一方、民間の業者によってはカロリー計算を行わずに調理したり、利用者が腸管出血性大腸菌O157などによる食中毒になったりするケースも報告されている。また、医師の栄養食事指導を受けている高齢者に食事を提供できる業者が、地域によってはほとんどないといった課題もあった。
ガイドラインでは、こうした問題点や課題を理解するよう事業者に要望している。具体的には、高齢者の中には、摂食嚥下機能が低下した者もみられる。と指摘。このような人への配食に関しては、調整食の提供が重要になるとし、対応を検討する必要性を挙げている。
咀嚼(そしゃく)機能が低下した人にも通常の形態の食事が提供されているケースが少なくないことなどを挙げ、
身体活動レベルや摂食嚥下機能などを含む身体状況
食の嗜好
摂取量を含む食事の状況-を把握するよう求めている。
医師の栄養食事指導を受けてから長時間が経過している利用者に関しては、かかりつけ医に相談し、調整が必要かを確認した上で注文することを推奨。業者に対しても、利用者が医師に相談したかを確認してから注文を受け付けるよう求めている。



(キャリブレイン)





この記事の中にはかかりつ医とだけありますが、ガイドラインの中にはかかりつけ歯科医との明記がありました。


by kura0412 | 2017-04-10 17:21 | 歯科 | Comments(0)

「高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査」

高齢者の口腔・摂食嚥下の機能支援には、多職種連携による取り組みが必要―厚労省

厚生労働省は、1月24日、自治体による高齢者の口腔・摂食嚥下の機能支援について調査報告書を公表した。
高齢者の口腔・摂食嚥下の機能の低下は、誤嚥性肺炎や窒息事故の発生につながるが、全国的に機能の維持・向上の必要性が広く認識されているとはいいがたく、口腔ケア指導などの早期導入も実現していない。また、在宅や施設で介護サービスを受けている重度の要介護高齢者などの摂食嚥下障害の支援に向け、介護サービスの担い手と歯科分野をはじめ多職種が連携したサポート体制をいかに構築していくかも課題となっている。
そうした課題の解決に向け、高齢者の口腔・摂食嚥下の機能支援において先進的な取り組みを行っている5自治体(東京都大田区、同新宿区、千葉県柏市、富山県南砺市、岡山県鏡野町)を対象に調査を実施。その結果、これらの自治体では、歯科医師会、歯科衛生士、管理栄養士など多職種の専門職と連携し、次の取り組みを実施していることが明らかになった。

○介護予防事業で、高齢者が口腔と摂食嚥下の機能の重要性と機能の低下などに対する予防方法について学ぶ機会を提供
○重症化予防のため、自治体の主導で在宅の要介護高齢者や介護保険施設入所者への歯科医療サービスの提供体制を構築
○多職種の専門職が「食べること」 の支援ネットワークを構築できるよう、連携ツールや地域研修会を通じ、支援に伴う課題とノウハウを共有
調査結果の報告書では、それぞれの自治体の取り組みを詳細に紹介している。厚労省は、今後、全国の自治体の歯科保健担当部署に情報提供するなどし、広く取り組みの推進を図っていく。

【ケアマネジメントオンライン】



オーラルフレイルに対してのモデルケースでの実践報告です。この輪をいかにして広げていくか。
by kura0412 | 2017-02-02 10:13 | 歯科 | Comments(0)

『歯科衛生士の不足、介護に影 高齢者ケアに重要な役割』

歯科衛生士の不足、介護に影 高齢者ケアに重要な役割
訪問診療まで手回らず

口内のケアを担う歯科衛生士の不足感が強まっている。様々な病気の予防にもつながるケアは特に高齢者に対して重要だ。衛生士の不足は健康や医療の先行きに暗い影を落とす。
千葉県市川市のある歯科医院は2014年から、歯科衛生士がいない。治療と予防歯科を担当するのは院長(57)1人だけ。「ハローワークなどを通じて求人しているが、勤務条件に合う人材が集まらない」と嘆く。
歯科衛生士は歯の掃除など口腔(こうくう)ケアと呼ばれる業務を担当する。治療行為はできないが、受け付けや歯科医師の診療の補佐的な役割のみをする歯科助手と異なり、国家資格が必要となる。
一般に1医院で最低2人の衛生士が必要だといわれるが、14年時点の全国平均は約1.5人にとどまっている。

■有資格者の就業5割未満
歯科医院の間で衛生士の奪い合いが起きていることが大きな要因だ。歯科医院の数は全国で約7万カ所とコンビニエンスストア(約5万店)より多く、競合が激化している。歯科衛生士の数自体も増えてはいるが、患者数が多く厚待遇を提示できる歯科医院に人気が集まる傾向にある。その結果、5人以上抱える医院がある一方、ゼロか1人だけのところも出てくるなど、衛生士の偏在が進んでいる。
衛生士を取り巻く労働環境も厳しい。大都市圏では平日20時以降まで、さらには週末も開く医院が目立つ。厚生労働省の調査では、常勤の女性衛生士の残業を除く労働時間は看護師より月9時間長い。そのため出産・育児を機に離職する人が多く、25万人以上いる有資格者のうち、実際に働く人は5割に満たない。

衛生士の不足感が高まることで特に影響が懸念されるのが介護が必要な高齢者だ。
高齢になると飲み込む力が低下し、細菌が唾液と共に誤って肺に流れ込み肺炎を起こすことが多い。これを防ぐには口腔ケアが効果的だ。口腔ケアに詳しい米山武義・歯科医師らの研究では、口腔ケアを受けた高齢者の肺炎の発症率は11%と、ケアしない高齢者(19%)より低かった。
口の中が汚れていると糖尿病や動脈硬化の危険も高まる。東京医科歯科大の品田佳世子教授らの研究では、40歳以上で歯周病が重度の患者の医療費の総額はそうでない人の1.5倍超に達した。口腔ケアが受けられない高齢者が増えると、医療費がさらに膨らんでいく可能性がある。
歯科への通院が難しい高齢者のため、介護施設や自宅に出向く訪問歯科の必要性は高まっている。厚労省によると、訪問歯科を実施する歯科医院1カ所あたりの14年の訪問件数は、病院や高齢者施設向けが月35件と3年前に比べ3割増加し、個人宅向けも月10件と同2割増えた。今後も増え続けていくのは確実だ。
にもかかわらず、歯科医院側は衛生士が集まらず、訪問歯科まで手が回らないところが多い。衛生士がいない市川市の院長は「うちの患者の高齢化が進んで訪問歯科が必要になっても、このままでは対応できない」と頭を抱える。
高齢者の保健に詳しい国立保健医療科学院の三浦宏子・国際協力研究部長は「訪問歯科の重要性は今後、ますます増していく。それに対応できるだけの衛生士が各地域に一定数いないと将来、医療費がさらに増えていく可能性がある」と警鐘を鳴らす。

■自治体と組む例も
危機感から自治体と組んで対策を進める例も出ている。東京都豊島区歯科医師会が運営する「あぜりあ歯科診療所」では12人の歯科衛生士が年間約3800人の訪問歯科を手掛ける。区の委託費などで運営され、産休など福利厚生も整備し衛生士を確保する。
高齢化社会の到来で、介護の人材不足ばかりに目が行きがちだ。しかし、歯科衛生士も、行政の後押しも含め、職場復帰しやすい環境を整えるなど人材確保の手を今から打っておかないと、日本の高齢者に対する福祉の未来はますます暗くなる。

■ネットをのぞくと「仕事は好きだけど……」
ツイッターでは歯科衛生士のつらさに関する声が多かった。「仕事は好きやけど今の職場とか忙しすぎやし人間関係も微妙やし、早く辞めたい」「看護師の方が絶対有利。歯科衛生士の寿命は短いから長く出来んし、若い子ばっかり増やしたがるけんな…何の得もない」などとつぶやかれていた。
一方で「やっぱり仕事楽しい」「あの人がいるからいこうかなって、思ってもらえる歯科衛生士でありたい」と意欲的な声も。「自信を持って歯科衛生士ですって言いたい。国家試験つらかったけど頑張って受かって仕事してんだから」と誇りがうかがえる書き込みもあった。調査はホットリンクの協力を得た。

■復職支援事業、活発に
離職した歯科衛生士を対象にした復職支援の動きが活発になっている。各地の歯科衛生士会が研修会を相次ぎ実施しているほか、国も復職支援事業に乗り出した。
2016年7~8月、東京都歯科衛生士会が開いた再就業支援の研修会に約20人が集まった。皆、出産・育児や転職などで衛生士の仕事から離れていた。離職者はブランクの期間が長いほど、自らの技能や最新設備の使い方などに対する不安が強い。研修を通じて自信を取り戻してもらうのが狙いだ。
同会では14年から研修会を始めた。5日間連続で歯科医療の最新知識や実技を習得する。神奈川県から参加した女性(49)は20年以上前、歯科医院で4~5年働いた。その後はアパレル店員などを経て、介護職に就いていた。「高齢者を介護していると、口の中の汚れが気になるようになり、衛生士に戻ろうと考えた。ただ技能に不安があったので受講した」という。研修後は都内の歯科医院に勤務する。
政府も動き出した。国として初めて、17年度予算案に復職支援事業を計上した。総額は約1億円で、主に衛生士を対象にした復職のためのガイドラインを作るほか、既存の歯科大学や衛生士養成学校を使った実技研修会を開催する。
中高年や育児中の人の場合、復職後、訪問歯科での活躍を期待されている。訪問先1軒あたりの所要時間は20~30分、往復の時間を合わせても1時間~1時間半で終わるため、育児中の人にとって柔軟な働き方ができる。また、中高年の衛生士は高齢者とのコミュニケーションの取り方がうまい人が多く、訪問歯科に向いていると言われる。
とはいえ、訪問歯科の場合、復職した人が必ずしも即戦力になれるわけではない。訪問先には衛生士が1人で訪ねる場合が多く、個人宅では口の中を照らす照明器具がないなど、口腔(こうくう)ケアをするのに不便さが伴うからだ。さらに脈拍や血圧などを測定し、医師や看護師に情報提供する役割も求められる。このため、各地の歯科衛生士会では、訪問歯科の研修会にも力を入れている。

【日経新聞】
by kura0412 | 2017-01-23 09:31 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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