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健康保険のオンライン化促進か

オンライン資格確認の導入で関連法改正案を今国会提出へ - 医療保険部会で厚労省が方針

厚生労働省は17日、社会保障審議会医療保険部会で、オンライン資格確認の導入などを盛り込んだ関連法の改正案を今通常国会に提出する方針を明らかにした。

今通常国会に提出するのは、
「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案」(仮称)。
健康保険法や国民健康保険法、高齢者医療確保法などの一部を見直した上で、
▽オンライン資格確認の導入▽オンライン資格確認や電子カルテなどの普及のための医療情報化支援基金の創設
▽NDBや介護DBなどの連携・解析▽高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施―などを進めたい考えだ。
オンライン資格確認は、マイナンバーカードなどでオンラインによる被保険者資格を確認する仕組みで、これを導入することによって、失効した保険証の利用による過誤請求や未収金の減少、事務コストの削減といったメリットが得られるという。国はオンライン資格確認の本格運用を2020年度中にスタートさせる方針だ。

(キャリアブレイン)



データベース化としては有意義でも、実際の内容までは分かりませんが、注意して対応しないといざ実施となった時いろいろと問題が出てくるかもしれません。
by kura0412 | 2019-01-18 16:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

今年の年末は嵐の前の静けさでしょう

社会保障、遠のく改革 19年度予算案
1兆円増、切り込み不足 高齢者医療負担など課題

政府が21日閣議決定した2019年度予算案で、社会保障費は34兆円に達した。18年度当初に比べ1兆円あまり増えた。夏の概算要求から抑制したのは約1200億円にとどまり、全体の規模からみれば切り込み不足に終わった。団塊の世代が全員75歳以上になる25年度が迫る中、負担と給付を見直す社会保障改革の実現はむしろ遠のいている。

「今年の年末は嵐の前の静けさでしょう」。
11月下旬、19年度予算編成のさなかにもかかわらず、厚生労働省幹部は淡々としていた。
19年度は10月に消費増税を控えている。同省内では、医療や介護など社会保障で同時に負担増を求めることは困難との見方が大勢。例年以上に改革機運は乏しかった。
19年度予算編成は過去3年間と異なり、高齢化に伴う自然増の具体的な目安額を設けなかった。16~18年度はいずれも5000億円程度に抑える目安があった。このため抑制が緩むと指摘されていたが、自然増を4768億円に収めたという結果からすれば一定の抑制が効いたといえる。
ただ、個別の抑制策をみると、既に決まっていた制度改革の実施と薬価の引き下げだ。高収入の会社員の介護保険料引き上げで約610億円分を削減したが、17年度から4年かけて実施中で、既にあてがついていた。事実上、薬の公定価格を実勢価格に合わせて下げる「薬価改定頼み」というのが実態だった。
収入の少ない後期高齢者の医療保険料負担を軽減する特例の段階的な廃止についても、厚労省内に先送り論があった。16年末に閣議決定していた措置だが、消費増税と重なるため20年4月に先送りすべきだとの意見だ。結局、予定通り19年10月に実施するが、浮いた170億円は別の社会保障予算に回る。

政府の経済・財政政策の想定スケジュールを示した改革工程表を見ると、残された課題は多い。目玉に掲げている75歳以上の後期高齢者の病院での窓口負担を1割から2割に引き上げる措置や、外来受診時の定額負担などは、ほぼ手つかずだ。
全世代型社会保障を掲げる安倍政権は19年夏ごろまでは70歳までの就業機会の確保など雇用改革に取り組む。医療や年金などの抜本改革は19年秋以降から21年度までを見据えて進める構え。19年夏の参院選や消費増税をにらんで、負担増や給付減の議論をしにくいとの事情がうかがえる。
ただ、社会保障改革に残された時間は少ない。22年から団塊の世代が後期高齢者になっていく。後期高齢者の1人あたり医療費は年間91万円。65歳未満の5倍近くで、社会保障費の急増が予想される。
加えて負担増を強いられる人が多くなるほど、制度の見直しに抵抗が強まり、改革が進みにくくなりがちだ。
政府の推計では高齢者人口がピークを迎える40年の社会保障給付費は190兆円にのぼる。18年度に比べ6割増だ。思い切った改革で持続可能性を高めなければ、将来不安はいつまでも払拭できない。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-12-22 11:12 | 医療政策全般 | Comments(0)

消費増税で診療報報酬本体0.41%引き上げ

19年度予算大臣折衝 消費増税で診療報報酬本体0.41%引き上げ 19年10月実施

根本厚労相と麻生財務相は12月17日、2019年度予算大臣折衝を行い、19年10月に予定する消費税引き上げに伴う診療報酬改定について本体を0.41%引き上げることで合意した。薬価は0.51%引き下げ、材料価格は0.03%引き上げる。いずれも19年10月実施。このほか大臣折衝では、社会保障費の自然増の伸びについて、厚労省が8月の19年度予算概算要求段階で見込んだ自然増分6000億円を1200億円圧縮し、4800億円とする方針で一致した。

◎医科0.48%、歯科0.57%、調剤0.12%それぞれ引き上げ
消費増税に伴う診療報酬改定は、医科0.48%、歯科0.57%、調剤0.12%それぞれ引き上げる。改定内容については、すでに中医協の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」で議論された。19年度改定に当たっては、「消費税率が5%から8%に引き上がった部分を含めた、消費税率5%から10%部分について、補填状況が是正される配点とする」方針が決まっている。
医科については、実態に即した適切な補填を行う観点から、一般病棟入院基本料・療養病棟入院基本料について、療養病床の割合で病院を分類して課税経費率をみる。入院料の配点は、病院種別や入院料別ごとの入院料シェアも考慮し、消費税負担に見合う補填点数を決定する。初・再診料と入院料の配分については、診療所に配分される財源について、ほぼ全額を初・再診料に充てるのではなく、まず無床診療所(補填項目は初・再診料のみ)の補填を考慮し、初・再診料に配分を行うこととし、病院における初・再診料と入院料の比率を変え、入院料の割合を高めることとする。
なお、課税経費率については、直近の医療経済実態調査の結果を用いるほか、補填点数項目に係る算定回数については、直近のNDBデータの通年の実績データを用いることにしている。

◎薬価0.51%引き下げ 実勢価改定等で▲0.93%、消費税対応分は+0.42%
薬価については0.51%の引き下げが決まった。すでに12月5日の中医協総会に厚労省が18年9月取引分の薬価本調査結果(速報値)を報告しており、平均乖離率は約7.2%だった。なお、消費増税改定に伴う薬価改定の内訳は、実勢価改定等が0.93%引き下げ、消費税対応分が0.42%引き上げる。材料価格は0.03%の引き上げとなるが、その内訳は、実勢価改定が0.02%引き下げ、消費税対応分が0.06%引き上げとなる。

◎財務省の社会保障費の自然増圧縮路線は従来通り
事前折衝では社会保障費の自然増の抑制についても、当初見積もり額より1200億円圧縮し、4800億円とする方針も決まった。財務省はかねてより社会保障費の自然増の伸びを圧縮する方針を打ち出している。18年度までの過去3年間は自然増の伸びを5000億円程度に止める目標を掲げて取り組んできた。19年度予算編成に際しては、明確な数値目標は示されなかったものの、結果的に従来と同じ路線を貫いており、この流れが緩む気配はない。
2020年度には再び薬価・診療報酬改定を控えることになる。
日本医師会などの医療関係団体は次期診療報酬改定を本丸と位置づけ、年明けからの議論に臨むことになるが、19年10月の消費増税から半年後に通常改定を迎えるということで、医療用医薬品マーケットにおける市場取引は例年に増して混乱が予想されている。18年度改定でも薬価引き下げ財源が診療報酬本体の改定財源に充てられた経緯があるだけに、より一層バイイングパワーが強まるとの観測もある。これに消費増税改定が加わることで、流通当事者である製薬企業、医薬品卸、医療機関それぞれの思惑も交錯するところで、川上、川下ともに予断を許さない1年となりそうだ。

(ミクスONLINE)
by kura0412 | 2018-12-20 11:26 | 医療政策全般 | Comments(0)

AI分析本格活用へ

AI分析、病を封じる 医療ビッグデータ本格活用へ

近い将来、医師の診療を受けたら激変ぶりに驚くかもしれない。従来なら見つけられなかった病気がわずかな兆候から早期に見つかったり、普段の生活習慣などから将来の病気のリスクを指摘されたり――。医療に関するビッグデータの本格活用が始まるからだ。カルテ(診療録)やコンピューター断層撮影装置(CT)画像、検査データを匿名で集めて分析し、サービスや新商品開発などに生かす。

「むかしは膵臓(すいぞう)がんの生存率は本当に低かったんですよ」。202X年、医師は早期に膵臓がんが見つかった患者のAさんに話しかけた。「でもAIのおかげでがらっと変わりました。頑張りましょう」

膵臓がんはいま発見3年後の生存率は15%程度。このパーセンテージが大幅に高まる可能性がある。膵臓がん患者の内視鏡やCTの画像を大量に集め、人工知能(AI)に学習させる。我々のCTや内視鏡の画像データをそのAIに分析させれば過去の事例をもとにがんの検出率が上がる。早期の発見・治療ができれば生存率の向上につながる。

「10年後に脳梗塞になる可能性が30%あります」。Bさんは健康診断後に医師から指摘された。磁気共鳴画像装置(MRI)の結果は「何も異常がない」だったから安心していたのに――。

「健康診断やMRIの結果から、脳梗塞の発生を分析する精度やスピードが上がるかも」。医療データの活用を目指すスタートアップ、MICIN(マイシン、東京・千代田)の担当者は話す。
同社はAIによるビッグデータ分析とオンライン診療を合わせたサービスを計画中だ。健康診断やMRIの結果で脳梗塞の発生を分析できるか研究している。MRIで異常が分からなくても、過去の脳梗塞患者の大量な医療データに共通の兆候があるかもしれない。ある検査値が5年以上、正常値を超えている人は発症率が高い、などだ。
マイシンは国立がん研究センターや東京女子医大、名古屋大などと個別に協議し、匿名データの提供を受ける。いまは各大学の倫理委員会の審査が必要だ。データ分析前に多大な労力や時間がかかる。新制度下でより大量のデータを取得できれば手間が省ける。AIの能力が高まり、病気の予見可能性が上がる。

深夜に交通事故で救急病院に運ばれたCさん。CT画像のデータからAIがすぐ最適な治療法を提案。早期の治療で回復も早かった。

AIを活用して医療画像の診断を支援する技術の開発を進めるエルピクセル(東京・千代田)。肺がんのCTなどのデータを使って研究開発をしている。島原佑基社長は新制度で新たに大量のビッグデータが出てくれば「サービス開発のラインアップをさらに広げられる」と期待する。
「世界中の企業を日本に呼び込むデータになる可能性もある」。みずほ銀行産業調査部の吉田篤弘氏は語る。
デンマークは政府主導で電子カルテの導入を進め、個人の遺伝情報も匿名化されて活用することができる。その結果、世界の製薬企業や医療機器メーカーが集まり、欧州最大級の医療産業集積地「メディコンバレー」が発展した。
医療制度が充実し、高齢化が進む日本には、大量の医療データが眠る。サービス向上だけでなく優れた薬が日本発で誕生する可能性もある。

▼医療のビッグデータ制度 政府は今年5月、医療データを匿名化して民間が利用できるようにする次世代医療基盤法を施行した。制度の核となるのは医療機関からデータを集めて匿名化し、企業や研究機関に有料で提供する「代理機関」だ。政府は今年、代理機関の成り手の募集を始めた。いまは日本医師会などが関心を示している。
代理機関は2019年中にも認定する見込みだが、いつどれだけの機関が認定を得るかは不透明だ。どのような形式でデータを集め、提供するかは代理機関の裁量が大きい。市場参入を狙う企業や研究機関は制度の詳細が明らかになるのを待つ状態だ。データを提供するか否かは医療機関の任意のため、大規模なデータが集まるには実際に運用が始まってから時間がかかる可能性がある。

(日経新聞)


将棋の世界のように、医療も人間がAIに負かされる時代が来ることもあるのかもしれません。侮ってはいけないし、ある意味この分野でも取り組みが遅れている歯科においても、検討を始める必要があります。
by kura0412 | 2018-12-11 10:37 | 医療政策全般 | Comments(0)

経済誌にも口腔ケアの記事が

口腔ケアで肺炎激減、医療費削減効果も
歯科医と特養ホームの施設長、起業家が実証

医療費の増加が止まらない。2017年度の概算医療費は42兆2000億円と前年度に比べて2.3%増え、過去最高を更新した。中でも高齢者の医療費の伸びが大きく、75歳以上の後期高齢者の医療費だけで全体の38%に当たる16兆円(前年度比4.4%増)が使われた。その負担は、現役世代の健康保険料や国の財政支出に回るだけに、医療費の削減は喫緊の課題になっている。
そんな中、ユニークな取り組みが九州でスタートした。特別養護老人ホームなど施設に入所する高齢者に、歯磨きや歯茎のマッサージといった「口腔ケア」を定期的に行うことで、誤嚥性肺炎を大幅に減少させることに成功したのだ。施設から病院に入院する日数が減ることで、医療費の削減効果も出ているとみられる。

入院日数が減少し、介護施設の収入増加
20年ほど前から口腔ケアが誤嚥性肺炎を減少させるという論文はあったものの、口腔ケアの実施は施設任せで、データの蓄積もなく、因果関係は実証されてこなかった。この取り組みが全国に広がれば、高齢者医療費の削減につながる一助になりそうだ。
この取り組みを始めたのは若手歯科医師の瀧内博也氏(歯学博士)と起業家の浜俊壱氏(中小企業診断士)、特養施設長の小金丸誠氏らのグループ。小金丸氏は社会福祉法人さわら福祉会の特養ホーム「マナハウス」(福岡市西区)の施設長を務める。
瀧内氏は小金丸氏らの協力を得て、マナハウスなど福岡市内の6つの特養を2015年4月から1年間にわたって調査。入居定員100人当たり合計1706日の入院があり、そのうち569.5日を、誤嚥性肺炎を含む「肺炎」が占めていることが分かった。入院理由の3分の1が肺炎だったわけだ。しかも肺炎にかかって入院した施設入居者の多くが施設を退去して医療施設に移ったり、死亡したりしていた。
そこで瀧内氏らは、施設の協力を得て2017年9月から口腔ケアを実施した。介護職員にケアの方法を瀧内氏が指導し、週に2回、1回10分をメドに行った。その結果は驚くべきものだった。
口腔ケアをスタートする2年前の1年間の肺炎による入院は18回337日、1年前の1年間は25回545日だったものが、実施後1年間は10回144日に激減したのだ。「まさか、こんなに減るとは思わんかった」と施設長の小金丸氏も驚く。因果関係は解明できていないが、肺炎だけではなく、その他の疾病などによる入院も大きく減少した。2年前は年間1339日、1年前は年間1310日だった全体の入院日数は、口腔ケアの実施後の1年間は459日に減少したのだ。「明らかにインフルエンザにかかる率も下がった」と瀧内氏はいう。
実は、入院日数の減少は介護施設にとって大きなメリットがある。
入所者が病院に入院して施設を出た場合、介護保険から支払われる介護報酬の日額1万4000円が削減されるのだ。入院が減れば、その分収入が増えることになる。調査では入院が1年間で850日減少したので、施設の収入は1200万円アップしたことになる。マナハウスでは早速、職員のボーナスに上乗せした。施設の収入が増えれば、社会的に問題になっている介護職員の待遇改善に回すことができるわけだ。

介護施設職員のやりがい向上、離職も激減
従来、介護施設は収入を確保するために、入院して不在になった部屋をデイケアなどの受け入れで補っていたが、日々、利用者が入れ替わる場合、介護職員の負担が大きく増すという問題があった。入院が減ったことで、施設の稼働率は93.9%から97.5%へと大きく上昇した。「通常の施設では稼働率が95%なら上出来なのですが、97.5%というのは驚きの高さです」と小金丸氏は言う。
高齢者の入院が減ることで、当然、医療費も大きく減る。1日あたりの高齢者の入院医療費を仮に5万円とすると、1年間で850日の入院減少は、4250万円の削減に相当する。
さわら福祉会グループの4施設の合計では、口腔ケアがスタートした1年目で2750日の入院が減少。施設収入は3850万円アップし、医療費は1億3700万円削減された計算になる。「口腔ケアが全国の施設に広がるだけで、巨額の医療費が削減できる可能性がある」と瀧内氏は話す。
瀧内氏は九州大学歯学部を卒業後、2014年からは福岡歯科大学の高齢者歯科に勤務、2015年からは助教を務めていたが、大学勤務では口腔ケアを全国に広げることは難しいと、退職を決断した。半年ほど前に浜氏と出会ったのがきっかけになった。
2018年7月にクロスケアデンタルという株式会社を設立、CEO(最高経営責任者)に就いた。浜氏は1年半ほど前に西部ガスを辞めて、コンサルティング業務などを行っていたが、瀧内氏と出会って意気投合、クロスケアデンタルのCOO(最高執行責任者)に就いた。
同社の目標は、施設などに口腔ケアを広げること。入所者一人ひとりの口腔ケアの実施状況を把握するためのアプリの開発・販売や、介護職員の口腔ケア技術の教育や評価を行う支援素材の提供を行う。歯磨き(ブラッシング)や舌の清浄などに使う器具の開発・仕入販売なども行う。当初は自社で歯ブラシなどを一から開発することも考えたが、技術力の高い大手メーカーなどとのコラボに乗り出したい考えだ。

「口腔ケアはまだ全国で体系的に行われておらず、それを広げることに大きな社会的な意義がある」と浜氏は言う。「高齢者が肺炎で苦しむことが減り、施設も収益性が改善、介護職員の待遇も改善できる。さらに医療費も減る。皆が喜ぶ、誰も困る人のいない取り組みなので、一気に全国に広がるのではないか」と期待を膨らませる。
施設では予期しない副次効果が出た。
マナハウスで口腔ケアを始めると、介護職員の離職がほぼなくなったというのだ。「お金の問題もあるかもしれませんが、それよりも目に見えて効果が出ることに、職員がやりがいを感じるようになったのではないか」と小金丸氏。加齢に伴って徐々に衰えていく高齢者介護の現場では、職員が自ら行ったことの効果を実感できる場面がほとんどない、のだという。そんな中で、口腔ケアはやっただけの劇的な効果が目に見える。それがやりがいにつながったというわけだ。
クロスケアデンタルの取り組みは、早速、反響を呼んでいる。10月に行われた全国老人福祉施設研究会議で、「誤嚥性肺炎ゼロに向けての口腔ケアの取り組み 誤嚥性肺炎ゼロプロジェクト」というタイトルで発表を行い、最優秀賞を獲得したのだ。メディアにも取り上げられたことから、全国各地からの講演依頼などがあり、取り組みが広がる気配が見え始めている。
こうした取り組みが全国に広がることで、一歩一歩、高齢者医療費を削減していくことにつながるに違いない。

(磯山友幸・日経ビジネスオンライン)



経済誌に掲載されました。
介護施設だけでなく、病院でも口腔ケアへの取り組みが加速的に進んでいます。
by kura0412 | 2018-12-07 09:22 | 医療政策全般 | Comments(0)

すべて院内処方すれば1兆7千億円の差額

薬局6万店 再編の風圧 手厚い報酬、問われる機能

今や社会のインフラともされるコンビニエンスストアを上回る業態が日本にある。医師の処方をもとに医薬品を出す「調剤薬局」だ。コンビニより多い6万店弱の薬局は地域医療を支えてきたものの、扱う医薬品は公定価格で競争は乏しい。厚生労働省は在宅医療などの新しい施策に対応できる薬局を育て、再編を促す方向にカジを切る。医療費の抑制に向け、薬のインフラも変革を迫られている。
病院で医師の診察を受け、受付で処方箋をもらう。スリッパから靴にはきかえて自動ドアが開くと、小さな「お薬屋さん」が何軒か目に飛び込んでくる。誰もが経験するこんな風景が今、批判にさらされている。

指導役機能せず
「期待されている役割を果たしていないのではないか」。8日に厚労省が開いた審議会で、薬剤師の代表に有識者からの厳しい指摘が続いた。この日のテーマは今後の薬局や薬剤師の役割をどう考えるか。関係者の脳裏には、病院のそばにある「門前薬局」が浮かぶ。
厚労省は1970年代から、もうけの誘惑にかられる医師の過剰な投薬を薬剤師にチェックさせる「医薬分業」を推進するため、院外処方を進めてきた。
日本薬剤師会の乾英夫副会長は「患者に適した処方が可能になり、いわゆる薬漬けは死語になった」と語る。国は調剤報酬を手厚くして院外処方を進め、できあがったのが門前薬局だ。
国内の薬局は2017年度末で約5万9千店ある。厚労省のサンプル調査では常勤換算の薬剤師が2人以下の薬局が半数弱にのぼる。17年度の薬局への技術料と薬剤料を合わせた「調剤医療費」は、処方箋1枚あたり9187円。半数以上の薬局は特定の病院の処方箋に頼り、少数の薬剤師が調剤して患者に渡すだけのビジネスが成り立った。
「薬局大国」の足元は危うい。
薬剤師に求められる役割は、患者のアレルギーや過去の副作用を把握したうえでの服薬指導だ。だが厚労省が調べたところ、電話などでの継続的な指導をしたことのある薬局は4割ほど。8割は必要性を感じていると答えたにもかかわらず、半数以上はできていない。
薬の値段は公定価格で院内でも院外でも変わらないが、院外は薬剤師の技術に対する報酬が手厚い。同じ薬を受け取るのに病院から薬局へ移動すると、健康保険に高い請求がまわる。負担するのは患者だ。日本医師会の中川俊男副会長によると「院内ですべて処方すれば、現状との差額は年1兆7千億円になる」。身内のはずの医師からも批判が出る。
厚労省は薬局にある矛盾の解消に動く。過去の診療報酬改定では、門前薬局への調剤報酬を下げてきた。次の一手が薬局の機能を高め、事実上の再編を促す施策だ。
厚労省は社会保障費の抑制に向け、お金がかかる入院を抑えて自宅で診療する「在宅医療」への移行を進めている。在宅を担う「かかりつけ医」にあたる仕組みとして、「地域密着型」の薬局をつくる。休日や夜間でも対応できるだけの薬剤師を持ち、患者を訪問して服薬を指導する。

質の良さで差
薬局に差も付ける。特殊な抗がん剤の副作用などについて適切な指導をできる薬局を「高度薬学管理型」とする。19年の通常国会に医薬品医療機器法の改正案を提出し、2つの薬局を法的に位置づける。
そのうえで、要件を満たす薬局は20年度にも調剤報酬を増やす方向で議論する。厚労省幹部は「しっかりコストをかけた質の良い薬局を作りたい」と話す。
調剤医療費は17年度に7兆6664億円と、5年前の12年度に比べて16%増えた。高齢化に伴って薬にかかるお金は増え続け、税や保険料を通じて国民の負担になっている。
コンビニは顧客のニーズを満たすことで市場を作り出してきた。街角の薬局は患者のニーズを満たしているかどうか。医薬分業がもたらした非効率を見直すには、ニーズを満たさない薬局には市場からの退出を迫るといった政策も必要になる。

(日経新聞)



調剤にとっては凄い流れが出来るかもしれません。
by kura0412 | 2018-11-24 14:27 | 医療政策全般 | Comments(0)

医療内容の高度化、高密化が経営を悪化させる可能性

地域医療構想、医療の計画経済化がもたらす死角

2014年6月に成立した医療介護総合確保推進法により、「地域医療構想」が制度化された。地域医療構想とは、人口推計をもとに2025年に必要となる病床数(病床の必要量)を高度急性期病院、急性期病院、回復期病院、療養病院という4つの医療機能ごとに推計し、現在より効率的な医療提供体制を実現する取組みである。
地域医療構想は、その名称からいっても地域医療の話であり、病院の競争力を高めようといった視点はない。むしろ明確なのは病院の機能分化と、それに伴う医療費の削減である。
とりわけ前者の視点は、いままでブラックボックスとされていた病院内の医療の中身がデータによって透明化されたことによるものであり、医療の世界では画期的なこととされている。しかし、データに基づいて病院を区分できれば、計画的に医療サービスの供給体制を作ることができるのだろうか。

病院の区分の仕方には色々な考え方がある。わかりやすいのが大きさで区分する方法で、アジア諸国には、この方法が多い。一方、日本では大きさと無関係に医療機能で区分している。それが地域医療構想における高度急性期病院、急性期病院、回復期病院、療養病院である。最終的には、各病院の医療機能報告から得られたデータが示す医療機能によって区分を行おうとしている。

一方、診療報酬の面から病院を区分しているのが現行の DPC 制度である。当初、DPC 制度に病院の区分はなかったが、大学病院、大学病院に準じる群、その他の一般病院を「一群」「二群」「三群」に区分した。しかし、野球の1軍、2軍を想起させ、病院のランキングにもとられるためか、現在は、「大学病院本院群」「DPC 特定病院群」「DPC 標準群」という名称になっている。
医療をデータで透明化するDPC 制度は日本で独自の進化を遂げたとはいえ、もともと米国の制度である。したがって、この制度を厳格に適応すれば、平均在院日数の短縮化など、米国流の医療になることは明らかである。
日本では、病院での平均在院日数が長かったために、1日の医療密度は薄かった。病院を受診する患者や必要な治療は、病気を厳密に定義すれば世界でそんなに大きな差がないと思われるので、在宅医療やDPCなどで病院での在院日数を減らすように努力すればどうなるだろう。患者数が同じという前提であれば、回転数が上がった分だけ空きベッドが増えることになる。
そうなると、病院の医療従事者は減り、人件費も減る方向に進むはずだが、そうでもなさそうだ。大きく変わったのは、病院での医療の変化である。医療内容が高度化、高密度化したのだ。医療が高度化、高密度化することにより、病院の雇用必要者は増え、診療報酬の増加以上に人件費が増加し、経営状態が悪化(状況に応じては赤字化)する病院が増えたのだ。
東京商工リサーチによれば、2018年1-8月の病院・医院の倒産は32件と急増し、前年(27件)をすでに超えているという。このまま推移すれば、リーマン・ショックの影響を受けた2009年の年間59件に次ぐ多さになる可能性がある。

旧ソ連などの計画経済の失敗から生まれた反省は、計画する側は「事前に何が正しいのかわからない」という当たり前の謙虚さが持てなくなり、現場に創意工夫が生まれにくくなるということだろう。医療を行う現場である病院には、やはり創意工夫の余地を残した方がいいのではないか。
たとえば下記のような話がある。
日本赤十字社医療センター(東京)が「同じ効果、同じ副作用なら価格が安い抗がん剤を使う」との院内方針を決めたことが(2016年)7月21日、分かった。化学療法科の国頭英夫部長は「国民皆保険制度のもと、日本では高額薬であっても医師は価格を気にせず処方してきた」と指摘。海外では同様の決定が報じられた後に薬価引き下げにつながった例もあるが、薬価を比較した上で使用する薬を決めるのは国内で異例とみられる」(産経ニュース2016年7月22日付)
「地域医療構想」は医療の計画経済化を進めるもので、このような現場の創意工夫が生まれにくくなると思うが、いかがだろうか。

(真野俊樹・JCER)
by kura0412 | 2018-11-22 10:08 | 医療政策全般 | Comments(0)

医療と介護の一体データ、20年度に外部提供

医療と介護の一体データ、20年度に外部提供 厚労省

厚生労働省はそれぞれ別々に集めている医療と介護のビッグデータを一体にして分析してもらおうと、2020年度から研究機関などに情報提供を始める。例えば病院での治療や処置の内容が、その後の要介護度にどう影響したかといった傾向がわかり、健康寿命の延伸のための分析などに役立つ。19年度に介護保険法などを改正する。

提供するのは、レセプト(診療報酬明細書)や特定健診の情報を集めた医療のデータベースと、要介護の区分や利用した介護サービスの種類を集めた介護のデータベース。いずれも個人の特定につながる情報が削除されたうえで厚労省が集めて保有しているが、別々に外部提供している。
データを一体にすれば、医療と介護の総費用をもとにした最適な医療・介護の提供体制のあり方などについて研究できるようになる。厚労省が設置した有識者会議が第三者提供への考え方を盛り込んだ報告書をまとめた。研究が公益目的に適しているかや、個人の特定につながらないかなどを厚労省が審査して提供の可否を決める。提供先から費用を請求することも可能とした。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-11-19 10:40 | 医療政策全般 | Comments(0)

健保の破綻回避には「外国人」受け入れが必須

5年間で最大34万人の外国人人材を受け入れ
安倍晋三内閣は外国人労働者の受け入れ拡大を目指す出入国管理法改正案を2018年臨時国会に提出、本格的な議論が始まった。新設する「特定技能1号」「特定技能2号」の資格で、5年間で最大34万人の外国人材を受け入れるとしている。安倍首相はあくまで「移民政策ではない」として期間終了後は帰国させることが前提だとしているが、職場で常に多くの外国人が働くことが当たり前になっていくに違いない。
それでも新資格だけでは人手不足を賄うことは難しい。政府の試算では2019年度に不足する労働者は61万~62万人で、新資格で受け入れるのは3万3000~4万7000人としている。今まで労働者受け入れの「便法」として使われてきた「技能実習制度」や「留学生」を今後も大量に使い続けるのか、それとも新資格の枠を広げていくのか、注目されるところだ。
働く外国人が当たり前に社会に存在するようになる中で、様々な社会のセーフティーネットにどう外国人労働者を受け入れていくのかが、大きな課題になっていく。労災や失業に備えた労働保険や、年金、健康保険、生活保護といった枠組みだ。「しょせん出稼ぎなのだから、無保険で構わない」「日本のセーフティーネットを使わせるのはおかしい」といった声が存在するのは、安倍首相が「移民ではない」と言い張っていることが大きい。実際に、そうしたセーフティーネットの外側にいる外国人を増やせば、社会不安の種になり、先進各国が経験してきた「社会の分断」を生むことになる。
そんな中で、早急に対応が必要なのが、健康保険の制度設計の見直しだ。

会社員が対象の健康保険は現在、加入者本人に扶養される3親等内の親族にも適用される仕組みになっている。家族が日本国内に住んでいるか、海外に住んでいるかは関係ない。この仕組みをそのまま放置すれば、外国人労働者の母国にいる親族らが日本の健康保険でカバーされることになる。
報道によると、実際に、こうした親族らが母国や日本で医療を受けて健康保険を利用する事例が相次いでいるとされる。政府は2019年の通常国会に健康保険法改正案を提出し、保険加入者が扶養する親族が保険の適用を受けるためには、日本国内に居住していることを要件とすることなどを検討している。

健康保険組合の42%が赤字決算に
もちろん、不正利用を防ぐのが狙いだが、そうなると、日本人で海外に居住している留学中の子弟などをどうカバーしていくのかなど、制度設計に工夫が必要になる。本来、健康保険制度は、収入に応じて保険料を支払っている人とその扶養親族らが、等しく医療を受けられることが前提になっている。外国籍だからといって仕組みから排除していけば、保険そのものが成り立たなくなっていく。
そうでなくても健康保険の仕組みは窮地に立たされている。日本の健康保険制度の一翼を担ってきた大企業などの健康保険組合の解散が相次いでいるのだ。
世の中の関心を呼んだのは、加入者16万4000人の日生協健康保険組合と、加入者51万人の人材派遣健康保険組合が解散を決めたこと。人材派遣健保は国内3位の規模だ。そうした主要健保までが解散に追い込まれているのは、保険財政が急速に悪化しているのが理由だ。
健康保険組合連合会が2018年9月25日にまとめた1394組合の2017年度の収支状況によると、42%に当たる580組合が赤字決算だった。健康保険組合は、加入している社員の保険料で、社員やOBの医療費を賄うのが建前だが、国の制度で導入された、高齢者の医療費を賄うために拠出する「支援金」の負担が年々増加しているのだ。2017年度決算での全組合の「支援金」合計額は3兆5265億円と前年度に比べて7%も増えた。保険料の収入合計は8兆843億円なので、何と半分近い44%が支援金に回っている計算になる。
厚生労働省がまとめた2017年度の「概算医療費」は42兆2000億円と前年度比2.3%増え、過去最大となった。概算医療費は労災や全額自費の医療費を含んでいない速報値で、総額である「国民医療費」の98%に相当する。
概算医療費の増加が続く最大の要因は、75歳以上の医療費が大きく伸びていること。2017年度は4.4%も増加し、75歳未満の1.0%の伸びを大きく上回った。
これは、高齢者の数が増えているためばかりではない。高齢者ひとり当たりの医療費で見ても75歳以上は大きく増えている。2017年度は94万2000円と、前年度の93万円に比べて1万2000円も増えた。ちなみに75歳未満は22万1000円だ。75歳以上の高齢者が使う医療費が現役世代など若年層に重くのしかかっている。しかも、働く現役世代の人口はどんどん減っているので、そうなると若年層ひとり当たりの健康保険料負担はどんどん大きくなっていく。
同じ職場環境にある社員で組合を作り、その保険料で組合員の医療費を賄う健保組合の「相互扶助」の仕組みは、まさに保険の原理を使った効率的な仕組みだった。保険料は加入する社員と会社が折半で負担、企業が成長を続けていれば、若い健康な社員がたくさん入るため、医療費の負担も分散される格好になってきた。世界がうらやむ国民皆保険が成り立つ上で、企業の健保組合の果たした役割は大きい。

このままでは「国民皆保険」が瓦解しかねない
それが高齢者医療制度で「支援金」の負担が年々大きくなり、健保組合の財政は一気に赤字となった。赤字から脱するためには、保険料を引き上げるしかないが、それも限界に近づいている。健保組合が解散すれば、国の仕組みである国民健康保険(国保)や、中小企業などを対象とする「協会けんぽ」に加入することになる。これも自立運営が建前だが、財政は厳しく毎年1兆円以上の国庫補助などを受けている。
協会けんぽの保険料率はおおむね標準報酬月額の10%(労使合算)前後になっている。また、国保は保険料が高いことでも知られ、保険料が払えずに「無保険」状態に陥る人もたくさんいる。
このままでは「国民皆保険」が瓦解することになりかねない。上昇し続ける医療費を抑制することも重要だが、保険を構成する人口構造が、逆ピラミッドになってしまえば、仕組みそのものが成り立たない。負担する人よりもらう人が増えれば相互扶助は限界なのだ。
1つは健康保険財政を支えてくれる、若くて健康な働き手を増やしていくことが、国民皆保険を永続的な仕組みとする上でも不可欠だ。ズバリ、外国人労働者を積極的に受け入れ、その上で、彼らにきっちり保険料を負担してもらうことが必要なのである。日本の社会保障制度、セーフティーネットを支える一員になってもらうということだ。
ともすると、不正をして利益だけを得ようとするフリーライダー(タダ乗り)にばかり目が向きがちだ。だが、多くのまじめな外国人労働者は、きちんと税金を払い、社会保険料を負担して、日本社会の一員としての義務を果たそうとしている。
いや、日本社会の一員として、きちんと義務を果たしてもらう仕組みを整え、その恩恵として質の高い医療を受けられるようにしなければならない。外国人労働者を単なる労働力とだけ考えるのではなく、社会を構成する一員、生活者として受け入れる仕組みを早急に整えなければならない。
健康保険だけでなく、年金制度も同じだ。日本人でも米国勤務が一定以上の期間に及んだ人なら、米国から年金をもらっているという人も少なくない。日本できちんと働き、厚生年金を掛けた外国人には年金が支払われる仕組みを整えなければ、日本で長期にわたって働こうという外国人も出てこない。外国人受け入れ拡大を機に、社会保障制度を抜本から見直す必要がありそうだ。

(磯山友幸・日経ビジネス)



現在臨時国会で論議が進む出入国管理法案は、歯科においても他人事の問題ではありません。
by kura0412 | 2018-11-16 10:31 | 医療政策全般 | Comments(0)

消費増税巡り医師会攻防 税還付を要求 財務省は「現制度で」

消費増税巡り医師会攻防 税還付を要求 財務省は「現制度で」

診察料などが非課税の医療界が2019年10月の消費増税で損失を被るとして、税制での対応を政府に求めている。病院は医療機器などの仕入れに課税されるため収支が悪化しやすい。日本医師会は「負担分は税で還付を」と新制度を要望。財務省は主に診察料の引き上げで増税分を補填する既存の制度で対応できるとの立場だ。双方の攻防は年末の予算編成・税制改正に向けて焦点の一つになっている。

「なんらかの新たな仕組みが必要だ」。31日に開かれた中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)。消費増税への対応が議論されるなか、医師会は抜本的な対策を改めて訴えた。
1989年に消費税が導入された時、保険証を使って医療を受ける費用は非課税とされた。病院は仕入れにかかる消費税を負担するが、診察料は公定価格で消費税を上乗せできない。
病院の収支が悪化する対策として、消費増税のたびに政府が全国一律で診察料を引き上げて病院の負担を補填する仕組みがとられてきた。ただ、個々の医療機関で収支の内訳は様々。大病院は高額な医療機器の仕入れで消費税の負担が膨らみやすい。医療界全体の数字上は十分に補填されたとしても、個別には十分でない例もあるという。医療界では補填不足を「損税」と呼び、医師会は長年不満を抱いてきた。
7月、その不満を噴出させる事態が起きた。消費税率が8%に上がった14年度の補填状況について、厚労省の調査結果に誤りが判明した。「十分に補填されている」とされた補填率(増税負担分に対する補填額の比率)が83%にとどまっていた。原因は単純な集計ミス。医師会の横倉義武会長は「大変な怒りを感じている」と断じた。
16年度の調査結果も補填率は85%で、補填不足の実態が露呈した。持ち出しは1病院あたり、年約300万円。医療界の全体で200億円規模の補填不足になったとの試算もある。医療界には「そもそも十分に補填されてこなかった」との不満が強かっただけに、抜本的な対策を求める声が強まっている。

医師会は主に診察料の引き上げで補填された分と、消費増税に伴う負担増の差額を病院ごとに集計し、補填が足りない分を税で還付を受ける仕組みを要望している。これなら補填不足が生じない。
ただ、財務省は従来と同様に「制度内で対応する」との立場だ。税制上、還付を受けるには診察料などを消費税の課税対象にする必要があるが、保険医療にはなじまない。医師会の要望通りに税制改正で対応するとしても、財源が明確でない限り実現のメドも立ちにくい。
政治力の強い医師会の訴えに対し、与党は17年12月に策定した18年度の税制改正大綱で「19年度の税制改正の際に総合的に検討し結論を得る」と明確な期限を切った。消費増税に間に合うぎりぎりのタイミングで決着がつく可能性がある。
いずれにしても増税分は患者も一部を負担することになる。だがそれを自覚している人は多くない。目に見えない形で増税される今の制度は「透明性に欠ける」(日本総合研究所の西沢和彦主席研究員)との指摘もある。

(日経新聞)



消費税増税がスケジュールに入っている中、小規模経営が殆どの歯科において日歯はどんな対応を考えているのでしょうか。
by kura0412 | 2018-11-01 08:54 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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