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「厚労省、介護予防の新たな枠組みを検討へ」

厚労省、介護予防の新たな枠組みを検討へ 医療保険と一体実施 通いの場など強化

高齢者の健康づくりを推進する厚生労働省が、介護保険の介護予防と医療保険の保健事業を一体的に実施する新たな枠組みの検討を本格的に開始する。異なる制度の下それぞれ展開している従来の縦割りを見直す。効率的でより高い成果の出る体制へ改良したいという。19日の社会保障審議会・医療保険部会で明らかにした。

近く有識者会議を立ち上げる。新たな事業のフレームワークをどう設計するか、現場ではどんな取り組みに力を入れてもらうか −− 。そうした論点を俎上に載せる。市町村と都道府県の役割分担、財源の負担の配分方法などが焦点だ。議論は法改正も視野に進めていく。年内には一定の方向性を示す。
社会参加、体操、専門職による口腔ケア、栄養指導、生活習慣病の予防といった一連のサービスを、身近な地域でトータルで受けられるようにする構想。例えば、介護保険の通いの場で保健師や栄養士に活躍してもらうことなどを想定している。既に一部で行われているが、横断的な制度として明確に位置づけて推進していく狙いがある。

75歳以上が加入する後期高齢者医療制度にはフレイル対策が含まれるが、実際に取り組んでいる自治体は少ないのが実情だ。一方、介護保険の通いの場は一昨年度の時点で全国の7万6492ヵ所まで広がるなど、着実に普及してきている。フレイル対策の充実も含め、専門職による支援を強化していくべきとの声が出ていた。政府も今年6月にまとめた「骨太方針」に、「高齢者の通いの場を中心とした介護予防・フレイル対策や生活習慣病などの疾病予防・重症化予防、就労・社会参加支援を一体的に実施する仕組みを検討する」と明記していた。

(JOINT)



ここにある有識者会議には日歯からも委員として選ばれそうです。果たしてどんな流れを導き出されるのか。
by kura0412 | 2018-07-20 09:12 | 医療政策全般 | Comments(0)

特区を突破口に

ネット服薬指導 保険適用
厚労省、特区外へ法改正検討 医療費の抑制狙う

厚生労働省はスマートフォン(スマホ)などで薬剤師が薬の飲み方を指導するオンライン服薬指導について、公的医療保険を適用する。服薬指導の患者負担は費用の最大3割で済む。愛知県などの特区で解禁されたものを特区に限らず広く拡大することも検討する。患者の通院負担を軽減することで、重症化を防ぎ、医療費の抑制につなげる。

オンライン服薬指導を特区以外の地域でも実施できるように法改正を検討する。服薬指導では薬剤師が患者に対して薬の服用回数や服用量といった基本的な情報を伝える。副作用が出ていないかどうかや、他の薬との飲み合わせなども確認する。これらを対面ではなくスマホやパソコンなどを通じてするのがオンライン服薬指導だ。
法律上は服薬指導は対面での実施が義務づけられている。オンライン服薬指導は国家戦略特区でのみ実施が許されている。このほど愛知県、福岡市、兵庫県養父市の3区域で実施が認められ、オンライン服薬指導がスタートした。
生活習慣病などの慢性疾患では通院がおっくうになるなどして患者が治療を途中でやめてしまい、状態が悪化して医療費がかさむことがある。オンラインで済めば治療が続けやすく、現場の医療関係者から解禁を求める声が多かった。
処方箋を薬局に持ち込んで薬を受け取る際には薬剤料のほかに服薬指導などの費用もかかる。現状では指導に公的医療保険が適用されるかどうかが明らかになっていなかった。厚労省は利用者の負担軽減や在宅医療の推進などの観点から、オンライン服薬指導についても保険を適用する方針だ。18日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提案する。現状の対面での服薬指導の規定を援用する形になる見通しで、利用者の負担は費用の1~3割に抑えられる。
合わせて厚労省はオンライン服薬指導の特区以外での実施も検討する。既に医師がスマホなどで診察するオンライン診療は全国展開が始まっている。オンライン服薬指導が認められないと、患者は医師から処方された薬を薬局まで取りに行かねばならず、完全な在宅医療が実現できない。
そのため厚労省は、特区以外でオンライン服薬指導を実施する際の要件などの検討を始めた。早ければ来年の通常国会に提出を目指す医薬品医療機器法の改正案に盛り込む考えだ。
ただ、どの程度まで柔軟な利用が認められるかは見通せない。
オンライン服薬指導を受けるためには、医療機関へのアクセスが良くないといった要件がある。愛知県では「居住地から16キロメートル圏内に調剤薬局がない」ことを条件としている。利便性を高めるには、そうした規定が今後、どこまで緩和されるかが焦点になる。
オンライン服薬指導については特区での実施が認められたばかり。早急な解禁には慎重な意見も少なくない。そのため厚労省は特区での実施状況や関係団体の意見も踏まえながら検討を進める。

(日経新聞)



このように特区を突破口にして制度改革を狙う手法があるようです。歯科ではどんなことが挙げられるでしょうか。
by kura0412 | 2018-07-18 09:47 | 医療政策全般 | Comments(0)

社会保障費ぶれる推計

四半世紀で160兆円も減 社会保障費推計なぜぶれる

年金、医療、介護などの給付に将来いくらかかるのか。政府は5月に「2025年度に今の2割増の140兆円が必要」との最新の推計をまとめたが、過去を振り返ると推計は下方修正の繰り返しだった。1994年には2倍以上の「300兆円超」との推計も。社会保障制度の持続性を測るための重要な推計がなぜこんなにぶれるのか。

下方修正の歴史
「団塊の世代」が全員75歳に到達するのが2025年度。この年の社会保障給付費の推計は、年金、医療などのあり方を検討する上で重要な基礎データになる。
ところが5月中旬に最新推計を説明した厚生労働省の担当者は「推計は相当程度の幅をもってみる必要がある」と釈明めいた言葉を口にした。
実は「25年度の推計」は下方修正の歴史だ。1994年の300兆円超が、2000年には200兆円超まで減額。その後も06年に約160兆円、12年に約150兆円と新たな推計が出るたびに引き下げられてきた。
直接の理由は日本経済の見通しが変わったためだ。将来の給付費の必要額は経済成長に関する推計を基にはじく。賃金や物価が上がると年金額や診療報酬が上がり給付額を押し上げるからだ。
94年の推計では2000年度までの国民所得の伸び率を平均4~5%、それ以降は3~4%としていた。この結果、25年度に300兆円を超す推計ができあがった。
これに対し最新の推計は名目国内総生産(GDP)の伸びを年1~2%台として計算。しだいに落ちた日本経済の成長力を反映させたことが、四半世紀で推計額が約160兆円も減った理由だ。
今回の推計は成長シナリオ(3%前後)と基本シナリオ(1~2%台)の2つある内閣府の見通しのうち保守的な基本シナリオをメインにした。ただそれでもいずれ下方修正される可能性がある。実際のGDPは00年度から15年度に0.7%増にとどまったからだ。

あえて「過大」に
ではなぜ推計方法を見直さないのか。政権が打ち出した成長率の推計を脇に置き、より慎重な独自の成長率推計に基づいた試算は出しにくい、というのが理由の一つ。
もう一つは「過大な推計」のほうが、何かと都合が良いという理由だ。
「見積もりが甘い」。今回の推計をつくる過程では財務省が厚労省にこうかみついた。医療技術の進歩で医療費が増える分などが未反映といった主張だ。厚労省は「医療の高度化による増加分は大きくない」と反論。最終的には留意事項として財務省の指摘を明記することで折り合った。
意見が対立したかのような両省だが、より少ない推計を求めなかった点で財務省と厚労省が向いた方向は実は同じだ。
財務省がさらに高額の推計を求めたのは、それを根拠に給付の削減を迫りたいからだ。特に技術進歩が原因で医療費が膨らむ構図に何らかのメスを入れるべきだと考えている可能性がある。
一方、厚労省は推計を下方修正していく構図のほうが、「効率化が効いている」と改革努力を主張できる利点がある。
同床異夢にみえる両省だが、思惑が一致している部分が一つある。
「『ポスト一体改革』の議論を始めないといけない」。最近、厚労省の幹部はこんな言葉を口にする。一体改革とは5%から10%への消費増税と社会保障の充実をセットで決めた「社会保障と税の一体改革」を指す。来年10月に消費税率を10%に上げた後でさらに改革が要るという意味だ。
高齢化で増える社会保障の財源を賄うため、「消費税率の一層の引き上げは避けて通れない」という声は財務省にも多い。そうであれば将来もっと費用がかさむ推計を出すことは「議論を前に進める上で必要なこと」(厚労省幹部)になる。
過大な推計には両省の思惑が込められている。その結果、負担増という形で割を食うかもしれないのは国民だ。
適切なデータを踏まえて高齢化で膨らむ給付にどう対応するのかを議論するのは必要なことだ。だが、過大に見積もった推計を基に増税の議論を進めるのであれば、官僚が都合の良い方向に国民を誘導するのと同じだ。

(日経新聞)



2025年問題に注目することは必要ですが、こうゆう検証をすることは大切です。
by kura0412 | 2018-07-17 17:01 | 医療政策全般 | Comments(0)

「入院・差額ベッド代・必要?」

入院「差額ベッド代」必要? 患者同意が前提、返還例も

個室などに入院した場合にかかる「差額ベッド代」。1日数万円になることもあるが、全額自己負担だ。実は、患者の同意がないと病院は差額ベッド代を請求できない。厚生労働省が病院に対し、「患者に請求してはならない」と通知しているケースを確認していこう。

■「同意が大前提」
差額ベッド代は4床以下の部屋で、一定条件を満たせば対象になる。全病床数に占める比率は2006年には17%だったが増加基調で、16年には約21%に達した。個室だと2割近くが「1日1万800円」を超える。特に都市部では高額な病床が目立つ。

健康保険が適用される医療費には、患者の自己負担上限額を定める高額療養費という仕組みがある。一般的な所得なら1カ月の医療費が100万円かかっても、自己負担は9万円弱だ。一方、差額ベッド代は全額自己負担。高額療養費を知っていても、差額ベッド代への不安から民間の医療保険に入る人も多い。
差額ベッド代は本来「患者の自由な選択と同意が大前提」(厚労省)。病院が患者に病室の構造や料金を説明した上で、患者が納得し同意書に署名をする必要がある。
しかし現実にはそうではない請求も多く、トラブルになってきた。長く医療問題に取り組む認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」の山口育子理事長は「今も年間100件前後の問い合わせがある」と話す。

厚労省も1974年から何度も病院側に通知を出してきた。最新の通知は今年3月。
(1)同意書による確認がない
(2)治療上の必要がある
(3)患者の選択でなく病棟管理の都合
――の3つの場合は差額ベッド代を請求できないと明記し、それぞれの例を挙げている。

(2)の「治療上の必要がある」例としては、手術後などで病状が重篤なため安静が必要な場合、がんの終末期で医師から個室を指示された場合など。こうした場合は「同意書を求めること自体が不適切」というのが厚労省の見解だ。ただし、手術後などでも「大部屋で大丈夫」と言われたのに、自ら個室を希望したのなら差額ベッド代が必要だ。
今回の通知では(3)の「病棟管理の都合」の例として初めて「他が満床なので差額ベッドの部屋に入院させた場合」という例を入れた。ただ、快適な療養環境を望む患者が同意書に署名すれば請求は可能で、「絶対に差額ベッド代を請求できないという趣旨ではない」(厚労省)。
一方、入院の必要があるのに「差額ベッド代が嫌なら他の病院に行ってください」というケースなどは、「個々の事情に即して判断する必要があるが、差額ベッド代の徴収は不適切」(厚労省)だ。

■返還ケース数多く
山口氏によると、「過去、不当な請求を受けた患者が厚労省の通知を病院側に見せ、差額ベッド代が返還されたケースは全国に数多くある」。厚労省の今年3月の通知はインターネットで「厚労省 保医発0305第6号」と検索すれば出る。このうち「12 特別の療養環境の提供」が差額ベッドの関連事項だ。
本来は病院が差額ベッド代を請求すべきでないケースでも、よくわからないまま同意書に署名したことにより、差額ベッド代を負担せざるを得なくなることもある。山口氏は「いったん同意書を書くことを留保して周囲に相談することも必要」と話す。困った場合は各地方厚生局やCOMLなどに相談する選択肢もある。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-06-30 15:20 | 医療政策全般 | Comments(0)

社会保障抑制の数値明記せず、財務・厚労省調整

社会保障抑制の数値明記せず 新財政健全化計画で財務・厚労省調整
財政規律緩む懸念

新たな財政健全化計画を巡り、財務省と厚生労働省は2019~21年度の3年間の社会保障費の伸びを抑える「目安」に具体的な数値を明記しない方向で最終調整に入った。16~18年度は計1.5兆円が目安だった。一時的に75歳以上の人口の増加ペースが鈍るため、18年度までの3年間よりも伸びを抑えられるとの認識は共有したものの、数値目標の見送りにより、財政健全化の柱である社会保障費の抑制が甘くなる懸念が強まってきた。

政府は6月に閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に財政健全化計画を盛る。国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標時期を25年度とする方向だ。18年度の社会保障費は予算総額の3分の1を占める約33兆円。目標達成には今後も膨らむ社会保障費を抑制する改革が本丸になる。
現行の財政健全化計画では、16~18年度は「高齢化による増加分に相当する伸び」として3年間で計1.5兆円程度に抑える目安を設けた。抑制幅はシナリオ通りに進み、高齢化に伴う自然増が年6000億円を超えるなか、歳出の見直しで社会保障費の伸びは年5000億円程度に抑えた。
財務省と厚労省は5月の大型連休明けから、19~21年度の社会保障費の目安を巡る協議を本格化させた。焦点となったのは、医療費などが膨らむ75歳以上の後期高齢者の人口の伸びと、その影響をどうみるかだ。
とくに、20~21年度の2年間は、第2次世界大戦直後に生まれた人が75歳となるため、一時的に後期高齢者の仲間入りをする人口の伸びが鈍るという特殊要因がある。逆に22年度以降は戦後のベビーブームの団塊の世代が後期高齢者となり始め、75歳を迎える人口の伸びが加速し、社会保障費の増加ペースも速まる。

財務省は、75歳を迎える人口が鈍る20~21年度の2年間は、年1千億円規模で社会保障費の伸びを圧縮できると主張した。18年度までの3年間に設けた計1.5兆円の目安を踏襲するだけでは、かえって財政規律が緩むと懸念。高齢化に伴う伸びの範囲に歳出増を収める方針の堅持を求めた。
これに対し、厚労省は19年度以降の3年間も計1.5兆円を目安にすべきだと要求した。その一方で、団塊の世代が後期高齢者となり始める22年度以降を見据え、医療費や介護費の膨張が加速する事態に備えた改革を続けるべきだという財務省の主張は容認した。
結局、具体的な数値の設定では折り合えなかった。
政府内では目安を巡る具体的な文言を詰めているが、新たな健全化計画でも社会保障費の伸びについては、高齢化の影響で避けることのできない範囲内に抑える方針を堅持することで調整している。賃金や物価の上昇を想定した年金の「賃金・物価スライド」も上振れの要因として認める。

目安を巡る表現が曖昧になるほど、今後の予算編成の過程で火種になる。
19年には統一地方選や参院選を控え、年末の19年度予算編成では歳出圧力が強まって財政規律が緩むとの懸念は強い。歳出改革や実施時期をまとめた工程表をどこまで具体的に示すことができるかも課題だ。後期高齢者が医療機関の窓口で支払う自己負担の割合を現在の1割から2割に引き上げる案など、具体策が今後の焦点となる。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-05-17 09:32 | 医療政策全般 | Comments(0)

「保健医療データプラットフォーム」構築に向けの有識者会議

「保健医療データプラットフォーム」構築に向け、有識者会議
7月に中間取りまとめ、今秋に報告書を予定

厚生労働省は、社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)の4月19日の会議に、「レセプト情報・特定健診等情報データベース、介護保険総合データベース等の解析基盤」について、有識者会議を設置し、検討を進めることを説明した。「保健医療データプラットフォーム」の2020年度の本格運用開始に向け、議論がスタートする。構成員は、遠藤氏のほか、医療者と保険者、医療情報システム専門家、法学者など、計9人の予定。

5月に第1回会議を開く予定。その後、月1回程度開催し、医療保険および介護保険における請求事務等に係るデータを2次利用目的で悉皆的に収集するという類似性を有する、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)の連結について先行して議論。7月に中間取りまとめを行い、社保審医療保険部会に報告。その後も月1回程度開催し、他の公的なデータベースとの関係などについて議論。今秋頃に報告書を取りまとめ、社保審医療保険部会に再度報告するスケジュールを予定している。

安倍晋三首相は、2016年5月の経済財政諮問会議で、「医療や介護のレセプトデータを全国的に連結し、社会保障給付費を効率化していくための具体案」を報告するよう、厚労相に求めた。これを踏まえ、「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太の方針2017)で、以下のように打ち出された。今回の有識者会議の設置は、これらを受けた対応だ。

◆「経済財政運営と改革の基本方針2017」
第3章 経済・財政一体改革の進捗・推進
3.主要分野ごとの改革の取組
(1)社会保障 ④ 健康増進・予防の推進等
「個人・患者本位で最適な健康管理・診療・ケアを提供する基盤として、健康・医療・介護のビッグデータを連結し、医療機関や保険者、研究者、民間等が活用できるようにするとともに、国民の健康管理にも役立てる「保健医療データプラットフォーム」や、自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護を実現するため、必要なデータを収集・分析するためのデータベースについて、2020年度(平成32 年度)の本格運用開始を目指す。

NDBには2009年度以降のレセプトデータと2008年度以降の特定健診・保健指導データが、介護DBには2012年度以降の介護レセプトデータと2009年度以降の要介護認定データが、それぞれ悉皆的に格納されている。いずれも匿名化されており、統計的分析などでの利用が可能。

(m3.com)


この有識者会議には日医の関係者はメンバーにはいっていますが、歯科関係者は入っていません。
by kura0412 | 2018-05-14 11:53 | 医療政策全般 | Comments(0)

『次の3年の「目安」巡り攻防 』

社会保障費の抑制幅、次の3年の「目安」巡り攻防

政府が6月にも新たな財政健全化計画をまとめるのを前に、社会保障費の伸びの「目安」を巡る攻防が本格化してきた。財務省は2020~21年度は後期高齢者の増加ペースが鈍るとし、19年度からの3年間はこれまでの3年間の計1.5兆円よりも減らせると主張する。一方で、厚生労働省は抑制に慎重な立場を崩しておらず、調整は難航する可能性がある。

日本の財政は税収だけでは歳出をまかなえず、新たな国債発行という借金に頼りながら予算をつくる構図が続いている。18年度の社会保障費は約33兆円で、予算総額の3分の1を占めた。
政府は19年度以降の新たな財政健全化計画で、国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化する目標時期を25年度とする検討に入った。目標の達成には歳出改革が避けられず、社会保障費の見直しが肝になる。
現行の財政健全化計画では、16~18年度の社会保障費の伸びを1.5兆円に抑える目安を設けた。高齢化に伴う自然増の分が毎年6000億円以上あるため、そのままでは1.5兆円を超える。だが歳出を全体的に見直すことで年5000億円、3年間で計1.5兆円に抑える目標は達成できる見通しだ。
財務省は新たな計画で設ける19~21年度の目安については、計1.5兆円よりも減らせると見込む。第2次世界大戦の影響で出生数が少なかった特殊要因により、20~21年度は一時的に75歳を迎える人口が減る見通しのためだ。

総務省の人口推計(17年10月1日時点)によると、16~18年度に75歳になる人の数は年150万人程度だが、20~21年度には130万人前後に減る。このため財務省は「1000億円規模で費用の自然増を抑えられる」(主計局)とみる。
16~18年度より高齢化による伸びが減るにもかかわらず、次の3年間も現行の目安を維持すれば、「歳出改革の取り組みが緩む」(幹部)との懸念は強い。
団塊世代の高齢化によって75歳になる人の数は再び増加に転じ、22~24年度には200万人を超える見込み。財務省は19~21年度に歳出抑制の流れを作っておく必要があるとみる。
75歳以上の後期高齢者になると、国庫負担は大きく増える。例えば、1人あたりの医療費は65歳未満が年平均で2.5万円、65~74歳が7.6万円なのに対し、75歳以上は35万円に跳ね上がる。介護費も65~74歳は1.4万円だが、75歳以上だと14万円になる。
財務省は22年度以降の将来を見据え、社会保障費を抑える具体的な追加策づくりを急いでいる。経済成長や人口減少の速度に応じ、患者が医療機関の窓口で支払う負担の割合を自動的に高める案や、後期高齢者が窓口で支払う自己負担の割合を現在の1割から2割に引き上げる案などをすでに示した。

一方、実務を担う厚労省はこれまで以上に踏み込んだ目標を掲げることに慎重だ。
高額療養費制度での医療費の自己負担の上限引き上げや、薬価制度の見直しなど、従来の取り組みを実行していくことに重点を置く。
厚労省からは19年度以後について、3年間で1.5兆円の目標の継続で済むなら「関係者の理解を得やすい」(幹部)との声があがる。19年は春に統一地方選、夏に参院選という大型選挙を控えている。与党内からも痛みを伴う改革に強い反発が出てくる事態も予想される。

(日経新聞)



非常に重要な政治的な案件です。
by kura0412 | 2018-05-08 08:51 | 医療政策全般 | Comments(0)

次のステージの議論は始まています

医療費歯止め、患者負担の人口連動を議論 社保審

社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)は19日、医療保険部会を開き、2018年度中にまとめる社会保障改革案の議論を始めた。経済成長や人口減少の速度などに応じて、医療に必要となる財源を賄うため、患者の窓口負担を自動的に増やす案などが検討課題に浮上した。負担増に抵抗は強いが、高齢化で社会保障費は膨らみ続けており、大胆な見直しに踏み込めるかどうかが焦点だ。

社会保障改革の検討項目を盛り込んだ政府の工程表では、75歳以上の後期高齢者の患者負担の引き上げや、薬の種類に応じた自己負担率の設定などについて、18年度中に結論を出すとしている。与党や財務省などと調整し、具体策を詰める。
今回、初めて議論の対象としたのが、経済成長率や人口動態などに応じて患者負担を自動的、定期的に調整する仕組みだ。自民党の小渕優子氏がトップを務める同党の「財政構造のあり方検討小委員会」の中間報告で提起された案だ。
年金制度では、現役世代の人口減などに合わせて給付額を調整する「マクロ経済スライド」が導入されており、その医療版だといえる。財政の健全化をより重視する立場から生まれた発想だ。

まだ制度設計の具体像を示すまでには至っていない。
アイデア段階の考え方だが、例えば、あらかじめ医療費の伸びを経済成長率や賃金の伸びの範囲内に抑える目標を立て、目標を超過するような場合は翌年度以降に患者負担を増やすといったことが想定される。保険制度の支え手である現役世代の人口が減った分、患者負担を上乗せするというのも一案だ。税や保険料で賄う医療保険の給付額を抑える狙いだ。
背景にあるのが高齢化の進展や、画期的な新薬の登場による医療費の増加だ。国民医療費は16年度に42兆円の見込みで、10年で3割増えた。経済成長率を上回る速度で医療費が膨らんでいるため、医療保険制度と財政の安定に向けて、医療費の伸び率や総額をコントロールする考え方だ。
もっとも、厚生労働省は今回の部会資料で「医療費や景気変動に応じて頻繁に負担が変わる」「医療費の伸びは診療報酬や保険料などで対応することが適切」などと問題点も挙げた。本来は医療費の抑制に積極的な立場の健康保険組合連合会の委員も「導入には慎重な検討が必要」という。
政府・与党内で引き続き検討課題となる見込みだが、日本総合研究所の西沢和彦主席研究員は「負担増が患者の受診抑制を招き、かえって健康状態の悪化につながる可能性もある」と指摘する。

今回の部会では診療報酬を地域別に設定する仕組みも議論になった。
診療報酬は医療機関が診療行為の対価として受け取る報酬で、国が全国一律に定めている。ただ法律上は医療費適正化のために必要な場合、都道府県が独自に報酬を定めることができるとしている。
財務相の諮問機関である財政制度等審議会は活用に向けた議論を呼びかけているが、社保審医療保険部会の委員からは、地域別に設定した場合の影響が不明確なことなどから「診療報酬は全国統一が前提」などとする意見が多く出ている。

(日経新聞)



次のステージの議論が始まっています。
by kura0412 | 2018-04-20 08:45 | 医療政策全般 | Comments(0)

「健保組合に再び解散風」

健保組合に再び解散風 高齢者医療「仕送り」重荷

企業の健康保険組合の解散が相次ぐ見通しだ。加入者が50万人に上る人材派遣健保に続き、同16万人の日生協健保が2018年度中の解散に向けた検討に入った。高齢者の医療費をまかなうための「仕送り」負担が重荷のためだ。移行先の全国健康保険協会(協会けんぽ)は国が補助金を出して支えるが、健保組合の解散風が再び強まれば、税投入の増加は必至だ。

「これだけ規模の大きな健保組合の解散が立て続けに明らかになるのは聞いたことがない」。関係者は口をそろえる。
健保組合の解散の第1波が訪れたのは、75歳以上の後期高齢者医療制度が導入された08年度とその翌年度で、合計で40近い健保組合が解散した。その後は小康状態に入り、ここ数年は年に数組合の解散だったが、再び増勢に転じつつある。
なぜか。高齢化の進展に伴う負担に耐えきれなくなってきているためだ。解散の第1波をしのいだ健保組合でも保険料率はじりじり上がってきた。その財政が立ちゆかなくなり、解散を選ぶ目安になるのが、協会けんぽの平均保険料率である「10%」という水準だ。

協会けんぽはもともと、自前で健保組合をつくることが難しい中小企業などが多く集まり、国から税金も投入されている。健保組合の保険料率が「10%」を超えるなら、解散して協会けんぽに移った方が労使で折半する保険料の負担が減るという損得勘定が働く。
例えば、人材派遣健保は9.7%で解散ラインが近づき、日生協健保は10.7%と、解散ラインを超えていた。将来を見通せば、保険料率は上がることはあっても下がることは見込みにくい。
健康保険組合連合会(健保連)によると、保険料率が10%を超える「解散予備軍」は約1400組合の中で316組合に上る。高齢者医療費への支援金負担をまかなうため、各健保は保険料率を毎年のように引き上げてきた。平均保険料率は10年連続で上昇中だ。
健保連は昨夏にまとめた予測で、このまま負担増が続くと25年度までに380組合が解散して協会けんぽに移る可能性があると指摘した。独立採算の健保組合と異なり、協会けんぽに投入される税金は年1兆円規模。仮に380組合が移れば、国庫負担は1800億円増える計算だ。
実際に今回の2健保の解散による国庫負担の増加額は200億円規模に上るとの声があがる。超高齢社会への対応を後回しにしてきたツケは、現役世代に回りつつある。

(日経新聞)
by kura0412 | 2018-04-17 14:17 | 医療政策全般 | Comments(0)

先ずは後発薬品へのシフト促進

「80%」目標めざし追加策も

厚生労働省が後発医薬品で重点地域の指定に乗り出すのはさらに普及を後押しするためだが、強制力があるものではない。十分な効果が出てこない場合は、追加の対策が必要になる可能性もある。

厚労省は2013年に後発薬の利用促進の工程表を策定した。利用が多い薬局への報酬を増やすといった施策を導入し、使用率は2000年代の30%台から大幅に上昇した。直近では60%台に達したが、政府の目標は20年9月までに80%だ。
後発薬の使用促進ではさらに「奥の手」もある。診療報酬に差を付けることだ。原則は全国一律だが、一定の手続きをとれば都道府県ごとに報酬を設定できる。例えば、後発薬の使用率が低い病院や薬局への報酬を引き下げることが可能だ。
この場合、医療関係者から反発を招く可能性があるが、一部の自治体では「最後の切り札にはなり得る」との声もある。医療費削減は自治体にとっても避けられない課題。厚労省が強い姿勢を打ち出すことで自治体でも様々な検討が進みそうだ。

(日経新聞)



これからはこの種の抑制策が次から次へと出てくる可能性があるようです。
by kura0412 | 2018-04-06 16:23 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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