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喜べないGDP2.1%増 「輸入減で高成長」の不安

景気悪化への懸念が強まる中で20日に発表された2019年1~3月期の国内総生産(GDP)は、実質ベースの年率で2.1%増と高めの成長率だった。民間エコノミストの多くが事前にマイナス成長を予測していただけに予想外の数値だ。ただ内容を見ると「輸入の急減が成長率を押し上げた」という統計上のカラクリがあり、手放しでは喜べない。

GDPは各種の経済統計をもとに、一定期間内に国内で生み出された付加価値を推計する経済指標だ。このうち輸入は海外で生み出された付加価値と捉え、その分をGDPの総額から差し引くことになっている。このため輸入が減れば、GDPから差し引く分が減り、前期比の成長率で計算すると伸び率は上振れることになる。
19年1~3月期の輸入は前期比で実質4.6%減った。年率換算では17.2%減と09年1~3月期以来となる10年ぶりの減少幅となった。この結果、19年1~3月期のGDP総額は予想より大きくなり、18年10~12月期と比べた成長率を押し上げることになった。

問題は輸入の急減が日本経済の停滞を映している可能性が高いことだ。
内閣府は輸入減の理由を「原油や天然ガスの輸入が減ったため」と説明する。一般に企業活動が鈍ればエネルギー関連の需要は鈍る。財務省の貿易統計によると、1~3月期は原油など燃料のほかにも化学製品や機械、半導体など電子部品の輸入も減っている。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長となったとはいえ、「実際(の景気)は見かけよりもかなり悪い」。
第一生命経済研究所の新家義貴氏も国内の需要動向を映す輸入が減っていることを重く見て、「1~3月期が想定を超える成長率になったからといって、景気鈍化の不安が払拭されたとは言い切れない」と指摘する。
企業が日本経済の先行きに慎重になり、身をかがめた結果の輸入減だとすれば、この先は設備投資の鈍化に波及する懸念が強まる。
貿易戦争などで外需が揺れる中で日本経済を下支えしてきた内需は変調の兆しが出始めた。1~3月期は設備投資が前期比0.3%減、GDP総額の5割以上を占める個人消費も0.1%減った。内需の柱が細れば、米中の貿易摩擦で外需が一段と冷え込む事態への耐久力が弱まる。
市場の事前予測と大きく食い違う結果になった1~3月期GDPの高成長は、この先の日本経済に訪れる変調をより深刻に映している可能性もありそうだ。(中村結)

(日経新聞)



この度発表に対する分析に関しては関係者の間でも意見が分かれるようです。然しながら、「リーマンショック級の経済状況」となるとどうなのでしょうか。これでW選挙は遠のいた感じがしますが。
by kura0412 | 2019-05-20 16:01 | 経済 | Comments(0)

年金開始、75歳も選択肢に 毎月の受取額は2倍
厚労省が検討

厚生労働省は公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする検討に入った。
毎月の年金額は65歳開始に比べて2倍程度とする方向だ。いまは70歳開始が上限だが、一段と高齢になってから年金をもらう選択肢をつくる。働く高齢者を増やす呼び水にし、元気な高齢者に社会保障を支える側に回ってもらうのが狙いだ。

(日経新聞)



社会保障のもう一つのカギを握る医療では、高齢者に就業を促すどんな施策があるのでしょうか。
by kura0412 | 2019-01-26 10:46 | 経済 | Comments(0)

「社会保障費が2040年に1.6倍」は本当なのか?
日本の医療・介護費はそんなに怖くならない

「2040年度の社会保障費190兆円、今年度の1.6倍に」――。新聞各紙に大きな見出しが躍った。5月21日に政府が発表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」。社会保障費の長期試算としては2012年に発表して以来のものだ。前回試算では、2025年度までを見通したが、今回は2040年までが対象だ。
2040年というと、団塊ジュニア世代がすべて65歳以上に到達し、高齢化率(65歳以上人口比率)が2015年の26.6%から35.3%に急上昇、同年齢以上の人口は3900万人超とピークを迎える。具体的には、65歳以上人口は2015年の3386万人から2040年に3920万人と1.16倍に。さらに、医療・介護支出が急増する75歳以上人口は2015年の1632万人から2040年に2239万人と1.37倍の大幅増加となる。
医療費が増える要因としては、技術革新による医療の高度化もある。2040年の社会保障費が1.6倍になると報道されれば、「無理もなかろう」と多くの人は思うだろう。だが、今回の試算を見て、社会保障費が1.6倍に増えると考えるのは、実は「誤読」だ。落とし穴は、社会保障費の金額だけで考えてしまうところにある。どういうことか、見ていこう。

個々の費用はGDPと比較して見る必要がある
2040年度に社会保障費が190兆円で、2018年度の1.6倍になるという今回の試算はどんな経済状況が前提となっているのだろうか。それは、名目GDP(国内総生産)成長率が2018~2027年度までは年率1%台後半~2%台半ば、2028年度以降は年率1.3%というものだ(今回試算のベースラインケース)。その結果、わが国の名目GDPは2018年度見込みの564.3兆円から2040年度には790.6兆円と1.4倍になる前提となっている。
つまり、私たちの所得が今の水準のまま社会保障費負担が1.6倍になるのではない。私たちの所得が1.4倍になった将来の世界で、社会保障費負担が1.6倍になっているわけだ。これはどう考えたらよいだろうか。

試算では、GDP成長率や、それと比例的に動く賃金上昇率、物価上昇率に応じて、医療費や介護費の単価の伸び率が設定されている。つまり、「1.6倍」の金額の中にはこうした価格上昇分が入っているわけであり、社会保障費の実質的な支出が1.6倍になっているわけではない。
極端な例として、私たちの経済活動はまったく同じだが、翌年にすべての価格だけが2倍になった世界を考えてみよう。そのとき、社会保障費は当初100兆円だったが、価格が2倍になったため、翌年は200兆円になる。これで社会保障費が2倍になったと私たちは叫ぶだろうか。私たちの所得も2倍になっているため、社会保障費の負担感はまったく変わらない。
経済統計の世界では、特に5~50年など長期の試算を行う際は、金額ベースで物を考えてはいけないという暗黙のおきてがある。それは先述のように物価が変わってしまうため、実質的な大きさがわからなくなってしまうからだ。だがなぜか、日本のマスコミは、社会保障費の見通しについてこのルールを逸脱する癖があるようだ。
では、こうした長期の試算について、金額ではなく、どんな数値を基に考えればよいだろうか。それが対GDP比という指標だ。GDPというのは一国の経済規模(=所得)のことであり、個々の費用を経済規模に占める割合で見るわけだ。たとえば、先の価格だけが2倍になった世界でいうと、分母のGDPも2倍になるため、対GDP比は変わらない。

対GDP比で見ると「今年度の1.11倍」が正しい
今回の試算では、社会保障費の対GDP比はどうなっているだろうか。2018年度は21.5%で、これはわが国の経済活動の21.5%が医療・介護や年金、子育てなどの社会保障に使われていることを意味する。これが2040年度には23.8~24%になる見通しだ。2018年度との比較では、2.3~2.5%ポイントの違いであり、倍率にして1.11倍程度の増加にすぎない。つまり、今回の報道では、「2040年の社会保障費は今年度の1.11倍に」が正しい見出しといえるだろう。
この1.11倍という数字は、医療・介護の将来像を映し出している。社会保障費の中には、年金や子育て費用も含まれるが、これらの対GDP比の増加は小さいため、ここでは社会保障費の増加は医療・介護によるものとして考えてみよう。先述のように、2015年から2040年にかけてわが国は、最も医療・介護費を使う75歳以上人口が1.37倍に増える。だが、実際の医療・介護費は、75歳未満人口の減少や、現在進められている医療提供体制改革(急性期医療の効率化など)の効果などから、1.11倍に抑えられるということだ。
これは次のように言い換えることもできる。単価の伸びの影響は、対GDP比では無視してよい。そのため、対GDP比の意味するところは、数量的な経済活動の規模でもある。つまり、わが国経済の数量的規模の中で社会保障の占める割合は2018年度に21.5%だったが、それが2040年度には24%程度になるということだ。
こうした対GDP比での社会保障費の推移を見ると、2000~2015年度では、14.8%から21.6%と6.8%ポイントの上昇を示していた。これは倍率にして1.46倍だ。2018~2040年度の社会保障費の増加は、実は2000~2015年度よりもマイルドな見通しだということがわかる。

欧州主要国より実質の社会保障費は小さい
為替の違いなどを排除できるため、対GDP比で考えると、国際比較も楽になる。欧州主要国の社会保障費の対GDP比は、日本より高い。
高齢化率は日本が断トツで高いにもかかわらずだ。つまり、なるほど日本は世界が経験したことのない超高齢社会に世界に先駆けて突入しているが、高齢化に伴う社会保障費の負担増という意味では、すでに欧州が先を行っているということだ。日本は社会保障費の膨張で未踏の領域に達しているわけではない。
もちろん、日本は税や社会保険料の対GDP比が欧州より低く、そのため、財政赤字が山積している。社会保障の効率化だけでなく、税や社会保険料の負担増も検討していく必要がある。社会保障費の増加に対し、むやみに恐怖感を持てば、正しい判断ができなくなる。

(東洋経済ONLINE)
by kura0412 | 2018-06-01 09:26 | 経済 | Comments(0)

東京商工リサーチHPより

2017年度「歯科医院」の倒産状況

2017年度(4月-3月)の「歯科医院」の倒産は20件で、前年度からほぼ2倍増(前年度比81.8%増)と大幅に増加した。年度では1994年度(20件)以来、23年ぶりに20件台となった。
負債総額は11億500万円(同36.2%増)で、件数増で膨らんだ格好。年度では5年ぶりに増加したが、負債1億円未満が18件(構成比90.0%)と大半を占め、小規模な歯科医院の倒産が多い。
歯科医院は開業時の設備投資はリース充当などで自己資本を多く必要としていないため参入のハードルが低く、繁華街や中心部など人の集まる地域で開設が相次ぎ、競合が激化している。一方、人口減による患者減少や歯科衛生士などの人件費上昇も深刻で、小規模な歯科医院が苦境に立たされる厳しい実態を浮き彫りにしている。

「歯科医院」倒産は20件
2017年度の「歯科医院」倒産は20件(前年度比81.8%増)で、2年連続で前年度を上回り、前年度の11件からほぼ2倍増と急増した。年度では2015年度が7件、2016年度が11件と落ち着いていたが、1994年度の20件以来、23年ぶりに20件台に乗せた。

「負債総額は5年ぶりに増加
負債総額は11億500万円(前年度比36.2%増)で、年度では5年ぶりに前年度を上回った。ただ、負債5億円以上の大型倒産は2年連続で発生がなく、同1億円未満が18件(同125.0%増)と前年度8件から2.2倍増となった。同1億円未満の構成比は90.0%で、小規模倒産が大半を占めた。

原因別、販売不振(業績不振)が6割
原因別では、最多は「販売不振」の12件(前年度比33.3%増、前年度9件)で、全体の6割(構成比60.0%)を占めた。次いで、「既往のシワ寄せ」が4件(同300.0%増、同1件)。
形態別では、事業消滅型の破産が19件(同90.0%増、同10件)と全体の9割(構成比95.0%)を占めた。いったん顧客離れが進んだ歯科医院の再建は容易でないことを示している。再建型の民事再生法は1件(前年度同数)だった。

従業員数別、5人未満が9割
従業員数別では、5人未満が18件(前年度比80.0%増、構成比90.0%)と、小規模医院が全体の9割を占めた。このほか、10人以上20人未満が1件(前年度ゼロ)、20人以上50人未満が1件(同ゼロ)と続く。

主な倒産事例
(医)某歯科医院(茨城県)は、地域に根差した歯科医療機関として知られていた。2014年3月期の売上高は5,376万円を計上したが、競合や過疎化で患者数が伸びず、2017年3月期の売上高は4,746万円まで低迷。さらに東日本大震災の被害に伴う新診療所の開設が負担となり債務超過が拡大し、事業継続を断念。2018年3月、水戸地裁より破産開始決定を受けた。負債総額は8,700万円。

歯科医師国家試験の合格者は2017年が1,983名で、ここ10年間では2010年の2,408名をピークに毎年2,000名前後で推移している。一方、日本の人口は2008年をピークに減少をたどり2017年10月1日時点では1億2,670万人と前年比0.18%減で減少率は広がっている。国立社会保障・人口問題研究所によると、将来人口(中位推計)は2055年に1億人を割り込む見込みで、経営環境の改善は難しいのが実情だ。
患者数が着実に減少をたどる中、厚生労働省が2018年3月に公表した「医療施設動態調査(平成30年1月末概数)」によると、歯科医院の施設数は6万8,791カ所と10年前の2008年1月末の6万7,840カ所から951カ所増えている。歯科医院は医療機器のリース導入で初期投資を抑えて比較的容易に開設できる。このため、患者数が見込める人口の多い首都圏や利便性の高い駅前などに歯科医院の開設が相次ぐ要因になっている。
歯科医院間の患者争奪戦は激しく、保険診療だけの経営維持は難しくなっている。生き残りをかけて自由診療のインプラントやホワイトニング、美容歯科など、独自色を出した集客競争が繰り広げられている。さらに、ここにきて歯科衛生士、事務スタッフなどの人手確保へのコスト上昇も大きな課題に浮かび上がっている。
テナント代や設備投資に加え、詰め物金属など歯材コストも上昇し、歯科医院の経営は年々難しさを増している。こうした環境を反映して2018年4月も2件の倒産が発生しており、歯科医院の倒産は小規模医院を中心に増加をたどる可能性が高い。

(東京商工リサーチHP)
by kura0412 | 2018-05-10 15:47 | 経済 | Comments(0)

ライオン、4年連続の営業最高益に 17年12月期

ライオンの2017年12月期の連結営業利益は前期比12%増の275億円程度になりそうだ。従来予想(270億円)を上回り、4年連続で最高益を更新する。8月に発売した口臭予防効果のある歯磨きや洗口液が若年層に人気で、2月に刷新した子供向けの歯ブラシなども想定以上に好調だ。機能をアピールした単価の高い製品が売り上げを伸ばし、利益率が改善し続けている。

売上高は4%増の4100億円程度になりそうだ。従来予想の4050億円をわずかに上回る。
主力の国内消費財事業が利益をけん引している。特に8月に発売した口腔(こうくう)ケアの新ブランド「NONIO(ノニオ)」は口臭予防効果をアピールし、20代から30代前半の顧客層を掘り起こしている。11月までの売り上げは同社計画の1.5倍に達したようだ。歯磨きと併用する洗口液も伸びている。
既存ブランドの販売も好調だ。16年9月に発売し、保湿成分が肌に残るボディーソープ「ハダカラ」は新しい香りの商品を投入するなどテコ入れを続けている。その効果で発売から1年が過ぎても売上高は前年を上回っている。機能を訴求できる高単価品の販売増により、原材料価格の上昇や販促費の増加を吸収している。国内日用品事業の売上高営業利益率は16年12月期実績の5.5%を上回ったもようだ。
売上高の3割を占める海外では中国やタイ、韓国などで販売が好調だった。中国では電子商取引(EC)で「クリニカ」の販売が伸びている。韓国では体脂肪の削減効果を見込める健康食品「ラクトフェリン」を販売し始め、新規の顧客を開拓した。
18年12月期も機能をアピールした高単価品の販売に力を入れ、増収増益となりそうだ。口腔ケア製品の生産拠点、明石工場(兵庫県明石市)では洗口液などの生産能力を増強し、国内外の需要増に対応し始めている。

(日経新聞)



この流れに乗ってメーカーとコラボするのは結構なことですが、動きが悪いと一方的に進めらることもありそうです。まぁ、それで歯科界が活性化するならば「良し」ですが。
by kura0412 | 2017-12-30 09:11 | 経済 | Comments(0)

米ドラッグ店CVS、医療保険大手を7.7兆円で買収

米ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスは3日、米医療保険大手のエトナを690億ドル(約7兆7800億円)で買収することで合意したと発表した。薬局と医療保険の一体化で、製薬会社への価格交渉力を高める狙いがある。

ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムが処方薬の販売に乗り出すとの観測も、大型買収を後押ししたとみられる。
統合完了は2018年後半を予定する。17年に明らかになった企業買収で最大規模とみられる。
CVSは米国内に約9700店舗を持ち、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと並ぶ2大ドラッグストアとして知られる。店舗では食品や生活必需品とともに、処方薬の調剤も受け付けている。アマゾンの参入が噂されるなか、足場を固める必要があった。

一方のエトナは規模を拡大するため、15年7月に同業のヒューマナの買収計画を発表していた。しかし、市場の寡占化が進み、消費者の利益につながらないとして独占禁止当局から承認を得られず、17年に入って計画の破棄で合意していた。
エトナなど米医療保険会社は10年に成立した医療保険制度改革(オバマケア)によって健康状態の悪い加入者が増え、利益率が低下。保険会社どうしの合併によるコスト削減を模索していたが、エトナは薬局との「垂直統合」に戦略を切り替えた。トランプ米大統領はオバマケアの大幅見直しを模索している。
CVSによるエトナの買収交渉は今年10月に米メディアの報道で明らかになった。3日発表した1株当たりの買収額は報道前から約3割高い水準の207ドルで合意した。

(日経新聞)



アメリカですね。ドラッグストアと医療保険のコラボではなく、医療介護での違う分野でのコラボは日本でもあるかもしれません。
by kura0412 | 2017-12-04 12:30 | 経済 | Comments(0)

フレネミー

フレネミーを知ってますか(一目均衡)

ソニーの吉田憲一郎副社長によると、米ビジネス界の今の流行語は「フレネミー」だという。似たような趣旨で「コペティション」という言葉もよく使われるそうだ。この2つの単語がどんな意味か、察しがつくだろうか。
フレネミー(frenemy)とは友達(friend)と敵(enemy)を合成した言葉で、ビジネスの文脈では、競争相手でありながら同時にパートナーでもある関係性を指す。コペティション(coopetition)も同様に競争(competition)と協力(cooperation)を結びつけた言葉で、やはり競争しつつも協力もするという多面的な関係を意味する。

ソニーにとってのフレネミーは誰か。吉田副社長によると、例えばネット動画配信の米ネットフリックスがそれに当たる。ソニー傘下にドラマ製作のソニー・ピクチャーズ・テレビジョンという会社があり、そこの最大顧客の一つが自社ブランドコンテンツの作製に膨大な予算を注ぎ込むネットフリックスだ。同社の配信で世界的にヒットした連続ドラマの『ハウスオブカード』や『ザ・クラウン』を実際につくったのは、実はソニーだ。
一方で両社は競合関係にもある。ソニーはゲーム機の「プレイステーション4」経由で、お茶の間のテレビに映画やアニメを届ける有料サービスを展開しているが、これはネットフリックスの牙城の動画配信市場への挑戦に他ならない。
目を凝らせば、フレネミー関係はビジネス界のいたるところで観察できる。世界最大級のフレネミーは米アップルと韓国サムスン電子だろう。両社はスマートフォン市場で激しくぶつかる一方で、薄型パネルやメモリーなどの部品では相互依存の関係にある。自動運転技術をめぐっては、自動車とIT(情報技術)の世界を代表するトヨタ自動車やグーグルの間にもフレネミー的関係が形成されるかもしれない。

直接の接点がないフレネミーもある。国内のタクシー業界は、米ウーバーテクノロジーズなどが展開するライドシェアサービスの「日本上陸絶対阻止」を掲げ、街頭デモに繰り出さんばかりの勢いだ。
その一方でライドシェアが打ち出した新機軸を取り入れ、同じ方向にいく見知らぬ客同士が1台のタクシーを利用する「相乗りサービス」の実用化に動き始めた。タクシー業界の敵視するライドシェアサービスは、実はタクシーの進化の方向を示してくれる「友人」ないし「教師」のような存在かもしれない。
フレネミー時代に必要なのは、他社との関係を適切にマネジメントする能力だ。どの領域で相手の力を借り、どの領域で競争するかを分かりやすく定義し、自社の強みを最大限発揮できるような「関係性の網の目」をつくる。それが経営者の役割である。

(日経新聞)



歯科でのフレネミーとなると医科、調剤となるのでしょうか。
by kura0412 | 2017-11-07 09:36 | 経済 | Comments(0)

社会保障負担 先送り鮮明 国民負担率を抑制
来年度42.5%、欧州は5割超 次世代にツケ

財務省は10日、国民所得に占める税と社会保障負担の割合を示す国民負担率が2017年度に42.5%になるとの試算を発表した。前年度から横ばいとなり、5割を超える国が多い欧州と比べるとなお低い水準にある。国の借金残高は過去最高を更新。増え続ける社会保障費を現在の高齢者や現役世代では賄えず、将来世代に先送りする構図が鮮明になっている。

国民負担率は国民がどれだけ公的な負担をしているかを表し、一般に負担率が高ければ高福祉高負担の国であることを示す傾向がある。
17年度は消費税や住民税など国と地方を合わせた税の負担率は25.1%で前年度に比べて0.1ポイント上昇する見通し。一部の高所得の会社員は所得税が増税になることなどが主因だ。現役世代が社会保障のために支払う保険料などの負担率は17.4%と0.1ポイント下がる。雇用保険料率が下がることなどが影響する。
税と社会保障の負担は全体ではわずかに増える一方、雇用環境の改善などで国民所得も微増となり、国民負担率は前年度と同水準となる。
17年度の国民負担率は過去最高だった15年度実績に次ぐ水準となるが、日本の比率は欧州と比べると低い。国や自治体が充実した福祉サービスを提供し、高福祉国として知られるスウェーデンの国民負担率は56%。フランスは68.2%、ドイツも52.5%に達する。経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国の中で日本は28位だ。
欧州では日本の消費税にあたる付加価値税の標準税率はスウェーデンの25%、フランスの20%など日本を大きく上回る国が大半だ。高齢者や若年世代が社会保障費などの多くを負担していることを示している。
これに対し、欧州よりも少子高齢化が進む日本では、高齢者の年金や医療に使う支出が増え続けているにもかかわらず、現在の高齢者や現役世代の負担が相対的に低く抑えられている。
日本の消費税率を段階的に25%に引き上げれば、国民負担率はドイツ並みの53%に上昇するという試算もある。安倍晋三政権は2度にわたって消費増税を延期しており、その分の負担が将来世代に回っていることになる。将来世代の国民負担になる財政赤字も加味した「潜在的国民負担率」は49.4%で、過去最高に近い水準で推移している。

【日経新聞】




負担を少なくして保障を確保しているにも関わらず、なんかおかしな理論を展開しています。
by kura0412 | 2017-02-13 16:09 | 経済 | Comments(0)

「AI医療に投資」 ソフトバンク10兆円ファンドで孫氏

ソフトバンクグループの孫正義社長は8日、決算発表の席上で、サウジアラビアと計画している10兆円規模の投資ファンドが近く発足する見通しになったと明らかにした。同ファンドを通じて医療など新事業に投資先を広げる可能性を示した。「戦略や志を共有する新しい結合体を作っていく」と述べ、投資先との連携を通じて事業拡大を目指す考えだ。
「世界中のベンチャーキャピタル(の運用額)が合計で650億ドル。ソフトバンク(が設立するファンド)は1000億ドルだ。経済界の新しい歴史を作る」。孫社長はこう意気込んだ。
新ファンドはソフトバンクが今後5年で250億ドル以上、サウジの政府系ファンドが450億ドルを拠出する。そのほかにも中東政府系ファンドなどが参加する見込みで、総額1000億ドル超を目指す。

孫社長は投資ファンドを作った背景として、人工知能(AI)が人類の知能の総和を超える「シンギュラリティー」がいずれ到来するとの見方を示した。そうなれば「すべての産業が再定義される」ことになり、「新たなビジネスチャンスが生まれる」と話した。
インターネットと通信に集中していたこれまでの投資先を広げる考えも示した。例に挙げたのが医療だ。孫社長は「今まではバイオ技術が中心だったが、これからは(AIによる)ディープラーニングを使ったものになる。DNAを解析したり病気を予知したりして治療に役立てる。これは情報革命の延長線上にある」と説明した。
一方、国内事業で、格安スマホ業者である日本通信に回線の貸し出しを渋ったとされる問題については「ソフトバンクが守りに入ったというのは違う」と述べ「世界中で攻め続けている」と強調した。

【日経新聞】
by kura0412 | 2017-02-09 09:23 | 経済 | Comments(0)

25年度より後の財政・社会保障の姿示せ

日本の財政は先進国で最悪の状態にある。政府は2020年度に、国と地方をあわせた基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標を掲げているが、日本経済が実力よりかなり高い成長率を実現しても達成は難しい。政府は厳しい現実を直視し、真剣に対応策を考えねばならない。
内閣府が中長期の財政試算をまとめた。それによると、仮に中長期の経済成長率が物価変動の影響を除いた実質で2%以上、名目で3%以上で推移しても、20年度の基礎的財政収支は8.3兆円の赤字になるという。
赤字額は昨年7月時点の前回試算より2.8兆円増えた。円高で16年度の法人税収が落ち込み、収支改善が遅れるからだ。消費増税を2度延期した影響もある。
経済の成長力を高めて税収を増やそうという発想は正しいが、円相場しだいで企業収益やそれに伴う税収は増えたり減ったりする。しかも高い成長率が実現するとは限らない。やはり税収増に過度に頼った財政健全化策は危うい。

まず社会保障費を軸とする歳出の削減・抑制が急務だ。18年度は診療報酬と介護報酬の同時改定を控える。政府は直ちに社会保障の抜本改革の議論に入るべきだ。
同時に、19年10月に消費税率を10%に上げられる環境をつくる努力も必要だ。社会保障と税の一体改革を含め、財政健全化計画をゼロからつくり直してはどうか。
20年度に基礎的収支を黒字にする目標を堅持するのは当然だ。しかし、それは財政健全化の通過点にすぎない。中長期でみた国と地方の債務残高(借金)の国内総生産(GDP)比を着実に引き下げ、財政を持続可能な状態にしなければならない。
30年にかけて、75歳以上の後期高齢者の人口は15年比で約4割増える。放置すれば医療や介護を中心に社会保障費が急増し、財政がさらに悪化するリスクがある。
ところが、20年代後半から30年にかけての大事な時期の財政試算を内閣府は示していない。今回の試算は25年度までにとどまる。その後の超高齢化時代を日本が乗り切れるか否かを検証する材料を示さない対応は不十分だ。
日本人の間で財政や社会保障への将来不安は高まり、足元の個人消費が伸び悩む一因にもなっている。超長期の財政や社会保障の姿を試算することを、不安解消策を考える一歩とすべきだ。

【日経新聞】
by kura0412 | 2017-01-27 15:48 | 経済 | Comments(0)