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IT企業と医療

米中の巨大IT企業が狙う医療スタートアップ

米グーグルの持ち株会社米アルファベットや米マイクロソフトなどの巨大IT(情報技術)企業が、医療関連のスタートアップに積極投資している。彼らが商機を見いだしているのが、新薬開発から病院まで様々なところで無駄が目立つ医療業界の非効率性だ。そこに新興企業のデジタル技術でメスを入れ、新ビジネスにつなげる考えだ。どんな企業にITマネーが流れ込んでいるのか、大手IT企業の投資動向をまとめた。
ヘルスケアは規模が大きく、非効率的な業界だ。米国ではこの業界の規模は国内総生産(GDP)の19%に上るが、一部の研究によると支出の20~25%が無駄だとされる。
こうした効率の悪さは業界全体で目につく。医師や病院の報酬を計算する医療事務の従事者は17万5000人を超え、新薬が市場に投入されるまでの費用は平均で25億ドルにも上る。企業が拠出する医療費は今や年間2万ドルに達している。
世界各地で市場が拡大し、無駄なコストがかさみ、より優れた医療への需要が高まっているため、この業界は世界の大手テクノロジー企業にとって格好の投資対象になっている。
2018年の米デジタルヘルス部門のスタートアップ企業への投資額は前年比16%増の110億ドルと過去最高を記録した。今年に入り、医療保険の米クローバーヘルス(Clover Health)がシリーズEで5億ドルを調達、遺伝子解析の米ギンコ・バイオワークス(Ginkgo BioWorks)がシリーズEで2億9000万ドルを調達して企業価値が42億ドルに、薬局の米カプセル(Capsule)がシリーズCで2億ドルを調達するなど、技術革新に取り組む企業が、多額の資金を調達している。
一方、世界第2の経済大国である中国は、高齢化やより優れた医療への需要を背景に国家政策としてヘルスケアに多額の資金をつぎ込んでいる。こうした取り組みは09年の新医療制度改革や(16年に発表された)「健康中国2030計画」により促進された。その結果、世界保健機関(WHO)によると中国のヘルスケア市場は年17%のペースで成長している。
デジタルヘルス市場の成長に伴い、医療関連以外の企業もこの分野に関心を抱くようになっている。19年の大手テクノロジー企業によるデジタルヘルス企業への投資件数はこれまでに38社に上っており、過去最高だった18年の49社に並ぶペースとなっている。
本稿では、デジタルヘルス部門への投資件数が最も多い大手テクノロジー企業上位10社について調べる。

■投資家の戦略のトレンド
大手テクノロジー企業で最も多くのデジタルヘルス部門のスタートアップに投資しているのは、米グーグル、米マイクロソフト、中国の騰訊控股(テンセント)だ。3社は大手テクノロジー企業によるデジタルヘルス部門への投資全体の7割以上を占めているが、投資先や戦略はそれぞれ異なる。

■グーグル(アルファベット)
グーグル(アルファベット)は誰もが認めるデジタルヘルス投資のリーダーで、投資件数は93件、投資企業は57社に上る。こうした投資の7割以上をコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)のグーグル・ベンチャーズ、キャピタルG、グラディエント・ベンチャーズが担っている。
生命科学分野について研究する米ベリリー・ライフサイエンス(Verily Life Sciences)など、アルファベット傘下の「ムーンショット(野心的な研究に取り組む)」企業は、自社のプロジェクトに直接関連する企業に投資している。例えば、ベリリーは個人の健康記録を手がける米スタートアップ、シチズン(Ciitizen)に資金を投じている。
グーグルが運営するスタートアップ向け育成・起業支援プログラム「グーグル・ローンチパッド・アクセラレーター」はデジタルヘルス企業17社に投資している。
グーグルの主な投資分野は「遺伝子解析」(18件)、「臨床研究」(15件)、「保険&福利厚生」(12件)だ。
遺伝子検査サービスの米23andMe、がん解析ソフトなどを手がける米フラットアイアン・ヘルス(Flatiron Health)、がんの早期発見を目指す米フリーノム(Freenome)などグーグルから出資を受けている企業は、患者のデータを大量に収集し、最先端の人工知能(AI)や機械学習を使って有意な知見を得たり、商業化を推進したりしている。これはグーグルが検索帝国を築いたのとよく似た戦略だ。
グーグルはさらに、オンラインで医療保険を提供する米オスカーヘルス(Oscar Health)と米クローバーヘルスという米国で最も企業価値の高い未上場の医療保険スタートアップにも出資している。両社は既存大手と差別化するため、最先端のデータアナリティクス(解析)と患者との革新的な関係構築モデルを活用している。
グーグルは以前は「患者の遠隔モニタリング」分野の企業に直接投資していなかったが、19年に米フォッシル・グループのスマートウオッチ研究開発部門を4000万ドルで買収し、この分野に初めて投資した。この分野はグーグルのヘルスケア、特に臨床研究戦略を進める上で極めて重要になるだろう。ベリリーは既に自社開発したウエアラブル機器「スタディーウオッチ」を複数の研究で使っている。

■マイクロソフト
マイクロソフトの投資の大半はグーグルとは違い、「マイクロソフト・スケールアップ」や「マイクロソフトAIファクトリー」といった育成・企業支援プログラムから出ている。これらのプログラムは草創期のデジタルヘルス企業を対象としたもので、プログラムを修了したデジタルヘルス企業は35社に上る。
AIを活用した理学療法ツールを提供するポルトガルのスウォード・ヘルス(SWORD Health)、遺伝子解析の米ジノークス(Genoox)、医療データプラットフォームの米ケンサイ(KenSci)、医療システムの開発を手がけるインドのシグタプル(SigTuple)など多くの企業はその後、追加の資金調達を受けている。
一方、マイクロソフトのCVC「M12」は、慢性疾患を管理する米リボンゴ・ヘルス(Livongo Health)のプレIPO(新規株式公開)ラウンドや、医療データプラットフォームの米イノベーサー(Innovaccer)のグロースラウンドなど、中後期段階のスタートアップの資金調達ラウンドに参加している。
マイクロソフトはヘルスケア部門の戦略を個人の健康データから、大手ヘルスケア企業によるこうしたデータの保存・活用の推進へと転換しており、投資先も変わっている。16年以降の投資の大半は「データ管理&アナリティクス」「遺伝子解析」企業に向けられている。

■テンセント
中国のテンセントはデジタルヘルス部門で3番目に活発に投資している大手テクノロジー企業だ。投資件数は52件、投資企業は40社に上る。そのうち31件の投資を同社の顧客基盤がある中国で実施している。
注目すべきなのは、18件が米国企業への投資である点だ。これはテンセントが海外展開を狙っていることを示している。残りはインド企業への投資だ。
テンセントは広範な企業に投資していることで知られており、18年時点での投資件数は700件以上に上る。テンセントによるデジタルヘルス投資のうち、テンセント本体による投資は84%で、残りはAI育成支援プログラムを通じて実施している。
テンセントは事業対応力の強化を目標に掲げ、「臨床研究」と「管理ツール」に積極投資している。一方、同社は「医療コンテンツ&マーケティング」への投資額が最も多い企業でもある。対話アプリ「微信(ウィーチャット)」だけで月間利用者が11億人に上るため、投資企業に貴重な顧客獲得ルートを提供している。

■その他の企業
10年以降に5社以上のデジタルヘルス企業に出資したその他の大手テクノロジー企業は、米インテル、韓国・サムスン電子、中国のネット通販最大手のアリババ集団、米アマゾン・ドット・コム、米メディア大手コムキャストだ。

コムキャストは通信会社として唯一このリストに登場するユニークな投資家だ。同社は22万5000人に上る従業員と家族のために、医療費に年約13億ドルを費やしている。そこで、従業員の医療体験を改善し、医療費をより適切に管理するために、医療システムを手がける米アコレード(Accolade)、健康アプリの米Kヘルス(K Health)や米シャイン(Shine)などのスタートアップに出資している。
米アップルはヘルスケア業界への投資件数が少ないため、10位以内には入っていない。だがこの分野では買収を重視する戦略をとっており、これまでにデジタルヘルス企業3社を買収している。
買収したのはいずれも「個人の健康データの管理&モニタリング」分野の企業で、アップルがヘルスケアで目指す方向に沿った事業を手がけている。例えば、個人の健康情報を管理する米グリンプス(Gliimpse)は、iOS端末に搭載されている革新的なアプリ「ヘルスケア」の土台になった。
グリンプスの最高経営責任者(CEO)はその後、シチズンを創業した。同社はグーグルの出資を受けている。

■分野別の投資トレンド
新たなテクノロジーの台頭や規制内容の変更に伴い、テクノロジー大手各社が注目するデジタルヘルスの分野も移り変わっている。
18年のテクノロジー大手によるデジタルヘルス部門への投資件数は過去最高に達した。18年に投資件数が最も多かった分野は「臨床研究」だったが、19年に入り投資ペースは減速している。18年には「慢性疾患の管理」への投資はわずか1件だったが、サムスン電子による出資が相次いだため、19年の投資額は増えている。
19年で投資額が最も多いのは「データ管理&アナリティクス」だ。中国のAI医療エアドック(Airdoc)、肺疾患の検出支援ツールを手がける米リバーレイン・テクノロジーズ(Riverain Technologies)、中国の万里雲(Wanlicloud)、イノベーサーなど画像を手がける企業が多額の出資を受けている。
一方、16年に投資額が最も多かったのは「遠隔治療」で、その直後の17年には遠隔治療の利用が急増した。利用が急増したのは保険の適用範囲の拡大といった制度変更などの追い風を受けたのが要因だった可能性が高い。

2社以上のテクノロジー大手から出資を受けている企業は8社だ。血液検査でがんを発見する米グレイル(GRAIL、グーグルとテンセント、アマゾンが出資)、インドの医師検索サイト運営プラクト・テクノロジーズ(Practo Technologies、グーグルとテンセント)、AIによる推論を可視化する米コグニティブスケール(CognitiveScale、インテルとマイクロソフト)などだ。
12年以降で世界のテクノロジー大手による投資企業の数が最も多いのは「データ管理&アナリティクス」「健康」「遺伝子解析」だ。
投資件数別では「遺伝子解析」が「健康」を上回り2位につけている。

「コンテンツ&マーケティング」分野の企業はコミュニティー構築やコンテンツ生成(利用者が生成することも多い)に取り組んでおり、ヘルスケア企業へのウェブアクセスの商業化を最終目標に掲げている。この分野の企業には中国の美容整形医療プラットフォームの新氧(SoYoung)、中国の外科医向けサイトの唯医骨科(Weiyi)、教育用医療コンテンツなどを手がける米アウトカムヘルス(Outcome Health)などがある。
「補助&リハビリツール」分野のスタートアップは、テクノロジーを使って身体障害者を支援したり、患者の機能回復を助けたりしている。例えば、マイクロソフトの「スケールアップ・プログラム」を修了したスウォード・ヘルスは、デジタル理学療法ツールを販売している。
「医薬品の配送」には薬局のサプライチェーン(供給網)に注目しているスタートアップなどが含まれる。

(日経新聞)





歯医者が株でもやっていない限りIT企業のことは知らないで良いと思っていましたが、この記事のこと位は一般的な知識として知っておく必要があるのかもしれません。現在、将来の歯科領域はどうなのでしょうか?
by kura0412 | 2019-11-15 16:38 | 経済 | Comments(0)

医療のこと知っている経済学者だと思っていたのですが

財務省、診療報酬「マイナス改定」案の衝撃
年内の決着に向け、改定率めぐる攻防始まる

財務省は11月1日に開催された財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、2020年度に実施される診療報酬改定について、国民負担を抑制するためにマイナス改定を行うことを提案した。
診療報酬とは、公的医療保険での診療における医療行為等の対価として、病院・診療所や薬局が患者・保険者から受け取る報酬で、原則2年に1回政府が改定する。
2020年度の診療報酬改定については、年内に財務相と厚生労働相が合意して診療報酬全体の改定率を決めることとなっている。その後、各診療行為の報酬や個別の薬価等について、年明けに中央社会保険医療協議会(中医協)で改定案を取りまとめ、厚生労働相に答申して決定する。

過去10年間で保険料負担は35万円増加
目下の焦点は、年内に決める診療報酬全体の改定率である。これにより、2020年度の医療費総額(予算ベース)が決まる。診療報酬は大きく、医師の人件費など技術・サービスの評価に関わる「診療報酬本体」と、薬の値段などモノの価格評価に関わる「薬価等」に分かれる。
もちろん、医療にはお金がかかる。ただ、お金をかければかけるほどよくなるわけではない。医療にかかる財源は、誰かが何らかの形で負担しなければ確保できない。
診療報酬は、1%引き上げると4600億円の負担増となる。そのうち、税負担が1800億円、保険料負担が2300億円、患者負担等が600億円である。そして、それらが病院や診療所、薬局、製薬会社、医療機器メーカーの収入になる。
2%の消費税率引き上げで負担増はつらいというなら、診療報酬引き上げに伴う負担増も看過できないところである。2007年度と比べて2017年度は、1人当たりの年間保険料負担は約35万円、患者負担等は約4万円増えた。この10年で毎年のように増えた。
そうした観点から、医療の無駄を省き、診療報酬をマイナス改定、つまり患者の負担を抑制することを財務省は提案したというわけである。
財務省による診療報酬のマイナス改定提案は、今に始まったことではない。2年に1度の診療報酬改定に合わせて、2017年にも同様の提案があった。しかし、医療関係者の心中は穏やかではない。診療報酬がマイナス改定になれば、診療報酬単価を下げられる可能性が高くなるからだ。
単価が下がっても、高齢者が増えて患者数が増えれば、医療機関の収入は増えることもありうる。診療報酬の改定率には、患者数の変動の影響は含まれていない。従って、マイナス改定が直ちに医療機関の収入減少を意味するわけではない。
とはいえ、マイナス改定となると、医療関係者の間で「パイの奪い合い」が激しくなる。

小泉政権期以外、診療報酬本体はプラス改定
第2次安倍内閣以降の過去3回の診療報酬改定(消費増税対応分を除く)をみると、診療報酬全体では、2014年度はプラス0.1%、2016年度はマイナス0.84%、2018年度はマイナス0.9%だった。
その内訳をみると、2014年度は診療報酬本体でプラス0.73%、薬価等でマイナス0.63%、2016年度は本体でプラス0.49%、薬価等はマイナス1.33%、2018年度は本体でプラス0.55%、薬価等でマイナス1.45%だった。財務省は否定するが、薬価を下げて浮いた財源を診療報酬本体に振り替えているようにみえる。
薬価を下げられると困るのは製薬会社である。診療報酬本体が増えると喜ぶのは、病院、診療所、薬局である。
薬価は、先発薬の特許が切れて価格が安い後発医薬品(ジェネリック)が出ることで単価が下がる効果があり、1990年度以降はずっとマイナス改定だった。診療報酬本体は小泉内閣期に、2度のマイナス改定と1度のゼロ改定はあるが、それ以外はプラス改定である。
ただ、今年の議論は、少し様相が異なる。これまで薬価は2年に1度改定していたが、2018年度以降は実質的に毎年改定されることになった。
2019年度には薬価改定が行われ、すでにマイナス改定を実施している。2年に1度の改定時には2年分の薬価の下落をまとめて反映するようにマイナス改定をしていたが、2020年度改定では1年分の薬価の下落しか反映できない。
薬価を下げて浮いた財源を診療報酬本体に振り替えようにも、下げられる薬価は大きくないかもしれない。診療報酬全体をマイナス改定にするなら、診療報酬本体を大きくプラスに改定できない可能性がある。

診療報酬本体をめぐり、早くも前哨戦
そうなると、医科、歯科、調剤という診療報酬本体の中でのメリハリづけが重要になってくる。
それを察してか、早くも前哨戦が繰り広げられている。医科と歯科で報酬を減らさないなら、調剤の報酬を減らすことが考えられる。それを意図しているかわからないが、調剤報酬の構造転換を促す声は、財務省のみならず中医協でも出始めている。
中医協では、薬剤師が薬局で医薬品を調剤する際の技術料である調剤料の見直しが取りざたされている。薬局で内服薬を調剤すると、処方日数が14日(14日分のお薬を処方してもらうという意味)までは、1日長くなるにつれて調剤料がどんどん増える仕組みになっている。
入院時など院内で医薬品を調剤するときは、処方日数が何日であっても調剤料は定額である。しかし、同じ内服薬でも薬局で処方されると、日数が長くなるほど金額がかさむことになる。したがって、診療報酬本体を大きく増やせないとしても、調剤報酬を抑えられれば、医科と歯科の取り分は増えることになる。
他方、医科と歯科も問題なしとは言えない。目下注目されているものの1つに、医師の働き方改革を診療報酬にどう反映するかという点がある。病院勤務医の過労を抑えるために、医師にも時間外労働上限規制が適用されることになった。
医師の働き方改革を進めるには追加的な人件費がかかり、診療報酬を増額して対応すべきとの声がある。病院勤務医の人件費を増やすには、病院勤務医がより多く従事する入院医療に対する診療報酬を増やす方策が考えられる。

2025年までにメリハリのついた医療改革を
しかし、前述の診療報酬本体の改定率を内閣で決める際に、入院と外来を分けて改定率を決める方式は近年採られていない。2010年度に1度だけそうしたことがある。病院勤務医を対象とした診療報酬改定ということであれば、入院と外来を分けて改定のあり方を考える必要が出てくるが、そうすると、入院医療に携わる病院と外来医療が主の診療所との「パイの奪い合い」を顕在化させる懸念もある。
それよりも、病院勤務医の超過勤務を減らす分を看護師など他の医療従事者の勤務で補い、人件費が増えないように工夫することもできる。病院勤務医の中でも、診療科や病院の種別によって時間外労働の状況に大きなばらつきがあり、病院勤務医が十把一絡げに過重労働というわけではない。そうした工夫がなされれば、すべてを診療報酬の増額で対応しなくてもよい。
年内の医療に関する議論は、診療報酬改定ばかりではない。世代間の負担の公平化を目指して、高齢者の患者負担割合の見直しを図ることも重要な議題である。団塊世代が75歳以上になる2025年までに、メリハリのついた医療制度改革を着実に進めていくためには、今年の残り2カ月は空費できない。

(東洋経済ONLINE・土居 丈朗 )



いろいろな政府の委員をやられている筆者ですが、この論文を読むと意外と医療のことを知らないことを感じます。現在の看護師不足を知らないようです。
ちなみに診療報酬の部分100億円ほど足し算があいません。
by kura0412 | 2019-11-06 11:27 | 経済 | Comments(0)

老朽パソコン

IoT導入阻む「老朽パソコン」
サポート切れ、工場に数十万台 予期せぬ生産停止懸念

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の波に国内の工場が乗り遅れている。原因の一つはサポートの切れた「老害パソコン」が数十万台規模で稼働していること。生産設備と密接に絡み、更新すると予期せぬ停止を引き起こすリスクがある。だが放置したままではサイバー攻撃の標的になりかねず、対策が急務だ。
千葉県松戸市のパソコン修理専門店「ピーシーエキスパート」には、全国各地から旧型パソコンの修理依頼が押し寄せる。毎月の引き合いは100件以上にのぼる。店内には「ウィンドウズ95」など旧式の基本ソフト(OS)で稼働するパソコンがずらりと並ぶ。

大手でも「延命」
記者が訪れた日に修理していたのは高炉大手の「製鋼用クレーン端末」だ。液晶ディスプレーが故障して設備の制御に利用できなくなったため、部品を丸ごと交換していた。同店の森田達也代表取締役は「古いパソコンをどうにか延命させたいと、中小製造業はもちろん、自動車などの大手も駆け込んでくる」と打ち明ける。5インチフロッピーディスクを搭載した30年前のパソコンを持ち込む企業もあるという。
国内パソコン市場は特需に沸く。米マイクロソフトが「ウィンドウズ7」のサポートを2020年1月に終了するのを控え、更新需要が高まっているためだ。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、19年4~6月のパソコンの国内出荷台数は217万台と、前年同期比で36%増えた。
だがピーシーエキスパートの活況は、「7」より古いOSを搭載したパソコンが延命措置を受けながら稼働し続けている実態を浮き彫りにする。正確な統計はないが、サポートが終了した旧式のパソコンは国内の工場だけで数十万台を優に上回るとみられる。
1980年代以降にパソコンが普及し、多くの工場で生産設備の制御を担うようになった。
ただし、パソコンの耐用年数が4~5年であるのに対し、生産設備は数十年にわたって使い続けることが多い。日本機械工業連合会(JMF)が6月に公表した生産設備保有期間実態調査によれば、導入から10年以上が経過した設備が62.4%を占め、30年以上も19.1%ある。

刷新費用足かせ
一般的に工場は、いったん稼働させたらシステム構成を維持し、変更を避ける傾向がある。設備の安定稼働を重視するためだ。うかつに制御用のパソコンだけを更新し、制御用ソフトが動作しないなどのトラブルで設備停止を引き起こせば膨大な経営損失を招く。
生産設備とパソコンを一緒に刷新するには数千万円規模の投資が必要となり、決断しにくい。その点、パソコンの修理のみなら数十万円で済む。こうして寿命が尽きても引退しない「老害パソコン」が増えていく。
短期的には、だましだまし使い続けるのが合理的だろう。だが先送りを続けてきたことで、老害パソコンは様々な問題の温床となっている。
特に深刻なのは、IoTの導入を停滞させることだ。老害パソコンが居座る現場では、生産設備にセンサーなどを装着して稼働状況を分析しようと思ってもうまくいかないことが多い。OSが旧式だとサイバー攻撃への対策が難しくなるためだ。サポート切れのOSでは、セキュリティーの欠陥が発覚しても原則的に修正されない。工場のサイバー対策に詳しいラックの木田良一IoT技術研究所チーフは「安易にインターネットに接続するのは危険」と話す。
17年に猛威を振るった身代金要求ウイルスの「ワナクライ」はここにつけ込んだ。欠陥を修正せずに使い続けていたパソコンに感染し、ホンダなどの工場を一時、操業停止に追い込んだ。
最新の調査からもIoT導入が停滞する様子がうかがえる。総務省の「平成30年通信利用動向調査」によると、IoTと人工知能(AI)の両方またはいずれかを導入済みの製造業は16.6%にとどまっている。

ここに商機を見いだしたのがKDDI子会社のソラコム(東京・世田谷)だ。専用通信回線を使い、社内ネットなどから切り離した環境でIoTを導入できるサービスを提供する。製造業以外も含むが、契約数は6月に100万を突破した。
ただ独立した環境でも万全とはいえない。保守作業などで外部からUSBメモリーなどを持ち込んだ際に、ウイルスに感染する恐れがある。老害パソコンに早く別れを告げることが、最も確実な対策だ。

(日経新聞)



オンライン化導入に対して大きなハードルの存在を示しているかもしれません。
by kura0412 | 2019-08-29 11:38 | 経済 | Comments(0)

リーマンショック級ではないようですが

喜べないGDP2.1%増 「輸入減で高成長」の不安

景気悪化への懸念が強まる中で20日に発表された2019年1~3月期の国内総生産(GDP)は、実質ベースの年率で2.1%増と高めの成長率だった。民間エコノミストの多くが事前にマイナス成長を予測していただけに予想外の数値だ。ただ内容を見ると「輸入の急減が成長率を押し上げた」という統計上のカラクリがあり、手放しでは喜べない。

GDPは各種の経済統計をもとに、一定期間内に国内で生み出された付加価値を推計する経済指標だ。このうち輸入は海外で生み出された付加価値と捉え、その分をGDPの総額から差し引くことになっている。このため輸入が減れば、GDPから差し引く分が減り、前期比の成長率で計算すると伸び率は上振れることになる。
19年1~3月期の輸入は前期比で実質4.6%減った。年率換算では17.2%減と09年1~3月期以来となる10年ぶりの減少幅となった。この結果、19年1~3月期のGDP総額は予想より大きくなり、18年10~12月期と比べた成長率を押し上げることになった。

問題は輸入の急減が日本経済の停滞を映している可能性が高いことだ。
内閣府は輸入減の理由を「原油や天然ガスの輸入が減ったため」と説明する。一般に企業活動が鈍ればエネルギー関連の需要は鈍る。財務省の貿易統計によると、1~3月期は原油など燃料のほかにも化学製品や機械、半導体など電子部品の輸入も減っている。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長となったとはいえ、「実際(の景気)は見かけよりもかなり悪い」。
第一生命経済研究所の新家義貴氏も国内の需要動向を映す輸入が減っていることを重く見て、「1~3月期が想定を超える成長率になったからといって、景気鈍化の不安が払拭されたとは言い切れない」と指摘する。
企業が日本経済の先行きに慎重になり、身をかがめた結果の輸入減だとすれば、この先は設備投資の鈍化に波及する懸念が強まる。
貿易戦争などで外需が揺れる中で日本経済を下支えしてきた内需は変調の兆しが出始めた。1~3月期は設備投資が前期比0.3%減、GDP総額の5割以上を占める個人消費も0.1%減った。内需の柱が細れば、米中の貿易摩擦で外需が一段と冷え込む事態への耐久力が弱まる。
市場の事前予測と大きく食い違う結果になった1~3月期GDPの高成長は、この先の日本経済に訪れる変調をより深刻に映している可能性もありそうだ。(中村結)

(日経新聞)



この度発表に対する分析に関しては関係者の間でも意見が分かれるようです。然しながら、「リーマンショック級の経済状況」となるとどうなのでしょうか。これでW選挙は遠のいた感じがしますが。
by kura0412 | 2019-05-20 16:01 | 経済 | Comments(0)

年金は75歳選択肢を検討、では医療は

年金開始、75歳も選択肢に 毎月の受取額は2倍
厚労省が検討

厚生労働省は公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする検討に入った。
毎月の年金額は65歳開始に比べて2倍程度とする方向だ。いまは70歳開始が上限だが、一段と高齢になってから年金をもらう選択肢をつくる。働く高齢者を増やす呼び水にし、元気な高齢者に社会保障を支える側に回ってもらうのが狙いだ。

(日経新聞)



社会保障のもう一つのカギを握る医療では、高齢者に就業を促すどんな施策があるのでしょうか。
by kura0412 | 2019-01-26 10:46 | 経済 | Comments(0)

対GDP比で見ると「今年度の1.11倍」が正しい

「社会保障費が2040年に1.6倍」は本当なのか?
日本の医療・介護費はそんなに怖くならない

「2040年度の社会保障費190兆円、今年度の1.6倍に」――。新聞各紙に大きな見出しが躍った。5月21日に政府が発表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」。社会保障費の長期試算としては2012年に発表して以来のものだ。前回試算では、2025年度までを見通したが、今回は2040年までが対象だ。
2040年というと、団塊ジュニア世代がすべて65歳以上に到達し、高齢化率(65歳以上人口比率)が2015年の26.6%から35.3%に急上昇、同年齢以上の人口は3900万人超とピークを迎える。具体的には、65歳以上人口は2015年の3386万人から2040年に3920万人と1.16倍に。さらに、医療・介護支出が急増する75歳以上人口は2015年の1632万人から2040年に2239万人と1.37倍の大幅増加となる。
医療費が増える要因としては、技術革新による医療の高度化もある。2040年の社会保障費が1.6倍になると報道されれば、「無理もなかろう」と多くの人は思うだろう。だが、今回の試算を見て、社会保障費が1.6倍に増えると考えるのは、実は「誤読」だ。落とし穴は、社会保障費の金額だけで考えてしまうところにある。どういうことか、見ていこう。

個々の費用はGDPと比較して見る必要がある
2040年度に社会保障費が190兆円で、2018年度の1.6倍になるという今回の試算はどんな経済状況が前提となっているのだろうか。それは、名目GDP(国内総生産)成長率が2018~2027年度までは年率1%台後半~2%台半ば、2028年度以降は年率1.3%というものだ(今回試算のベースラインケース)。その結果、わが国の名目GDPは2018年度見込みの564.3兆円から2040年度には790.6兆円と1.4倍になる前提となっている。
つまり、私たちの所得が今の水準のまま社会保障費負担が1.6倍になるのではない。私たちの所得が1.4倍になった将来の世界で、社会保障費負担が1.6倍になっているわけだ。これはどう考えたらよいだろうか。

試算では、GDP成長率や、それと比例的に動く賃金上昇率、物価上昇率に応じて、医療費や介護費の単価の伸び率が設定されている。つまり、「1.6倍」の金額の中にはこうした価格上昇分が入っているわけであり、社会保障費の実質的な支出が1.6倍になっているわけではない。
極端な例として、私たちの経済活動はまったく同じだが、翌年にすべての価格だけが2倍になった世界を考えてみよう。そのとき、社会保障費は当初100兆円だったが、価格が2倍になったため、翌年は200兆円になる。これで社会保障費が2倍になったと私たちは叫ぶだろうか。私たちの所得も2倍になっているため、社会保障費の負担感はまったく変わらない。
経済統計の世界では、特に5~50年など長期の試算を行う際は、金額ベースで物を考えてはいけないという暗黙のおきてがある。それは先述のように物価が変わってしまうため、実質的な大きさがわからなくなってしまうからだ。だがなぜか、日本のマスコミは、社会保障費の見通しについてこのルールを逸脱する癖があるようだ。
では、こうした長期の試算について、金額ではなく、どんな数値を基に考えればよいだろうか。それが対GDP比という指標だ。GDPというのは一国の経済規模(=所得)のことであり、個々の費用を経済規模に占める割合で見るわけだ。たとえば、先の価格だけが2倍になった世界でいうと、分母のGDPも2倍になるため、対GDP比は変わらない。

対GDP比で見ると「今年度の1.11倍」が正しい
今回の試算では、社会保障費の対GDP比はどうなっているだろうか。2018年度は21.5%で、これはわが国の経済活動の21.5%が医療・介護や年金、子育てなどの社会保障に使われていることを意味する。これが2040年度には23.8~24%になる見通しだ。2018年度との比較では、2.3~2.5%ポイントの違いであり、倍率にして1.11倍程度の増加にすぎない。つまり、今回の報道では、「2040年の社会保障費は今年度の1.11倍に」が正しい見出しといえるだろう。
この1.11倍という数字は、医療・介護の将来像を映し出している。社会保障費の中には、年金や子育て費用も含まれるが、これらの対GDP比の増加は小さいため、ここでは社会保障費の増加は医療・介護によるものとして考えてみよう。先述のように、2015年から2040年にかけてわが国は、最も医療・介護費を使う75歳以上人口が1.37倍に増える。だが、実際の医療・介護費は、75歳未満人口の減少や、現在進められている医療提供体制改革(急性期医療の効率化など)の効果などから、1.11倍に抑えられるということだ。
これは次のように言い換えることもできる。単価の伸びの影響は、対GDP比では無視してよい。そのため、対GDP比の意味するところは、数量的な経済活動の規模でもある。つまり、わが国経済の数量的規模の中で社会保障の占める割合は2018年度に21.5%だったが、それが2040年度には24%程度になるということだ。
こうした対GDP比での社会保障費の推移を見ると、2000~2015年度では、14.8%から21.6%と6.8%ポイントの上昇を示していた。これは倍率にして1.46倍だ。2018~2040年度の社会保障費の増加は、実は2000~2015年度よりもマイルドな見通しだということがわかる。

欧州主要国より実質の社会保障費は小さい
為替の違いなどを排除できるため、対GDP比で考えると、国際比較も楽になる。欧州主要国の社会保障費の対GDP比は、日本より高い。
高齢化率は日本が断トツで高いにもかかわらずだ。つまり、なるほど日本は世界が経験したことのない超高齢社会に世界に先駆けて突入しているが、高齢化に伴う社会保障費の負担増という意味では、すでに欧州が先を行っているということだ。日本は社会保障費の膨張で未踏の領域に達しているわけではない。
もちろん、日本は税や社会保険料の対GDP比が欧州より低く、そのため、財政赤字が山積している。社会保障の効率化だけでなく、税や社会保険料の負担増も検討していく必要がある。社会保障費の増加に対し、むやみに恐怖感を持てば、正しい判断ができなくなる。

(東洋経済ONLINE)
by kura0412 | 2018-06-01 09:26 | 経済 | Comments(0)

東京商工リサーチHPより

2017年度「歯科医院」の倒産状況

2017年度(4月-3月)の「歯科医院」の倒産は20件で、前年度からほぼ2倍増(前年度比81.8%増)と大幅に増加した。年度では1994年度(20件)以来、23年ぶりに20件台となった。
負債総額は11億500万円(同36.2%増)で、件数増で膨らんだ格好。年度では5年ぶりに増加したが、負債1億円未満が18件(構成比90.0%)と大半を占め、小規模な歯科医院の倒産が多い。
歯科医院は開業時の設備投資はリース充当などで自己資本を多く必要としていないため参入のハードルが低く、繁華街や中心部など人の集まる地域で開設が相次ぎ、競合が激化している。一方、人口減による患者減少や歯科衛生士などの人件費上昇も深刻で、小規模な歯科医院が苦境に立たされる厳しい実態を浮き彫りにしている。

「歯科医院」倒産は20件
2017年度の「歯科医院」倒産は20件(前年度比81.8%増)で、2年連続で前年度を上回り、前年度の11件からほぼ2倍増と急増した。年度では2015年度が7件、2016年度が11件と落ち着いていたが、1994年度の20件以来、23年ぶりに20件台に乗せた。

「負債総額は5年ぶりに増加
負債総額は11億500万円(前年度比36.2%増)で、年度では5年ぶりに前年度を上回った。ただ、負債5億円以上の大型倒産は2年連続で発生がなく、同1億円未満が18件(同125.0%増)と前年度8件から2.2倍増となった。同1億円未満の構成比は90.0%で、小規模倒産が大半を占めた。

原因別、販売不振(業績不振)が6割
原因別では、最多は「販売不振」の12件(前年度比33.3%増、前年度9件)で、全体の6割(構成比60.0%)を占めた。次いで、「既往のシワ寄せ」が4件(同300.0%増、同1件)。
形態別では、事業消滅型の破産が19件(同90.0%増、同10件)と全体の9割(構成比95.0%)を占めた。いったん顧客離れが進んだ歯科医院の再建は容易でないことを示している。再建型の民事再生法は1件(前年度同数)だった。

従業員数別、5人未満が9割
従業員数別では、5人未満が18件(前年度比80.0%増、構成比90.0%)と、小規模医院が全体の9割を占めた。このほか、10人以上20人未満が1件(前年度ゼロ)、20人以上50人未満が1件(同ゼロ)と続く。

主な倒産事例
(医)某歯科医院(茨城県)は、地域に根差した歯科医療機関として知られていた。2014年3月期の売上高は5,376万円を計上したが、競合や過疎化で患者数が伸びず、2017年3月期の売上高は4,746万円まで低迷。さらに東日本大震災の被害に伴う新診療所の開設が負担となり債務超過が拡大し、事業継続を断念。2018年3月、水戸地裁より破産開始決定を受けた。負債総額は8,700万円。

歯科医師国家試験の合格者は2017年が1,983名で、ここ10年間では2010年の2,408名をピークに毎年2,000名前後で推移している。一方、日本の人口は2008年をピークに減少をたどり2017年10月1日時点では1億2,670万人と前年比0.18%減で減少率は広がっている。国立社会保障・人口問題研究所によると、将来人口(中位推計)は2055年に1億人を割り込む見込みで、経営環境の改善は難しいのが実情だ。
患者数が着実に減少をたどる中、厚生労働省が2018年3月に公表した「医療施設動態調査(平成30年1月末概数)」によると、歯科医院の施設数は6万8,791カ所と10年前の2008年1月末の6万7,840カ所から951カ所増えている。歯科医院は医療機器のリース導入で初期投資を抑えて比較的容易に開設できる。このため、患者数が見込める人口の多い首都圏や利便性の高い駅前などに歯科医院の開設が相次ぐ要因になっている。
歯科医院間の患者争奪戦は激しく、保険診療だけの経営維持は難しくなっている。生き残りをかけて自由診療のインプラントやホワイトニング、美容歯科など、独自色を出した集客競争が繰り広げられている。さらに、ここにきて歯科衛生士、事務スタッフなどの人手確保へのコスト上昇も大きな課題に浮かび上がっている。
テナント代や設備投資に加え、詰め物金属など歯材コストも上昇し、歯科医院の経営は年々難しさを増している。こうした環境を反映して2018年4月も2件の倒産が発生しており、歯科医院の倒産は小規模医院を中心に増加をたどる可能性が高い。

(東京商工リサーチHP)
by kura0412 | 2018-05-10 15:47 | 経済 | Comments(0)

「ライオン、4年連続の営業最高益に」

ライオン、4年連続の営業最高益に 17年12月期

ライオンの2017年12月期の連結営業利益は前期比12%増の275億円程度になりそうだ。従来予想(270億円)を上回り、4年連続で最高益を更新する。8月に発売した口臭予防効果のある歯磨きや洗口液が若年層に人気で、2月に刷新した子供向けの歯ブラシなども想定以上に好調だ。機能をアピールした単価の高い製品が売り上げを伸ばし、利益率が改善し続けている。

売上高は4%増の4100億円程度になりそうだ。従来予想の4050億円をわずかに上回る。
主力の国内消費財事業が利益をけん引している。特に8月に発売した口腔(こうくう)ケアの新ブランド「NONIO(ノニオ)」は口臭予防効果をアピールし、20代から30代前半の顧客層を掘り起こしている。11月までの売り上げは同社計画の1.5倍に達したようだ。歯磨きと併用する洗口液も伸びている。
既存ブランドの販売も好調だ。16年9月に発売し、保湿成分が肌に残るボディーソープ「ハダカラ」は新しい香りの商品を投入するなどテコ入れを続けている。その効果で発売から1年が過ぎても売上高は前年を上回っている。機能を訴求できる高単価品の販売増により、原材料価格の上昇や販促費の増加を吸収している。国内日用品事業の売上高営業利益率は16年12月期実績の5.5%を上回ったもようだ。
売上高の3割を占める海外では中国やタイ、韓国などで販売が好調だった。中国では電子商取引(EC)で「クリニカ」の販売が伸びている。韓国では体脂肪の削減効果を見込める健康食品「ラクトフェリン」を販売し始め、新規の顧客を開拓した。
18年12月期も機能をアピールした高単価品の販売に力を入れ、増収増益となりそうだ。口腔ケア製品の生産拠点、明石工場(兵庫県明石市)では洗口液などの生産能力を増強し、国内外の需要増に対応し始めている。

(日経新聞)



この流れに乗ってメーカーとコラボするのは結構なことですが、動きが悪いと一方的に進めらることもありそうです。まぁ、それで歯科界が活性化するならば「良し」ですが。
by kura0412 | 2017-12-30 09:11 | 経済 | Comments(0)

ドラッグストアが医療保険大手を買収

米ドラッグ店CVS、医療保険大手を7.7兆円で買収

米ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスは3日、米医療保険大手のエトナを690億ドル(約7兆7800億円)で買収することで合意したと発表した。薬局と医療保険の一体化で、製薬会社への価格交渉力を高める狙いがある。

ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムが処方薬の販売に乗り出すとの観測も、大型買収を後押ししたとみられる。
統合完了は2018年後半を予定する。17年に明らかになった企業買収で最大規模とみられる。
CVSは米国内に約9700店舗を持ち、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと並ぶ2大ドラッグストアとして知られる。店舗では食品や生活必需品とともに、処方薬の調剤も受け付けている。アマゾンの参入が噂されるなか、足場を固める必要があった。

一方のエトナは規模を拡大するため、15年7月に同業のヒューマナの買収計画を発表していた。しかし、市場の寡占化が進み、消費者の利益につながらないとして独占禁止当局から承認を得られず、17年に入って計画の破棄で合意していた。
エトナなど米医療保険会社は10年に成立した医療保険制度改革(オバマケア)によって健康状態の悪い加入者が増え、利益率が低下。保険会社どうしの合併によるコスト削減を模索していたが、エトナは薬局との「垂直統合」に戦略を切り替えた。トランプ米大統領はオバマケアの大幅見直しを模索している。
CVSによるエトナの買収交渉は今年10月に米メディアの報道で明らかになった。3日発表した1株当たりの買収額は報道前から約3割高い水準の207ドルで合意した。

(日経新聞)



アメリカですね。ドラッグストアと医療保険のコラボではなく、医療介護での違う分野でのコラボは日本でもあるかもしれません。
by kura0412 | 2017-12-04 12:30 | 経済 | Comments(0)

フレネミー

フレネミーを知ってますか(一目均衡)

ソニーの吉田憲一郎副社長によると、米ビジネス界の今の流行語は「フレネミー」だという。似たような趣旨で「コペティション」という言葉もよく使われるそうだ。この2つの単語がどんな意味か、察しがつくだろうか。
フレネミー(frenemy)とは友達(friend)と敵(enemy)を合成した言葉で、ビジネスの文脈では、競争相手でありながら同時にパートナーでもある関係性を指す。コペティション(coopetition)も同様に競争(competition)と協力(cooperation)を結びつけた言葉で、やはり競争しつつも協力もするという多面的な関係を意味する。

ソニーにとってのフレネミーは誰か。吉田副社長によると、例えばネット動画配信の米ネットフリックスがそれに当たる。ソニー傘下にドラマ製作のソニー・ピクチャーズ・テレビジョンという会社があり、そこの最大顧客の一つが自社ブランドコンテンツの作製に膨大な予算を注ぎ込むネットフリックスだ。同社の配信で世界的にヒットした連続ドラマの『ハウスオブカード』や『ザ・クラウン』を実際につくったのは、実はソニーだ。
一方で両社は競合関係にもある。ソニーはゲーム機の「プレイステーション4」経由で、お茶の間のテレビに映画やアニメを届ける有料サービスを展開しているが、これはネットフリックスの牙城の動画配信市場への挑戦に他ならない。
目を凝らせば、フレネミー関係はビジネス界のいたるところで観察できる。世界最大級のフレネミーは米アップルと韓国サムスン電子だろう。両社はスマートフォン市場で激しくぶつかる一方で、薄型パネルやメモリーなどの部品では相互依存の関係にある。自動運転技術をめぐっては、自動車とIT(情報技術)の世界を代表するトヨタ自動車やグーグルの間にもフレネミー的関係が形成されるかもしれない。

直接の接点がないフレネミーもある。国内のタクシー業界は、米ウーバーテクノロジーズなどが展開するライドシェアサービスの「日本上陸絶対阻止」を掲げ、街頭デモに繰り出さんばかりの勢いだ。
その一方でライドシェアが打ち出した新機軸を取り入れ、同じ方向にいく見知らぬ客同士が1台のタクシーを利用する「相乗りサービス」の実用化に動き始めた。タクシー業界の敵視するライドシェアサービスは、実はタクシーの進化の方向を示してくれる「友人」ないし「教師」のような存在かもしれない。
フレネミー時代に必要なのは、他社との関係を適切にマネジメントする能力だ。どの領域で相手の力を借り、どの領域で競争するかを分かりやすく定義し、自社の強みを最大限発揮できるような「関係性の網の目」をつくる。それが経営者の役割である。

(日経新聞)



歯科でのフレネミーとなると医科、調剤となるのでしょうか。
by kura0412 | 2017-11-07 09:36 | 経済 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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