2019年 05月 31日 ( 1 )

病院ベッド回復期不足

病院ベッド、需要とズレ
回復期が不足、重症向け過剰 転換遅れ、財政に悪影響

病院ベッド(病床)と医療ニーズにズレが生じている。厚生労働省がまとめた2025年の病床数の見通しによると、重症者向けの「急性期病床」は必要量に対して18万床の過剰となった。リハビリ用の「回復期」は18万床不足する。高齢患者のリハビリニーズが高まるのに病床の転換が進まない。高額な急性期が余ったままだと、医療費が膨らむ恐れがある。

主に重症患者を治療する高度急性期や急性期のベッドは、手厚い医療を求められるため医師や看護師を多く配置する。回復期よりもコストがかかる分、病院が受け取る診療報酬が手厚い。
厚労省は団塊の世代が75歳以上を迎える25年ごろから回復期のニーズが高まるとみて、急性期のベッドを回復期に転換する政策を進めている。軽症患者が急性期を使うといった非効率な医療を変える狙いもある。都道府県は「地域医療構想」を作り、病院ごとの病床の削減策や転換策について各地域で調整を進めている。
ところが厚労省が25年の病床数の見込みについて病院に報告を求めてとりまとめたところ、目標とのズレが大きいことがわかった。
高度急性期と急性期の病床数は25年時点で53.2万床まで減らす必要があるが、72万床になる見通しとなった。回復期は37.5万床まで増やす目標だが、19.2万床までしか増えない。
転換や削減が進まないのは、自治体が運営する公立病院や日本赤十字社などの公的病院が改革を避けているためだ。公立・公的病院で急性期のベッドの過半を占める。

「急性期は高度な医療」とのイメージが強く、病院側が名乗りたがることが背景にある。公立病院は同一市町村内の移転でさえも住民の反発を招くことがあり、改革に後ろ向きな首長が多い。報酬の手厚い急性期を減らすと減収につながるとの懸念もある。
日本医師会総合政策研究機構によると、公立病院への公費の投入は年間5000億円を超える。厚労省は赤字を垂れ流す現状を問題視している。だが公立病院の所管は総務省で、交付金や補助金の見直しに直接関与できない。
厚労省は公立・公的病院を対象に、地域に欠かせないがん診療や救急などの実績を個別に検証する作業に着手した。民間病院では担えない役割を果たしているか調べるためだ。分析の結果、他の病院と代替可能と判断すれば再編を迫る考えだ。
公費の投入額や活用状況を明らかにし、問題のある公立病院の実態を浮き彫りにする案も浮上している。
国民医療費42兆円のうち入院医療費は約4割を占め、医療保険財政への影響は大きい。病院はベッドが余ると患者を入院させる動機が働きやすく、医療費の増加を助長しかねない。

(日経新聞)



医科歯科連携を唱えていますが、このベットの機能区分をを考慮する視点が欠けているように感じています。
by kura0412 | 2019-05-31 14:23 | 医療政策全般 | Comments(0)