2018年 11月 01日 ( 1 )

消費増税巡り医師会攻防 税還付を要求 財務省は「現制度で」

消費増税巡り医師会攻防 税還付を要求 財務省は「現制度で」

診察料などが非課税の医療界が2019年10月の消費増税で損失を被るとして、税制での対応を政府に求めている。病院は医療機器などの仕入れに課税されるため収支が悪化しやすい。日本医師会は「負担分は税で還付を」と新制度を要望。財務省は主に診察料の引き上げで増税分を補填する既存の制度で対応できるとの立場だ。双方の攻防は年末の予算編成・税制改正に向けて焦点の一つになっている。

「なんらかの新たな仕組みが必要だ」。31日に開かれた中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)。消費増税への対応が議論されるなか、医師会は抜本的な対策を改めて訴えた。
1989年に消費税が導入された時、保険証を使って医療を受ける費用は非課税とされた。病院は仕入れにかかる消費税を負担するが、診察料は公定価格で消費税を上乗せできない。
病院の収支が悪化する対策として、消費増税のたびに政府が全国一律で診察料を引き上げて病院の負担を補填する仕組みがとられてきた。ただ、個々の医療機関で収支の内訳は様々。大病院は高額な医療機器の仕入れで消費税の負担が膨らみやすい。医療界全体の数字上は十分に補填されたとしても、個別には十分でない例もあるという。医療界では補填不足を「損税」と呼び、医師会は長年不満を抱いてきた。
7月、その不満を噴出させる事態が起きた。消費税率が8%に上がった14年度の補填状況について、厚労省の調査結果に誤りが判明した。「十分に補填されている」とされた補填率(増税負担分に対する補填額の比率)が83%にとどまっていた。原因は単純な集計ミス。医師会の横倉義武会長は「大変な怒りを感じている」と断じた。
16年度の調査結果も補填率は85%で、補填不足の実態が露呈した。持ち出しは1病院あたり、年約300万円。医療界の全体で200億円規模の補填不足になったとの試算もある。医療界には「そもそも十分に補填されてこなかった」との不満が強かっただけに、抜本的な対策を求める声が強まっている。

医師会は主に診察料の引き上げで補填された分と、消費増税に伴う負担増の差額を病院ごとに集計し、補填が足りない分を税で還付を受ける仕組みを要望している。これなら補填不足が生じない。
ただ、財務省は従来と同様に「制度内で対応する」との立場だ。税制上、還付を受けるには診察料などを消費税の課税対象にする必要があるが、保険医療にはなじまない。医師会の要望通りに税制改正で対応するとしても、財源が明確でない限り実現のメドも立ちにくい。
政治力の強い医師会の訴えに対し、与党は17年12月に策定した18年度の税制改正大綱で「19年度の税制改正の際に総合的に検討し結論を得る」と明確な期限を切った。消費増税に間に合うぎりぎりのタイミングで決着がつく可能性がある。
いずれにしても増税分は患者も一部を負担することになる。だがそれを自覚している人は多くない。目に見えない形で増税される今の制度は「透明性に欠ける」(日本総合研究所の西沢和彦主席研究員)との指摘もある。

(日経新聞)



消費税増税がスケジュールに入っている中、小規模経営が殆どの歯科において日歯はどんな対応を考えているのでしょうか。
by kura0412 | 2018-11-01 08:54 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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