2012年 08月 27日 ( 1 )

私立歯科大、納付金値下げ合戦 学生確保へ半値も

「高額」のイメージが強い私立の歯科系大学で、授業料など納付金の大幅な引き下げが相次いでいる。ここ数年、入学者数の低迷が続き、各大学は「値下げ合戦」に勝ち抜いて優秀な学生を確保しようと懸命だ。
私立の歯科系大学は全国に17校ある。日本私立歯科大学協会によると、在学する6年間に学生が納める平均額は、2011年度で約2900万円。07、08年度の約3300万円から1割以上減った。値下げが本格化したのは、3校が引き下げた10年度の入試から。11年度は8校が引き下げ、2千万円を切る大学も出てきた。12年度も3校が引き下げたという。

松本歯科大(長野県塩尻市)は、値下げ幅が際立つ。08年度まで最も高い約5700万円を集めていたが、09年度に約5200万円、10年度に3200万円、12年度は一気に08年度の3分の1近い2048万円まで下げる。他校が納付金を下げて志願者数を増やしたのに倣ったという。値下げは、在校生には適用されない。
同校では08年度、113人の募集人員に対し、入学者が前年度の半分以下の40人に落ち込んだ。その後も40人前後が続く。同校の幹部は「このままでは2~3年で学生が来なくなるという危機感があった。これ以上下げる大学が出たら、もうついていけない」。
入学者が募集人員の4分の1にあたる24人にまで減った奥羽大(福島県郡山市)は、11年度に納付金を550万円下げて2175万円にした。教育設備の整備が終わったためというが、担当者は「学生確保という側面もある」と話す。
東京電力福島第一原発事故が、来年度の入学者数に影響する可能性もある。ただ、担当者は「教育の質を落とすわけにはいかない」と、これ以上の値下げには否定的だ。

値下げの引き金は、学生数の深刻な落ち込みだ。
08年度に志願者数が計1万人を割ると、09年度からは4千~5千人台で推移。入学者も、11年度は17校中10校で募集人員を下回った。
背景には、歯科医師の増加がある。
98年には人口10万人あたり69.6人だったのが、08年は77.9人。「過剰論」も取りざたされ、国も各大学に定員見直しを求めている。一方で医学部の定員は、過去最多だった11年度の8923人からさらに増えるため、学生が流れたとみられている。
日本私立歯科大学協会によると、授業で高額な医療機器や3千点にも及ぶ実習資材を使うこと、教員や職員の人件費の負担などから、納付金が高額になるという。同協会の安井利一副会長は「良い学生に入ってもらうためには、学校側の持ち出しもやむを得ない。教育の質は維持できる」と話す。
教育情報会社「大学通信」(東京都)の安田賢治ゼネラルマネジャーは「国公立に比べ、私立の学費は高い印象だった。学生にとっては歓迎できる話だが、値下げして今まで通りの環境が保てるかどうか。そこがきちんと示されないと、学生側は不安では」と話している。

【朝日新聞】



学費の値下げは一種の鎮痛療法でしかありません。そしてその責任は、学校関係者、歯科界だけに押し付ける問題でしょうか。
by kura0412 | 2012-08-27 13:17 | 歯科医療政策 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412