2010年 10月 27日 ( 3 )

高齢者医療制度厚労省案の裏側

厚労省案、「舛添案」に回帰 官僚主導、成立も見通せず 新高齢者医療制度

新高齢者医療制度:厚労省案、「舛添案」に回帰 官僚主導、成立も見通せず

「うば捨て山」などの批判を浴び、民主党が「廃止」を公約した後期高齢者医療制度に代わる新制度案の概要が25日、固まった。だが、75歳以上を市町村の国民健康保険(国保)に移し、国保を都道府県単位に広域化する案は、自公政権最後の厚生労働相、舛添要一参院議員が08年9月に公表した「見直し私案」にウリ二つだ。議論に1年近く費やした揚げ句「舛添案」に回帰したうえ、法案成立のメドも立っていない。

09年衆院選マニフェスト(政権公約)で民主党は、現行制度の廃止を掲げた。しかし、公約作りにかかわった藤村修副厚労相は、9月27日の高齢者医療制度改革会議で「廃止後の詰めた議論はしていなかった」と述べ、後期医療の「廃止」を与党攻撃の材料にしていたことを告白した。
民主党は「腹案」を持たず、議論は官僚主導で進んだ。このため改革案は厚労省が過去に導入を狙いながら、自民党などの反対で進まなかった案を総ざらいした様相だ。
「国保広域化」は、国保の財政基盤強化に向けた厚労省の長年の悲願。「70~74歳の窓口負担2割」は08年度からの予定だったが、選挙前の負担増を嫌った自公政権が凍結したため、厚労省は原則に戻す機会をうかがっていた。

◇総報酬割り導入
改革案の柱の一つは、現役の支援金額の算定方法を、各保険の加入者数を基準とする仕組みから、給与水準に応じた「総報酬割り」に変えることだ。給与の高いサラリーマンの負担を増やし、高齢者や給与水準の低い全国健康保険協会(協会けんぽ)の下支えをすることを意図している。これもかつて、厚労省が検討しながら果たせなかった構想だ。

現行制度の理念は、高齢者にも一定の負担を求め、現役世代の負担を軽減することだった。しかし「総報酬割り」の全面導入で高齢者の負担は抑えられる半面、健保組合は全体の6割、872組合が負担増となり、全体の保険料率も10年度の7・6%から25年度には10・4%にアップする。
20年度、健保組合加入者の年間負担は今より6万1000円増の25万6000円(事業主負担含む)となる。団塊の世代が75歳以上になる25年度は28万9000円で、現行制度を維持するより2000円増える。33万円となる公務員は、現行制度を続けるより1万3000円の負担増だ。
とはいえ、09年度に赤字の健保組合は全体の8割を超えた。どこまで負担増に耐えられるかは不透明だ。
一方、75歳以上で国保に移る人は、20年度の保険料が現行制度を維持するよりは2000円減る。ただ、厚労省幹部は「25年度は乗り切れない」と、将来の一層の負担増を示唆する。

政府は新制度の関連法案を来年の通常国会で成立させたい考えだ。しかし、ねじれ国会の下、厚労省内からも「成立は厳しい」との声が漏れる。
改革案が現行制度の修正にとどまり、頼みの綱の公明党は「変える意味がない」(幹部)と冷ややか。「70~74歳の窓口負担2割」も公明党が凍結を主導しただけに、党内には根強い反発がある。新制度案の原形「舛添私案」を巡っては、当時自民党が「パフォーマンスだ」と突っぱねた経緯がある。高齢者医療制度は「成立しなければ現行制度を続ければよい」(厚労省幹部)と、優先順位は低い。

【毎日新聞】



厚労省から発表された高齢者医療制度の改革案について裏側の実態からの報道で、非常に面白い内容です。
もし、この報道の通りならば、この案の実現は非常に難しいようです。
by kura0412 | 2010-10-27 18:16 | 医療政策全般 | Comments(0)

民主党介護保険改革WTスタート

介護保険法改正に向け議論スタート―民主・介護保険WT

民主党厚生労働部門会議の介護保険改革ワーキングチーム(WT、主査=藤田一枝衆院議員)は10月27日、初会合を開き、政府が来年の通常国会に提出予定の介護保険法改正案についての議論をスタートさせた。WTは11月中にも一定の結論を取りまとめた上で、政府への要望につなげたい考えだ。

この日の会合では、厚生労働省老健局から介護保険制度改正の検討状況についてヒアリングを実施した。
この中で、宮島俊彦老健局長は論点として、
▽介護保険料の在り方
▽介護職員処遇改善交付金の2012年度以降の取り扱い
▽介護保険給付の重点化▽超高齢社会に対応するサービスの拡充―などを挙げた。
その後の意見交換では、山口和之衆院議員が、高齢者の在宅生活を支える受け皿を整備する必要性を指摘したほか、理学療法士の立場から高齢者のリハビリテーションを強化すべきと訴えた。仁木博文衆院議員は、「介護保険は保険である以上、サービスを受けられるのが当然」と介護基盤のさらなる整備の必要性を強調。このほか、初鹿明博衆院議員は介護報酬上の加算について、「(訪問介護の)特定事業所加算などがあるが、利用者の負担が増してサービスが受けられなくなる問題がある」と述べ、在り方を見直すべきとの考えを示した。

■年明け以降は介護報酬を議論
会合終了後、厚労部門会議の石毛●子座長は記者団に対し、年明け以降は12年度の介護報酬改定に向けた議論を進める考えを示した。議論の進め方については、「診療報酬との同時改定になるので、どういう取り組み方をするかが懸案事項になっている」とした上で、「厚労部門会議にWTをつくるか、政策調査会の中に同時改定に関する調査会を設置するか、どちらになるかは決まっていない」と述べた。

(編注)●は金へんに英

【キャリアブレイン】



このWTの位置づけはいま一つ明確にはなっていませんが、歯科は具体的な動きをしているのでしょうか。
by kura0412 | 2010-10-27 15:19 | 政治 | Comments(1)

一部負担増に対しては敏感です

12年度介護保険改正、利用者負担引き上げ検討

厚生労働省は2012年度の介護保険制度改正で、利用者負担の引き上げ策を検討することを決めた。

介護サービスを利用した際の自己負担割合(現行1割)を、高所得者に限って引き上げることや、「ケアプラン(介護計画)」作成時に利用者負担を導入することなどが柱。介護保険財政の財源確保対策が目的だ。28日の社会保障審議会介護保険部会で示し、年内に改革案をまとめる方針だ。
高所得者の負担割合の引き上げは、「能力に応じた負担」を求める観点から検討する。現在、約7・3兆円の給付費は14年度には8・7~8・9兆円になり、65歳以上が負担する保険料(現在は全国平均で月額4160円)も、12年度からは「5000円を超えかねない」(厚労省)と予測されている。保険料の上昇を抑制するには、高所得者の負担割合を高める方法は理解されやすいとの指摘もある。

【読売新聞】



また利用者負担引き上げです。これも医療保険のように、自己負担を上げてそろばんの帳尻合わせとなるのでしょうか。
ちなみに、医療保険より以上に、介護保険の利用者(家族)の利用費に対しては神経質になっていることをお忘れなく。
by kura0412 | 2010-10-27 08:59 | 介護 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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