日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
プロフィールを見る
画像一覧

2010年 10月 09日 ( 1 )

「給与破壊」への受診率への影響

「給与破壊の衝撃」 あなたの給料は全国平均より高い?低い?

サラリーマンの09年平均給与406万円。前年から過去最高の下落額となり、あらためて給与破壊が進んでいる事実が浮き彫りになった。

■「給与破壊」の厳しい現実が到来
会社員の09年平均給与は、およそ406万円。前年に比べると24万円近い減額で、過去最高の下落額だった。日本の会社員の給与はこのまま下降し続けるのか。回復軌道を描く可能制はあるのか――。
国税庁の『民間給与実態統計調査』によれば、民間企業に勤務する4505万人(平均年齢44・4才、平均勤続年数11・4年)に支払われた、09年の給与総額はおよそ182兆円だという。具体的にイメージできないほどの巨額だ。ただし、1人平均にすれば405万9000円。内訳は給料手当350万円、賞与56万円である。読者の給料は、この全国平均と比べてどうだろうか?
09年の約406万円は、前年平均の429・6万円からは23万7000円の下落。国税庁の調査が始まったのは1949年だが、過去にこれほどの減額はなく、ピークだった97年の467万円からは61万円以上のダウン。世紀をはさんだ10年以上を経て、日本の会社員の給与は月々5万円ほど下がっている実態が明らかになった。
給与破壊ともいうべきこの厳しい現実。リーマンショックを契機に日米欧が同時不況に陥り、海外展開を加速させている製造業を中心に業績を悪化させたことが背景にあることはいうまでもない。個々の企業で実態を見ていこう。

■製造業、人件費減額の背景に「残業カット」
製造業の場合は、製造現場に携わる人の人件費(労務費と呼ばれる)と、販売管理部門の人件費は別立てで計上される。たとえば、わが国トップのトヨタ自動車の場合、労務費は約6000億円、販売管理部門の給料手当は1270億円規模である。
新日本製製鉄はそれぞれ、1400億円強、170億円といったところだ(いずれも単体ベース)。これら労務費や販売管理部門の給料手当の推移と、従業員平均給与は密接に連動していることはいうまでもない。とくに、各社とも製造現場部門の労務費の落ち込みが目立つ。
赤字体質からの脱出が急務の日立製作所。同社の従業員年間給与平均はこの3年間、「747万円→755万円→700万円」で推移。07年度から08年度にかけては上昇、そして09年度は前年度比で下降と、結果的に2年間でおよそ50万円のダウンになっている。
これは、「2497億円→2541億円→2195億円」という労務費のアップダウンと同様の推移。組織再編で従業員が減少、販売管理部門の人件費もマイナスになっているが、労務費の大幅な減額が平均給与を押し下げた主な要因といっていいだろう。
この2年で日立は労務費総額を約300億円減らしている。派遣社員などを除き、仮に従業員3万人として計算すれば、1人当たり100万円のダウンに相当。平均給与の減額をはるかに上回る数値である。ボーナスのダウンはもとより、製造不況による現場部門の残業カットや、休日出勤の減少が背景にあることは明白だ。
07年度の平均給与862万円が、09年度は716万円と、この2年間で150万円近いダウンになっているのはキヤノンだ。同社の場合は販売管理部門、とくに研究開発部門の人件費の減額が大きく響いているようだ。
キヤノンのように、研究開発費の内訳を明らかにする企業は例外的な存在。キヤノンは09年度の研究開発費約3000億円のうち、研究材料費534億円、給料手当766億円だったことを開示している。研究開発費総額に占める給料手当の割合はおよそ26%だった。
その研究開発部門と販売管理部門の給与手当合計は、09年度1283億円。07年度の1376億円からおよそ100億円の減額。平均給与の大幅ダウンも当然の流れだろう。
王子製紙は労務費、販売管理部門の給与手当とも右肩下がり。それにともない、平均給与も減額となっている。

■ブリヂストンやコマツ、ファナックの給与推移は?
これからの日本人の給与を考える意味で、ブリヂストンやコマツ、ファナック、さらに東京電力・東京ガス・JR東日本の給与推移も見ておこう。
産業用多関節ロボットや工作機械用のNC(数値制御)で世界トップクラスを走るファナック。同社の従業員平均給与は1000万円超と、製造業としてはトップクラスを誇っていたが、09年度はおよそ800万円。この2年で200万円に迫るダウンである。
建設機械で米キャタピラーに次ぐ世界的ポジションを磐石にしているコマツや、タイヤ世界トップのブリヂストンも同様の傾向だ。
じつは、ブリヂストンやコマツ、ファナックは、多額の赤字を計上してきた日立製作所や赤字基調からの脱出が急務のパナソニック、ソニーなどとは対照的に、リーマンショックによる大幅な売上減少という逆境を乗り越え、黒字経営を維持してきた代表的な企業。
ファナックにいたっては、この2年間で売上高を連結ベースで46%、単体では56%と大幅に減少させているが、それでも黒字を確保するなど強靭な企業体力を示してきた。そのファナックやコマツ、ブリヂストンにしても給与ダウンは免れなかった。
黒字決算でも従業員の給与は上がらない、いや賃金は上がることなくむしろ下がる。そんな厳しい近未来の暗示でなければいいのだか……。
なお、国税庁の『民間給与実態統計調査』によれば、業種別トップは630万円の「電気・ガス・熱供給・水道業」。全業種平均を220万円以上も上回る。その代表的企業である東京電力や東京ガスの給与は、ほぼ横バイでの推移。鉄道事業のJR東日本を含め、社会公共インフラを運営展開している企業は、給与も安定飛行といったところのようだ。

【MONEYzine】



一流企業ですからこの状況ですので、受診率が収入減少によって1番影響ある歯科において、この傾向は深刻な問題です。
放置したためのデメリット、また、早期治療、定期検診での経済的なメリットなどを、口腔内疾患の全身への影響と合わせてしっかりとPRすることがまずその対応の一つです。
そして、一部負担金の引き下げも、改めて歯科界の大きな課題となったことを感じます。
by kura0412 | 2010-10-09 14:59 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
以前の記事
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧