日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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夕刊の定期購読止めました

先月から、地方紙の夕刊を殆ど読まないまま破棄することが多くなったので、ついに夕刊の定期購読を止めました。
夕刊の良かった速報性が、テレビ、ネット媒体の方が遥かに優っており、その価値は必要が少なくなってきたからです。

今、一般紙は、情報収集もさることながら、資料的な意味合いで読んでいるので、通信媒体として新聞を全面的否定することはありません。しかしながら、マスメディアとしての総合的な価値は従来よりも著しく低下しているのが正直なところです。

それが著明に示すのが、紙面広告のレベルの低さです。
一部を除くと、くだらない通販の全面広告など、紙面広告で役に立ちそうなのは、本、雑誌類の紹介以外は殆どないに等しい状態です。広告収入も著しく落ちているとも聞きます。恐らく、広告媒体としての新聞は著しく低くなっているはずです。したがって、マスメディアそのものの媒体の力関係が、日本の社会でも大きく変化しています。
このことが乱立する媒体、それも新聞社の競争を更に激化させ、スクープ合戦、独自の論調を展開するなど、個性を打ち出すことに主力が置かれ、マスコミの底辺となる中立性というものが置き去りにされる素地となってきました。

それと共に、記事のスピードも求められ、一部の特集記事を除けば、締め切り、締め切りの連続で、記事そのものの狙う焦点を十分な吟味することなく、奇抜な、興味本位になりがちになっています。

こうやって考えると、今回の一連の一般紙の歯科が関与する報道は、意外とわれわれが考えるほど、深い意図があってもものではなかったのかもしれません。
よく考えてください。
先生方も、日々の飯の種である現在の公的保険制度の問題を理解している方でも、どれだけの年月を要したでしょうか?どんな有名大学を卒業した記者でも、この医療の問題を1年や2年かじっただけで分かるはずがありません。
少なくても、修正することなく記事の書きっぱなしに終わる記事を掲載した一般紙の歯科界の信頼度は著しく低下しました。

とはいっても、まだ、一般紙のもつ影響力も無視することも出来ません。その取り扱いは難しいのも正直なところです。
by kura0412 | 2009-03-21 12:13 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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