健保連からの意見

問題多い歯科インプラント・議論深めたい保険給付のあり方

国際的な金融経済不安に直面するなかで格差の拡大、食の安全への不安、年金制度問題、資源価格高騰などから生活不安が深刻化してきている。こうした中で福田内閣総辞職後、麻生自公連立内閣が発足し、自民党の麻生総裁、民主党の小沢代表のもとで近く衆議院総選挙が行われることとなった。社会保障制度改革が争点のひとつとなっており、連立与党は後期高齢者医療制度の改善を、野党民主党は医療保険制度の一元化を公約に掲げるようだ。
保険制度の体系、現役世代と高齢者世代の負担のあり方については、健保連がかねてより主張しているように前期高齢者についても国庫負担を投入し、65歳以上を対象とした独立した制度の確立を強く求めていく必要があるが、自立と連帯に立脚した保険者の機能と役割を損なう安易な一元化論には正しい理解を強く求めていく必要がある。それだけではなく、公的医療保険の役割に照らし、産科医療や出産育児一時金など保険給付のあり方について論議を深めていくことも重要であり、その一例として近年急速に普及してきている歯科医療分野でのインプラントの問題を指摘しておきたい。
歯科医療費の総額は約3兆円と推計されるが、そのうち保険医療費は約2兆5千億円と近年ほぼ横ばいないし微減傾向にあり、国民医寮費に占める割合も1980年代半ばの10%台から7・6%へと低下してきた半面、インプラントなど歯科補綴分野を中心に自由診療分が増加し、約5千億円に達すると推計されている。これは、医科のような自然増のない歯科医療費分野では、高齢化、医療費適正化対策の影響が強く現れたものとみることができる反面、歯科医師が毎年約2500人新規参入し、収入確保のためインプラント自由診療への参入に活路を見出していることが背景にあり、このことがまた新たな問題を惹起している。
被保険者・患者の視点から、2つの問題を指摘したい。第1は、治療の質の問題である。口腔インプラント学会に加入し一定の専門知識と経験を有すると期待される歯科医5500人のほかに、知識経験の乏しい恐れのある一般歯科医なども含め合計2万人がインプラント治療に従事しているが、治療を受けた患者からは不具合など様々な苦情をしばしば耳にする。
第2は、自由診療であるインプラント治療費が高額で地域差が大きいことである。全額個人負担となるが、その相場は大都市部では1本50万円程度であるから全部をインプラントにすると約1千万円と高級外車1台分ほどが口の中に入ることになるし、地方では1本15万円をきっているようだ。
この際、歯科医療費について、インプラントを含め、保険給付、診療報酬体系と財源配分のあり方を全般的に見直すとともに、保険給付への位置づけについて国民の視点に立った検討が行われるよう提案したい。

【健保連HP:2008.10.16】



健保連からのこの考え方を歯科界としてはどう捉え対応するか?
歯科の窮状を内外に理解してもらい、歯科のパイを広げるいい機会かもしれません。
ただ、あくまでも慎重に、念密に。
by kura0412 | 2008-10-17 11:37 | 歯科 | Comments(0)