シーリング問題は解決の方向へ

診療報酬減額回避へ 健保組合、政管肩代わり大筋了承

厚生労働省は4日、08年度の診療報酬改定で、医師の収入に直結する「本体部分」について、現状の水準維持か小幅の増額をする方向で検討に入った。中小企業向けの政府管掌健康保険(政管健保)への国庫負担をめぐり、大企業の健康保険組合が「1年限りの暫定実施」という条件で肩代わりを受け入れる方針を固め、診療報酬をマイナス改定しなくても社会保障費抑制のめどが立ったためだ。
診療報酬は、手術や検査といった「本体部分」と薬価などからなる。本体部分は小泉政権下の02年度に初のマイナス改定となり、前回06年度も1.36%引き下げられた。今回、増額されれば8年ぶり、現状水準の維持ならば4年ぶりとなる。
だが、薬価は市場価格を反映して08年度も1%程度引き下げられる見通しのため、仮に本体が引き上げられても、薬価と本体を合わせた診療報酬全体では、02年度から4回連続のマイナス改定になる。
年末の予算編成で全体の改定率を決めたのち、厚労省は勤務医の負担軽減策や産科・小児科医療への報酬を手厚くするなど個別項目の評価を来年2月までに決め、医師不足の緩和を図る考えだ。

自民党の厚生労働部会もこの日、本体部分のプラス改定を政府に求める決議を採択している。
政管健保への国庫負担を削減し、健保組合などに負担を肩代わりさせる案は、診療報酬のマイナス改定を避けるために厚労省が検討。健保組合や経済界などは強く反発したが、恒久的措置ではなく、1年限りとすることで与党が説得していた。
その結果、健保組合は、公務員や私学職員が入る共済組合と計1000億円を拠出する方向で大筋合意した。財政がより不安定で保険料率も高い政管健保に対する「協力金」や「支援金」などの名目とする。
厚労省は08年度予算の概算要求基準(シーリング)で社会保障費の伸びを2200億円抑制するよう求められている。健保組合などの肩代わり拠出と、薬価引き下げや後発医薬品(ジェネリック)の使用促進で目標をほぼ達成できる見通し。ただ、肩代わり拠出が1年限りとなることで、09年度以降は歳出削減の上積みが求められるなど火種を残すことになる。

【朝日新聞:2007年12月05日】


シーリングの問題はこれで一応の決着の方向に進みそうで、まずマイナス改定は回避されそうです。
そして、いよいよプラス改定へ向けての攻防ですが、薬価引き下げの財源はシーリング削減に回され、自民党税調でたばこ増税は見送られそうです。
さて、どんな秘策があるのかないのか、最後は財源と、政府、福田首相の決断です。
by kura0412 | 2007-12-05 14:25 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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