変わってないですね、この業界は

歯科医指導で便宜、社会保険庁技官を収賄容疑で逮捕
 社会保険庁の指導医療官が、出身大学である東京歯科大(千葉市美浜区)のOBの歯科医らに監査や指導で便宜を図る見返りに、同大の同窓会幹部から現金2百数十万円を受け取った疑いが強まり、警視庁捜査2課は16日、栃木社会保険事務局の指導医療官・佐藤春海(はるみ)容疑者(57)を収賄容疑で、同大同窓会副会長で日本歯科医師会前専務理事の内山文博容疑者(66)ら2人を贈賄容疑で逮捕した。

 佐藤容疑者は同窓会側ら総額約1000万円に上る資金提供を受けていたとみられ、捜査2課は、同大の同窓会組織が、歯科医を監督する側とされる側の癒着の温床になっていたとみて追及する。

 ほかに贈賄容疑で逮捕されたのは、内山容疑者とともに同大同窓会副会長を務めている歯科医師の大友好(よしみ)容疑者(73)。

 調べによると、佐藤容疑者は、指導医療官として同庁東京社会保険事務局などに勤務していた2002年~05年、同大OBの歯科医らとの勉強会の場で、社会保険事務局から監査や指導を受けた時の対処法を教えるなどした見返りに、内山、大友両容疑者から現金2百数十万円を受け取った疑い。内山、大友両容疑者は、贈賄罪の時効(3年)にかからない現金数十万円のわいろを佐藤容疑者に渡した疑い。

 佐藤容疑者は東京歯科大出身で歯科医師の資格を持ち、都内で勤務医をしていたこともあったが、1994年4月、同窓会から送り込まれる形で同庁の指導医療官に就任していた。

 全国の社会保険事務局に所属する指導医療官は、医療機関の保険診療が適切かどうか指導や監査を実施する立場にあり、「悪質」と判断すれば、保険医の登録の取り消しを求めるなどの強い権限を持っている。

 佐藤容疑者はその一方で、東京歯科大の非常勤講師も兼務しており、母校の内山容疑者らと定期的に会合を持ち、1回約50万円、総額は1000万円近くの現金を受け取ったほか、飲食の接待もたびたび受けていたという。

 内山容疑者は06年4月から日本歯科医師会の専務理事を務めていたが、今年3月末、「健康上の理由」で辞任していた。

 東京歯科大は、明治時代の私塾から続く国内最古の私立歯科単科大学。卒業生は1万4000人に上り、同窓会は、日本歯科医師会の内部で日大歯学部の同窓会と並ぶ最大派閥の一つ。

(2007年5月16日11時9分 読売新聞)
by kura0412 | 2007-05-16 11:46 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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