まず今の歯科の枠組みを死守すべき

国民医療費における歯科医潦費の割合が10%切ってから久しくなります。先日資料作成の為、そのデーターをみると1990年に10%を切って、04年には7.9%まで落ち込み、介護保険を入れれば6%台ともいわれています。
思えば90年はバブルが終焉を迎える同じ時期です。そのラインを切った理由には、薬価差額による財源の振り分けで歯科は冷遇されていました。しかし、理由はそれだけでなく、その抑制された分を自由診療へ走って帳尻をあわしていた部分もありました。その当時は日本の社会全体がバブルですから、比較的自由診療にもっていけるベースもありました。
その結果、公的保険ベースでは医科全体は著しく上昇しているにも関わらず、歯科の医療費は全く増加しない現象となり現在の状況があるわけです。
そこに、昨日の大阪先生のコメントにもあるように保険外併用療養費、また、後期高齢者医療制度の議論が現在進む中、「延命治療」「急性疾患」「重篤な疾患」というキーワードから外れる歯科は更に、その公的保険の枠の中からはみ出ようとする動きがあります。そして、歯科はそれに追随するかの動きも一部にはあるわけです。
何か過去の過ちを繰り返している流れになろうとしている印象をぬぐい捨てられません。
私は、まず増やす努力を怠らない。そして、万一増えなかったとしても、現在の歯科の枠組みをしっかりと確保し、死守する努力が必要だと思うのです。
その努力なしで、負担が増えるばかりの変形された医療制度、医療費の仕組みを国民は支持するはずがありません。
by kura0412 | 2007-02-22 15:59 | 歯科

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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