この危機感を歯科界は認識しているのか

政府、与党は今後5年にわたる歳出削減案を決定しました。
人件費、公共事業、地方交付税などの財源不足の7割を歳出削減し、残りを増税というのが2011年度までにプライマリーバランスを黒字化する為のシナリオとなりました。
もちろん社会保障費も例外なく、1兆6千億削減目標とされていますが、雇用保険への国庫負担廃止、薬価の引き下げなどの削減策を入れても残り1兆円強が不足し、それを医療費のより一層の削減によって捻出しようという目論みです。
ここには薬価引き下げで浮いた財源を、1.5%をはるかに越えたマイナス改定の穴埋めに振り向けるという発想は生まれません。
医科は分かりません。しかし歯科でもうこれ以上、財源を削減しマイナス改定を実施したら、完全に公的医療保険は崩壊します。このままでは本当にやばいです。
これはマクロな政治的な問題です。そしてその影響がわれわれの日常臨床現場にもろに襲ってきます。この危機感をどれだけ歯科界は認識しているのでしょうか?
by kura0412 | 2006-06-27 15:33 | 歯科 | Comments(13)
Commented by 努落下 at 2006-06-27 18:13 x
社会保障費の財源削減は決定しましたが、医療分野では、具体的な削減策が挙げられていた「保険免責制」「患者の自己負担割合の引き上げ」「診療報酬の抑制」の3点は結果的に削除され、公的給付の内容の見直しを含む抽象的な表現に改められました。
 財源論に打ち勝つためには、医療の中身を充実させ、国民の支持を得なければなりません。
 本日、経済同友会が「骨太の方針2006」に向けて━を発表しました。その中で、「医療制度改革を進める一方、患者の安全・安心を確保するための体制を整備する。」ことを求めております。
 歯科にも関係すると思われる一部を紹介します。
・混合診療は「予防医学的な医療行為など可能なものから解禁し、最終的には混合診療の全面解禁につなげる。」
・医師免許を更新制とする。「メディカルスクール」を設置する。

<次へ続く>
Commented by 努落下 at 2006-06-27 18:16 x
今必要なことは、国民から納得され、支持される口腔保健・医療の向上策を示し、一刻も早い向上策の実現に向けた行動ではないでしょうか。
例えば、「健康な心と身体は口腔から」といったスローガンを掲げ、「健康増進法」では不十分な歯科健診の充実に加え、医科と関連の深い口腔と全身疾患、摂食・嚥下などを網羅した「口腔保健法」を制定し、口腔の健康を通して国民の健康増進を図ることが必要であります。同時に、治療から予防への医療制度の抜本改革を行うことが、質の高い歯科保健・医療を国民に提供することが可能とし、歯科医院経営の安定に繋がると考えられます。
 そのためには、資質の高い歯科医師を確保する観点からは歯科医師教育制度などの改革も必要であり、米国の「4+4」のデンタルスクール方式を取り入れることにより、「口腔保健法」に対応した教育制度が構築でき、卒後研修制度の充実と免許更新制度の導入により、大学の入学時、卒業前(在学中)、卒業後の各ステージでの資質向上が可能であります。
 大学教育・生涯教育制度の向上・充実なくして、医療の向上・充実はなく、医療制度改革も財政主導に終始するでしょう。
Commented by 千葉県 池田 at 2006-06-28 17:41 x
同友会は数年前までは経団連の下で趣味の集団的なものでしたよね。医療制度、雇用制度については経団連という暗黙のしきりでした。経団連は産業からみたら高齢者医療など負担したくない。同友会はアメリカンファミリーにしたら、混合診療で自分たちの保険にはいったらいいよねといううがった見方をされてしまう。あくまでも自分のところにメリットがあると勉強してハイエナのように群がってみえるのは私だけでしょうか。

その動きと歯科が自らの襟をただすのは別として、いつかほころぶ国の医療制度改革は、民間保険会社の参入から浮かぶ「市場の失敗」です。国は秩序を戻すべく公的手段を投じなければならなくなります。それが市場の失敗です。それとはまったく別の次元で公益としての襟をたださないと、せっかくの姿勢が相関関係を探られてしまいます。
Commented by G3 at 2006-06-28 21:10 x
「骨太の方針」コミットメントなんでしょうか?日産カルロスゴーンさんのコミットメントも、販売台数などを見ると厳しいのじゃないですか。 骨太といえども無理があれば簡単に折れそう。
池田先生の「ペットボトルの水」を県技の知人に送りました。 ご了承ください。
平成35年が舞台となっていますが、執筆された池田先生同様、私もすでに状況は小説のようになりつつあると思っております。
抗うよりも流れに乗ればよいのでしょうが、50を越えるような世代には無理じゃないかと。
では、20代30代の世代が流れに乗れるのかといえば、そもそも人材が入ってもこないし直ぐには育つ事も無い。
Commented by G3 at 2006-06-28 21:14 x
保険制度の破綻や改定があっても、まだまだ我々世代が入れ歯作りの先頭なのかもしれません。
ならば尚の事料金や価値の正当な要求をしないといけないんだと思うのです。
結局、お金に戻るのかな。 保険のくびきを離れた正当な料金。
それなくして人材は育たないし育てられない。
保険という公定価格での価値を認めつつも、負の競争を仕掛ける事で国の責任や患者負担を減じてきた。
それが続けば、人材も技術も枯渇し途絶えるのだと国は認識するべきだ。

最後に困るのは国民と歯科医師でしょうか。 歯科技工士が仕事を止めたからといって歯科技工士が困る事は無いのだから、どんどん止めていけばいいのでは。 
  
Commented by 千葉県 池田 at 2006-06-28 22:28 x
>G3さん
先般の国会で強行採決された医療制度法案には恐ろしい文章が入っています。51年に出された歯科のいまある混合診療を認める通達が廃止されるんです。もしかすると、メタボンを入れるには根治の段階から自費になるかもしれません。補綴はずしになるか、材料差額になるか、大きな分岐点が秋にありそうですよ。注目しないと自民党がすべて決めてしまいます。いまこそ歯科医師も技工士も協力しないといけませんね。
Commented by G3 at 2006-06-28 22:58 x
池田先生今晩は

怖い話ですね。 最近受注が持ち直したかなと思い始めた矢先に。 需要は大きく後退するのでしょうか。
歯科技工士の実感として、受け取る模型に自費のMBと保険のHCで明確な差異を認めることは殆どありません。 シリコーンでの印象は一軒もございません。
ですから私にとってはMBもHCも金属と前装材の違いでしかありません。 模型作製から仕上げまでマイクロスコープ下での作業など保険だからと手を抜く事は出来ません。
しかし、MBクラスの料金を頂いてやっと生活できる収入になるのです。 全てがHCとなったら止めるか義歯専門に移行するしか道は残されていません。
そろそろ夏休みの予定をと小学生の子供達がせかします。厳しいなあ。 余裕まったくないし。
Commented by G3 at 2006-06-28 23:13 x
日技の中西会長も自民党の2次公認に入ったようです。
私が感じる日技の役員達は大手ラボの経営者かその関係者です。 ワンマンラボの歯科技工士が日技役員を務めるのは時間や経費の負担からして無理があります。
日技の運動方針も大手ラボの思惑に添っていると見ています。 日歯はどうなのでしょうか?確実に休みも取れるし活動費も出せるでしょうから個人の歯科医師でも県や日歯レベルの役員もなんとかこなせるでしょうが、これからは専任できる人になって行くのでは?
私が言いたいのは、日技はすでにエバンスなど持たず、会務に専念できるだけの基盤を持った人がトップを占めていると言う事です。 その人達の目線に、患者さんも一般開業歯科医師も少人数のラボや個人歯科技工士は入っていないと言う事です。 日歯の役員クラスの方たちがどこまで一般開業医の目線を失わずに居てくれるのか。 中西は選挙などに出るべきではありません。
Commented by 努落下 at 2006-06-28 23:39 x
G3さん
 私は一時大学で補綴科に在籍しておりましたが、開業して数年後の20数年前から、歯科技工士が仕事を止めて困るのは歯科医師と国民だと感じておりました。
 歯科技工士の仕事に対する余りの低い評価を憂い、20年程前にはドイツのように歯科医師と歯科技工士が別々のレセプトで請求することを主張しました。しかし、歯科医師(会)は元論、知り合いの歯科技工士にも夢物語と一蹴されました。
 なお、日本の歯科医師は歯科技工士のおよそ2倍ですが、ドイツは歯科技工士が歯科医師のおよそ2倍です。日本の歯科医療費が先進国で低いとの主張がありますが、日本の歯科技工料金は先進国の四分の一以下です。

<続く>


Commented by 努落下 at 2006-06-28 23:41 x
G3さんご指摘のように、今こそ歯科技工士は行動すべきです。国民に歯科技工士の実情(実際にわが国の歯科技工物の製作は歯科医師ではなく、95%以上が歯科技工士の低賃金による)を、ストライキも辞さない覚悟で訴えれば情勢は一変するでしょう。
 歯科医療界を良くするには、歯科医師ではなく、歯科技工士・歯科衛生士等の待遇改善が必須です。歯科医療従事者にはなるのは難しいが、やりがいがあり、なりたい優秀な人材が集まるという環境づくりが大切です。
 今までは、歯科医師の待遇改善(=診療報酬のアップ)を歯科医師は望み、「政治力というまやかし」で取り繕ってきました。しかし、21世紀は、「国民の声」>「マスコミの声」>>「既得権益の声」であり、21世紀の政治力とは国民・マスコミの声であります。職域の参院議員だけに期待するのは如何なものでしょうか? 
Commented by G3 at 2006-06-29 12:06 x
努落下さん

コメントありがとうございます。 
歯科医師と歯科技工士の比率は最低でも1:1は必要でしょう。歯を削るのと、復活させるのとで時間が同じ訳が無いです。
「蝿を殺して潰すのは一瞬ですが、人間は蝿を生み出す事は出来ない。」誰かが言っていました。多分、養老先生かな。
歯だって同じ。 誰も本物は再生出来ない。例え代りの物であっても、一瞬では出来ない。
時間=マンパワーであるのなら、歯科医師1人に歯科技工士2人でも足りないはず。
それなのに日本はどんどん減っている。
Commented by G3 at 2006-06-29 12:06 x
国の思惑通り歯科需要が減って行くなら良いかとも思えますが、現状でも半分なのですから、需要と供給が均衡することは簡単ではないでしょう。 足りないのだったら価値は上がって行きそうなものだけど、公的保険の制約があるのをいい事に、蛸が足を食う以上の共食い状況に追い込んで更に数を減らさせ収入も奪っていきます。
それを国も組織も一緒にやっているようなものです。 
チェアサイドに一人の歯科技工士が印象採得から模型作製まで責任を持って専任するだけで、診療の効率や精度は飛躍的にアップするはずです。
そのような事は夢物語ですが、歯科医師が歯科技工専従で勤務するようになる事は夢ではないかもしれません。
私には歯科医師こそ歯科技工のスペシャリストで無ければならないと思えるからです。
Commented by Alex at 2007-07-13 09:02 x
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コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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