今度はレセコンのオンライン化

厚労省は医療機関でのIT化を加速させる為に、向こう5年間の経過措置を設けた上、レセプト請求を11年度からオンライン化を原則とすることにしたとの報道です。
このオンライン化でのメリットが医療費の効率、省力化を謳っていますが、その裏には、この医療業界の膨大なIT化需要の拡大があります。昨年の日歯の一連の事件の発端にもなった経産省のE-japan計画はそれを裏づけます。そして、社会のIT化の流れは阻止できないと判断しその実権を確保すべく、全国に張り巡らしている社会保険事務所の弱体化を甘受しても、厚労省は今回推進する決断をしたものと推測します。
しかし、ここでわれわれは意見を呈さなければなりません。
まず、このIT化に対する初期費用はどうするのか?レセコンのリースが途中の診療所、病院は新たなシステム導入となるわけです。二つのシステムを併用出来るほどの経済的な余裕は現在の病院、診療所はありません。手書きの年配の先生ではこのIT化によって診療を辞める方も出てくるかもしれません。
そして、一番の問題は、現在の歯科の診療報酬があまりにも細かすぎる、制限がある為に、果たしてIT・オンライン化が可能であるか?その是正が必要です。レセコン会社の社員に聞いたところ、歯科の対応が出来ればどんなレセプトも対応は可能であるという話を聞いたことがあります。特に、最近の縛りによって、摘要欄記載が以上に多いのは先生方も毎月のレセプト作業で感じられるところです。医科ではこの摘要欄の記載がどの程度あるのかまでは分かりませんが、このIT化に則す様な形に保険点数が変化するのか、あるいは技術的に既にそれは対応が可能なのかは分かりません。しかし、この細かい作業の中でのオンライン化、くれるものくれて言われるのは仕方ないとしても、マイナス改定を強いられそうな状況でこの提案はたまりません。
まだ、この議論は紆余曲折しそうで今後の推移に注目です。
by kura0412 | 2005-11-22 12:35 | 歯科

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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