チャンス到来、具体的なアクションプランは

予防医療、不足なら「罰則」 自治体交付金を減額
厚労省が来年度から 健康教育・検診の強化促す

厚生労働省は2020年度から、予防医療への取り組みが不十分な自治体に「罰則」を科す。事業ごとに加減点数を設け、実施率が低い自治体には減点に応じて交付金を減らす。一方で実施率が高い自治体には手厚く交付金を配分する。企業と連携した健康教育など新たな指標もつくる。厚労省と財務省は関連予算枠を今より5割増の1500億円規模に拡大し、予防医療の強化を促す。

国民健康保険(国保)の保健事業では、特定健診(メタボ健診)の実施率や健康診断の受診率、後発医薬品の使用割合などが高い自治体に交付金を手厚く配分する制度がすでにある。19年度までは1000億円の予算枠を設けてきた。20年度以降は1500億円を原資に、これらの項目の一部で「マイナス評価」による減点方式も採用する。
過去の実績よりも実施率が下がったり、全国平均より低かったり、といった項目があった場合、獲得点数が減る。点数が低いほど交付金も減る。ある項目で高い点数を取っても、ほかの分野の実施率が低いと相殺される。予防医療や健康づくりにまんべんなく取り組まないと交付金が増えない仕組みに改め、自治体による予防医療への動機づけを強める。
交付金を減らされかねない自治体の警戒心は強い。政府内には「激変緩和措置として、段階的に減点の幅や対象事業を広げることもあり得る」との声もある。厚労省と財務省は年末の予算編成過程で詳細を詰める。

現行は1000億円の関連予算策も拡充する。厚労省と財務省は20年度当初予算案で新たに500億円の予算枠を追加する方向で調整に入った。
500億円のうち、一部は新たに設ける予防・健康づくり事業に必要なお金に充てる。具体的には医療機関の専門職による保健指導、住民の健康や医療情報のデータベース構築、各種検診へのICT活用などに使ってもらう。残りはこれらの事業の達成度合いに連動して自治体に交付する原資にする。
国保の被保険者数は06年度の3678万人をピークに減少に転じた。国民健康保険中央会によると、17年度(速報値)は2945万人と3千万人を割り込んだ。
被保険者の4割超を医療費がかかりやすい65歳以上の高齢者が占める。その比率がさらに高まるのは確実だ。高齢化と医療技術の進歩を理由に、1人あたりの保険給付費は16年度で年30万7500円と5年間で約2割増えた。
予防医療を充実させれば、健康寿命が延びて医療費や介護費が増えるとの試算はある。しかし、高齢化に伴う病気を事前に防げれば、高齢者が元気に働くことができ、納税を通じた社会保障費の負担の担い手を増やす効果が期待できる。予防医療や健康管理、生活支援サービスといった「ヘルスケア市場」が新たな医療関連ビジネスとして育つ下地にもなる。
政府は6月に閣議決定した成長戦略実行計画で「公的保険制度における疾病予防の位置づけを高めるため、保険者努力支援制度(国民健康保険)の抜本的な強化を図る」と明記した。関連予算枠の拡充と成果に連動した交付金の減額制度の導入はその具体策で、予防医療や健康づくりへの取り組みを推進する狙いだ。

(日経新聞)


チャンス到来。果たして歯科界の具体的なアクションプランは?
by kura0412 | 2019-11-08 08:53 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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