「健康データ」に成長の芽

伝統スタイル変える生保 「健康データ」に成長の芽

生命保険会社の伝統的な商品や販売手法が変わり始めている。ヘルスケア関連のサービスを保険と組み合わせたり、大手生保がネット販売に取り組み始めたりしている。金融業界の中でも保守的とされてきた保険業界に変化の兆しが出てきた。

「保険金を支払ったわけでもないのに契約者から感謝されるとは」。住友生命保険の橋本雅博社長は発売から1年を迎えた健康増進型保険「バイタリティー」が、契約者との関係にもたらした変化を実感する。
バイタリティーは健康診断の結果や日ごろの運動などの取り組みに応じて保険料が増減し、健康的な生活をするように動機づけるユニークな設計だ。1年間で契約者の1日当たりの平均歩数は2割増え、血圧が高かった契約者の約5割で血圧が下がるなど一定の効果を示した。
日銀がマイナス金利政策を導入して3年以上が経過し、国債での運用は一段と難しくなった。貯蓄性の高い保険商品は販売休止が相次ぐ。一方、金利に左右されない「健康」は、医療費の抑制や健康寿命の延伸といった社会の要請も背景に、生保への新たなニーズとして高まってきた。

日本生命保険は来春にも、健康保険組合などに対して糖尿病の予防サービスを始める。
糖尿病の予備軍や、腹囲や血糖値が高めの人を対象に、病院の保健師が食事や運動の改善を指導する。
19年度は自治体などを対象に1000人規模の実証実験を実施し、データの蓄積を進める。血糖値を24時間モニタリングするのに加えて、体重や血圧、歩数などのデータを組み合わせることで、予測や予防の精度が高まってきたという。
蓄積したデータの使い道は、健康や予防サービスにとどまらない。第一生命保険は1000万人の医療データを分析し、保険加入の間口を段階的に広げている。これまで加入できなかった一部の高血圧や糖尿病などの基準を引き下げたことで、年間約2万件の引き受けが新たに可能になった。
拝田恭一事務企画部長は「高齢化で健康不安を抱える人が増えるなか、放っておけば保険に加入できる人のパイは縮小してしまう。データを活用し縮小させないことが重要だ」と話す。
例えば目に持病がある人は、他の病気のリスクも高いとみなされ排除されてしまう。しかし、他の病気との関連がないとデータで明らかになれば、目のリスクを取り除いた保険の設計が個別に可能になる。
蓄積した健康データを使って最適なサービスを提供しようという動きもある。SOMPOひまわり生命保険の大場康弘社長は「保険販売ありきではなく、介護などのグループ内のヘルスケアサービスと保険を最適なバランスで提供していく」という。死亡保険が飽和状態にある生保業界で、健康データは新しい成長ビジネスにつながり得る芽を抱えている。
大手生保は万人単位の営業職員を動員し、職場で働き盛りの契約者を大量に獲得する販売スタイルを得意としてきた。だが、職場訪問が難しくなった今は多様化した働き手のニーズもとらえきれなくなってきた。生保を取り巻く環境の厳しさが伝統スタイルからの脱却を促している。

(日経新聞)



この視点からならば歯科でも提案でくることもあるはずです。民間保険ならば直ぐに実行に移れるのですが。
by kura0412 | 2019-10-10 09:00 | 医療政策全般 | Comments(0)

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