「社会保障改革7年ぶり始動」

予防医療、企業に補助金 社会保障改革7年ぶり始動

政府は今秋、医療や年金など社会保障制度の全体像を見渡した改革を再始動する。
糖尿病などの生活習慣病の早期治療などに力を入れる。予防医療に積極的に取り組む企業を補助金などで支援し、社員の負担を軽減する案などを検討する。年金改革は公的年金の受給開始年齢の上限を75歳に上げ、パートにも適用を拡大する方向だ。7年ぶりの改革で膨張する社会保障費をいかに抑制できるか成果が問われる。
政府が本格的な社会保障改革に乗り出すのは、2012年に当時の民主党政権が自民、公明両党と消費税率を5%から2段階で10%に引き上げるのを決めた社会保障と税の一体改革以来だ。
政府は並行して財政改革にも取り組んできたが、高齢化に伴う医療費などの急増に対応しきれていない。

22年度から団塊の世代が後期高齢者の75歳以上になり始め、40兆円を上回る医療費を中心に社会保障費の急増が見込まれる。負担増など痛みを伴う改革への切り込みが課題だ。
今回の改革は安倍晋三首相や菅義偉官房長官が取り組んできた「全世代型社会保障」の総仕上げの位置づけだ。首相はさらなる消費税増税を否定しており、予防医療や年金の担い手拡大などを改革の柱にする。月内に有識者会議を立ち上げる。
生活習慣病の患者数は全国で約1800万人いる。予防医療に積極的な広島県呉市はレセプトデータを基に糖尿病患者に保健指導したところ、新たに人工透析した患者数が6割減った。内閣府の試算では喫煙や血糖値などリスク項目が多く当てはまる社員の1割がリスク要因を改善すると年3200億円削減できる。

予防医療に取り組む企業への支援は、例えば少量の血液でがんを見つける高度な検査で、健康保険組合などが費用を補助しやすくする。人間ドックの個人負担の軽減も探る。体重や1日の歩数などをスマートフォンで管理し、糖尿病の兆候がある人に医師が改善を促す仕組みをつくる。フィットネスジムの利用負担の軽減も検討する。
給付と負担の是正も進める。年齢にかかわらず外来で受診した人の窓口負担に一定額を上乗せする「受診時定額負担」の導入を検討する。花粉症薬や湿布などを保険対象から外すことも進める。

年金制度は受給者の増加を見据えた改革に着手する。公的年金をもらい始める年齢は現在60~70歳の間で選択できるが、上限を75歳に引き上げる方向だ。元気な高齢者は働けばより多くの年金を受給できるようにする。働いて一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度も縮小し就労意欲を高める。
政府は将来的にすべての労働者が年金に加入する「勤労者皆年金」をめざす。雇用者数は約6000万人と5年前に比べ約400万人増えた。増加分の多くが約1500万人いるパート・アルバイトが占める。
現在、厚生年金は(1)従業員501人以上の企業に勤める(2)労働時間が週20時間以上(3)月額賃金が8.8万円以上――などの要件を満たす労働者を対象にする。まず従業員の規模要件を500人以下の企業に段階的に引き下げる方向だ。
介護保険を利用する際の自己負担の引き上げも検討の対象とする。現在の負担は原則1割で、一部の高所得者が2割だ。これを原則2割に引き上げるか判断する。
改革の全体像は政府が20年6月ごろに閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む。

(日経新聞)



社会保障全体の枠組みの中で歯科の位置づけをどう考えるのか。先ずはその議論の輪の中に入ることを肝要です。
by kura0412 | 2019-09-03 09:03 | 医療政策全般 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412