老朽パソコン

IoT導入阻む「老朽パソコン」
サポート切れ、工場に数十万台 予期せぬ生産停止懸念

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の波に国内の工場が乗り遅れている。原因の一つはサポートの切れた「老害パソコン」が数十万台規模で稼働していること。生産設備と密接に絡み、更新すると予期せぬ停止を引き起こすリスクがある。だが放置したままではサイバー攻撃の標的になりかねず、対策が急務だ。
千葉県松戸市のパソコン修理専門店「ピーシーエキスパート」には、全国各地から旧型パソコンの修理依頼が押し寄せる。毎月の引き合いは100件以上にのぼる。店内には「ウィンドウズ95」など旧式の基本ソフト(OS)で稼働するパソコンがずらりと並ぶ。

大手でも「延命」
記者が訪れた日に修理していたのは高炉大手の「製鋼用クレーン端末」だ。液晶ディスプレーが故障して設備の制御に利用できなくなったため、部品を丸ごと交換していた。同店の森田達也代表取締役は「古いパソコンをどうにか延命させたいと、中小製造業はもちろん、自動車などの大手も駆け込んでくる」と打ち明ける。5インチフロッピーディスクを搭載した30年前のパソコンを持ち込む企業もあるという。
国内パソコン市場は特需に沸く。米マイクロソフトが「ウィンドウズ7」のサポートを2020年1月に終了するのを控え、更新需要が高まっているためだ。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、19年4~6月のパソコンの国内出荷台数は217万台と、前年同期比で36%増えた。
だがピーシーエキスパートの活況は、「7」より古いOSを搭載したパソコンが延命措置を受けながら稼働し続けている実態を浮き彫りにする。正確な統計はないが、サポートが終了した旧式のパソコンは国内の工場だけで数十万台を優に上回るとみられる。
1980年代以降にパソコンが普及し、多くの工場で生産設備の制御を担うようになった。
ただし、パソコンの耐用年数が4~5年であるのに対し、生産設備は数十年にわたって使い続けることが多い。日本機械工業連合会(JMF)が6月に公表した生産設備保有期間実態調査によれば、導入から10年以上が経過した設備が62.4%を占め、30年以上も19.1%ある。

刷新費用足かせ
一般的に工場は、いったん稼働させたらシステム構成を維持し、変更を避ける傾向がある。設備の安定稼働を重視するためだ。うかつに制御用のパソコンだけを更新し、制御用ソフトが動作しないなどのトラブルで設備停止を引き起こせば膨大な経営損失を招く。
生産設備とパソコンを一緒に刷新するには数千万円規模の投資が必要となり、決断しにくい。その点、パソコンの修理のみなら数十万円で済む。こうして寿命が尽きても引退しない「老害パソコン」が増えていく。
短期的には、だましだまし使い続けるのが合理的だろう。だが先送りを続けてきたことで、老害パソコンは様々な問題の温床となっている。
特に深刻なのは、IoTの導入を停滞させることだ。老害パソコンが居座る現場では、生産設備にセンサーなどを装着して稼働状況を分析しようと思ってもうまくいかないことが多い。OSが旧式だとサイバー攻撃への対策が難しくなるためだ。サポート切れのOSでは、セキュリティーの欠陥が発覚しても原則的に修正されない。工場のサイバー対策に詳しいラックの木田良一IoT技術研究所チーフは「安易にインターネットに接続するのは危険」と話す。
17年に猛威を振るった身代金要求ウイルスの「ワナクライ」はここにつけ込んだ。欠陥を修正せずに使い続けていたパソコンに感染し、ホンダなどの工場を一時、操業停止に追い込んだ。
最新の調査からもIoT導入が停滞する様子がうかがえる。総務省の「平成30年通信利用動向調査」によると、IoTと人工知能(AI)の両方またはいずれかを導入済みの製造業は16.6%にとどまっている。

ここに商機を見いだしたのがKDDI子会社のソラコム(東京・世田谷)だ。専用通信回線を使い、社内ネットなどから切り離した環境でIoTを導入できるサービスを提供する。製造業以外も含むが、契約数は6月に100万を突破した。
ただ独立した環境でも万全とはいえない。保守作業などで外部からUSBメモリーなどを持ち込んだ際に、ウイルスに感染する恐れがある。老害パソコンに早く別れを告げることが、最も確実な対策だ。

(日経新聞)



オンライン化導入に対して大きなハードルの存在を示しているかもしれません。
by kura0412 | 2019-08-29 11:38 | 経済 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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