「医師処方の市販類似薬、患者負担上げ 厚労省が検討 」

医師処方の市販類似薬、患者負担上げ 厚労省が検討
保険財政圧迫に対応

厚生労働省は、医師が処方する軽症向けの市販類似薬について患者負担の引き上げを検討する。一部の湿布や漢方薬を念頭に、定率の1~3割負担に一定額を上乗せする案が浮上している。がんなど重症向けで増える高額薬は保険の対象に加えていく方針で、保険財政を圧迫する。市販薬があるのに病院で処方される薬は年5千億円超あり、これに切り込む。
今秋以降に社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会などで議論し、21年の通常国会で関連法の改正案の提出をめざす。

厚労省が検討対象にするのは、処方箋なしで買える市販薬に類似した医療用医薬品だ。
具体的には一部の湿布やビタミン剤、漢方薬、皮膚保湿剤などが含まれる見込みだ。患者の自己負担は現役世代なら原則3割、75歳以上で現役並みの所得がなければ1割で済む。残りは健康保険からの給付や税で賄われる。患者としては市販薬より安価に入手でき、安易な受診につながりやすい。

日本経済新聞の調査では市販薬と同じ成分を含む医薬品の処方額は16年度で5469億円だった。
財務省によると、ある湿布薬は医療機関なら3割負担で96円だが、同じ有効成分を含む市販薬は2551円だ。財務省は価格差が大きく問題だとして、こうした薬について保険から外すべきだと主張している。一方、厚労省は保険適用を維持したうえで「保険の重点を重症者向けに置く方が適切だ」との姿勢を強めている。
厚労省内では従来の1~3割の「定率負担」を据え置き、1回500円といった「定額負担」を上乗せする案がある。保険薬局で500円の定額負担を求めると、国費で年1000億円の削減につながると試算する。このほか、患者の自己負担率を現状から引き上げる案もある。
薬の患者負担の見直しや保険外しは過去に何度も議論されてきたが実現していない。「公的医療保険の給付範囲の縮小は国民皆保険を崩壊させる危険性がある」として日本医師会などが反対してきたためだ。受診を控えるようになれば重症化を招くおそれもある。

ただ高額薬の相次ぐ登場で公的医療保険を巡る状況は変わりつつある。5月に白血病治療薬「キムリア」の公定価格が3349万円に決まった。乳幼児の難病治療薬「ゾルゲンスマ」は1億円を超える可能性があり、早ければ年内にも保険適用が承認される見通しだ。
医療保険財政の持続可能性を懸念する声が強まっている。これまで反対してきた日本医師会も「何が何でも(市販品類似薬を)保険適用という時代ではなくなっていく。財政との見合いで考えなければならない」(横倉義武会長)と理解を示す。
フランスは薬剤の種類に応じて自己負担割合を変えている。たとえば抗がん剤など代替のきかない高額医薬品の自己負担はゼロ。他の薬は有効性などに応じて自己負担割合が100%、85%、70%、35%と分かれている。重症患者ほど給付が手厚い制度といえる。
患者が保険薬局で受け取る薬剤費だけで5兆5千億円(16年度)にのぼり、医療費全体42兆1千億円の13%を占める。

(日経新聞)



この考えを一度導入されると今後拡大される可能性があります。果たして歯科界はどう考えるのか?問題提起の声すら歯科界から聞こえてきません。
by kura0412 | 2019-08-22 08:45 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

以前の記事

2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
政治・経済

画像一覧