当選した日医でも

「羽生田氏、参院当選をもってよしとせず」、横倉日医会長
医師会における医政活動の在り方を抜本的に見直す

日本医師会の横倉義武氏は7月24日の定例記者会見で、7月21日に投開票が行われた参議院議員選挙を受けて、自身が委員長を務める日本医師連盟の組織内候補である羽生田たかし氏について、「15万2807票を獲得して、何とか2期目の当選を果たした。全ての人に優しい医療介護を提供できる社会の実現に向けて、2期目もより一層活躍されることを期待している」と述べた一方、「当選をもってよしとせず、しっかりと分析をしていかなければならない。今後の医師会における医政活動の在り方を抜本的に見直していかなければならない」と気を引き締めた。

羽生田氏が、2013年の初当選よりも10万票近く票を落としたことについて、「やはり我々の気持ちの中にも、また会員の先生方にも、気の緩みもあり、厳しい状況であることを徹底することが大変だった」と振り返り、「参院選の投票率が、約6ポイント減少したことや、九州地方での大雨による影響もあった」など投票率自体の問題のほか、自民党比例で社会保障関係の候補者が10人立候補し、票が分散したことも、要因として挙げた。
羽生田氏の得票数は、15万2807票。日本看護連盟で現職の石田昌宏氏、日本薬剤師連盟で新人の本田顕子氏という、いずれも自民党比例で立候補した2人の得票数を下回った(『医師候補4人が当選、第25回参議院議員通常選挙を』、『日医連推薦の羽生田氏当選も、1期目から10万票近く減』を参照)。
「今後、発言力が弱まるのでないか」との質問には、横倉氏は、「発言力が弱まらないよう、頑張らなければいけない。やはり政治の中では、医療の代表は、医師会代表の候補者であるという認識だ」と回答し、次のように続けた。「石田氏については、日頃から日本看護協会と密に連携を取りながら取り組んでいるので、そう大きな課題ではない。本田氏が上に行ったことでどんな影響があるかだが、我々は調剤技術料が過大ではないか、調剤薬局の過剰な利益を社会保障費に還元しなければいけないと主張しているが、その点については薬剤師会とよく話し合いをしていきたい」。
さらに横倉氏は、「10月には消費税率が、10%に引き上げられる。これから年末にかけて、2020年度診療報酬改定に向けた議論とともに、来年の『骨太方針2020』に向けて、厳しい議論が行われることが予想される。日医は国民に必要な医療が過不足なく受けられるよう主張していく」と決意を新たにした。

医師会の組織力強化、地方議会議員との連携強化が課題
横倉氏は、自民党で当選した医師の古川俊治氏(埼玉選挙区)、武見敬三氏(東京選挙区)、尾辻秀久氏(鹿児島選挙区)のほか、野党では日本維新の会の梅村聡氏(比例)、共産党の小池晃氏(比例)の2人の医師を挙げ、「より良い社会保障の実現のため、手を携えて協力していきたい」とコメント。一方で、医師の小松裕氏(長野選挙区)については、横倉氏自身が何度も応援に足を運んだものの、落選したことを「大変残念」とした。
「選挙前の各種世論調査では、有権者が社会保障政策を最も重視していると報じられていた。自民党比例では、社会保障関係の候補者が10人で120万票を超える票を獲得している。国民の医療や介護に対する関心が極めて高いことが選挙結果にも表われている。しかし、今回の選挙では多数の社会保障関係者が、自民党比例から立候補したこともあり、その結果として社会保障に造詣の深い候補者が国政の場に声を届けられなくなったこともあり、残念に思う」

横倉氏はこう述べ、日医だけではなく、都道府県医師会等でも選挙結果を分析し、対応していく必要性を強調し、(1)日医の組織力をより一層強化していくため、これまで時代の要請に応じた若手医師の育成と環境整備に取り組んできたが、今後は日医の考え方を一方的に理解してもらうだけでなく、若手医師の意見も吸い上げていく方式に変えていく、(2)市町村や都道府県の議会議員にも、医療の問題点を共有してもらうことが大切であり、地方議会議員に医師会の考え方を理解してもらう取り組みを進めていく――の2つを挙げた。具体的には、医師会と医師連盟のさらなる連携強化、病院をはじめとした医療機関等の若い医師への積極的なアプローチ、地域医師会と地方議会議員の日常的な連携などに取り組んでいくとした。
ただし、組織力強化や若手医師対策は従来から主張してきたものであり、それでも羽生田氏の票が10万票近く減ったことについて、改めて問われると、横倉氏は次のように回答した。「具体的には、今から議論をしなければいけない。我々の医療政策は、次の世代がしっかりと医療ができるようにしていくことが重要だが、その辺の訴えが十分ではなかった。現在の状況を継続できるように、とばかり訴えてきた反省はある。今さまざまな改革が行われている中で、もっと次の世代が医療をやりやすいよう、変えていかなければならない。こうした主張をやるべきだったが、しなかったことが、票数を減らした原因かもしれない。また多くの候補者が出たので、そこに流れすぎたこともある。しっかりと食い止めることもしていかなければいけなかった」。

(m3.com)




職域代表が当選となった日医でも今回の選挙結果を深刻に受け止め、今後の政治活動を考えているようです。
by kura0412 | 2019-07-25 16:47 | 政治 | Comments(0)