衆参同日選の臆測も

首相、攻勢か守りか 市場・外交が左右
衆参同日選の臆測も

安倍晋三首相は7日、自民党本部で開いた仕事始めであいさつし、夏の参院選に向けた政権運営で結束を訴えた。2012年の第2次政権発足以来、政権は好調な経済と外交に支えられてきたが、最近は市場や国際情勢に変調の兆しが見え始めた。与野党には衆参同日選の臆測も出ている。

首相は今年と同じ亥(い)年だった12年前の第1次政権時の年頭の記者会見で「たじろがずに一直線に進んでいく覚悟だ」と発言したと言及し「当時は私もまだ若かった」と振り返った。
「イノシシは猪突(ちょとつ)猛進にみえて実はしなやかな動物だ」と指摘。「障害物があれば右に左にひらりひらりと、厳しいものにぶつかるときはUターンすると見せかけてまた別の道を探す」と語り、自身も政局次第で臨機応変に「しなやか」な判断をする考えをにじませた。
政権にとって最大のリスクになりかねないのは夏の参院選だ。第1次政権の時は夏の参院選で敗退後、首相は退陣した。7日のあいさつでも首相は「統一地方選があった後の参院選が厳しいのは事実だ」と強調し、党幹部を引き締めた。

政権の勢いを左右するのは市場の動向だ。これまで首相の経済政策「アベノミクス」を後押ししてきたのは円安・株高だった。
ところが昨年12月25日には米国の経済政策への不透明感を嫌気し、日経平均株価の終値が約1年3カ月ぶりに2万円を割り込んだ。いったん市場は落ち着きを取り戻したが混乱が続けば政権は揺らぎかねない。
強みの外交も盤石ではない。首相はトランプ米大統領との良好な関係を基盤に「戦後外交の総決算」を掲げてロシアとの平和条約交渉を進める構えだ。首相は6日に山口県長門市で父・晋太郎氏の墓参りをした際も「北方領土問題、平和条約の問題に終止符を打つために全力を尽くしていく」と誓った。
とはいえ交渉の行方はプーチン大統領の意向次第だ。首相自身が期待値を高めた結果、政権が抱えるリスクも大きくなった。
米国ではメキシコ国境の壁建設費用をめぐりトランプ氏と議会の対立が続く。日米同盟の強化を支持してきたマティス国防長官も辞任した。安倍外交の頼みの綱である米国も波乱要因になりかねない。
不透明感が広がるにつれ、与野党には衆参同日選の臆測が広がる。
首相が主導権を持つシナリオとしてささやかれるのが、平和条約交渉に一定の道筋をつけて衆院解散・同日選に踏み切ることだ。

一方、経済情勢の悪化を理由に10月に予定する消費税率10%への引き上げを延期して同日選を実施するケースも話題にあがる。アベノミクスが失速すれば参院選にはマイナスだが、消費税増税の延期理由にはなり得る。14年に増税を先送りして衆院を解散し、圧勝した記憶が与党にはある。
今回の参院選は大勝した13年参院選の獲得議席が基数になるため、議席を伸ばすことは難しい。首相にとってプラス材料がなければ楽観視できない選挙だ。
党内では「参院選の情勢が厳しいからこそ衆院選と同日選にして票の底上げを図るべきだ」との声も根強い。中選挙区制の下では1980、86年と戦後2回、衆参同日選があり、いずれも大勝したからだ。だが小選挙区制では前例はない。いまは連立与党・公明党の支援も不可欠で状況は異なる。
首相側近でも麻生太郎副総理・財務相は同日選論者だ。「トップになるとリスクに目が行きがちだ」と首相に伝え、同日選を促している。もし参院選で負けて、国会で改憲勢力3分の2以上の議席を得られなければ、政権の求心力は先細りしかねないとの認識からだ。
「政権の求心力を長く保つというのは大変なことだ」。首相は3日夜、東京・富ケ谷の私邸に麻生氏を招いて1時間30分ほど話し込んだ。最長で21年9月まで続く政権をどう運営していくかなどで意見交換し、こんな認識で一致したという。

(日経新聞)



半年後の経済情勢を示す株価の低落をみると、景気動向を理由として消費税引き上げ延期を旗印に衆議院解散による衆参同日選挙の可能性は大いにあると思います。そしてこれによって、2021年までの安倍政権堅持はほぼ確定されます。
この政治的スケジュールを考えながら、今後の歯科界は動く準備が必要です。
by kura0412 | 2019-01-10 14:24 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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