未来投資会議、歯科の一文も

シニア転職、環境整備 未来投資会議
首相、「70歳就業」へ具体化指示

政府は22日、未来投資会議(議長、安倍晋三首相)を開き、「人生100年時代」を踏まえた雇用制度の改革案を議論した。大企業の中途採用比率を開示するなどで中途市場の拡大を後押しし、1つの会社で勤め上げる日本の雇用慣行の見直しにつなげる。高齢になっても能力に応じた就業機会を得られるよう、仕事の内容で評価される賃金制度の浸透を目指す。

安倍首相は「70歳までの就業機会を確保する」と表明した。2019年夏までに改革の具体策を固め、厚生労働省の審議会で細部を詰めた上で「早急に法律案を提出する方向で検討する」と述べた。首相が掲げる全世代型社会保障への改革第1弾との位置づけになる。
日本は大企業で働く人を中心に、新卒で就職した企業で定年まで勤め上げることが多い。こうした慣行は中途採用市場を狭め、成長企業への人材移動が進まない要因にもなっている。
人生100年時代には産業の盛衰などに対応し、複数の企業を渡り歩く働き方を選択しやすくする必要があると政府はみている。
このため中途採用に取り組む企業を増やす。大企業に中途採用比率の情報公開を求める対応を検討するほか、中途採用に積極的な上場企業を集めた協議会を今年11月に設置。先進事例を全国に発信して終身雇用を変える機運を高める。
総務省の労働力調査によると、17年の転職者数は311万人と5年前に比べて約1割増えた。ただ年齢別にみると、40歳代半ばまでに比べ、高年齢層の転職が少ない。首相が打ち出した「70歳就業」を実現するにはシニア層を含めた中途市場の拡大が必要だ。
転職を拡大させるには「入社してから何年」という年功要素によらない、実力主義の評価・賃金制度を持つ企業を増やす必要がある。このため仕事の内容に応じて報酬を支払う制度の導入を企業に促す。
こうした評価制度は高齢者の働く意欲を高める効果も期待できる。今の65歳までの継続雇用制度では、60歳定年後の再雇用で給与が減額になる企業が多い。同じ仕事を続けているのに給与水準が下がると、働き続けるよりも引退を選ぶ人も少なくないとみられる。

一方、企業に一律で70歳までの雇用確保を義務付けることは、コスト負担の増加を嫌う経済界からの反発が強い。高齢になるほど健康状態の個人差も広がり、仕事の能力差も大きくなるためだ。
65歳までの継続雇用を企業に義務付ける今の高年齢者雇用安定法は、(1)定年の延長(2)定年制の廃止(3)嘱託などの再雇用――のいずれかの措置を企業に求めている。政府は65~70歳の就業確保について3つの措置に限定せず、企業側にもっと自由度がある選択肢を検討していく方針を示した。
内閣府の調査によると65~69歳の高齢者の約65%は「仕事をしたい」と感じているが、労働力調査によると、実際にこの年齢層で就業している人の割合は約44%にとどまる。改革によって希望する高齢者が意欲的に働くことができる環境づくりを目指す。
会議では「70歳就業」に伴う年金制度の対応策も議論した。政府は65歳となっている支給開始年齢は引き上げず、年金をもらい始める年齢を高齢者が自分で選択できる範囲を広げることを検討する方針を示した。

(日経新聞)



厚労省提出の会議資料の中に「歯科健診や保健指導の充実を図り、歯科医療機関への受診を促すなど、全身の健康にもつながる歯周病等の歯科疾患対策強化」の一文が記載されるなど、健康寿命の延伸が目標の一つとなっています。
さて、これをどうゆう政策をもって流れを導くか。
by kura0412 | 2018-10-23 09:33 | 歯科医療政策 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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