在宅医療

在宅医療 「終末期を自宅で」需要拡大

在宅医療に携わるのは医師だけではない。看護師や歯科医、薬剤師、介護職ら多くの職種が連携して取り組む。医師を支える立場の訪問看護師の役割は特に重要だ。在宅医療の拠点数が全国で最多の大阪府では、訪問看護師の体制が比較的整っており、医師が在宅医療に取り組みやすい環境になっている。
在宅療養支援病院と在宅療養支援診療所が拠点だが、通常の診療所が手掛ける例も少なくない。普及には24時間対応が壁となっており、若手医師への啓発活動を通じて担い手を増やしたり、「副主治医」制を採用して負担の軽減につなげたりする活動が進んできている。

(日経新聞)


在宅医療拠点 整備遅れ
4分の1の市町村「ゼロ」 入院費の抑制進まず

医療費の抑制に向け、政府が進める在宅医療の体制整備が遅れている。全国の4分の1にあたる452市町村で医師らを派遣する中核施設がなく、人口あたりの施設数は都道府県の間で最大4倍の格差がある。入院せずに自宅で過ごす在宅医療は患者のニーズも大きい。空白を埋めるには、一般の医療機関との連携といった運用面の対策を進める必要がある。

日本の医療は平均在院日数が約30日に達し、英国の7日や独仏の9~10日と大きな差がある。人口千人あたりのベッド数も米英の4倍を超え、医療費のうち4割近くは入院にかかる。政府は入院患者を在宅に移すことを医療費を抑える施策の一つに位置づけている。
在宅医療では、病気になって通院するのが難しい人が入院せずに自宅で医師の治療を受ける。政府は医師や看護師が24時間体制で往診や連絡をできる施設の整備を促しており、最新の資料で2016年3月末時点の状況を調べた。
在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所と呼ぶ在宅医療の中核を担う施設が1カ所もないのは452市町村。医師や看護師を確保するのが難しいためだ。特に移動に時間がかかる広い自治体は採算が取りにくい。北海道は6割にあたる108市町村が空白地で、東北でも整備の遅れが目立つ。
千葉県でも銚子市など14の市町村で施設が存在しない。都市部でも医師が高齢化している地域は多く、夜間に往診するだけのスタッフがいない。都道府県別に見ると、65歳以上の人口10万人あたりの施設数が最も多いのは大阪の82.5カ所。東北各県は福島県を除くと、大阪の3分の1から4分の1程度だ。
同じような症状の治療で医療費を比べると、在宅は入院の3分の1にとどまるとの調査もある。日本では人生の終末期を自宅などで送りたいという人が6割にのぼる。患者の生活の質(QOL)への観点でも、在宅医療のニーズは高い。
ただ、中核施設は設置の要件が多い。足元の状況を調べると、千葉県は18年6月時点で依然として14の自治体が空白。北海道も18年4月時点で105市町村が空白で、2年前からわずかに減ったにすぎない。

施設を急に増やすことは難しいが、政府も運用の改善に動き出している。
厚労省は18年度の診療報酬改定で、通常の診療所が他の医療機関と連携して24時間の往診・連絡体制を構築した場合、報酬を加算する仕組みを新設。在宅医療の担い手を広げる狙いがある。
ニッセイ基礎研究所の三原岳准主任研究員は「訪問看護師や地域の医師会などと連携し、既存の体制をうまく使う体制整備が必要になる」と指摘している。
政府は団塊の世代の全員が後期高齢者入りする25年に向けて入院医療の改革を進めている。在宅医療の推進や重症患者向けの病院ベッドの削減により、25年の病床数を足元から5万~6万床ほど減らし、約119万床まで抑制する計画だ。

一方で在宅医療や介護施設には30万人規模の需要が追加で発生する見込みだ。10万人あたりの施設数が全国で最も多い大阪府でも「訪問診療を実施する医療機関の増加が必要」としており、在宅医療の担い手は全国的に不足している。
政府の試算では社会保障給付費は40年度に190兆円と18年度より6割増える。このうち医療費は68.5兆円と、75%増える見通しになっている。

(日経新聞)



この種の政策は、もっと総合的に地域の特性を考えきめ細かい積み重ねが必要です。全国一律では上手くいきません。
by kura0412 | 2018-08-06 12:09 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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