特区を突破口に

ネット服薬指導 保険適用
厚労省、特区外へ法改正検討 医療費の抑制狙う

厚生労働省はスマートフォン(スマホ)などで薬剤師が薬の飲み方を指導するオンライン服薬指導について、公的医療保険を適用する。服薬指導の患者負担は費用の最大3割で済む。愛知県などの特区で解禁されたものを特区に限らず広く拡大することも検討する。患者の通院負担を軽減することで、重症化を防ぎ、医療費の抑制につなげる。

オンライン服薬指導を特区以外の地域でも実施できるように法改正を検討する。服薬指導では薬剤師が患者に対して薬の服用回数や服用量といった基本的な情報を伝える。副作用が出ていないかどうかや、他の薬との飲み合わせなども確認する。これらを対面ではなくスマホやパソコンなどを通じてするのがオンライン服薬指導だ。
法律上は服薬指導は対面での実施が義務づけられている。オンライン服薬指導は国家戦略特区でのみ実施が許されている。このほど愛知県、福岡市、兵庫県養父市の3区域で実施が認められ、オンライン服薬指導がスタートした。
生活習慣病などの慢性疾患では通院がおっくうになるなどして患者が治療を途中でやめてしまい、状態が悪化して医療費がかさむことがある。オンラインで済めば治療が続けやすく、現場の医療関係者から解禁を求める声が多かった。
処方箋を薬局に持ち込んで薬を受け取る際には薬剤料のほかに服薬指導などの費用もかかる。現状では指導に公的医療保険が適用されるかどうかが明らかになっていなかった。厚労省は利用者の負担軽減や在宅医療の推進などの観点から、オンライン服薬指導についても保険を適用する方針だ。18日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提案する。現状の対面での服薬指導の規定を援用する形になる見通しで、利用者の負担は費用の1~3割に抑えられる。
合わせて厚労省はオンライン服薬指導の特区以外での実施も検討する。既に医師がスマホなどで診察するオンライン診療は全国展開が始まっている。オンライン服薬指導が認められないと、患者は医師から処方された薬を薬局まで取りに行かねばならず、完全な在宅医療が実現できない。
そのため厚労省は、特区以外でオンライン服薬指導を実施する際の要件などの検討を始めた。早ければ来年の通常国会に提出を目指す医薬品医療機器法の改正案に盛り込む考えだ。
ただ、どの程度まで柔軟な利用が認められるかは見通せない。
オンライン服薬指導を受けるためには、医療機関へのアクセスが良くないといった要件がある。愛知県では「居住地から16キロメートル圏内に調剤薬局がない」ことを条件としている。利便性を高めるには、そうした規定が今後、どこまで緩和されるかが焦点になる。
オンライン服薬指導については特区での実施が認められたばかり。早急な解禁には慎重な意見も少なくない。そのため厚労省は特区での実施状況や関係団体の意見も踏まえながら検討を進める。

(日経新聞)



このように特区を突破口にして制度改革を狙う手法があるようです。歯科ではどんなことが挙げられるでしょうか。
by kura0412 | 2018-07-18 09:47 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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