歯科技工士だけでなく歯科界全体の問題です

歯科技工士、なり手不足
養成機関の入学者減、労働環境厳しく 厚労省は確保策議論

入れ歯や差し歯などを作る歯科技工士を育成する養成機関への入学者数が減っている。2017年度の入学者数はピーク時の約20年前から7割減った。背景には認知度の低さに加え、長時間労働など労働環境の問題を指摘する声もある。人材が不足すれば治療にも影響が出かねず、厚生労働省は業界団体を交えた検討会を立ち上げ、人材確保策を議論している。

歯科技工士は歯科医師の指示に基づいて、入れ歯や差し歯、かぶせ物などを作る国家資格。2~4年制の専門学校や大学など養成機関を卒業後に試験に合格する必要がある。就業者数は3万5千人前後で近年は推移しているが、高齢化が進んでいる。50歳以上の割合は04年は27%だったが、16年は48%まで拡大した。
一方で養成機関への入学者は減り続けている。全国歯科技工士教育協議会の調査では、1995年度に養成機関の入学者数は3199人だったが、2017年度は927人と3分の1以下に減った。養成機関の多くを占める専門学校も生徒減少などを理由に閉校が相次ぎ、00年度の72校から17年度は52校まで減った。
16年で3万4640人だった就業者数は10年後には6千人減少するとの試算もある。

厚労省は5月に有識者検討会を立ち上げ、人材確保策を議論し始めた。同省歯科保健課は「日本社会の高齢化で歯のかぶせ物や詰め物などの需要増加が見込まれる。人材が入らなければ、治療に影響が出かねない」と懸念する。
歯科技工士志望者の減少について、日本歯科技工士会(東京・新宿)の杉岡範明会長は「治療現場では歯科医や歯科衛生士は患者と直接接するが、技工士は接する機会がまずない。存在が知られていない」と認知度の低さを訴える。認知度向上に向け、同会は17年度から、製作に携わる技工士の名前を書き込んだポスターを診療所に貼る取り組みを始めた。
労働環境の厳しさを指摘する声もある。歯科技工士の7割以上が「技工所」と呼ぶ作業所で働くが、大半は1人の個人経営で、複数の診療所などから依頼を受けてかぶせ物などを製作するケースが多い。検討会では委員から「個人経営が中心のため長時間労働になり、診療所からの製作費用も抑えられがち」として待遇の改善を求める声が上がった。
有識者検討会は技工士に製作費用が適切に行き渡る仕組み作りや高校生などへのPRなど、人材確保策をとりまとめた報告書を年度内にもとりまとめる方針だ。

(日経新聞)



社会面に大きく掲載されていました。
この問題は歯科技工士の問題ではなく、歯科界全体が抱える大きな課題であることの認識がまず必要えす。
by kura0412 | 2018-06-21 09:01 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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