「社会保障、政策論争の芽」

社会保障、政策論争の芽 安倍1強に変化も

安倍晋三首相は12日の経済財政諮問会議で財政健全化計画の柱となる社会保障改革の議論に着手した。首相は高齢者や患者の負担増に慎重な姿勢を示すが、自民党内には医療、年金などで抜本改革を求める声があがる。学校法人「森友学園」などの問題を受け、自民党内で首相と違う意見が言いやすくなり、政策論争の芽が出てきた。「安倍1強」を誇った政策決定プロセスには変化の兆しが見えつつある。

首相は12日の諮問会議で「団塊世代が75歳に入り始める2022年度以降の構造変化を踏まえる必要がある」と述べ、関係閣僚に具体策の検討を指示した。
政府は6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で、膨張する社会保障費の抑制を柱とする財政健全化計画を決める。諮問会議の民間議員は12日、19~21年度の3年間で取り組むべき対策を示しており、これを土台に政府・与党案をとりまとめる。
民間議員が示した案は、既に16~18年度の改革工程表に掲げていた44項目を再掲する内容。糖尿病などの生活習慣病を予防して医療費の軽減を目指すとした半面、患者や高齢者の負担増は「重点項目」に位置付けなかった。19年10月に消費増税が予定されるなか、「経済への負荷をかけたくない」(民間議員)との配慮がある。政府関係者は「19年の参院選前には抜本改革には踏み込まないというのが官邸の意向だ」と解説する。

抜本改革に前向きなのが、小渕優子元経済産業相が委員長を務める自民党の「財政構造のあり方検討小委員会」だ。小委は年齢も30~50代を軸に若手議員が多い。小渕氏は中間報告した3月29日、「これから先、多くの負担や責任を担う世代だからこそ、いま自分たちが決める政策が大事だ」と強調。急激な膨張が見込まれる医療などで抜本改革を求めた。
具体策として、保険料を支払う現役世代の人口減少に応じて定期的に医療保険の給付率を下げ、患者負担の割合を高める新制度を提案した。年金に導入済みの「マクロ経済スライド」の医療版といえる仕組みで、高齢者や患者に大幅な負担増となる可能性がある。
小泉進次郎筆頭副幹事長も、年金の受給開始年齢をより柔軟に選べるようにする制度の導入を求めている。
当選回数を重ねたベテラン議員と比べ選挙基盤が脆弱な中堅・若手議員からこうした「痛み」を伴う施策を求める声があがるのは珍しい。安倍政権は12年の発足以来、税制、財政をはじめ官邸が政策の決定権を握っており、官邸にたてつくような発言は少なかった。
だが「ポスト安倍」を目指す議員は、足元の経済状況を優先する首相よりも、将来的な社会保障や財政問題を懸念する。政府の相次ぐ不祥事が官邸の求心力に影を落とすなか「以前よりも自由に意見が言いやすくなっている」(自民党中堅議員)との声が出ている。
「いかにして日本経済をサステナブル(持続可能)にするか。宴のあとになってはどうしようもない」。「ポスト安倍」候補の一人で、首相と距離を置く石破茂元幹事長は今月6日、都内の講演で強調した。社会保障改革は秋の総裁選の争点にもなりうる。

(日経新聞)



やはり国会での論争が盛り上がらなければいけないテーマはこちらの方です。
by kura0412 | 2018-04-13 10:02 | 政治 | Comments(0)