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日本の歯科界を診る(ブログ版)

在宅の患者を医師と薬剤師が一体になって管理しケアしていく

診療報酬増額の先に

群馬県高崎市のJR新町駅の近くにある「中央調剤薬局しんまち」は2017年末もいつもと同じように営業していた。扉を開けるとカウンターの向こうに白衣を着たスタッフが待ち受ける。全国各地によくある調剤薬局だ。薬を求める人々に交じって、顔なじみの薬剤師に菓子を差し入れるためだけにやって来た常連客の姿もあった。
店を案内してくれた亀井伸一氏はケイ・アイ・ティー(前橋市)の代表取締役。製薬会社の営業職の経験を生かして仲間2人と20年前、調剤薬局チェーンに乗り出した。社名は創業者3人の名前の頭文字からとったそうだ。病院から独立した経営体が調剤薬局を担う「医薬分業」の流れに乗って、北関東を中心に12店舗まで増やしてきた。
亀井氏は「医師と調剤薬局は二人三脚。とにかく医師との信頼関係が大事だ」と語る。診療所やクリニックの近くに立地し、そこで診察を済ませた患者の処方箋を受け付けるのが調剤薬局の経営の基本。ただ、特定の医療機関の患者に収益を依存しすぎると経営は安定しない。その辺りの案配が肝要なのだという。
ケイ・アイ・ティーにとって17年は転機の年だった。投資ファンドのユニゾン・キャピタル(東京・千代田)がつくった「地域ヘルスケア連携基盤」が第1号案件として9月にケイ・アイ・ティー買収を発表した。店舗の様子は今までと変わらなくても、12月にインターネットのホームページが完成するなど、経営の新しい取り組みも少しずつ形になってきた。

「在宅の患者を医師と薬剤師が一体になって管理しケアしていく」。
亀井氏はそんな地域医療の将来像を描いている。地域ヘルスケア連携基盤は薬局や介護・看護事業者、医療機関を横断的に買収し、それぞれ相互の連携を進める構想を掲げる。目指す方向が重なるからこそ、亀井氏は地域ヘルスケア連携基盤の傘下に入る決断をした。
地域ヘルスケア連携基盤は東京・渋谷にオフィスを構え、これから5~10年で300程度の店舗や事業者を傘下に収める計画だ。国沢勉社長は「日本の社会保障の担い手は規模の小さな事業者が多く、全体としての効率が悪くなっている」と指摘する。みずほ銀行や福岡銀行、三井不動産らの協力を得て、投資案件探しを本格化している。
医療サービスの公定価格である診療報酬の2年ぶりの改定は18年4月。厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)はネットを使った遠隔診療を認めるなど、在宅での医療サービスを後押しする改定を2月に打ち出すと予想されている。一方で、病院の門前薬局のような従来型の手法は単価が下がる見込みだ。薬局や医療機関から見たアメとムチが盛り込まれ、亀井氏と同じように経営のあり方を考え直すきっかけになるだろう。

霞が関のある幹部官僚は「社会保障に関して安倍晋三首相の発想は我々とは全く違う」と漏らしていた。医療費がさらに増える見通しにかかわらず医師の技術料など診療報酬本体を0.55%も増やすという政権の判断は、マイナス改定を訴えた経済界や関係省庁の常識からは外れている。だが、予想を超すプラス改定が次の改革へ医療界を引き寄せる一手だとすれば、見え方も変わってくる。
診療報酬の改定内容が2月にも固まるのに続いて、政府が6月にまとめる中期財政計画でも社会保障は主役になる。問われるのは民間の活力を取り込みながら給付の膨張を抑える知恵と工夫。診療報酬増額の先の展開に期待したい。

(日経新聞)




調剤は資本力は歯科よりもあり、また、経営的なセンスも十分です。本来ならば歯科が主導的な立場に入ることも可能のですが、一歩誤るとその輪の中化の外に追い払われる可能性もあります。せめて共同でこの流れの中に加わりたいものです。
by kura0412 | 2018-01-24 09:24 | 医療政策全般 | Comments(0)