日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『ローソン玉塚会長・厳罰で健診受診率100%に』

[ローソン玉塚会長]厳罰で健診受診率100%に
私の「カラダ資本論」

仕事においては、やはりカラダが資本。多忙な中でも最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、日ごろからの健康管理が欠かせない。一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、ローソンの玉塚元一会長CEOの最終回は、自らチーフ・ヘルス・オフィサー(CHO:最高健康責任者)として取り組む「健康経営」についてうかがいました。健診受診率100%を達成した秘訣とは?

ローソンは2013年に、コーポレートスローガンを「マチのほっとステーション」から「マチの健康ステーション」に変更しました。少子高齢化が進み、医療費をはじめ社会保障費の増大が国の深刻な課題となっており、私たち一人ひとりが健康へのアクションを起こして、医師や薬に依存しない生活を目指すことが大切と考えています。ローソンとしても、お客様の「未病」「予防」につながる事業展開を強化することで、マチの健康に貢献していきたいと考えています。
ローソンでは、医薬品取り扱い店舗を拡充し、低糖質のブランパン、グリーンスムージーといった健康志向の商品を展開しています。そうした取り組みのなかで、お客様の健康に対する意識やニーズが高まっていることを実感しています。かつて健康志向の商品は美容に関心の高い若い女性やシニアの利用が多かったのですが、現在は老若男女関係なく広がってきています。実際、4年ほど前には、健康に関する商品の構成比はごくわずかだったものの、今ではおよそ2500億円の売上規模となっています。
実は、東京にある本社には社員食堂がないのですが、ビル内にローソンの店舗があり、健康志向の商品が多いということもあって、そこでランチ用の食品を購入する社員も多いのです。

2018年までに高い目標値を設定
2015年10月にチーフ・ヘルス・オフィサー(CHO)に就任してからは、お客様の健康はもとより、ローソングループの社員や加盟店オーナーの健康増進、改善も重要なテーマと位置づけて、様々な取り組みを行っています。
2013年度に実施した、社員の健康診断の受診率100%を目指した取り組みもその一つです。仕事が忙しいことを理由に健診を受けなかった結果、体調を害してしまう社員を減らすことが目的で、ペナルティも科しました。健診を受けなかった社員に数回、受診を勧める通知をしても受けなかった場合は、本人の賞与を15%、直属の上司の賞与も10%減額するという厳しい措置です。その結果、受診率100%を達成しました。
ただ、受診率100%を実現したのは、厳しいペナルティを科したことよりも、経営トップ直下、人事本部内に設置した「社員健康チーム」や、健康保険組合、労働組合とも連携して、常に社員へメッセージを発信し、コミュニケーションを図ったことが大きかったと思います。管理職には、部下の健康を管理するのも上司の役目の一つと理解してもらいました。やはり、お客様の健康をサポートするローソングループとしては、社員一人ひとりの健康を維持することが重要であり、社員の健康は会社の業績にも直結すること。仕事で最高のパフォーマンスを発揮するためには、健康が欠かせないこと。元気で働くことが本人や家族の幸せにつながること。そうした背景や目的をしっかり伝えて、腹落ちしてもらうことが大切ですね。

また、コンビニという業態に特有の健康課題もあります。
社員の4割はスーパーバイザーといって、会社から貸与された車で店舗を回り、アドバイスを行っています。勤務は不規則ですし、加盟店オーナーに新商品を案内するための試食もする。そのため、必然的に歩いたり運動をしたりする機会が少なくなり、肥満や高血糖を指摘される人の割合が、一般企業よりも高くなっています。
そこで、ローソンでは2018年までに、肥満や血糖値などが正常でない人の割合を減らす目標を定めました。とくに肥満者(BMIが25以上)の割合は、2014年の実績で男性37.2%を2018年は27.7%に、女性18.6%を17.0%に減らす目標を掲げています。こうした目標達成に向けて、2015年6月からは「ローソンヘルスケアポイント」を導入しました。これは、健診結果から各自が取り組むべき健康目標を3つ設定し、90日間欠かさずに行動チェックをすることでポイントが付与され、目標を達成すればさらにポイントが加算されるというものです。獲得したポイントは「Ponta」の加盟店で利用できます。

スポーツで職場環境も向上
職場の活性化を目的としたスポーツ大会も実施しています。2009年から毎年続いていて、今年はソフトボール大会を開催。私が率いる「たまちゃんドリームチーム」が地区大会で見事優勝を果たしました。役員が主体の平均年齢が一番高いチームが勝ち上がっていったので、大いに盛り上がりましたよ。ただ、実は野球部出身の若手社員を助っ人に加え、戦力をアップしていたのですが(笑)。
そのほか、4人制で柔らかいボールを使う、ソフトバレーを毎週行っている支店(各地にある運営事務所)もあります。そうした職場では、ソフトバレーの日は定時で仕事を終わらせるために、効率良く仕事をするようになったと聞いています。職場での会話やコミュニケーションが増えて、業績の向上につながっている支店も多いようです。スポーツでのチームプレーが、職場のチームワークにも生かされる。スポーツは今後も積極的に採り入れていきたいと思っています。
最近は、ローソンの中でラグビー経験者20人ほどを集めて、タッチラグビーのチームを結成しました。やはり最後はラグビーになるのかな(笑)。2カ月に1度、1時間程度汗を流して、飲み会を開いています。タッチラグビーはタックルやスクラムのない、いわば簡易版ラグビーですが、これが意外ときついんですよ。ラグビー経験者とはいえ、練習を始めて15分もすると、吐きそうになっている部員もいます(笑)。結成からまだ日が浅いものの、タッチラグビーの協会にチーム登録もしたようなので、対戦などもしていけるといいですね。

今後もCHOとして、自身の健康、グループ社員や関係者の健康維持・増進に取り組むと同時に、健康志向商品の品揃えをより充実させていきたい。とはいっても、押し売り型の店舗にするつもりはありません。私自身も、健康志向の食事をすることもあれば、覚悟を決めるような日はガツンとしたラーメンを食べることもある。お客様の多様なニーズに応えるためには、ドカ弁もたばこもそろえます。そのなかでの選択肢として、健康志向商品の品揃えや開発は、他社に負けないように進めていきたい。そして、よりマチの健康に貢献できる企業であり続けたいと思っています。

【日経ビジネス】
by kura0412 | 2017-01-06 15:21 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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