日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『高額がん治療薬いきなり半額、薬価ルール崩壊の内幕』

高額がん治療薬いきなり半額、薬価ルール崩壊の内幕

さまざまながんで効果が期待されるものの高額な薬価でやり玉に挙げられていたがん治療薬「オプジーボ」の薬価引き下げ議論は、来年2月から50%引き下げることで決着した。ただ、これはルール外にルール外を上乗せした“対症療法”。画期的な薬が生まれるたびに高額薬剤問題は再燃する恐れがある。

「これじゃあ、まるで茶番じゃないか」。11月16日に開催された厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)。事務局である厚労省ががん新薬である「オプジーボ」の公的薬価を50%引き下げる根拠をとうとうと説明する中、傍聴席で製薬業界関係者はため息をつき、独りごちた。
オプジーボは治療対象となるがん患者の範囲が広がったことから、薬価の高さが問題視されるようになった。10月5日の中医協では「市場拡大再算定の特例」を準用する案が了承された。特例とは当初の予想よりも売れ過ぎた薬の価格を引き下げる制度を、巨額品目に拡大適用するもので、オプジーボは最大25%引き下げで決着がついたと多くの人が思っていた。一部の中医協委員が「私だけ勘違いしていたのか」と厚労省に面と向かって皮肉ったほどだ。
“勘違い”の原因は特例にあった。年間販売額1000億~1500億円で予想の1.5倍以上売れたケースでは最大25%、同1500億円超で1.3倍以上のケースでは最大50%引き下げるとしており、製造販売元である小野薬品工業の予想販売額は今年度1260億円で前者に該当するとみられていた。
ところが、10月6日の参院予算委員会で共産党の小池晃書記局長がさらなる引き下げを求め、他の議員や経済界からも注文が相次ぎ、官邸が動いた。これを受けた厚労省が「特例の50%引き下げ条件に適用させるために『結論ありき』で持ち出してきた」と業界関係者が訝るのが、11月16日の中医協で示された販売額推計計算式だ。
それによると、小野薬品公表の1260億円は「仕切価格(メーカーが医薬品卸に売る価格)」ベースで、流通経費、消費税などを勘案して国が定めた公定価格ベースでは1516億円になるという。
緊急的対応で実際の薬価調査をしていないため、これまでの平均値などから机上で導き出したもので、厚労省は「明確な根拠はないが『保守的に厳しく』見積もった」などと、苦しい説明に追われた。薬価改定は通常2年に1度であり、次回は2018年度。期中改定が最初の「ルール外」なら、計算式は「ルール外の上のルール外」だ。
計算式に対し、中医協委員からは「仮定の上に仮定を重ねており不安」「基礎額の微妙なずれで1500億円というボーダーを切る計算だ」など疑問の声が相次いだ。
厚労省が示した、小野薬品からの不服申し立て期限は11月22日。引き下げの告示は祝日を挟んだ2日後の24日で、「不服は出てこない」と言わんばかりの日程だ。ある製薬会社幹部は「株価に影響するので事前に小野薬品と折り合いがついていてもおかしくないが、それにしても強引」とあきれる。
以上が「茶番」の内幕だ。

開発後期多数でがん適用拡大必至
天文学的数字に?
10月5日の中医協から11月16日の中医協までの約1カ月半の間に何があったのか。関係者が指摘するのが、官邸と厚労省の折衝だ。
安倍晋三首相がさらなる引き下げに意欲を見せる一方、厚労省の本音は最大25%引き下げでとどめたかったとされる。それはなぜか。
大幅引き下げをした場合、まず小野薬品からの訴訟リスクの懸念があった。加えてうわさされるのが、「厚労省が財源カードを18年度まで残しておきたかったのでは」(アナリストなど)という線。
18年度は薬価を含め、診療報酬と介護報酬が同時改定される。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる25年に向けた重要な改定で、「このタイミングで薬価引き下げ分を財源として活用したいので、今はキープしておきたい」という思惑があったのではというのだ。
結局、来年2月1日から、オプジーボ点滴静注100ミリグラムの薬価は72万9849円から36万4925円に下がる。同じ100ミリグラムで「米国約30万円、英国約14万円、ドイツ約20万円」(塩崎恭久厚労相の参院予算委員会での答弁)であり、欧米と比べるとまだ高い。

オプジーボの開発状況は前途洋々。「対象患者が増えれば医療費は天文学的数字にならないか。他の高額薬剤との併用療法問題も近い将来必ず起きる。そうなってから慌てるのではなく準備を」という中川俊男日本医師会副会長の意見ももっともではある。
厚労省は18年度薬価改定に向け、今回のような緊急的な薬価見直しが起きないよう、ルールを見直す方針を示している。
中医協では「薬価制度全体を抜本的に見直すべき」(中川副会長)、「新薬から十分な収益がなければ次の新薬の開発が困難」(塩野義製薬の加茂谷佳明常務執行役員)と激しい意見の応酬があり、限られた医療財源をめぐり関係者間でつばぜり合いが始まっている。

【DIAMONDONLINE】
by kura0412 | 2016-11-28 14:30 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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