日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『高所得高齢者の負担増、医療費1000億円抑制 政府原案 』

高所得高齢者の負担増、医療費1000億円抑制 政府原案

財務・厚生労働両省は2017年度予算案で医療費の伸びを1000億円規模抑制する政府原案をまとめた。高齢化に伴う急激な医療費膨張に歯止めをかけ、社会保障費の自然増を抑える。高所得で経済力のある高齢者に一定の負担を求め、外来時の負担を増やしたり、初診料に追加負担が求められる病院を拡大したりする。高齢者の過度な優遇を見直す。
政府は16~18年度の社会保障費の自然増を1.5兆円に抑える目標を立てている。来年度は自然増分が6400億円程度とみており、5000億円程度に抑える方針だ。判明した政府原案では1000億円を医療費で、400億円を介護保険制度の改革で捻出する。与党の意見を踏まえ、12月上旬に具体案を固める。

政府は余力があるとみられる高齢者に一定の負担を求める考え。医療費抑制の柱は、高齢者の負担拡大だ。毎月の医療費負担の上限を定めた「高額療養費制度」と、75歳以上が加入する公的健康保険「後期高齢者医療制度」の保険料の軽減措置の見直しが軸になる。
高額療養費は、70歳以上を対象にした外来の負担を軽くする制度の一部を段階的に廃止する。現在は入院費より低く抑えている。月額負担の上限額をどう設定するか今後政府・与党で調整するが、完全に廃止すれば、年収370万円以上の現役並み所得者の負担は4.4万円から少なくとも8万円以上になる。一定の収入がある「一般所得者」だと1.2万円から5万7600円になる。
75歳以上の高齢者医療の保険料は「元被扶養者」とされる専業主婦らと、夫の年金収入が153万~211万円の人への軽減措置を段階的に廃止する。また高齢者らが長期入院する療養病床のうち、65歳以上の比較的症状の軽い入院患者には1日あたり370円の光熱水費を求める。現在の320円から引き上げる。

このほか、過剰な受診も減らし、紹介状なしで大病院を受診した際に初診料で5000円以上の追加料金をとる制度も拡大する方向だ。現在は病床500床以上の病院が対象だが、「200床以上」に引き下げると、少なくとも1200以上の病院が対象となる。
全国健康保険協会(協会けんぽ)に対する補助金も削減する。雇用環境の改善で財政は改善しており、数百億円を捻出できるとみられる。薬価では超高額の抗がん剤オプジーボの公定価格(薬価)を来年2月に半額にして、国費を180億円圧縮。一方でかかりつけ医以外の病院を受診した際に少額の負担を求める仕組みの導入は見送る。
与党との調整が円滑に進めば、来年度予算の社会保障費は過去最大の32兆円台となる見通しだ。歳出総額を押し上げる主因だ。安倍政権は自然増を抑える一方、介護・保育といった社会保障の充実にも予算を割く。ただ、介護士や保育士の待遇改善などに充てる財源は景気の改善を背景とした一時的なものにすぎず、消費増税などによる恒久財源の確保が必要だ。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-11-21 15:51 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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