『“過激”な委員が集結した「規制改革推進会議」』

“過激”な委員が集結した「規制改革推進会議」

構造改革を進めるうえでカギを握る会議
国の規制の具体的な見直しを議論する政府の「規制改革推進会議」が本格的に動き始めた。安倍官邸に設置された会議体は「経済財政諮問会議」「働き方改革実現会議」「未来投資会議」など乱立しているが、その中で最も“改革色”が強いのがこの会議。具体的な成果が見えないと批判されるアベノミクスの構造改革で、どれだけ実効性を上げられるかはこの会議にかかっていると言えそうだ。
いくつもの会議体がある中で、その時々で重要な役割を担う会議がある。小泉純一郎内閣から第1次安倍晋三内閣にかけては、「改革の司令塔」としての役割を担ったのは経済財政諮問会議だった。首相が議長を務め、民間人議員も加わった会議体をフル活用することで、首相のリーダーシップを発揮する場となった。毎年6月に「骨太の方針」を示すことで、改革を進めた。

経済財政諮問会議からは、大胆な改革案が出にくくなった
経済財政諮問会議が主導する改革は霞が関の各省庁の権限を抑え込むことになることから、官僚組織からは敵視されてきた。徐々に包囲網が作られ、大胆な改革プランがなかなか出しにくくなった。
第2次安倍内閣以降は、民間人議員の発言力が大きい「産業競争力会議」(議長・安倍首相)が設置され、改革の司令塔の役割を担ってきた。毎年6月に出される「成長戦略」を策定するのが主要な役割だが、そこに改革プランを盛り込むことで各省庁を動かした。
6月には「成長戦略」と、経済財政諮問会議が出す「骨太の方針」、規制改革推進会議の前身である規制改革会議がまとめた「規制改革実施計画」の3つが同時に閣議決定されるパターンが定着していた。
今年の夏はこうした官邸の会議が大きく模様替えされた。産業競争力会議は休止されて未来投資会議に衣替えされたほか、規制改革会議は規制改革推進会議として新装開店した。

医療、農業、雇用分野を「岩盤規制」だと名指し
安倍首相は「アベノミクスの一丁目一番地は規制改革だ」と繰り返し述べている。さらに医療、農業、雇用分野を「岩盤規制」だと名指しして、その改革を強調してきた。岩盤規制については「国家戦略特区」を使って穴を空ける試みが繰り返されてきたが、全国一律の規制改革はなかなか進んでいない。背景には従来の規制改革会議が非力だったからだ、という指摘もある。主要会議体の中で規制改革会議だけが首相が議長を務めていないことから、政治のリーダーシップを発揮しにくいという事情もあった。
そんな中、9月12日に初会合を開いた新生「規制改革推進会議」は改革派が名を連ねた。大田弘子・政策研究大学院大学教授を議長に、総勢14人の民間人で構成した。大田氏は第1次安倍内閣時代に民間人閣僚として入閣、経済財政担当相を務めた。当然、安倍首相の信任も厚い。従来、この手の会議は財界人がトップを務めてきたが、学者の大田氏を据えたのは安倍首相とのつながりを重視した結果とも言える。
ナンバー2の議長代理には金丸恭文・フューチャー会長兼社長を据えた。菅義偉官房長官とのパイプが太く、安倍首相にも信頼されている。金丸氏は前身の規制改革会議のメンバーで農業ワーキング・グループの座長を務めた。JA全中(全国農業協同組合中央会)の改革案を取りまとめるなど、強い農業の再生に向けた農協改革で手腕を発揮。足下では生乳の生産・流通に関する規制の改革に力を注いでいる。
金丸氏は自民党農林部会長の小泉進次郎・衆議院議員とも緊密に連携している。金丸氏のこうした人脈ネットワークの広さによって、難題だった農業改革に切り込むことを可能にした。

【磯山友幸・日経ビジネス】
by kura0412 | 2016-11-04 11:54 | 経済 | Comments(0)

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