日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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医科でも・・・

「高点数」=「悪」は時代遅れ
保険医の人権を守れ!指導・監査の実態は?【自由意見】

Q 集団的個別指導、個別指導、監査などについて、ご意見、ご経験があれば、お書きください。

【指導・監査全般について】
◆指導・監査に問題あり、見直しを
・業務上、某県内の全ての集団的個別指導、個別指導、監査に立ち会っている。監査に至った悪質な医療機関は必ずしも高点数ではない場合がしばしばあり、「高点数」=「悪」であるという図式の現在の考え方は時代遅れであると考える。20年以上前に定められ、実質的な内容に関してほとんど改善がない指導大綱等(「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」(平成7年12月22日保発第117号厚生省保険局長通知)の別添1「指導大綱」等)の改訂が急務である。
・行政指導であること、些細な勘違いでも、返戻だけでなく保険医資格停止処分が当然行われることが周知されていない。裁判官がいない公平性が担保されない判決が役人によりなされ、自殺者まで出ているが、多くの医者は、「自分は不正は行っていないから大丈夫」と訳の分からない信念を持っているので、事態の重要性を認識していない。
・明らかな悪質な場合を除き、多くは良心に基づいて保険診療しているおり、萎縮医療や医療崩壊になると思います。医療費削減目的であればお門違い。
・高圧的で、密室性が高く、選定にもバイアスがかなりあると思われる。立会いの医師会長等は、全く意味がなく、単なる情報収集にすぎない。自衛手段を講じる必要あり。
・個別指導や集団的個別指導について時間的な猶予がない。予約制にしているが、患者の予約をキャンセルしなければならない。医師不足の地域でそこまでやる必要があるのか。
・不正請求を行う医師は論外であるが、痛くもない腹を探られるような制度はどうかと思う。
・数年ごとに自殺者が出ている事実を見ると、やはりこれまでのやり方に問題があると言わざるを得ない。役所はしっかり反省して改善していくべき。
・悪質なクリニックにはメスを入れるべきだが、真っ当にやっているクリニックには辞めてほしい。萎縮医療につながる。
・現場の裁量を優先すべき。外野からの意見は意見とするだけにしてほしい。権力の介入はノー!
・実際に「その診療科」の専門家でない人が「専門性を持った指導」ができるだろうか?この疑問に誰か答えてほしい。しかし、「医師」も「いい加減な請求」や止めるよう、常々知識を補充すべきと思う。「医師会」も毅然とした対応を「厚生労働省」に対してしないのは、「すでに馴れ合い」になっているのではないか、と思う。
・全般に処分内容が重く「一罰百戒」の思想がある。
・まずは、整骨院の不正請求を片付けることを優先すべきだと考える。

◆指導・監査、透明性に欠く
・悪質なケースもありますので、全廃は無理と思いますが、指導の透明性(警察の尋問も問題があるように)が確保されるべきかと思います。
・これらの指導や監査の対象となった理由が明確に示されることなく通知が来るので、対応の仕方が分からない。
・行政処分の恣意性が問題。第三者のもとでの決定が必要。

◆本来の「不正」質す制度必要
・大切な、国民皆保険を維持していくための財源を残していくために、「金の亡者」への指導は徹底し、無駄な医療費削減を続けるべきと思います。
・集団的指導、個別指導、監査なども、よほど悪徳な医療機関を調査して行うべき。
・まじめに診療を行えば、保険点数が上がるのは当たり前。点数の縮小は、結局は萎縮医療にしかならない。厚生局は不正請求を見抜くための手段(手腕)を整えるべきでは。
・不適切診療の取り締まり方としては完全に不適切かと思います。

◆指導・監査は必要
・自身の診療体制、正当性を見直す意味で指導、監査を受けることは必要であると思う。
・開業してしまうと、他の医療機関が行っている診療行為が分からず、自分の診療所が行っている検査や治療が、他と比べ正しいのか、診療点数が高いのか低いのかを見比べることができなくなってしまう。そのことと指導や監査が適切な方法とは思わないが、別のやり方があっても良いのではないかと思う。
・医療においてもコストパフォーマンスは重要だと思うので、むやみに高額の診療を行っている医師に対する指導は、必要だと考える。
・指導にはそれなりの理由がある。屁理屈を言う前に自らの診療内容を省みる必要がある。
・本当に悪いと思える医療行為に対した個別指導がなされていないと思う。例えば、適応外の手術を患者に強要するような。

【集団的個別指導、個別指導について】
◆集団的個別指導に異議
・集団的個別指導に呼ばれた原因がはっきりしない。レセプトの高点数というが、何がいけないのかはっきりしないと点数を下げようがない。普通に必要と思うものを患者さんベストでしているつもりであるが……。何をどうすればよいのか具体的に教えてほしいものだ。レセプトも減点する理由をもっと細かく書いてほしい。適応外では分からない。
 何でこんなにレセプトに対して不透明なのか、以前知り合いが減点に対して烈火のごとく怒り、減点した医者の名前を公表するよう何回も何回も電話し求めたが、それは教えられないとの一点張りで結局教えてもらえなかったが、その後、その知り合いの医療機関は一切査定を受けることが無くなったと言っていた。個人でそこまでやる覚悟が持てない。でもやるときは医療機関を閉鎖する覚悟で、とことんやるしかないと思っている。
・集団的個別指導は診療区分をどこで区切るかなどの問題もあるが、少なくとも保険点数の多寡で選別をすることが公平であるかどうか疑問です。更新時の集団指導で事足りることだと思います。
・通常の診療時間内に一方的に呼び出され、休診にしてまで指導される。呼び出された原因の高点数についても院外処方医療機関と院内処方医療機関との比較など、どのように比較して呼ばれているのか情報の開示がなさすぎる。
・私は自身の診療所で、手術治療をメーンに患者を診療しているが、それゆえレセプト平均が高くなりいつも個別指導対象にされてしまう。
・ずさんな診療所も確かに存在するので指導は必要である。しかし、一律に高点数で指導をすれば、まじめに一生懸命やっている診療所の足を引っぱることになる。レベルの低い診療所への指導に徹底してほしい。
・単にレセ平均の高点数だけでなく、総支払い高点数、院外処方の割合と総数など、細分化した集団の中で判断すべき(自主返還しても平均点にはならない場合がある)。
・透析施設でかつ院内処方の私の勤め先は必ずひっかかってしまう。これってフェアーではないと思います。 ・精神科でデイケアを実施しているため、集団的個別指導をレセ単価で決めるので、必ず該当するので、その考慮が必要と感じる。
・集団的個別指導を受けたが、どうしても個別指導にならないように検査をしても申告しなかったり、良くないと思われます。CPAP患者さんが180人くらいいるので、対策として舌下免疫の患者さんを増やしてレセプト毎点数を減らすようにしています。
・「医師」としてより、「基本的人権侵害」として、「集団的個別指導」という「法的」位置のはっきりしないものを、「医師会」が訴えるくらいの気概になってほしいと思う。
・7-8年前、集団的個別指導の審査員に「私の態度が自信満々すぎる」と怒鳴られたが、事務長を同伴していたので辛うじて怒鳴り返すのを我慢できた。今でも思い出すとあの時なんで怒鳴り返さなかったのだろう、とムシャクシャする。

◆個別指導に異議
・重箱の隅をつついてくる。個別指導の日程が決まったら診療にならない。前日は職員は深夜まで、医師と家族は徹夜をした。その後、平均点数を超えないように検査を控えた。院内処方で高齢者が半数以上なので、どうしても平均以上になる。個別指導を受けた医院が院外処方に変更すると個別指導の対象でなくなったと聞く。
・個別指導の日程など、指導を受ける側への配慮が必要です。個別指導のため、休診せざるを得ないケースがあります。
・個別指導2回、集団的個別指導3回のベテランですが、理由は高点数のみ。高い薬を使用しているだけで(バイオ製剤が50人以上)呼ばれ、意味なく通院回数を増やしたり、どうみても余分な薬を処方しているのに低点数なので呼ばれない医師を見ると今の制度は不合理だと思う。
・千葉県ではレセプト高得点だけではなく、特定の疾患を専門とするクリニックを矢継ぎ早に個別指導対象にしている。これなどは職権の乱用だろう。文句を言えば仕返しされる。
・新規個別指導においても、指導とは名ばかりで即刻監査に移行している。まずは指導に徹底していただき、改善が見られない場合には監査もやむを得ないと考えます。
・来月指導です。在宅看取り専門なので、前回は「金のかかることは、するなの」一点張りで、医療指導は、ありませんでした。
・弁護士帯同しました。それでも7人の監査員に囲まれて怖かったです。
・最初から不正をしているという態度で臨まれ、非常に辛かったです。
・違法なことをやっていませんので、特に心配はしていなかった。少しの減点は授業料と思って、差し上げました。
・院外処方でもジェネリック不可にすると指導される。
・悪意を持った指導は問題。

◆監査に異議
・人格を認めていない対応であり、医師が医師を裁くという。そして監査医師は役人を見ながら、これ見よがしに、攻める。アウシュビッツである。これからこの監査医師は特権を振りかざす。

◆レセプト返戻に疑問
・明らかに保険診療では支障がある保険請求もありますが、「経済的観点」からの納得できない返戻も多々あり、根拠が曖昧で査定措置も不定期なのはとても問題と感じています。
・自主返還という言葉は不適切。強制返還と変えるべき。
・香川県では訪問診療の同意書がないだけで、全額返還となっている。実際行って診療しているので、ゼロにするのはいかがなものかと思う。
・そもそもレセプトの返戻についても、査定責任者を明確にすべきだと考える。

◆指導官の資質に疑問
・審査員の名前は全員告知するべきである。人気がある病院の感情的なレセプト減点があることは事実であり、まさにいじめである。
・審査医の未熟性がある。整形外科が小児科を審査したり、異常。改善を求める。どちらも主張し合うことが必要。
・医学に基づく指導ならともかく、臨床能力のない人には何の指導もできるはずがない。
・今は審査員のみが正道である点がおかしい。減点ありきで切り捨てがまかり通っている。改善を要望する。
・現場の医療が分からず、専門性の知識のない輩に指導されるいわれはない。
・指導する側も、何らかの評価を受けるべき。

【m3.com】
by kura0412 | 2016-09-12 15:10 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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