『長谷工、高齢者事業を開拓 認知症向けデイサービス買収 』

長谷工、高齢者事業を開拓 認知症向けデイサービス買収

長谷工コーポレーションは4月にも認知症を対象にしたデイサービスの運営事業者を買収する。有料老人ホームなどの高齢者住宅は2020年までに現在の3割増となる計50施設まで増やす。主力の国内マンション建設は今後、市場縮小が予想される。長谷工は拡大が見込まれる高齢者向け事業で幅広いサービスを用意し、新たな収益源として育成する。
高齢者向けデイサービスを展開する、ふるさと(川崎市)を買収する。同社は川崎、横浜市で約50施設持ち、重度の認知症の高齢者も受け入れるのが特徴。土・日曜日も営業するなど利便性が高い。買収額は20億~30億円とみられる。

長谷工は子会社を通じて三大都市圏で高齢者向け施設を37カ所運営する。有料老人ホームでは要介護者向け、健常者向けなど幅広い用途を用意している。デイサービス施設も運営しており、今回新たに認知症の高齢者を対象にした施設を加える。
20年までに都内や神奈川県、愛知県などで新たに高齢者向け施設を10カ所程度増やす。有料老人ホームが軸になる見通しで、まず来春にも神戸市で新設する。土地を所有する公益財団法人が地上11階建ての建物を建設。長谷工はこのうちの8フロアをホーム入居者の居室として利用する計画。約80室が入る見通しだ。
長谷工は高齢者施設事業で、土地の有効活用を求める所有者と組む。建設費は原則として所有者が負担し、完成後に長谷工がフロアを借りて高齢者施設を開設、運営する。
子会社で老人ホームを運営するセンチュリーライフ(東京・港)と生活科学運営(同)の売上高は合計で約100億円。長谷工は4月1日に高齢者向け事業を統括する中間持ち株会社、長谷工シニアホールディングス(HD、東京・港)を設立し、子会社2社を傘下に収める。同社が主導して高齢者事業の戦略立案などにあたる。25年までに長谷工シニアHDの売上高を200億円、経常利益を20億円とそれぞれ現在の約2倍に伸ばしたい考え。
長谷工が高齢者向け事業に力を入れるのは、主力のマンション建設事業は少子化などで先細りするとみられるからだ。
15年3月期の同社のマンション建設受注額は4243億円と前の期に比べ3割増となった。足元でも堅調に推移しているが、15年の首都圏の新築マンションの発売戸数は14年比9.9%減の4万449戸(不動産経済研究所調べ)と2年連続で減少した。今後は需要減に加え、マンション入居者の高齢化も予想される。そこで長谷工はマンション周辺部に老人ホームなどを開設する。

人口の高齢化を受け、有料老人ホームは定員、施設数ともに大きく伸びている。大手不動産開発会社では東急不動産が開発に力を入れている。首都圏を中心に10施設以上運営しており、15年3月期の同事業の売上高は64億円。東京建物も首都圏でサービス付き高齢者向け住宅の展開を強化している。
各社とも自社開発した分譲マンションの入居者らが定年退職した場合などを想定。新たに高齢者向けの住宅を建設し、転居を促すことによってグループ全体で顧客を囲い込んでいきたい考えだ。

【日経新聞】




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