日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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「問われる政治家の生き方」といわれても

甘利氏辞任・問われる政治家の生き方

週刊文春の記事を読んだとき、これは辞任まで発展するな、と感じた。「罠(わな)にはめられた」という見方もあったが、事実だけが持つ迫力のようなものは否定できない。永田町の世界は嫉妬が渦を巻いている。甘利氏の閣僚辞任で攻め手を欠く野党が「まだ辞めないでほしかった」と本音をもらしているのに対し、かえって自民党内部には「安倍側近で調子に乗りすぎたんだよ」とやや他人の不幸は蜜の味という空気があるのも事実だ。
それにしても、と思う。文春の記事を読む限り、あきらかに告発してやろうという意図が見える。あまりにも証拠になるような写真が多すぎるのだ。だとすれば、なぜ、大臣室や地元の事務所などで金品を手渡されたりするのだろうか。羊羹(ようかん)を渡され開けてみたら50万円が入っていたという時代劇の「越後屋、そちも悪よのう」レベルのことが、いまの時代にも存在しているとは。
「記憶がはっきりしていない部分がある」と甘利氏は当初語っていたが、おそらくそんなはずはなく、記憶は鮮明だっただろう。もし覚えていないとしたら、そのようなことがよくあるからか、それとも記憶喪失気味かどちらかだろう。

政治家は因果な職業だと、長い間夥(おびただ)しい数の政治家を見て来て思う。なぜか。まず、職業としてあまり尊敬の対象にならない。大勢の前での挨拶(あいさつ)を政治家に頼むのは、その肩書に対してお願いするのであって、人物識見に対してではない。次に「職業としての政治家」は経済的になかなか成り立ちにくいということである。国会議員の給料は月額129万4000円。このほかに期末手当が635万円、年収にするとおよそ2200万円ほどである。これに加えて通信交通費が月額100万円、これは無税でしかも領収書不要である。このほかに政党交付金として議員1人当たり年間4000万円ほどが政党に支払われる(共産党だけは受け取っていない)。政党によっては議員に一部支給しているところもある。
一般的な感覚でこれらの数字を見ると、国会議員はもらいすぎ、といいたくもなる。しかしながら、よく調べてみると、事務所で働いている秘書やスタッフの給料をどのように工面しているのかその台所具合がわかって来る。
国が給与を支払う公設秘書は3人まで。この3人だけですべてを運営している事務所はごくごくまれだ。与党なら選挙区も含めると10人はいる。中には総勢40人という事務所もある。大半が選挙区の陳情の処理など票集めにつながる仕事だ。10人スタッフがいると仮定して3人は国が払ってくれる。残りの7人は雇い主である国会議員が払わなければならない。
以前は公設秘書に夫人の名前を載せたり、あるいは支援してくれる企業から給料向こう持ちで社員を派遣してもらったり、運転手付きで車の提供を受けたりというケースもめずらしくなかったが、いまはそれらが政治資金と見なされるようになったので姿を消したようだ。
スタッフ1人を雇うには社会保険料などを含めて年間500万円はかかる。7人雇うと3500万円。これだけで議員の歳費を超えてしまう。だから、法律の範囲内で運営しようとすれば、かなり厳しいものになる。

どこの事務所も資金繰りで苦労している。国会議員も個人としての生活もあり、子どもの教育費もかかる。国会議員の朝食会に呼ばれて話をすることも多いが、最近はコンビニのおにぎりにお茶というのが定番だ。こうした実態とは別に、世の中の大半の人は「国会議員はうまい汁を吸っている」と思っている。尊敬されもせず、かつそのように思われている職業を次の世代を担う若者が目指すはずがない。だからなかなか職業政治家の質が向上せず、政治不信もなくなっていかないのだ。
いつも思う。西郷隆盛のあの言葉を。「命もいらず名もいらず、官位も金もいらぬ仕末に困る人」でなければ国家の大業は成り立たないというあの言葉を。政治不信を解消するのはそう難しいことではない。立派な生き方をしていると思う人に、有権者が頼み込んで政治家になってもらうことだ。そういう人はこの世にいくらでもいる。

【田勢康弘・愛しき日本】)



いくらでもいるはずなのに、そんな政治家が少ないのは何故なのでしょうか。
by kura0412 | 2016-02-02 09:00 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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