どのマスコミも説明しません

「小泉改革の医療崩壊再来」と危機感、横倉日医会長
“実調”踏まえマイナス改定をけん制、財政審に注文

日本医師会の横倉義武会長は11月5日の記者会見で、財務省の財政制度等審議会財政制度分科会における「診療報酬本体のマイナス改定」の議論について、「マイナス改定ならば、小泉改革時代の医療崩壊のような状況になってしまう」と危機感を示し、2016年度の診療報酬はプラス改定が必要と訴えた。

横倉会長は、11月4日に中央社会保険医療協議会で公表された「医療経済実態調査」で、病院の赤字幅が1.4ポイント増加し、診療所の院長給与も下がっていたことを指摘(『病院は1.4ポイント赤字増、診療所は黒字維持』を参照)。「病院、診療所のいずれも厳しい結果であることが示された。今回の医療経済実態調査の結果を鑑みれば、さらなるマイナス改定を行えば、地域医療の崩壊をもたらす」との見方を示し、財政審での議論にくぎを刺した。
医療経済実態調査で、診療所の調査結果の解釈については、損益率の下げ幅が小さく利益率は安定しているとの見方も出ていたが、横倉氏は「もっと上がってもいいと思っていた。消費増税分を初診料や再診料で引き上げているはず。それでも下がったというのは十分な(診療報酬による増税分の)手当てをしていなかったのではないか」と指摘し、院長給与の引き下げを「重く捉えるべき」と主張した。
財政審議会では、分科会長の吉川洋氏(東京大学大学院経済学研究科教授)の「財政が厳しい中、診療報酬を増やすのはとんでもない議論」という趣旨の発言があったが、横倉氏は、「大都市で医療が十分に提供されているところにいると分からないと思うが、そうでない所の人々の思いを理解した上で審議してほしい」と注文。薬価の引き下げは横倉氏もある程度妥当との見方を示しつつ、診療報酬本体の引き下げについては、「医療技術は進歩している。それに対応ししっかり手当てしないと国民が求める医療ができない」と強調した。

国家財政許す中でプラス改定を
横倉氏は、具体的に必要なプラス幅については、「大きなプラス改定で国家財政が破たんしても困るので、国家財政許す中で(プラス改定が必要)。大幅プラスの意味ではない」と説明。ただし、マイナス改定を行えば、「小泉改革時代の医療崩壊の再来」があると懸念を訴えた。
「小泉改革の再来」による一番の懸念は「地方の医療機関の問題」で、横倉氏は、「県庁所在地から1時間超える距離の所にある診療所の後継者が減ってきている。診療所が減っていると、住みにくくなり、地域の過疎化も進む」と指摘。また、医療従事者の比率が高い地方では、医療従事者の手当を増やせば、経済成長や地方創生の貢献にもつながると強調した。

調剤報酬の引き下げ論は慎重
診療報酬本体のうち、現行で医科1、歯科1.1、調剤0.3前後とする配分についての質問に対し、横倉氏は「長年の慣習で大幅に崩すのは医療界全体の問題になる」と慎重な考えを示した一方で、「今年は(薬歴未記載の問題など)色々な報道があった。別の形にしたいという思いもある」と、調剤報酬の在り方については今後の議論が必要との認識を示した。
財政審で「調剤報酬を半分にする」との発言があったことについては、「的確な技術が発揮できるような状況のためには必要な技術料を付けないといけない。一律に半分に下げるのはいかがなものか」(横倉会長)と否定的な見方を示した。

【m3.com】



法人にしていない診療所の収支差額そのものが院長の収入であることを、どのマスコミも説明していません。
その割合が大多数の歯科は特に影響があります。
by kura0412 | 2015-11-07 09:07 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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