嚥下障害で薬が飲みずらい

ヒヤリハット事例
散剤より液剤の方が飲みづらいと訴えた患者

1.処方の具体的内容は?

2.何が起こりましたか?
オキノーム散5mg(一般名オキシコドン塩酸塩水和物)からオプソ内服液5mg(モルヒネ塩酸塩)に処方が変更された患者から、液剤は飲み込めないとの訴えがあった。

3.どのような過程で起こりましたか?
処方箋の内容から、この患者には癌性疼痛があると考えられる。今回から、突出痛に用いるレスキュー薬がオキノーム散5mg(オキシコドン塩酸塩水和物)からオプソ内服液5mgに変更されていた。オプソ内服液について、薬剤師が患者に、「散剤から液剤に変わったので飲みやすくなりましたよ」と説明したところ、「水剤は飲めない、効き目もない、医師にも話したはずなのに!」と怒った様子で話した。患者は、数カ月前にもオプソ内服液を服用したことがあり、その時にあまり効果が得られないと感じたようだった。
さらに話を聞くと、「いつも薬は服薬補助ゼリーを使って服用している。滑りが良くないと飲み込めない。また、水剤は飲み込むのが大変ですぐに服用できない」とのことだった。患者は、普段からいらいらしている様子であまり話したがらないため、これ以上は聴取できなかった。
医師に疑義照会を行い、患者の訴えを伝え、嚥下しやすい医薬品に変更できないか相談したところ、これまでと同様のオキノーム散5mgに処方変更となった。

4.なぜ起こったのでしょうか?
薬剤師は、患者の嚥下機能の状態などを考慮せずに薬剤切り替えの説明をしてしまった。また、散剤から水剤への切り替えによって、薬が飲みやすくなるという思い込みがあった。
医師も剤形変更が患者の服薬の利便性を左右することを考慮していなかったと考えられる。患者にとって液剤は服薬しづらいことが医師に伝わっていなかった可能性が考えられる。

5.二度と起こさないために、今後どう対応しますか?
今回の事例のように、突出痛へのレスキュー・ドーズに用いる製剤では、とりわけ、速やかに服用できる製剤を選択することが重要である。1回服用量の個包装となっているオプソ内服液は服用しやすい包装形態であると考えられるが、嚥下障害の患者では、液剤の剤形が服用しづらいと感じるケースがあることを認識しておく。
現時点では、突出痛へのレスキュー・ドーズに用いる製剤に、嚥下しやすいようにとろみが付いた剤形やゼリー状の剤形はない。オプソ内服液の製造販売元によると、服薬補助ゼリーやとろみ剤の使用の可否については、問い合わせはあるものの、安定性などを検討したデータはない。現場では実際に使用して、効果が得られるかを判断した上で使用されることがあるという。

薬剤師は患者の嚥下機能を確認し、服薬しにくい医薬品はないか常に気を配る。薬の変更時には、とりわけ注意が必要である。患者が薬が飲みづらくて苦労している場合は、調剤上の工夫や他剤形の提案などを通じて、患者の服薬をサポートするようにしたい。

【DI online】




嚥下障害でこの薬が飲み込めないという問題があります。この点だけでも、摂食嚥下障害への積極的な対応が必要と考えます。
しかし薬剤師はこの嚥下機能の確認をどうやって実施るのでしょうか。
by kura0412 | 2015-10-01 15:24 | 嚥下摂食 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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