日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『厚労族の頭越しに医療政策を決める首相官邸』

厚労族の頭越しに医療政策を決める首相官邸

人事権を握られた官僚たちも意向に逆らえず
「今回の政府予算案の編成作業は、例年とは明らかに異なるものであった」。自民党の厚労族中堅議員が戸惑ったような表情で、こう振り返った。
「長年、予算に関しては、厚生労働省と自民党の厚労幹部とで入念に意見の擦り合わせをしながらまとめるのが常だった。しかし、今回はそうした手続きがおろそかにされた」と言うのである。
自民党厚労族のベテランが1月7日の自民党の会議におけるエピソードを明かした。「厚労省が医療保険制度改革の骨子案を持ってきた。しかし、その中身といえば国保(国民健康保険)への公費投入額などについて金額が入っていない。ところが、厚労省幹部は『金額は明記していませんが、実際には決まっております』と説明する。これまでならば、厚労省は我々と共闘して財務省を相手にしたものだが、こちらの意見など聞く気がないということなのだろう」との批判だ。

厚労省と自民党の関係は「官高党低」
「予算だけでなく制度改正の扱いでも、党側の意見が反映されにくくなった」と語るのは、別の厚労族議員だ。
「厚労省が持ってきた医療保険制度改革の骨子案には、協会けんぽの国庫補助率や入院時食事療養費といった項目について大きく『調整中』と書かれていた。いずれも自民党内で異論の強かったところである。そうしたら、厚労省は平然と『実際には決着済みです』と言い放つではないか。これには、こちらも『どういうことか』と怒りを覚えたが、厚労省からはっきりとした答えはなかった」と続ける。
「厚労省と財務省が結託しているというより、首相官邸の鶴の一声があったのだろう。それにしても、党の頭越しに決められていくという今のやり方はいかがなものか」と憤慨しているのだ。
こうした自民党議員たちのいら立ちに、厚労省中堅幹部は困惑気味だ。「昨年11月に我々が出そうとした医療保険制度改革案は、後期高齢者医療制度の保険料軽減の特例措置廃止をめぐって自民党の強い反発に遭い、提出断念に追い込まれた。今回、自民党との間でもめそうなところを『調整中』としたのは、二の舞を避けるためだった」との釈明である。
一方で、別の厚労省幹部は「改革案に全てを書き込み、与党に了承を求めてもうまくいかなかっただろう。『調整中』としておけば、自民党の先生たちも『我々は認めたわけではない。政府に強引に決められてしまった』と言い訳ができるだろう。今回の予算編成は昨年末の衆院選によって時間的余裕がなかった。お互いが傷つかず、スムーズにまとめ上げるための知恵だ」とそっぽを向いた。明らかな「官高党低」である。

なぜ、こうも政治力学が変わってしまったのか。
その理由について、厚労省幹部は「医療保険改革についても、介護報酬改定についても首相官邸の偉い人から突如として強い指示が下りてくる」と明かした。
「首相官邸から指示があれば、厚労省の役人としては従わざるを得ない。安倍(晋三)政権の誕生以降、官邸のパワーが相対的に強まり、自民党の影響力が弱まったと感じていたが、いよいよ自民党の偉い先生方にお伺いを立てて決めるというやり方では通用しなくなったということだ」と言うのだ。
事情に詳しい永田町関係者の指摘はさらに明快だ。「首相官邸の力が強まったのは、多くのメディアが書いたように衆議院選に大勝したことが大きいが、理由はそれだけではない。むしろ、要因は内閣人事局だ。今回は内閣人事局が発足して初となる予算編成だ。人事権を首相や官房長官に完全に握られた官僚たちが、意向に逆らえるわけがない」との分析である。
これについて、厚労省OBが「どこの省庁にも官邸から次々と指示が飛んでいると聞く。現役の官僚諸君は、実質的に霞が関全体の人事権を握った菅(義偉)官房長官を極度に恐れている」と解説を加える。
ある経済官庁の幹部が重い口を開いた。
「みんな、『余計なことを言って菅長官の耳にでも入ったら大変』と思っている。真相を直接確かめたわけではないが、昨年、政府方針に異論を唱えた某省の局長が、菅長官から『辞めてもらっても構わない』とすごまれたとうわさが流れた。『物言えば唇寒し』だ」

菅官房長官の威光かさにする財務省
冒頭の自民党の厚労族中堅議員は心当たりがあるようだ。
「最近、厚労省の局長たちは守りに入った発言を繰り返すことが多くなった。自ら社会保障費の抑制を言いだす始末だ。自分の出世のためというより、首筋が寒く感じているのだろう。官僚が出過ぎたことをするのは論外だが、だからといって何も言えないような雰囲気も良いものではない」と語った。
安倍官邸に権力が集中している状況について、前出の政界関係者は「これこそ財務省の思うつぼだ」と指摘する。「菅長官も、圧倒的な情報収集能力を誇るスーパー官庁の財務省だけは特別扱いのようだ。財務省にとって社会保障費の抑制は最大の懸案である。菅氏の威光をうまく使いながら、自分たちの査定シナリオを厚労省に押し付けていこうということだろう。しかし、その財務省ですら、統一地方選向けのバラマキ予算を確保するよう官邸から無理難題を押し付けられて弱ったと聞く」とも付け加えた。
しかし、安倍政権と距離を置く自民党議員たちは「これだけ選挙に大勝した政権に、正面を切って文句を言うやつなどいない」と腰砕けの様子である。「外遊に夢中の安倍首相は留守がちだ。まるで『菅内閣』である」(閣僚経験者)と皮肉を言うのが精いっぱいだ。
とはいえ、自民党内には「菅さんは国家戦略特区における医学部新設などにも意欲的に取り組んでいるようだが、強引さが目に余るようならば、我々としても黙ってはいられない」(厚労族議員)といった不満も渦巻いている。「内閣人事局をつくる時『政治主導をはき違えることがあってはならない』との懸念があったが、議席を多く取ったときほど、政権は謙虚であるべきだ。いつまでも自分たちのペースで政権運営ができると思ったら大間違いである」(中堅議員)といった批判も聞こえる。

安倍首相は1月5日の年頭会見で「今年は、あらゆる改革を大きく前進させる一年にしたい」と意気込みを示したが、多くの族議員が警戒感を持って安倍内閣の政権運営を見詰めている。
〝仕事師〟として鳴らしてきた菅長官がその政治手腕にますます磨きをかけるのか、族議員や官僚の巻き返しはあるのか。しばらく、水面下での駆け引きが続きそうだ。

【集中】



もし、族議員の動く範囲が狭まれた場合、果たしてどんなアプローチが必要で、そのパイプの有無は歯科界にあるのかにのか。
by kura0412 | 2015-03-02 12:16 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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