医科サイドから考える「口腔ケアと嚥下リハビリ」

口腔ケアと嚥下リハビリ

二木 若林先生は、誤嚥性肺炎の患者さんを往診で診られていますか? 療養型施設でも診られているのでしょうか?
若林 緊急時の往診はしています。施設については、私自身が嘱託医となっているところはありませんが、当院がもともとかかりつけだった方で、施設に入られた方から希望があれば、こちらから施設へ行って診ています。
二木 繰り返す誤嚥性肺炎の患者さんを診るときに、どのような点に留意されていますか?
若林 私はもともと神経内科医なのですが、誤嚥性肺炎については、呼吸器感染症という点に加えて神経内科的な立場でも診ています。一時的に肺炎を治療しても意味がありませんので、嚥下機能の評価・訓練を必ずセットでやるべきだと考えています。誤嚥性肺炎かそうでないかの診断はつきにくいのですが、咽頭反射が弱くなっている患者さんはおそらく誤嚥が関与しているだろうと診断しています。さしあたり外来でできる治療をするとともに食事指導をし、それでも誤嚥を起こす場合は一度入院していただき、嚥下機能訓練が必要だと思います。
二木 大学病院でも口腔ケア、嚥下のリハビリなどにも取り組まれていますか?
礒部 週1回の回診時にはリハビリ専門(リハビリテーション部:理学療法士)の方にも一緒に来てもらい、一緒にラウンドをすることで情況を把握しながら、なるべく早期退院できるようにしています。リハビリに関しても、専門の方々とお互いに勉強することを大切にしています。また、大学はなるべく早く次のステップにつなげることが非常に重要ですので、次に受けていただける施設とうまく連携ができるように取り組んでいます。現在、連携病院が3施設ほどあり、チームをつくっています。それらの施設には呼吸器内科医がいないため、大学病院の呼吸器内科医が定期的に行き連携しています。メディカルソーシャルワーカーの方にも協力していただき、早期転院退院ができるよう取り組んでいます。
二木 昭和大学はリハビリ専門の病院があるくらい、リハビリにも力を入れています。歯学部もありますから、歯科、リハビリ科、そして耳鼻咽喉科、内科の先生がチームを組んで、比較的早いタイミングで嚥下訓練をするようにしています。
礒部 それはすばらしいですね。島根大学でも、将来的には日本呼吸ケア・リハビリテーション学会などの専門学会にみんなで入って、そのような体制にもっていきたいです。

◇二木 芳人 先生
昭和大学医学部 内科学講座 臨床感染症学部門 教授
◇礒部 威 先生
島根大学医学部 内科学講座 呼吸器・臨床腫瘍学 教授
◇若林 規良 先生 
島根県堀江内科呼吸器科医院院長

【アステラス メディカルネット】



歯学部があって積極に取り組んでいる大学か、連携できる地域の開業医がいなければ、この分野も医科単独で進められるかもしれません。
by kura0412 | 2015-02-18 14:22 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラーを片手に歯科医師の本音

回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。

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